バルブクリアランス調整
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
前回のブリーザー洗浄の際にヘッドカバーを外したので、せっかくだからバルブクリアランスも見ておきました。いわゆるタペット調整というやつです。
2
サービスマニュアルによると、まずクランクシャフトを回して1番シリンダーの圧縮上死点を出せとの事なので、車体の下に入り、ラジエーターの下のプラスチックのカバーを外して、クランクプーリーの真ん中のナットに17mmのソケットをかけて回します。
ちなみに、1番シリンダーというのは、車の一番前にあるシリンダーの事です。
クランクシャフトを回している時、上から「ブビッ!ブベベ!」と下品な音が聞こえてきました。
子供なら「オナラだー!キャッ!キャッ!」と喜びそうな音です。
僕も「キャッ!キャッ!」と喜びながらクランクシャフトを回していたのですが、ある時「ポンッ!」という音が鳴って、それっきり下品な音が聞こえなくなりました。
何が起こったのだろうと、立ち上がって見てみると、スロットルに被せてあった異物混入防止用のラップが外れて落ちていました。
これがどういう事かというと、僕がクランクシャフトを回した方向が偶然たまたま本来の回転方向と逆だったため、本来なら空気が吸気バルブから吸い込まれて排気バルブから出てくる所を、逆に排気バルブから吸い込まれて吸気バルブから出てきたのです。
下品な音はその空気がラップの隙間から漏れる音で、「ポンッ!」という音は、勢いよく噴出した空気によって輪ゴムで固定していたラップが外れた音でした。
そこまで理解した所で、僕は自分が命拾いした事を知り、青ざめました。
なぜなら、もし僕がクランクシャフトを本来の回転方向に回していたとしたら、スロットルに被せてあったラップはスロットルの中に吸い込まれてたかもしれないのです。
スロットルバルブの所で止まってくれるかもしれませんが、もしかしたらエアバルブの通路やアイドルスクリューの通路に吸い込まれて取れなくなってしまっていたかもしれません。それはとても恐ろしい事です。
もしまたこの作業をする機会があったなら、必ずスロットルに被せたり詰め込んだりしている物は取り除いてからクランクシャフトを回そうと心に誓いました。
3
気を取り直して作業を続けます。
1番シリンダーの圧縮上死点というのは、デスビのローターが1番シリンダーの点火位置にある状態だそうです。
ちょうどこの画像の状態が1番シリンダーの圧縮上死点です。
この状態だと、1番の吸気・排気バルブ
2番の吸気バルブ
3番の排気バルブ
の、クリアランスを測定できるそうです。
カムシャフトを見てみると、確かにそれらのバルブの位置のカム山が真下に向いています。
つまり、バルブが全力で閉まっている状態です。
残りの2番排気側と3番吸気側は、1番の排気上死点で測定できるそうです。
ちなみに、サービスマニュアルには「排気上死点は圧縮上死点から1回転回した所」と書かれているのですが、「1回転したら同じ位置になるんじゃね?」と疑いつつも1回転させてみたら、やっぱりカムの位置は同じ位置になりました。おのれ!
カムの位置を見ながら少しづつ回してみたところ、1番の圧縮上死点から180度回した所が排気上死点のようでした。JA11のサービスマニュアルは誤植が多いらしいので、これも誤植なのでしょうね。
4
シックネスゲージでバルブとロッカーアームの隙間を測定します。
冷間時の規定値は
吸気側は0.15mm
排気側は0.17mm
です。
ゲージを動かした時にかすかに抵抗を感じるくらいなら、ちょうどゲージどおりの値になっているそうです。
5
吸気側は全て規定値通りでした。
排気側の測定値は0.18mmだったので、少し狭めてやる必要がありました。
メガネレンチでロックナットを緩め、マイナスドライバーで真ん中のねじを回して調整します。
これがかなり繊細で、30度も回すと狭くなりすぎてゲージが全く入らなくなります。少しづつ少しづ~つ回して調整しました。
6
良い感じになったらロックナットを締めつけて固定します。
ロックナットの締め付けトルクは150~190kg・cmです。
念のため、ロックナットを締めた後でもう一度測定しておきました。
で、調整した効果なのですが、元々タペット音がうるさかったりした訳ではないので、特に何も体感できませんでした。
でもまぁ、これでしばらくタペットを気にする必要は無いという安心感が得られただけでも良かったと思います。
やったね!
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