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zato787のブログ一覧

2018年11月24日 イイね!

はたらく魔王さま スバルXV PHEV

はたらく魔王さま スバルXV PHEVスバルは、「クロストレック(スバルXV) ハイブリッド」を米国で発表した。2019年モデルであるが、12月から発売するということで、2018年のリリースに間に合わせた。

今日は、スバルXV Advanceの試乗記を書くわけではないが、スバルXV AdvanceのHVは、マイルドHVと呼ぶよりも、出力補助型HVと呼ぶというスバルの主張は正しく、リチウムバッテリーは小型ながらも容量は、ニッケル水素バッテリーを搭載するプリウスと変わらないから、モーターが小型であることもあって、動力の補助には十分に役立っている。 XVとフォレスターにこのHV搭載モデルがラインナップされるが、NAエンジンがややがさつに回ることもあって、HV搭載モデルの方が重量面で不利なものの、トータルの魅力は上であると思う。 フォレスターは、NAとHVの価格差がほとんどないため、発売が6か月も差があったにも関わらず、ユーザーの40%以上がAdvanceを選択しているし、HVを発売した9月以降の売れ行きは、さらにその差がついている状態なので、スバルのHVにはかなりの需要があるとみてよいだろう。


 スバルXV Advance
 動力システムは良いと思うが、クルマの価格にあった素材レベルや走りの質感が欲しい。
 Advanceを買うならば、アイサイトの機能もより高度な機能が付くのに、
 値段が大きく変わらないフォレスターの方がお勧め。



つまり、e-Boxerと呼ばれる電気の支援を受けた4WDの方が、ユーザには魅力的に見えているわけで、スバルとしても燃費向上に貢献しづらい出力補助型HVだけでなく、ストロングHVやPHEVが必要だと考えるのは当然である。スバルは、北米で燃費の良いHVを売らないと、スバルのクルマが売れなくなるから、という理由からPHEVを用意するのではなく、市場がもっと「はたらくHVさま」を求めていることを知っている。スバルが支持されている北米の田舎は広く、その辺でガソリンスタンドがごろごろしてるわけではないから、燃費が良く航続距離が長いスバルを求める声は大きいのだ。



 スバルのPHEVは価値がある


トヨタはスバルの株式を約17%保有していることから、スバルの電動化の遅れを放置せず、マツダとは異なる方法でスバルの電動化を進めて行こうとしている。 技術的な部分までトヨタが介入する予定はなく、大きな初期投資と時間を必要とする電動化に必要な基礎技術、部品群、制御ソフトウエア、車載インフォテイメント機器と言った技術、サプライヤーの紹介といった生産に関する部分を協力することで、トヨタ自身の負担を減らし、スバル独自の技術での商品化を進める形を取っている。



 電気自動車シンポジウムにスバルが展示



さて、スバルは、2019年から北米へXVにPHEVを搭載したモデルを投入する。排気量2.0Lの水平対向4気筒直噴ガソリンエンジンにトヨタのTHS-Ⅱをベースにしたスバル式のストロングHVを組み合わせている。 スバルは、シンメトリカルな構造とAWDに拘ることで、ブランドと存在価値を示そうとしている。 X-MODEによる泥濘路面での走破性を含め、世界中のオンロードで出会う様々な路面コンディションに耐えうるクルマとしてのブランドを維持していこうと考えているからだ。 トヨタ、マツダのアプローチとは異なるが、北米(の田舎)を中心に、信頼性を得たことが、現在のスバルの地位を作り出しているのだから、その優位性を伸ばしていこうと考えるのは当然であろう。(北アメリカ大陸の軽巡洋艦「フォレスター」  参照)



ここで、スバルのHV開発にまつわる黒歴史に触れる必要はないが、過去のアプローチがあったからこそ、e-Boxerが生まれたし、シンメトリカルAWDを生かしたストロングHV、PHEVを生み出すことができた。 スバルのエンジンは、独自性と物理的な優位性を持つ反面、燃焼制御、温度制御、EGR制御、燃料噴射制御の技術でトヨタ、マツダに及ばない所があり、継続した課題であるのだが、トヨタの直噴技術であるD4の採用や、ストロングHVの採用と言った強力な武装化によって、この課題を一定レベルで解決し、大きな競争力を持つことができるだろう。(水平対向エンジンのHV化は、整備性がさらに劣化するという課題が残るのだが、ストロングHVは直4でも整備性に劣るから、これは受け入れるしかないだろう)


  プラグイン可能な、はたらくHVが欲しいという要望がある。
  日本でもその声は大きくなるだろう。


スバル初のPHEVは、トヨタのプリウスPHEVに採用している様々な基礎技術やパーツを応用しているが、マツダのアクセラHVのよううに基本的に「THS-Ⅱ」をコンバートしたものではない。 スバルのSGPでできなかったことの一つに、前軸の後ろにデフや重量物を配置して、フロントミドシップ化したかったことだ。 インプレッサ、XV、フォレスターのいずれのSGP対象車両でもそれはかなわなかったが、今回のストロングHVシステムの設計過程でその課題に取り組んだ。

THS-Ⅱの構造は、改めて述べるまでもないが(トヨタハイブリッドは電気羊の夢を見るのか 参照)、シリーズ・パラレル方式のストロングHVで、動力分割機構(電気式CVTとまた呼んでやることにする)でモーター、エンジンの出力を分配する。この機構は単純だけれど、制御ソフトウエアの出来栄えが重要で、この部分をトヨタから提供されているから、安定して動かすことができる。

しかし、THS-Ⅱのままでは、ドライブシャフトを含む4WDを作ることはできない。トヨタがTHS-Ⅱをで4WDを作る場合は、モーターで後輪を駆動させる方式が基本だからだ。スバルは、このTHS-Ⅱの構成に手を入れているが、動力分割装置は、THS-Ⅱを踏襲しており、トヨタと同様に機械的な変速機構は含まれていない。



 MG内蔵トランスミッション(動力分割機構)
 左が前輪側で右が後輪側。
 (1)1次減速歯車機構、(2)MG1(ジェネレータ兼用)、(3)動力分割用のプラネタリーギアその1、(4)2次減速ギア、(5)動力分配ギア、(6)減速用のプラネタリーギアその2、(7)MG2(動力モータ、回生機能あり)、(8)電磁クラッチ、(9)リアの出力軸、(10)直交歯車、(11)前輪側のデフ


このシステムにおいて、トヨタから供給を受けているのは、MG1、MG2、電池モジュール、PCU(中央処理装置)、車載充電器等の基本中核パーツで、基本的にTHS-Ⅱの部品と同じものを使用しているが、MGの生産工程における永久磁石の着磁はスバルによって行われる。エンジンは、145馬力のHV仕様の2.0の予定で、MG1,MG2の出力は恐らくプリウスPHEVと同じ(プリウスPHEVのモーター出力は最大82馬力)である。満充電で27kmの走行を可能にし、HVモードと合わせて最大772kmの航続距離を持つ。


 スバルPHEVシステム概要図

トヨタの構造と異なるのは、プラネタリーギアがその1、その2と二つあることで、動力分割用と減速用にそれぞれ分けている。動力分割用は、THS-Ⅱと同じく遊星ギアの回転数差異によって、エンジン・モーターからのトルク伝達を調節して車軸に伝える役割を持つ。減速用のプラネタリーギアは、MG2からの出力を減速したり、MG2への入力を増速したりするために利用し、トヨタではリダクションギアが行っている役割を行う。 この方式は、初代プリウスで採用していたことがあるのだが、モーターのギアを可変させることが有効であることは、THS-Ⅱのリダクションギアが有効なことでわかっているので、無段変速が可能な方式を採用したということだ。


なぜ、リダクションギアではなく、プラネタリーギアを使うかというと、もう一つ、動力分配ギアが入っているからだ。このギアは、エンジン+MG1の出力を前軸、後軸に分割して伝え、後方に配置されているMG2の出力を前軸に伝える役割を担う。スバルのAWDの根幹たる、前輪と後輪それぞれに動力を分けて伝える機構である。 減速エネルギー回生機構とメカニカルブレーキを組み合わせた電子制御ブレーキとして活用するためで、減速時に回生する際には、4輪が回転しているので、MG2が無段変速できないと効率的に回生が行えない。 前輪、後輪の回転差異は、センターデフではなく、電磁クラッチのON/OFFで制御する。クラッチをOFFにするとプロペラシャフトに動力は伝わらずFFになる。


スバルは、MG内蔵トランスミッションの設計、4WD化のための前後への動力分割、電磁クラッチをの既存のAWDシステムに搭載できるサイズに搭載できるようにコンパクト化が必用であったし、前軸の後方にエンジンを後退配置させたかった。そこで、MG1の回転軸をクランク軸の上方に配置し、動力伝達機構の1次減速歯車機構を経て、クランク軸後方に配置されたデフに伝達することで、HVシステムの全長を短縮化している。水平対向エンジン故に、クランクシャフトの上にこの装置を配置することが可能になり、重量物を車両の中心に配置しようとしている。最終的に動力分割装置の全長を在来のCVT比で47mm短縮できたため、その分エンジン搭載位置を後退させることが可能となった。



  大型部品であるMG1を前軸デフの上に載せ、全長をコンパクト化
  MG1の前の一次ギアでエンジンと接続して発電・出力補助を行う。


PHEV化に伴い、総電力量8.8kWh、容量25Ah、総電圧351.5Vのリチウムイオン電池を後席後方のカーゴスペースの下部に配置する。(残念ながら、後軸の後ろである)その結果、カーゴスペースの下部の収納スペースが減り、カーゴスペース容積は約20%減少する。


 スバルXV Advance カーゴスペース
 使いやすいサイズで、カーゴスペースは広い
 下部の収納スペースにバッテリーが搭載される。

車両重量は1.65tと既存のAdvanceに比べて約100kg増加しているのは、電動化にともなう重量増に対応すべくフレームの強化ならびに、事故によるバッテリー破損を防ぐためのケースの強化など安全対策による理由が大きい。プリウスPHEVの1.4tと比べると重たいが、元々が1.4tほどあるので、ストロングHV+PHEV化ためのリチウムイオンバッテリー対策で250kgほど増加するのはしかたあるまい。 スバル初のPHEVということもあり、ボディーの各所に専用アイテムを配置しているのはちょっとトヨタっぽい感じに思える。ボディカラーには、日本のAdvance専用色として採用している、「ラグーンブルー・パール」が設定される。インテリアもAdvanceと同様に、ブルーの本革で構成された特別仕様が用意されている。



 PHEV専用のコンビネーションメータが装備され、HVカーらしい見栄えになっている。



1550kgのXV Advanceは、わずか10kwのモーターアシストでも十分快適に走るので、1650kgのPHEVは、モーターの出力が大幅に向上することを考えると、動力性能には不満はないと思われる。 このシステムは、XVだけでなく、同形のインプレッサ、フォレスターにはそのまま搭載可能であり、次期レガシー、レボーグもSGPの採用が確定しているので、それらの車種にも搭載可能である。 今のところ、X-MODEへの対応については議論されていないが、電磁クラッチ制御による4輪動力制御が、e-Boxer技術で培った電動X-MODE技術と背反せずに搭載できるのかどうかが気になる所だ。

X-MODEの動作原理からすれば、ブレーキ制御と前後のトルク配分の制御で実現されているので、センターデフではなく、電磁クラッチでも同様の制御を組み込めば可能になるはずだ。 アイサイトと並んで、X-MODEはフォレスター、OUTBACKなどのSUVモデルには必須の機能のため、搭載可能であろうと考えておきたい。

スバルの電動化がどのように進むのか、この数年心配されてきたが、安定しているTHS-ⅡをベースにシンメトリカルAWDを維持してリリースできたことは、ひとまずスバルの販売戦略において一息つけたと思う。 しかしながら、スバルが求めている、「走りの質感」を実現するために、今後改定していかねばならない課題も多い。 これからのスバルの電動化とAWD技術のマリアージュについて注目を続けたい。


 スバルXV PHEV内装(北米仕様)



 スバルXV(北米仕様)

Posted at 2018/11/24 15:33:46 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車技術 | クルマ
2018年11月11日 イイね!

冴えない彼女の育て方 レクサスES

冴えない彼女の育て方 レクサスES※タイトルクリックで詳細版にいけます。

「静粛」「LSっぽい」「燃費が良い」「広い」「リアシート快適」「レクサス」という各種記号の集大成が、ESの本体だ。


「乗り出し価格で、だいたい750万円ほどを見ていただければよろしいかと」

「それは安い、レクサスは値引きもないし、ではすぐに契約・・・」

いやいや、ちょっと待て。750万円出せば、他社でもクルマは買えるんじゃなかったっけ。 確かにレクサスの中だけでクルマ選びをすると、他のセダンはみんな古いし、SUVは値付けが少し高く感じるし、ESならば、1300万円のLSのVersionLの半額で、見た目も静粛性も、リアシートも有効なESのVersionLが買えるけれど、一歩レクサスの外に行けば、他にもクルマを売ってるところがあるわけだ。

「メルセデスのE220Dがー」なんて言わずとも、クラウンにマルチステージハイブリッドを搭載した、最高グレードである、3.5 G-Executiveは、7,187,400円だ。乗り出し価格は同等の750万円で、どちらが幸せなカーライフを楽しめるかと考えると、簡単に結論が出ているのではないだろうか。


クラウン3.5 G-Executiveの内装。
それなりに頑張って作ってある。


レクサスは、車両価格698万円という値付けを簡単に考えすぎていると思う。カムリやアテンザのほぼ2倍の価格のクルマなのだから、それはさぞかし素晴らしいのだろうとみんな期待している。ESのいいところは、まさにレクサスのセダンらしいところだ。スタイリッシュで、燃費がよく、静かで、乗り心地がフラットで、シートも快適なクルマなわけだ。 でも、アテンザだって同じような目的を持って開発されているので、ESだけの独壇場ではない。 ESの方がかけているコストも高いし、設計年次も新しいから少しづつESの方が優れているのは当然であり、特別称賛されることではない。

非常に厳しい問題は、「レクサスのいいところ」を認めている人が、そのいいところ「だけ」を持ったクルマに対して、購入対象から外してしまうことだ。それは、価格と無関係ではない。多くの人にとって、750万円のクルマは、そう何台も買えない買い物だから、本当に自分が欲しいのかどうか、自問自答し、「いや、ESでなくてもいいかも」という答えに行き着いてしまうのだ。


レクサスES300h VersionL

A地点からB地点へ安全に確実に移動したいだけなら、750万円のESよりずっと安いクルマでも実現できるのに、高い代金を払ってでも手に入れたいと思うのは、そこに、そのクルマしか持たない何かがあるからだ。

アテンザの評価の時に、「クルマのできはいいけど、現在のお客様に訴える何かを、今のアテンザから感じづらいから、売れ行きは伸びるまい。」と厳しいことを書いた。(やはり、カワイイは正義なのか 参照)このモヤモヤした感情は、一体どこからくるのかと、カタログをめくっていて気がついた。 カタログの中にも何も書いてないのだ。 確かに、トヨタの技術者が、一つ一つの項目について、ESに採用した技術をどう頑張って実用化したかは書いてあるが、ESが欲しくなるような説明は何も書いてないのだ。

このクルマは、一体何のために存在しているのか、どういう人がどう使えば楽しくなるのか、それは私の人生をどのように楽しくしてくれるのか。何も書かれてていない。 カッコいい写真はたくさん貼ってある。でも、中身が何もないのだ。 ああ、そうだ。それがESになぜ750万円払わないといけないのか、わからない理由だ。

例えば、フォレスターのカタログはカッコよくない。でも、愚直に「心奮わす、冒険へ」とか、ありふれているけど、わかりやすい写真と言葉で、人生の何の役に立つのかを別冊まで作って書きまくってる。プレゼンは素敵ではないけど、フォレスターを買うとどのくらい幸せになれそうかは、よく理解ができる。

ESは、レクサスの最大量販車種であり、変な方向には進めさせられない箱入り娘である。既に、トップモデルは売れ行きが伸びず、イメージリーダのクーペは、ポルシェに全く歯が立たない中、量販車種として、バランスの取れた○にならないといけないと、箱入り娘を強制されすぎている。 

もちろん、2.5HVのパフォーマンスがそれほどでもないとか、ブレーキが手前でがっくんと効いて制御しにくいとか、淡々と走るのでドラマチックさがないとか、新デジタルデバイスが役立たずだとか、そういう機械的なネガはあるけれど、それがESの問題の本質ではないのだ。 トヨタ車の主査に比べて、レクサス車の主査は、技術的な冒険には取り組むけれど、クルマの思想に対する思い切りがよくないように感じる。

レクサス ES300h F-sports

ESとは、良いところはいっぱい持ってるので、世界各国で一定数売れはするだろう。しかし、他の美人に比べると、「冴えない彼女」とでも表現すべきか。ある日、街で出会った彼女は、なんとなく整った顔はしているけど何もかもが控えめで、その魅力が伝わってこない、そんな「冴えない彼女」をどうしていくかが、ESの最大の課題であろう。 これがラノベの世界なら、無敵の主人公様が、様々な手で彼女をヒロインにしてくれるのだけれど、レクサスは、ESの白馬の王子様たりえるのか。 今はそれが心配だ

どんなに、美人の部品ばかり集めたって、”中条あやみにはならない。”

今後のレクサスが、ESや新ISをどう育てていくのか注目していきたい。
Posted at 2018/11/11 23:10:22 | コメント(0) | 試乗記 | クルマレビュー
2018年11月01日 イイね!

明治維新ではなく戊申150周年の会津への旅

明治維新ではなく戊申150周年の会津への旅今日は、クルマの旅の話で、難しい内容はない。私のブログの中で、旅関連の記事は少なく、時間もたってしまったけれど、たまにはこういうのも良いかもしれない。

長く西の方に住んでいたためか、東北を旅行するのはいつも新鮮だ。ロードスターRFで旅にでかけた。 2名乗車だと、室内はドリンクホルダーの置き場に困るほど狭いが、2名分の荷物を積むには十分なトランクがあるので、2泊3日程度の旅行に行くための荷物を積むための積載量は問題がない。


 出発前点検中のロードスターRF

東北には、美味しい食べ物やお酒があり、飛行機でも、鉄道でも自動車でも旅行するのは楽しい。今年は、明治維新から150年であるが、会津では明治維新と呼ぶ事はなく、戊申戦争から150周年記念としている。折角の節目の年故に、会津を訪れ、戊申戦争の記念展示を見ることと、福島県の会津に、美味しい料理を食べさせてくれる、古民家を移築した宿に泊まることを目的とした。この宿は、主に地元の食事会などを主催することがメインであるようだが、1日にわずか二組だけ宿泊客を取っている。

週末は予約が取りづらいことで有名でもあるが、今回は平日の予約であったので、1か月前でも取ることができた。会津の様々なお料理を中心に出してくれる。 たくさんお料理が出るようであるが、同行者はたくさん食べたい人なので、追加の料理もお願いした。

あいにく、天候はすぐれなかったが、東北自動車道は空いており、たんたんと距離を刻む。 高速道路では、しばしば、新型のクラウンを見かけたので、大分普及しているようだ。どのクラウンも、RFより巡航速度が速い。 こちらは、SAやPAでだらだらするので、ペースを上げても意味はないし、速度を上げるとリア側の駆動系の振動周波数がボディと共振してうるさいので、淡々と燃費が17km/L~18km/Lくらいのペースで走る。 振動の周波数も対策の仕方もわかっているのだが、この時は、面倒がってやってなかった。


 PAやSAでだらだらするのが楽しい
 美味しそうな桃を売っている。


会津城へと向かう。会津城は、再建であるが、内部が佐幕派であった会津藩の歴史を説明する展示があるので、半分博物館のようなものである。 天守閣まで登る間に、様々な歴史の話を読む。 副隊長が達筆だったそうで、部隊の旗なども書かれていたが、明治維新後は書家になったそうで、彼の書の作品を意外な場所で見ることになった。



 会津城のお庭にある歴史を感じさせる建物


 お茶席
 抹茶とお菓子を頂く
 


 会津城仕様のコーラ
 結局撮影だけして、コーラは同行者が持って帰った


会津の街を見学した後、少し早めに宿に向かう。若松から会津へ向かう道路は、70km/h制限の高規格道路で、天候が怪しかったが、オープンにするチャンスがあったのは良かった。 今回の旅で泊まる宿は、いずれも泊まることが目的の宿なので、少し早めについてゆっくりするのが良いようだ。 田んぼの真ん中に古民家が現れ、広い駐車場に駐車する。
この「志ぐれ亭」は一日に2組しか宿泊客を取らないので、宿全体が静かで、落ち着いた雰囲気の中で過ごすことができる。


 志ぐれ亭
 古民家を移築した旅館、趣がある。


宿のご主人と女将から、古民家の移築に関するお話を伺った。ほぼ元のパーツを使って移築するためにかなり気を使って移築されているのだが、移築前の最後の持ち主がいなくなって、空き家になって30年近くたっていたのに、適当に外気と繋がっていたため、黴ることもなく、中をほぼ荒らされることもなく、そのままの状態で維持されていたのは奇跡に近い。 柱や構造材だけでなく、畳やふすま、欄間、神棚、畳に至るまで相当な物が当時のまま残っている。 この家を作った時に、大工さんが一緒に作ったという神棚を拝見した。 私の家は神道なのでお参りもさせて頂いた。


 立派な神棚
 これもオリジナルのまま残る。


「会津若松」は会津ではないのだそうだ。北九州に若松市があるため、若松市と名乗ることができず、市制を定める時に、会津若松という名前になったが、若松、喜多方、会津はそれぞれ別の地方と文化を持つのだそうだ。



食事は、広間で頂く。広間には、立派な書が飾ってある。
これは、レプリカでも再生品でもなく、オリジナルなのである。


この書は、会津藩の副隊長の方が侍を引退された後に書家になり、書かれたものだそうだ。会津の人は、明治維新のことを戊辰戦争と呼ぶ。もう、江戸幕府が大政奉還してから150年はたっているけれど、会津の中では、明治維新ではないのだろう。 ベトナム戦争が、ベトナムではアメリカ戦争と呼ばれるのと同じなのかもしれない。
お風呂は、それぞれの客室用に用意される。温泉ではなく地元の水を沸かしたものだが、かつてお殿様しか入れなかったという、塗のお風呂である。塗りの中に入れたお湯は、大変柔らかく滑らかであり、温泉とはまた違うリラックスと気持ちの良さがある。



 会津の地形[天守閣からの眺め)
 盆地になっており、山形、新潟、関東を結ぶ
 交通の要所だった。
 

土地の料理を中心にした夕食は、地酒をいろいろと選んで始めた。
上記の歴史のある書に囲まれながら、じっくりと食事を楽しめる。


 前菜 美しい盛り付けに、料理への期待が高まる


 馬刺し三種類、会津の食べ方で。
 熊本の馬刺しよりも、赤味が中心のお肉で味わいが良い。

 
 こづゆ
 正月や祝い事の際に食べる、ハレの料理で、干し貝柱から取っただしを中心に山菜を煮ている。
 歴史は古く、江戸時代後期、会津藩主 松平容保が参勤交代で鶴ヶ城に帰ってきたときに
 召し上がった料理の一つと言われている。
 他の場所でも同じ料理を食べたが、この宿の調理が最も美味しかった。
 


 鴨の焚き合わせ(メイン)
 それぞれの材料を別々のだしで炊いてあり、
 一つのお皿に盛るので、炊き合わせである。
 当然ながら、全て別々の味がする。


 鮎の塩焼き
 清流に住む鮎で、他の地域の鮎とは餌が違うので味も違う。

 
 鱒、ジャガイモ、地鶏の蒸し物
 川魚の鱒と、地物のジャガイモ、地鶏の組み合わせ
 素材の味をそのまま楽しめるのだが、素材の品質がよく、
 何もたれをつけない方が楽しめる。


 地物野菜の天ぷら
 無農薬野菜を作っており、その野菜の天ぷら


 締めの蕎麦
 この蕎麦だけを食べにくる人がいるくらいに美味しい。。
 蕎麦専門店以外の場所でも、美味しい蕎麦に出会うケースがある。
 夏なのでシーズン外だが、そば粉は冷蔵され、品質を落とさないようにしている。

 

 完熟トマトのレモン煮
 昼食で単品で頼めるほどの名物デザート。
 トマトは糖度の高い物を使い、レモンの果汁で適切に煮てあり、酸味と糖分のバランスが
 極めて良い。 トマトはしっかり煮込まれているわけではなく、適切な歯ごたえが残っている。
 市販されているわけではなし、他で見たことはないが、この宿の名物料理である。


 お酒も含めて、福島・会津の料理をゆっくりした時間の中で楽しむことができた。
 ゆっくり寝て、目覚めると残念ながら雨のため、外への散歩はあきらめた。



 朝食は2組一緒に、囲炉裏のそばで頂く。この囲炉裏にかけてあるお味噌汁がまたおいしい。
 ご飯もおかずも、一つ一つがよく考えられており、ゆっくりとたっぷり頂けるのは嬉しい。



 囲炉裏にかけてあるみそ汁と、朝食を頂く(Foodie は撮影ソフトの名前)

 ご飯は、いくつかの種類からおかわりが選べるが、さんまご飯が美味しいので、こちらを
 おかわりした。 卵が美味しいので、白ごはんで食べたい、という人もいるので、
 いくつかのご飯が用意されている。
 新潟のお米ほど粘りは強くないが、食味、香りがよく、さすが東北のお米だと思う。


 他にお客様がほとんどいないので、出発まではのんびり過ごす。

予定では、仙台方面へ向かうつもりなのだが、宿の主人の勧めで会津から米沢へと向かう大峠道路というワインディングへ向かう。この道路は歴史の多い道でもあるが、現代はきれいに整備された道路(国道121号線)になっている。 今回は雨天故にトップをあけることはできないが、川に沿ったワインディングロードで、ターンパイク並みに道路幅が広く、交通量が少ないので、快適な走りを楽しむことができるだろう。 良くわかってはいるけど、日本にはいろいろな道と景色があり、自動車旅行が楽しめる国だなと感じる。

 
 
 福島県会津地方の道路はよく整備されていて、走りが気持ちがいい



 旅に出ているロードスターRF
Posted at 2018/11/01 22:45:15 | コメント(2) | トラックバック(0) | 旅と料理 | クルマ
2018年10月19日 イイね!

俺の妹がこんなに可愛いわけがない  デミオ 15S

俺の妹がこんなに可愛いわけがない  デミオ 15S
「ポン付け排気量」

とでも言うべきか。 他は全然変わらないのに、メリットの方がデメリットを上回っている。ライトサイジングで、どんな場合でも燃費がよくなるとは言えないが、運転はより楽しくなった。デミオの1500化は論理的な帰結であり、かなり前から、次期アクセラの生産タイミングに合わせての切り替えが決まっていた。 現行アクセラは、開発費用もかけ過ぎだったが、生産費用も高い。マツダのクルマの中で、ロードスター(とRF)の次に利益が薄いのがアクセラであり、アクセラより台数が出るデミオに1500エンジンを継続活用することで、総合的な利益率の向上を狙ったのである。

今回は、「なぜ1500だけに切り替えたのか」という理由を、販売側面から追っていくことにする。

「デミオ、いいけど高いからね」

珍しくないお断りの言葉だが、その言葉の裏には、「内容の割に高い」という意味が十分に含まれている。 Vits1.0のような、明らかな廉売モデルに比べて、物理的に「高い」と言われるならまだ理解できる。 販売側だってもう少し説明の仕方も、売り方も工夫できるだろう。予算第一でクルマを選んでいる人に対して、実売価格で20万円以上も価格差のあるデミオが選ばれるケースはまずないからだ。

問題は、「高い」という言葉の真意が、「お買い得じゃない」と言ってるケースだ。デミオを理解している人ならば、デミオは内容の割に高くないと思っているのだが、それが全然伝わらないのである。

その主たる原因は、アクアとNote e-Powerの存在である。価格面、性能面での本来のライバルはXDで、何故と思うかもしれないが、ディーゼルには抵抗のある人もいるし、短距離運用が多いコンパクトカーにとって、ディーゼルが適切なのかと疑問を持つユーザも少なくない。 では、XDより28万円安いガソリンモデルを試乗してみると「なんだか遅くて、価格なりの差があるのね」と言われる。翻ってハイブリッドとガソリン1.3を見積もり価格で比較して安いことはわかるが、1.3には絶対的なお得感が足らないのだ。無茶な話に見えるのだが、「買わなかったユーザ」の行動を追った結果、こんな理由があったのだ。上級グレードだと、動力性能の余裕のなさがさらに残念な結果につながる。


 デミオ15 Touring 特別仕様車
 廉価モデルと同じアンダーパワーが残念だった。


排気量拡大によって、「ゆとりあるスムーズな走りの実現」かつ、「エンジン効率の良い領域を有効に活用できるから、アクセルの踏み込みやシフトダウンの頻度が減少し、実用領域における燃費の向上にも貢献します」という広報のコメントも、それなりの説得力を持つと言えるだろう。 SKYACTIVE-Driveの変速プログラムを更新できていないなど、いくつかやり残したことは残っているが、低回転でシフトアップできるため、車内はかなり静かになり、動的能力も向上したから、試乗するとすぐに出力の余裕と静粛さの向上を感じることができる。 これまで比較されていたアクアも、e-Powerもエンジン音が耳障りでうるさいことが欠点である故に、対抗可能な商品力を高めることに成功したと言えるだろう。ハイブリッド群との燃費の差は、実用燃費に近いWLTCと顧客に説明している。 ハイブリッドの実用燃費がカタログ値の半分も行かないことは、ユーザも既に知っているから、一定の説得力はあると思う。


 デミオは実燃費がよく、しばしばカタログ燃費を発揮する。


一般的とは言えないが、お勧めしたいグレードは15SのMTである。乗りだし価格は15MBよりも安いのに、同等のトランスミッションを楽しむことができる。 レギュラーとハイオクの違いはあれど、基本的なエンジンの特性は同じで、6500回転までちゃんと回るので、15SのMTでのドライブも同様に楽しい。スイフトスポーツより約50万円も安い点も魅力だ。 マツコネも装備されるので、ナビ・バックモニタもわずかなオプション費用で装備できて、実質的な乗り出し価格が安い。 970kg/110馬力と、パワーと重量のバランスがいいから、公道でのドライビングが楽しく、レギュラーで燃費が良いこともお財布に嬉しい。

2014年から市場に展開されている豊富なアフターパーツの多くが使えるので、カスタマイズの範囲も広く、MTの運転を安価に楽しむクルマとして最高の一台だと思う。

マツダの末妹の走りの楽しさは健在である。

Posted at 2018/10/19 21:31:19 | コメント(1) | 試乗記 | クルマレビュー
2018年10月12日 イイね!

RX-007は二度死ぬ  新ロータリーエンジン

RX-007は二度死ぬ  新ロータリーエンジン
「ロータリー・ターボ♪」

コスモのCMで、このフレーズを聞くのが好きだった。そして、ロータリー・ターボは、既に失われてからもう随分とたってしまった。私はロータリーエンジンにも、たくさん思い出があり、それを搭載したクルマたちもそれぞれが実に楽しいクルマであったから、私のロータリーに対する印象は悪くない・・どころか、相当に特別な思いれがある。だから、SA22をはじめとして、RX-7という名前のクルマには全部乗ってきた。(コスモも、RX-8もだけれど)


 SA型 RX-7
 このクルマは、排気ガス規制で失われたスポーツカーの復活の狼煙だった。
 SA22の存在がどれほど頼もしく、嬉しかったことか。



 FD型 RX-7
 操安の不安定なクルマだが、未来永劫、カッコいいと言われるはず。


マツダ自身も、ロータリースポーツの夢が捨てきれず、何度もチャンレジしたが、どうやっても商業ベースの乗せる計画が立たず、新しいロータリーエンジンを積んだスポーツカーが発売されることはなかった。


RX-Vision
2015年の第44回東京モーターショーに出品。
次世代ロータリーエンジン「SKYACTIV-R」を搭載するとアナウンスされたが、
ビジネスとして成り立たず、発売は延期された。


メディアが、EV化の拡大を叫ぶなか、日欧の主力自動車メーカは、EVの商業的な問題点を見抜いており、動力の電動化が進むことには肯定的ではあっても、主にインフラと電池性能の理由から、EVの普及は限られた範囲になると考えている。 マツダでは、2030年でも、EVは全体数の10%程度の割合で、主力になるのは、ハイブリッドの発展系になるだろうと予想している。 パラレルハイブリッドだけでなく、シリーズハイブリッドもまた、日産やホンダの主力ハイブリッドになったことで、その候補の一つになりうると考えられている。(ホンダのハイブリッドは、エンジン動力でも駆動できるケースがあるが、主機能はシリーズハイブリッドだと言っていいだろう)


2013年にデミオEVをベースに試作したレンジエクステンダー用のロータリーは、搭載車両がEVだったことから「レンジエクステンダー」と呼ばれたが、現在の言い方で言えば、シリーズ式ハイブリッドのPHVである。 さすがに21世紀に設計・製造したロータリーだけに、主要パーツを13Bから流用して作ったシングルローターのエンジンだったにも関わらず、過去に発売されたどの13Bロータリーよりも静かに回ったのだ。 しかし、この時代のマツダには、その先に進むための研究費用と人材を開発に回すことができず、それ以上研究を続けることはできなかった。 当時のマツダは全リソースをSKYACTIVEの展開にかけるしかなかったからだ。 しかし、このロータリーを積んだレンジエクステンダーは、意外な方向から注目されていた。その一つがトヨタである。



 13Bがベースのレンジエクステンダー用RE(2013年)
 単室容積330cc、圧縮比10.0、単体重量35kg、最高出力25kW/4500rpm、最大トルク47Nm
 最高許容回転数4500rpm、運転範囲は1500rpmから4000rpm
 マツダは発電用エンジンにロータリーの特許を取っている。


発電用に絞ったロータリーエンジンは、定速回転用として再設計すればもっと軽量にできるし、弱点と言われている排ガスや燃費の不利の面も、使用する回転数や運転方式を限ることができるため対策が可能だ。 発電・駆動モーターのシステムは、この技術に長けた会社-例えば、モータージェネレータ(MG)が得意なデンソーのような-が協力すれば、うんと軽く作れそうだった。 そして、トヨタは、よりドライバビリティの高い電動化の方法を模索しており、自社のパラレルハイブリッドの他にも方式を考えておくべきだと言う結論に至った。単純なシリアルハイブリッドですら市場に受け入れられることは、日産のe-Powerが既に十二分に証明していたからだ。


トヨタは、電動化の開発において、「運転の楽しさ」が「ダイレクト感」と関連していることを十分意識していたから、莫大な費用をかけて、マルチステージハイブリッドを開発した。(「トヨタ・ハイブリッドは電気羊の夢を見るか」参照)それは、マツダが呪文のように唱えている、「躍度一定」と方向性が同じであることは、トヨタも良く理解していた。 だから、マツダが再びロータリーを新設計するためには、トヨタとデンソーの存在は不可欠だったと言える。トヨタを中心に、この3社で設立した「EV.C.A. Spirit(EVCAS)」には、現在、日野、スバル、スズキ、ダイハツも加わっているが、キーソリューションは、シリアルハイブリッドに必要な、ロータリー、発電システム(MG)、変速機(これはまだ公式発言していない)の3つである。 トヨタとマツダ以外は、ロータリーを使うかどうかを明らかにしていないが、シリーズハイブリッドに適したエンジンでなければ、新たに開発する意味がない。



 トヨタ、マツダ、デンソーにて「EV.C.A. Spirit(EVCAS)」を設立


ロータリーには、まるでシリアルハイブリッドのために生まれてきたような特性がある。

1.エンジン全体がコンパクトであり、配置の自由度があること
2.モジュール化して連接させて性能拡大ができる。
3.一定回転数にすると燃費が良く、振動が少なく静か。
4.停止→始動→停止のショックが小さい。
5.複数の化石燃料が使える。
6.既存の生産技術・設備で量産できる。
7.競争力のある値段で販売できる。
8.整備技術、整備網がある。

この1~8の特徴を全て持つ内燃機関は、ロータリーしかない。ロータリー以外では、ガスタービンの特性に近いものがあるが、コストや整備性などの話を出せば、全く実用的ではないことがすぐにわかるだろう。もちろん、マツダ以外の会社でも、ロータリーを開発することは可能であろうから、マツダ以外のロータリーが生まれてくる可能性もある。



 シリアルハイブリッドに対するロータリーの適正は高い


こう見ていくと、ピンチなのは、SCKACTIVE-X以外の、既存の4気筒などの一般的なエンジンであり、電動化されて比較されたとたんに、ロータリーと直列4気筒の差があきらかになってしまう。単装ロータリーは極めて小型で、4000回転で50馬力程度の出力は容易に発揮できる。トヨタがハイブリッドを通して編み出した技術に、モーターでドライブトレーンの振動を打ち消す技術がある。この技術は、モーターと同軸上に配置可能なロータリーには大いに有効で、単装ロータリーでもその振動を打ち消してしまうことができる。



 トヨタの制振技術 モータ駆動の位相変化で振動を吸収する。


トヨタが、自慢の高熱効率エンジンではなく、ロータリーを使うのは、その全長の短さ故に、トランスミッションをモーターと組み合わせて配置できるからだ。 世界的には、電動化のモーターは駆動輪の近くに配置しようとしているのだが、トヨタは電動化における、運転の楽しさの実現のために、モーターの後ろに変速機を配置する構造を考えている。現在のEVはモーター直結方式が主体になっていて、この方式は簡単だが、エネルギー効率もドライバビリティも良くない。 

モーターの減速比は、最高速度に必要な出力を得るために、トルクとモーターの許容回転数を元に決定されるので、必要な出力を得るためには、モーターのサイズを大きくして大トルクを発生させるか、モーターの回転数を高くするかの選択になってしまう。 エンジンルームの大きさの制限から、小型のモーターを積まねばならないEVでは、減速比を高く設定し駆動モータの最高回転速度を上げざるを得ず、減速機の動力損失は増大し効率が低下してしまう。変速機で、減速比を変えてやることで、モータ最高回転速度を高めることなく,駆動モータの最大トルクを低く設定できる。

さらに、駆動モータおよびインバータの効率とレスポンスは、回転速度とトルクによって変化する。 だから、モーターもまた高効率で運転できる回転速度とトルクの領域で動かせば、最も良いレスポンスを引き出すことができるので高いドライバビリティが実現できるわけだ。



 モーターに変速機を加えると、エネルギー効率性と
 ドライバビリティを高めることができる。


このように、EVの中にも差別化が可能であるため、トヨタ・マツダ・デンソーは、モーターに変速機を配置して、モーターを変速して使用することを考えた。モーターが一定出力であることを考えれば、回転数を下げて、より高いトルクを優秀な変速機で駆動輪に伝えた方が、ドライバーが電動機の高速運転時に感じる、薄いトルクによるレスポンスの悪化と違和感を回避する事ができるわけだ。



 モーターに変速機を加えた駆動装置(NTN製)
 変速機の有無でドライバビリティが大きく変わる。
 ボルグワーナーもEV用のモーター変速機を開発

サイズがコンパクトで、複数の燃料が使える事が生み出すメリットも大きい。
ロータリーもモーターも、ペッちゃんこで小さいから、横置きにして変速機を組み合わせることもできるし、初代エスティマのように床下にミドシップして、前から後ろまで使えるミニバンを作ってもいい。まさに、ロータリーが夢見ていた、コンパクトでハイパワーなユニットの使い方ができるのだ。
マツダから提案されているように、災害時には、家庭のプロパンガスを接続し、そのプロパンガスで発電を行い、災害時の電力供給を支援できるという考え方も可能で、ガソリンが手に入らない場所でも、容器が丈夫な故に、その辺に転がっているプロパンガスなら手に入りやすいし、扱いもとても簡単だ。



 LPGを使用して災害時の電気供給源となりうる。
 (PHVが被災地で活躍した事例を生かしている。)
 被災地以外でも、電気のない所に電気を作り出せる。


さて、トヨタとマツダが、「エコカー」のためだけに、この技術を作っていると思ったら、大きな認識不足だ。彼らは、プレゼンの中で、あえて、エコを中心に話していて、聞き手がそれを素直に受けってしまっている傾向がみられるが、このシステムは決してコンパクトカーのためだけのシステムではない。テスラみたいな無謀なバッテリーの使い方がハイパワーカーの未来の姿ではないと思うが、もっとまともな方法でハイパワーを楽しむことは可能だ。 トヨタのモーター制御技術で、単装ロータリーの振動は打ち消すことができる。しかし、ロータリーには、複数ローターが連接できるという特徴がある。連装、3連装にすれば、ロータリー自身がもっと滑らかに静かに回るし、内燃機関が発揮できる最大出力を増大させることができるので、バッテリーを全て使い果たした状態でも、内燃機関が発揮する出力をモーターが発揮し続けることができるのだ。



 直列・コンパクトなRE
 マツダの言葉に隠された真意を見抜く必要がある


もし、3ローター150馬力で足らないなら・・排気タービンでも、電動タービンでも使って過給すれば、出力の増大は可能だ。ここまで来ると、「モーターを取っ払う」やつが必ず出てくるだろうが、その手法は未来のコーチビルダーに任そう。我々は、商業的に成り立たないことを心の中で理解していて、もう新ロータリーエンジンはこの世に出てこないと思っていた。 新ロータリーがシリーズハイブリッド用として生き延びることに、何か複雑な物を感じた人もいるだろう。 しかし、それは喜ぶべきことであって、悲しむべきことではない。


 3ローターエンジン(20B型)、ユーノス・コスモに搭載された。
 燃料をがぶ飲みはしたが、滑らかで気持ちのいいエンジンだった


ロータリーはまだ死なない。そして、次の世代でこそ、ロータリーが本当の意味で活躍できる時が来ると思っている。ロータリー・ターボは、憧れであっても、ロータリーの本命にはなりえなかった。 だから、ロータリーはもう一度復活せねばならない。 ノスタルジックに考えれば、これまでのロータリーは乗っていて楽しかったが、それは私達の時代で十分経験できたし、そのうちの何台かはずっと未来まで残されるだろうから、未来の人もOLD-TIMERとして経験することはできるだろう。

ロータリーは、もう一度生まれ変わる。
今度こそ、彼がやりたかった夢をかなえてほしい。

 RX-7, You Only Live Twice

Posted at 2018/10/12 14:39:28 | コメント(1) | トラックバック(0) | 自動車技術 | クルマ

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