平日の京都というものは

修学旅行生の天国なんですね。

高校生が自由行動中。

嵐山も、北野も、祇園も。

着物姿（半幅帯だけど）の高校生グループもたくさんいました。

中でも、ぎおんコーナーの中の、おおきに財団訪問後、そのまま七条の国立博物館まで歩こうと、建仁寺のほうへ歩み出したら、すぐに高校生グループにつかまった。

（というよりも、何か探している、迷っている感じだったから、見てみたのさ）

「まいか知りませんか」

「まいか？」

「着物を着るところです」

「舞香ね、知ってるよ。このフランスの本に書いてある」

正絹リュックから本を取り出す。

ふむふむ。宮川町の歌舞練場の手前。

「あっちのほうだよ」

「わかる～？○○～、わかる？」

「わかった」

いや、わかってないだろう。

「案内してあげるよ。で、どこから来たの」

「北海道」

「北海道のどこ」

「滝川」

「旭川の手前ね」

「何でも知っている、このひと」

フランス語と滝川の場所を知っているだけで、何でも知っているとは、早計な。

「よく知っている」というなら間違ってはいないけれど。私は全知全能の紙には程遠い。

「で、そこで着るの？」

「予約の時間に遅れているんです。走りたい」

「じゃあ、走ろう」

「足が速い～」

え？普通に単なる小走りだけど・・・大丈夫？

「後から車が～」

「かまわへん、気にしない」

車なんかに譲ってどうするの！

ここは京都、至る所歩行者天国！（いくらなんでも無理がある）

「○○、かまわへんていってるから・・・」

そう、気にしない気にしない。

さあ着いた。

「ありがとうございました」

「京都を楽しんでください」

さよなら。