
アルフィスタの方でもご存じない方が多いと思いますが、アルファは1988年に商用車の自社生産から撤退するまで、トラックやバンのような商用車も製造していました。
レーシングチームを裏方として支える車達にも、こうしたアルファの商用車が活躍していましたので、2回に分けてご紹介します。まず今回のその1では、アルファのサポートバンをご紹介しましょう。
Romeo 2
Romeo 2は、戦後アルファの飛躍を確立した初代ジュリエッタのデビューと同じ年1954年に発表された1tクラスの小型商用車で、1967年まで13年の長きにわたって約4万台製造されました。
ジュリエッタから流用した1,290cc直4DOHCエンジン(35ps)をフロントに縦置きした前輪駆動車で、1,158cc 2気筒スーパーチャージャー付きディーゼル(30hp)版もありました。
モノコックボディーではなく独立したラダーフレームを持っているので、バンだけでなく色んなボディーバリエーションがあります。
アルファの象徴の盾はジュリエッタのものをそのまま流用しています。
シートの手前に見える大きなこぶ(エンジンカバー)の中にエンジンが縦置きされています。
ギアボックスも縦置きなので、シフトレバーがかなり後方から生えています。
夏はエンジンカバーがチンチンになってかなり暑そうです(笑)。
エンジンカバーを外すとジュリエッタの1,290ccツインカムエンジンが顔を出します。
こんな商用車にツインカムエンジンを搭載するのはホンダとアルファ位のものでしょう(笑)
ボディーに書かれた ”Assistenza Clienti”から分かるように、アルファユーザーのプライベートチームをサポートする為のハイルーフ仕様Romeo2バンの1/43ミニカーです(Progetto K製)。
50年代~60年代にかけて活躍した有力プライベーターScuderia St. Ambroeusが使用した、OM Leoncino 1トラックを改造したトランスポーター(IV Model Factory製)とのツーショットです。
積載されている#34のSZは、1963年のルマン24時間レースに出場した車です。
通常ルーフ仕様のプライベートチームサポートバンです(M4製)
1955年のミッレ・ミリア(Mille Miglia)に出場し、総合56位、GT1.3クラス6位を記録したGiulietta Sprint(Bang製)とのツーショットです。
1956年のミッレ・ミリアに出場し、リタイアに終わったGiulietta Spider Monoposto(Tron製)とのツーショットです。
1957年のタルガ・フローリオ(Targa Florio)に出場したGiulietta Sprint Veloce(Metro製)とのツーショットです。
1960年代中ごろにアルファのワークスチーム アウトデルタで使用されていたサポートバン(Progetto K製)です。
1965年のルマン24時間レースに出場し、217周でリタイアに終わったTZ2とのツーショットです。
当時アウトデルタで使用されていたFiat 645/662 N2トラックを改造したトランスポーターのミニカー(ALM Model製)もちゃんと発売されています。
Romeo 2は、アルファ以外のレーシングチームにも使用されていました。
これは、Scuderia Ferrariで使用されていたサポートバンです(Progetto K製)。
1958年の1000 km Buenos Airesで優勝したFerrari 250TR(heco Miniatures製)とのツーショットです。
1956年から1965年まで、主にF1で活躍したイタリアのプライベートチームScuderia Centro Sud で使用されていたRomeo 2サポートバン(Progetto K製)です。
1958年シーズンのF1を戦ったScuderia Centro SudのMaserati 250F(SRC製)の2台とのショットです。
この時代のScuderia Centro Sudが使用していた、OM Leoncinoサポートトラック(IV Model Factory製)やFiat 642トラックを改造したトランスポーター(ABC製)のミニカーも発売されています。
Castrolオイルが使用していたサポートバン(Progetto K製)です。
時代考証的に正しいかどうか分かりませんが、英国のオイルメーカーなので1958年のルマン24時間レースに出場したLotus 15 Climax(Pinko製)と並べてみました。
こちらは、1959年のルマンで10位に入ったLotus Elite Mk.14 Climax(IXO製)です。
1960年シーズンを戦ったLotus 18とFord Thames 400Eを改造したTeam Lotusのトランスポーター(いずれもSMTS製)とのショットです。
F12
Romeo 2の後継車として1967年にF12がデビューし、1983年まで約18,000台が製造されました。
顔つきがジュリア系になり、1,290cc直4ツインカムエンジンも52hpにパワーアップされています。1973年からは1,760cc直4ディーゼルエンジン(50hp)版も追加されました。
1960年代の終わりから70年代にかけてアウトデルタで使用されていた、F12のサポートバンです。
1971年のタルガ・フローリオ(Targa Florio)で優勝したTipo33/3(BBR製)とのツーショットです・
同時期のアウトデルタでは、Giulia SWもサポートカーとして使用されていました。
1970年のハラマ(Jarama)4時間レースで4位に入賞した#3のGiulia 2000 GTAmや1971年の同レースで7位に入った#35のGiulia 1300 GTA Junior(いずれもScala43製)と組み合わせてみました
次回その2では、アルファの大型車を改造したレーシングカートランスポーターをご紹介する予定ですので、乞うご期待!!