書中見舞いから抜粋
今年で娘とのフランス旅は6回目(夏は5回目、先の年末正月分が臨時に加わって6回である)。今夏はプロバンスである。石灰岩の土壌の上に打ち立てられた都市が散在する。とてもユニークな町ばかりだったので、つい紹介したくなる。
アヴィニョンはちょうど前日まで演劇祭が行われていたが駅を降りると当然のようにあちこちに掲げられた広告看板や残された少しの演劇などから余韻を味わうことができた。14世紀にローマ教皇庁があった場所で宮殿が中心となる。13年前の一人目の妻との新婚旅行で訪れているが、そのときのオーディオガイドは教皇に関するものであった。今回は趣旨を変えてパッドを用いたVRによる建造物の紹介となっていた。途中金貨を集めるとメールで賞状を送ってくれる。帰国してからの楽しみである。当時は出口のみやげ物売り場に教皇騎士のコスチュームが売ってあり、それを来た2名のおっさんが各国語で声掛けをしてくれたものだったが、どうやらお役御免となったようだ。ローヌ川向かいのヴィルヌーヴ(新町)アヴィニョンもまた見所にあふれる町であったが、観光客はそれほどいなくて散策するのに最適だ。シャトールーズという旧修道院の独房は、食事などを運び入れる小窓とトイレ、明り取りの窓を備えるだけの閉鎖空間でこれがいくつも並べられている。こうしたカトリックの宗教施設が近代監獄のモデルとなったとフコーが説くが、実物を見て腑に落ちた。教皇庁の要請で立てられたというサンタンドレの修道院と要塞も見応えのあるものだった。丘の上の崖っぷちなので展望が良かった。
南へ数十キロのアルルはゴッホと古代遺跡で有名な町である。円形闘技場では闘牛が行われてきた。合間に流れる「カルメン」の「闘牛士の歌」は演出のために使われているようである。これがため一般観光客は入場できなかったが(アルルには1泊したので翌日に観覧した)、建物の隙間からその様子をうかがうことができた。翌日には、子どもを対象にグラディウス(剣闘士)教室が開かれていた。アルルの町は古代の規模のままである。小さい地区にぎっしりと名所が詰まっている。市内10箇所を16ユーロで回れてしかも連れている子どもが無料である。これも少子化対策ですよね、安倍さんってば(笑)。150年経ってもフランスに学ぶことはたくさんありますよ。また7~9月はアルルの写真展があり町中のいたる施設を利用して写真展が開かれていた。受付の男性の勘違いでチケットレスで入れた教会では、内部の絵画や彫刻、ステンドグラス、内陣も良いものだったが、TOKYOの写真などもあった。面白かったのは、ロシアの崩壊したビルや極地の一般住宅に、もっともらしい外観を描いた被いがされているのでさえ破れて、廃墟が見え隠れしているとか(取り壊すこともできないのか?)、中国の風車のある風景はオランダを真似たテーマパークで、欧州風に整えられた住宅地などは、笑えるのだが、他人事ではない感じがして背筋が寒い(僕はTDLでは英語を、灌木ではなく緑生い茂った山が見えるパルケではスペイン語を、海のそばだがこれまた山が見える風車公園ではオランダ語を話せば、まさしくテーマパークだろうと思うのだけれど、ね)。最近は中韓を蔑むものが多いが、ブーメランだよな。中華文化圏だものなあ(泣)。とはいえ、駅からも見えるが町の南西部に複雑な形状をした金属の輝く外装をもったビルが建築中で、中国に来たかのような錯覚には辟易である。どうしてこうした醜いものが出来上がってしまうのか。中国資本なのか?
さらに南に数十キロ。カマルグというラムサールに登録される大湿原がある。刈り取られた麦畑、ひまわりやラベンダーの畑の流れる景色を楽しみながら、地中海の町サントマリードゥラメールに。ここはイエス処刑のため叔母(聖母マリアの妹)のマリア、二人の聖人の母親のマリア、そしてマグダラのマリアがここに流されたという。マグダラのマリアはここから南仏各地に信仰を広めていったという。二人のマリアは召使のサラとともにこの地に留まったという。ゆえにこの地は聖地ということらしいが、住人にも訪れる人にもさしたる信仰心はないように思われた。そしてまだ海水温の低い遠浅の地中海で海水浴を楽しんだ。
最終日は残念にも日曜。幸い予定通りSNCF(フランス国鉄)もエールフランスもストライキは6月で終えた。それでも日曜は安息日。オランジュへ向かう電車本数が少なくて行動時間が制限されてしまった。見所はこれひとつ、古代ローマ劇場。幅100m超、高さ37mの巨大は壁は音響効果を考えられて作られている。BC.44年にカエサルが失脚してのち彼の部隊のものは行き場をなくして数年後この地にやってきたという。そして古代ローマを真似て都市建設をする。この地も例に漏れず「パンと見世物」に陥り、年間100回を超える演劇が催され、1万を収容する席にこの都市の全人口が訪れたという。そういうわけで、次第に風俗が乱れて舞台の上で演じる女優に裸になれと要求したという。物心のついた頃から、堕落史観かつ戦後社会はデカダンスと信じている私などにすると、いまどきの女優?が金を積まれれば意図も簡単に脱いでいるようするを見ると、正にと思うばかり。豊かの極限は当に過ぎ去って、自発的女郎が増えている社会。社会防衛上、公娼制度(登録制売春)を復活させるほうが性行為感染症予防にもなるし、所得補足にもなるし、年齢制限もかけられるし(少女売春は買うほうが犯罪だが、売るほうを犯罪とできて、これこそ児童保護につながるのだが。売春が現に存在するのに、嘘をついて否定するのでおかしくなる。不都合な現実でも現実。覆い隠すとおかしくなる)、カジノよりも良い取り組みだと思うが。
購入15年目にして初投稿 カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2025/02/05 20:47:01 |
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きっと、天国の安倍晋三さんが見守ってくれている カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2024/09/30 03:00:31 |
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【スイス政府発行『民間防衛』 軍事力を用いない侵略(乗っ取り)の6段階を解説】 カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2024/09/30 01:49:18 |
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