情熱開放のブログ一覧

下界の雄山神社は常願寺川のほとりにある。

しかし門前町も何もない。

ただ濁流だけ。


ここは岩くら寺

岩くら寺に　最初の雄山神社


芦くら寺に　二つの雄山神社


御師の集落と山頂と。


そう、立山の山一帯は、黒部ダムの向こう、信濃の境まで


芦くら寺という地名。


その昔、芦くら寺の勢力は大きかったのだな。



おしまい。

立山は修験道の修行の場でもあった。

玉殿岩屋。

それは、板状節理とよばれる地質。

柱状節理はよく耳にする火山地形であるが、水平方向に亀裂が走るのもあるようだ。



それさておき、芦くら寺地区を出たのが昼ごろ。

昼ごはんにしたいのだが、食堂がない。



富山地鉄に乗って、分岐駅、岩くら寺駅に　向かおう。

地図には蕎麦屋もあるし、もうひとつの雄山神社もあるから。

遠くにある台風に刺激された秋雨前線の活動で雨が続く。

アルペンルートの立山ケーブルは予約が必要だけど、キャンセルが続く。（ネットで確認できる）

朝早いということもあるだろうが、人気がない。



閻魔堂。わずかに扉が開いているので、入っていいということなのだろう。

照明がない。自然光。閻魔の木造がかすかに見える。


雨脚が更にひどくなってきたので、雨宿りを兼ねて休憩とする。



予定では駅から15分、地区の散策30分、故に下車後1時間後の電車に乗って富山から北陸新幹線で高岡に。


そんな予定はすっかり崩れている。半日は芦くら寺だろうと腹を括った。


閻魔がいる。


閻魔の部下もたくさんいる。


しばらくすると、お堂の奥から音がした。


「びっくりした！」とは堂守の老婦人の言葉だ。


明かりがないから誰もいないと思ったらしい。


静かにθ波瞑想中だったからね。存在を消す。





このあとは、三途の川にかかる赤い橋を渡って、地区の奥までいって引き返して、

現存する宿坊と立山博物館を巡る。地獄展は見ごたえがあり、

神職からお伺いした世界を、形あるものとしてみることができた次第である。

立山は神のましますお浄土であると同時に



地獄。



むしろ地獄。あの世にちなんだ地名があちこちに。

地獄谷はもちろん、餓鬼の田んぼ、賽の河原・・・

でも意外にも賽の河原から浄土沢の流れが・・・



アルペンルートのある溶岩台地から室堂までが地獄で、

その上、山上が浄土という区分らしい。



だとすると閻魔はどこにいるのか？


それは玉殿岩屋だろうか。


きっとそうに違いない。

「そうですね。この地区には33の宿坊がありました」

「その当時は大変にぎわったでしょうね」

「そうです。男性はここからガイドとともに立山に登りますが、女人禁制ですから女性は

その先の閻魔堂の先の赤い橋に白い絹の布を敷いて目隠しをして渡る。この橋は、

三途の川を渡る橋です。そしてお堂に入って祈祷を受ける。最後にお堂の扉を開けると

正面に立山が見える。立山は浄土の象徴ですから。これで登山をしたことと同じご利益がある」

「なるほど。しかし白い絹とはこれまた豪勢な。」

「昔の登山は信仰の証だったんですが、今では女人禁制も解かれて、自由に登れる。

　観光登山ですね。そればかりで、信仰のことはすっかり忘れ去られている。

　僕たちが少しでも信仰のことを伝えなければならないんですが。なかなか・・・」

「いえいえ、今日は大変勉強になりました。こんな天気ですから今日は登りませんが、明日は登ります。

　信仰のことを知って登ると、気分も違うでしょう。ありがとうございました」



　立山講と女人禁制。

　書きながら、女人禁制について或るひらめきがあったので、これは機会があれば書きたい。



　さて神社を後にして、閻魔堂へ、まだまだ芦くら寺地区の散策は続きます。雨はひどいままです。

書き溜めている。下書きで残っているのもある。

特に

次のドメスティック遍路が待ち受けているというのに、

立山関連がさっぱり。

書き足しているのだが、まとまらない。

前後2編にわけて掲載するしかあるまい。

立山（２）