「こんなクソみたいな人生、やってられないから、とっとと死なせろっ」

どこかで読んだような言葉であった。

そう、『監獄の誕生』の終わりのほうにあった、フランスの青年の被告の叫びのような。

もちろん19世紀だったか、相当昔のことば。



日本はようやくそこまで達したか。



フランスなど欧州は「階級社会」であって、生まれによって人生がどうにかなってしまう。

なので、社会主義というセイフティネットが発達していて、

親が、どんなに馬鹿で、どんなに貧乏でも、

公教育は3歳から始まり（問題のある親のこどもは2歳から）、教育費は大学まで無料にして

失業しても手当てが出るし、

これは単なる、経済的自殺予防政策だけではなくて、犯罪抑止・社会防衛にもなるということが

よく知られているのだと思う。



文末のとおり、どうせ日本のコメンテーターは、犯罪者一人の性格的問題に原因を帰着させてばかりなので、

社会制度改革には、まったく結びつかないのであるから、

この被告のように、「殺せ」といったって、まったくお笑いのようにしか、世間は見ないのであって。






だから、私もこの被告と同じ心持であったが、

こうやって、

似非金持ちぶって、

高級輸入オープンカーを乗り回してやれば言い訳で、

そいでもって、

お茶をしたり、

きものを着たり、

京都、奈良、明日香、鎌倉、江戸、を散歩したら言い訳で、

ネットでちょっと通ぶったいろいろの品を手にしてみたら言い訳で、

これくらいのことは平均年収でできるので、



ぜひ、このような犯罪を試みようと考えているものは、

固い職業に就けるように、

やっぱり努力をしたら言い訳で。

本当に、「社会から退場する覚悟」があるなら

やっぱり、「努力しているやつ」のほうが

かっこよくて、女からももてる訳で。



ただ金持ちよりも、生保を使ってでも、長生きしてやるのが

唯一の「勝利」の方法だったとしても、



そう、それに向かって努力していく以外に、

この社会は「価値」を見出さないのだということに

早く気づいて欲しかった。