
14年前、私は意気消沈して就職した。
写真の吉永駅は或る意味、岡山国際サーキットの南の玄関口で、
左に見える吉永病院などに勤めて、休暇にサーキットを走るくらいの人生が楽しいのではないかと
思ったものだ。
今では、その東側(写真手前)に子ども園もできていて、駅前の立地で電車での通勤には
使い勝手がよかろうと思う。
さて今回は、備前市内を徒歩で巡る旅である。都合15kmくらいは歩いただろう。
まずは吉永駅で降りて閑谷学校を目指した。公式には徒歩40分とあるが、上り坂ということもあってか、1時間ほどかかった。
県道バイパスを左に逸れてトンネルを潜るとすぐそばだ。いつもは反対側から来るので、このトンネルはなんだろうと思っていたが、今回回答を得た。
11時だったが3~4km歩いてくるとおなかがすっかり減って、まずは腹ごしらえをした。
最近流行で、ここも日本遺産に登録された。(こういうの、意味があるのか? 国宝とか重要文化財とかで事足りるのに、
まったく文化のぶの字も関心がない人たちに文化財めぐりの観光客になってもらうために、
なんと下らぬ手を使うものかと、呆れてしまう。
こういうことで、本当に文化財が好きで、静かにひっそりと、そしてたまには偶然に出会った気のあうもの同士での語らいに、日常生活では得られない満足感を得る機会が
すっかり失われてしまうことになりかねず、ただお金を落とせばいいんだ、経済さえ回せばいいんだという風潮に文化財を利用されてしまうのは、私の人生の充実をすっからかんにしてしまう。
悔しい。
さて旅は急ぐ。
赤穂線日生で降りて北上してくるというコースも考えたが、二つの理由で排除された。ひとつは上り坂になること、もうひとつは閑谷学校を17時にて、そこから夕食に困るだろう、終電にも些か早すぎるということだった。
そういうわけで、ここからは下り坂の旅となる。閑谷学校へ向かう街道を下る。そのうち山陽道に交わる。旧街道を進むが、それらしい景色はあまりない。
そして90分ばかりで到着したのが、備前の窯元「山麓窯」である。先の週末に梅祭りの本格的なイベントがあるとネットで仕入れていたのだが、どういうわけか午後2時、今日も太鼓が演奏されている。
静かな雰囲気でむすめと会話を楽しみながら梅を見たかったのだが、観客すべてが太鼓を見ているので、そそくさと園内散歩に出かけた。山に登ったあたりでアンコールとなっていたが、もはや下る気になれず、奥の採石場、花崗岩らしき備前の原料の白い砂を作る工場を見て園を出た。
すぐそばに新幹線が走っていて、数台見送ったが、うまく写真に収められなかった。手動のフィルムカメラなら、逃さないシャッターチャンスも、自動フォーカスだと、焦点を探している間に新幹線が通り過ぎてしまう。融通の利かないやつだと思う。こういうときはマニュアルに限る。
片上駅に出る。電車には十分早い。しかし郷土資料館の閉館は間近だ。さくっと見学をして、
駅に戻った。伊部に行って備前の町並みを見るのも手だったが、
日生に着くのが日没あたりとなりそうだったので、パスした。
日生に着いたのが15h51。郷土資料館の名前も見たが、とにかく歩く旅だという事で、港の見える丘とやらに登ることにした。
カップルが降りてきて、女子が立ち止まる「電車で一緒だった・・・」 ただそれだけだけど、先に登られたか。私たちは何をぐずぐずしていたか(観光案内所に立ち寄ったからだな)。
下山途中に17時のサイレン。五味の市という道の駅はすっかり閉店で、牡蠣にありつけず。
そばに郷土資料館もあったが、16h30に閉館。駅から即座に来ていれば、10分でも見学ができたか。
あたりにはホタテが山済みになっている。そばのおじさんに尋ねれば、牡蠣の養殖だという。これはいい知識が得られた。
日暮れにはまだ時間がある。町に戻って牡蠣のお好み焼きを食べることにした(リーズナブルに
牡蠣を頂くことができるから)。
お店の前のガソリンスタンドは、レギュラー126円というびっくり価格で、思わず車列を写真に収めた。製油所、近かったかなあ(水島か?) ブランドは丸紅。
お店を出たころには暗くなっていた。それでも18h10。
終電に2時間も早く電車に乗って帰途に着いた。が帰着は終電より1時間早いだけ。乗継が悪いのだ。
Posted at 2018/03/21 18:43:13 | |
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