年明けから大きな大会の事務局業務に忙殺され、みんカラブログの方もかなり手抜きになっていましたが、大会の方も先月無事成功裏に終了し、やっと心の平安を取り戻したRosso Alfaです。
またぼちぼち
「ミニカーで辿るレーシングアルファの歴史」シリーズも再開したいと思っておりますが、新シリーズとして
「ドライバーフィギュアの世界」をお送りしようと思います。
何度も書いたように、私の1/43ミニカーコレクションは、その時代のサーキットの雰囲気を再現するため、レーシングカーだけでなくその時代に裏方役として活躍したトランスポーターやサポートカーも一緒にコレクションしているのが特徴ですが、1/18等の大スケールになるとトランスポーターやサポートカーはほとんど発売されていないし、有っても巨大なものになってしまい現実的ではありません。
そこで、ミニカーの傍で花を添える役として、ドライバーのフィギュアもぼちぼち集めてきました。
気が付くと結構な数になっているので、これから何回かに分けてご紹介したいと思います。
先ずは第1弾として、Racing Dioramics社の作品2体とEndurance社 の作品3体をご紹介します。
Racing Dioramicsは米国のミニカー工房で、顧客の注文に応じてキットを製作したりジオラマ仕立ての作品を製作したりしている所のようです。
1/18のドライバーフィギュアもDan Gurney、Bruce McLaren、Ken Miles、Mark Donohue、Mario Andretti、の5体が発売されていますが、いずれもごく少量の生産ですし、私が購入した10年くらい前にはすでに前3者は絶版になっていました。
① Mark Donohue (1937~1975)
マーク・ダナヒューは、60年代から70年代初めにかけて活躍した代表的アメリカ人ドライバーの一人です。
彼は非常に守備範囲が広く、ストックカー、スポーツカー、インディーカー、フォーミュラカー(F1)のあらゆる分野で活躍し、USRRCチャンピオン2回、Trans-Amチャンピオン3回、Can-Amチャンピオン1回、デイトナ24時間レース優勝、インディー500優勝、等々の輝かしい戦歴を残しています。
惜しくも1975年のF1オーストリアGPのプラクティス中に事故死しましたが、今でも人気の高い偉大なドライバーです。
彼のレース歴のハイライトの一つは、Penske Sunoco CamaroによるTrans-Amレースでの大活躍でしょう。1967年は3勝してシリーズ2位でしたが、1968年は13戦10勝の圧倒的強さでチャンピオンになり、翌1969年も6勝して連覇を果たしました。また、1971年にもAMC Javelinで三度目のTrans-Amチャンピオンになっています。
これは1969年のマシンです・
Sunoco McLaren M16B Offiyで1972 のIndy 500にも優勝しました。
彼はヨーロッパのレースでも活躍しました。
Ferrari 512Mで、1971年のDytona24時間に3位入賞。
Racing Dioramicsのフィギュアは本人の特徴を上手くとらえた良い出来です。
レーシングスーツのスポンサーロゴから判断するに、多分Porsche 917/30を駆って8戦6勝という圧倒的強さでチャンピオンを獲得した1973年のCam-Amシリーズの姿を再現している物と思われます。
米国EXOTO社製のPorsche 917/30と並べてみました。
独CMC社と並ぶ超精密1/18ミニカーの雄EXOTOだけあって、内部構造も量産ミニカーとは思えないすさまじい再現度です。
② Mario Andretti (1940~ )
マリオ・アンドレッティというと、我々日本人には最強のウイングカーLotus79を駆って年間6勝を挙げ、1978年のF1チャンプを獲得したイメージが強烈ですが、Indy 500、ストックカーレース(NASCAR)のDytona 500とF1チャンプをすべて制覇した唯一のドライバーであり、スポーツカーレースにおいてもセブリング12時間レースで3勝、デイトナ24時間レースで1勝等々、オールラウンドに活躍したドライバーです。
1982年をもってF1から引退後も、アメリカにもどって1994年までインディーカーレース(CART)にレギュラー参戦し、1984年には4回目となるCARTのタイトルを獲得。その後も2000年までル・マン24時間レースに参戦と、長きにわたってアメリカとヨーロッパの大レースで輝かしい成績を残した、アメリカを代表する偉大なレーシングドライバーです。
1968年のSebring 24時間で優勝を飾ったマリオのFord Mk. IV
1976年の日本GP(Fuji SW)で、豪雨の中ロータスに5年ぶりの優勝をもたらした、マリオのLotus 77
1978年シーズンを席巻したマリオのLotus 79
Racing Dioramicsのこのフィギュアも、なかなか良い出来です。
F1時代ではなく、もう少し前のスポーツカーレースでの姿を再現したものと思われます。
EXOTO社製の1968年のSebring 24時間優勝車Ford Mk. IVと並べてみました。
次のDTMドライバートリオは、英国Endurance製の1/18フィギュアです。
Endurance社は後日紹介予定のもっと大スケール(1/9位?)のフィギュアで有名なメーカーですが、1/18も何体か発売していたようです。
どのくらいの種類があったのか全貌が不明ですが、現在ではすべて絶版です。HPも見当たらないので、ひょっとしたらメーカーそのものも倒産しているかも。
③ Alessandro Nannini (1959~ )
アレッサンドロ・ナニーニはそのイケメンな顔立ちと、1988~1990年シーズンのBeneton F1での活躍や、1990年のヘリコプター事故で右腕切断の重傷を負うも縫合手術とその後のリハビリに成功してレースに復帰し、DTMでのアルファ大活躍の一翼を担ったことで日本でも人気のドライバーです。
その後もBTCCなどのツーリングカーレースで活躍し、1997年に引退、現在は自身の名を冠した喫茶店チェーンを世界的に展開しているそうです。
1989年シーズンのF1を戦った、ナニーニのBeneton B188
1994年シーズンのDTMを戦った、ナニーニのAlfa Romeo 155 V6 TI
1995年シーズンのDTM/ITCを戦った、ナニーニのAlfa Romeo 155 V6 TI
Endurance社のフィギュアも、どれもよく特徴をとらえた出来です。
マルティニがスポンサーについた1995年か1996年シーズンの姿を再現したものと思われます。
UT社製の1995年式155 V6 TIと一緒に並べてみました。
④ Bernd Schneider (1964~ )
ベルント・シュナイダーは、主にDTMで活躍したドイツ人ドライバーです。
1987年にドイツF3チャンプになった後1988年からF1にステップアップするも、戦闘力のないザクスピードやアロウズのマシンで鳴かず飛ばずの成績しか上げられず、1992年からDTMに参戦し、以後メルセデスのワークスドライバーとして、1995年、2000~2003年、2006年の5度もDTMシリーズチャンプに輝き、”Mr. DTM"と呼ばれています。
DTMが中断していた1997年~1999年には、FIA-GT選手権やルマン24時間レースなどにも参戦し、1997年のFIA-GT選手権チャンプにもなっています。
1995年のDTMチャンプマシン Mercedes C-Class
1997年のFIA-GT選手権で11戦6勝を挙げてチャンピオンに輝いたMercedes-Benz CLK GTR
2006年のDTMチャンプマシン AMG-Mercedes C-Klasse 2006
Enduranceのフィギュアーは、1994~1996年のDTM/ITC時代の姿を再現したものと思われます。
シュナイダーが最初のDTMタイトルを獲得した、1995年のMercedes C-Classの1/18ミニカー(UT製)と並べてみました。
⑤ Klaus Ludwig (1949~ )
クラウス・ルドヴィッヒはドイツ出身のレーシングドライバーで、ツーリングカーが盛んなドイツで20年以上に渡ってトップに君臨していたドライバーです。
ルドヴィッヒの略歴や戦績については、
DELTA.rxさんのブログに上手くまとめられているのでご参照ください。
ルマン24時間では、1979、1984、1985年とヨーストのポルシェで3度の総合優勝を飾っています。
1994年のDTMでは、アルファのラリーニやナニーニとの接戦を振り切ってシリーズタイトルを獲得しました。
1995年からはOpelに移籍し、Opel Calibra V6 4x4でDTMに参戦しました。
Enduranceのフィギュアーは、元F1チャンプ ケケ・ロスベルク(Keke Rosberg)のレーシングチームOpel Team Rosbergに所属していた、1995年シーズンのDTMでの姿を再現したものと思われます。
イケメンの多いレーシングドライバーの中にあって、ルドヴィッヒのオッサン顔には親しみが持てます(笑)。
UT製のOpel Calibra V6 4x4と並べてみました。