
前回のエントリー(
こちら)で、戦前にアルファを駆って大活躍した伝説のドライバー タツィオ・ヌヴォラーリをご紹介しましたが、今回は50年代のレースシーンに君臨した伝説のグレートドライバー ファン・マヌエル・ファンジオのフィギュアとミニカーをご紹介します。
ファン・マヌエル・ファンジオ・デラモ(Juan Manuel Fangio Déramo 、1911~1995年)は、1951年(アルファロメオ)、1954~55年(メルセデス)、1956年(フェラーリ)、1957年(マセラティ)の5回ものF1ワールドチャンピオンに輝く、50年代を代表する伝説のドライバーです。
F1通算24勝という個人最多勝記録は1968年にジム・クラークに、不滅と言われたワールドチャンピオン獲得5回も2003年にミハエル・シューマッハに抜かれましたが、46歳での最年長チャンピオンという記録はこれからも抜かれることはないのではないでしょうか。
F1参戦51戦中24勝という驚異的な勝率(47.1%)も歴代ドライバーでダントツです。
ドライバーとしてだけでなく、紳士的な振る舞いや言動でも皆から尊敬を集めたファンジオは、母国アルゼンチンでは国民的英雄として敬愛され、84歳で亡くなった時は国葬で送られました。
「史上最も速いドライバーはだれか?」という話になると、ヌヴォラーリと並んで必ず真っ先に名前が上がる偉大なドライバーです。
さらに詳しく知りたい方は、
こちらや
こちらをご覧ください。
F1が始まった1950年は同僚のファリーナにわずか3ポイント及ばず2位になりましたが、翌1951年は台頭著しいフェラーリを振り切って初めてのチャンピオンに輝きました。
1951年のベルギーGP(Spa-Francorchamps)を走るファンジオのAlfa Romeo 159 Alfetta 。
事故による大怪我で1952年シーズンを棒に振ったファンジオは、マセラティ―を経て1954年にF1に復帰したメルセデスにエースドライバーとして迎えられました。
強力なマシンW196と完璧なサポート体制の下でファンジオは破竹の勝利を続け、2年連続世界チャンピオンに輝きました。
ファンジオはF1だけでなくスポーツカーレースでも活躍しました。
1955年のルマンを走るファンジオのMercedes Benz 300SLR(リアに立ち上がっているのは可動式のエアブレーキ)。
この後ルヴェーの駆る300SLRが周回遅れの車と衝突して観客席に飛び込み80人以上が亡くなるというレース史上最悪の事故が起きますが、直後を走っていたファンジオは間一髪回避して難を逃れました。
この事故を受けてメルセデスがレースから完全撤退してしまったため、翌1956年はフェラーリに迎えられました。
エンツォ・フェラーリとの確執であまり居心地の良い待遇ではありませんでしたが、それにも負けず4度目のワールドチャンピオンに輝きました。
1956年のファンジオの愛車、Lancia-Ferrari D50.
翌1957年は、居心地の悪いフェラーリから古巣のマセラティ―に移籍し、フロントエンジンF1の最高傑作と称えられる名車Maserati 250Fで5度目の世界チャンピオンに輝きました。
ファンジオの生涯最高のレースと言われる、1957年のドイツGP(Nurburgring)を走るファンジオの250F。
ファンジオの1/18フィギュアは、Le Mans Miniatures社とFigurenmanufaktur社から発売されています。
まずこちらはLe Mans Miniatures社の物です。
禿げかかった頭部、短躯、ずんぐり体型(169㎝、67㎏)でニックネームは「エル・チュエコ」(がに股)といわれていたファンジオの体型をよく表現していますが、顔は少々ふくよか過ぎるような気が・・・・。
こちらはFigurenmanufaktur社のものです。
同社のフィギュアはどれも小顔でスタイルが良すぎる欠点がありますが、これも少々イケメンでスタイルが良すぎる気が・・・・。
両者を足して2で割るとちょうど良さそうです(笑)。
こちらはEndurance社の1/9スケールの物です。
流石の出来ですが、体型は少々スリムすぎる気がします。
若き日のファンジオという感じでしょうか。
アルファ時代のファンジオの愛車159 Alfettaの1/18ミニカーは、exotoから素晴らしい作品が発売されていますが、これはファンジオが初めてのワールドチャンピオンを優勝で決めた、1951年のスペインGP(Pedralbes)の姿を再現したものです。
1,479cc 直列8気筒スーパーチャージャー付エンジンやコクピットも完璧に再現されています。
exotoからはボディーを取り払ったベアシャーシーモデルも発売されています。
オイルと燃料を入れたら走りそうな、病的なまでのすさまじい再現度です。
当時のアルファのトランスポーターの1/43ミニカー(これもexoto製)を背景に置いてみました。
CMCからは、ファンジオが1954~1955年に走らせたMersedece Benz W196が何種類か発売されていますが、これは1955年のイタリアGP(Monza)で見事優勝を飾ったマシンを再現しています。
当時のF1はオープンホイールに限定されていなかったので、高速サーキットではこうした流線型のStreamlinerボディーも使われました。
オープンホイールのW196とそれを運ぶ高速トランスポーターのミニカーは、Part 3でチーム監督のノイバウアのフィギュアを取り上げた時に紹介していいますので、
こちらをご覧ください。
発売されてからもう10年弱経ったと思いますが、2.5L 直列8気筒直噴エンジン(290hp)やコクピットも完璧に再現されています。
当時のメルセデスチームのトランスポーターの1/43ミニカー(左はSt.-Petersburg Tram Collection製、右はCMC製)を背景に置いてみました。
私の知る限り、1956年にファンジオが走らせたLancia-Ferrari D50の1/18ミニカーは発売されていないので、最後に1957年に5度目のワールドチャンピオンをファンジオにもたらしたMaserati 250Fの1/18ミニカー(CMC製)をご紹介します。
ファンジオの生涯最高のレース、1957年のドイツGP(Nurburgring)の優勝車を再現しています。
これも発売されてから大分経つミニカーですが、2,995cc 直列6気筒エンジンやコクピットも完璧な出来です。
ボルトの緩み止めワイヤーまで再現されています。
当時のマセラティ―チームのトランスポーターの1/43ミニカー(exoto製)を背景に置いてみました。
