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2019年04月26日

最上級ぱらどっくす BMW Z4 M40i

最上級ぱらどっくす BMW Z4 M40i BMWは改心したと思う。

改心したというくらいだから、「旧Z4のシャシーであるE90系が悪かったとでも言うのか」と思うかもしれないが、Mモデル以外のあれは、FRではなく「BMWという名前のFRみたいな何か」だ。BMWの方針で、エンジニアがそもそも自分の意図に沿わない「ハンドル切れば曲がるガチガチのクルマ」設定で仕立て、電子制御を外すと、前後荷重移動速度が速すぎるなどの理由でプッシュアンダーになるクルマを販売してきた。この設計は、はっきりと言えば、中国と日本など限られた地域でしか受けず、特に最大マーケットたる北米では、セダンの人気が劣化し、SUVへとマーケットが切り替わる中で、トヨタ、ホンダ、ポルシェなどにシェアを奪われ、BMWのブランド価値までもが劣化し始めていたのだ。 2012年にF30系に更新された後でも、この設計方針の根本的な部分は変わっていなかった。中国市場のBMWが未来永劫伸び続けるなどと考えることはできない。


  BMWはセダンが主力で北米では苦戦

BMWを改心させたのは、トヨタの力が大きい。トヨタとBMWの協業が突然始まったようにトヨタは見せているが、そんなことはなく、トヨタの戦略部がBMWを研究した結果、もしBMWがトヨタ式の設計方式を、次世代の主力モデル設計(現在、G20系と呼ぶ新モデル)で受け入れるなら、今後の協業を考えても良いと2012年にBMWに提案したのだ。 BMWの経営陣も、技術者も当然のように反発した。どれだけ丁寧な言い回しをしても、トヨタの提案は明らかに上から目線の言いように見えるからだ。  しかし、同様な事象は、スバルと協業した時にも経験していたから、トヨタは驚きでも何でもなかったが。 

トヨタと仕事をしたことがある人ならよく知ってるだろうが、トヨタは徹底した理詰めの会社だ。 そして、相手が納得するだけの裏付けを持って、自分の意見を述べる。 普通の会社なら調べられないようなデータですら、費用と要員を使って調査して、実験して提示してくる。 最初は、「トヨタの技術者ごときが」と思っていたBMWの技術者も、理詰めのエンジニアリングの世界では、真実は一つだ。 トヨタは、一つ一つ、BMWが変えるべき点を上げて、BMWの技術者を納得させ、同時に彼ら自身がずっと不満に思ってた、BMWの経営陣が指示する「切るだけで曲がるハンドリングのクルマ」をやめると言う共通の目的のために動き始めさせることに成功した。 トヨタの設計方式は、決してBMWの独自性を奪うものではななく、BMWの技術者は自分の力で、同じパーツを使ってトヨタの設計を上回るクルマを作ることができるのだ。トヨタの多田氏は理解していた。BMWに腹落ちさせるには、彼らに、最終的にパラドックスを体感させるしかないとことを。

当初、「ポルシェなんて眼中にない、我々はBMWだ」と言っていたBMWも、今度こそ、ボクスターを仮想敵にすることを目標にした。 これまで、ファンタジー・スポーツカーだったZ4が、MX-5や124スパイダーと、718ボクスターの間のマーケットを狙うことにしたのだ。


  良い天気で、オープン日和  

■G20系シャシー

トヨタのTNGAと同様の設計思想でBMW社によって設計された、G20系シャシーは、新型Z4と新型3シリーズで共有である。 例えば、Aピラーから先のフロントセクションは、外板パーツ以外は、新型3シリーズとほぼ同じである。F30系と比較して、ボディフレームで剛性を確保し、上屋の素材を見直して、高すぎる重心高を下げて、上屋の動きを硬いバネで支える必要をなくした。モノコックではなく、フレームのセクション構成で剛性と荷重応力変化を設計し、車両全体として必要な剛性と応力伝達速度を確保する。細長く、前後荷重移動の速度管理ができないいシャシーを、適切なトレッド・ホイールベース比を取ることで、前後荷重移動速度を適正化させる。 トレッドの拡張に伴い、サスペンションアームを長くして、サスペンションのストローク変化の増大に伴うロール剛性の変動を抑制する。と言った「FR設計の基本」から見直した。 こうした設計が可能になったのは、トヨタの設計手法に習い、BMWの技術者がずっとやりたかった設計ができるように、設計方法を大きく変えたからである。もちろん、トヨタがBMWから学んだ事もたくさんあった。 スープラの記事の中で、「スポーツカー作りにおいて、BMWがトヨタから学ぶものなど何もない」と書いているヒョウロンカがいたが、不勉強を通り越して滑稽ですらある。 トヨタとしては、盲目的にBMWを信奉するヒョウロンカがスープラを批判しにくくなって、多少はしめしめと思ってるかもしれないが。


  G20系の足回り
  長いアームでサスペンションの可動範囲を確保


■ハンドリング特性

物理的な特性から想像できる通り、コーナリング特性も悪くない。まだバネレートが合っていなくて、アダプティブMサスペンションをSportsにセットしてやらないと、衰滅力がバネレートと合わないが、Sports以上にセットすれば、荷重移動も期待通りに行えるし、コーナーでのスロットルの踏み込み位置も、FRらしくボクスターよりも手前から踏んでいける。 電子制御LSDの「Mスポーツディファレンシャル」の動作を知らないまま、コーナーリング中にスロットルを急激にオフにすると、想定外の挙動変化が起きる事にどきっとするケースがあるが、この電子制御LSDの特性を理解すれば、制御可能の範囲ではある。 例えて言うなら、かつてのR32GT-Rの「アンダー出ても踏む」と言うクセに近いものがあるといえばいいだろうか。 こう言う特性は私はあまり好きではないけど、電子制御が適切に介入するので、胃がキュッとなるほどの事は起きない。 だから、電制をONにして、電子制御LSDを効かせ、自動変速に任せて走ることがキモチイイと感じる人は結構いるだろうと思った。 基本的にぐいぐいスロットルを踏んで、ステアリングを左右に切り込んで走るのが好きって言う人なら、前後左右のバランスがいいから、ボクスターや124よりずっと楽チンで速く本人の想定通りの走りができるからだ。



  Z4 コーナリング

スープラもZ4と同様に、電子制御LSDを使用するが、この制御SWのロジックは、Z4とは異なり、トヨタ独自の制御で行われる。各国で行われた試乗会で、スープラの操安性の方が、Z4より高く評価されたのは、主にVSCの制御ロジックと、この電子制御LSDの制御ロジックが大きく貢献している。 スープラはVSCを解除すると、かなりテールハッピーになるようだから、VSCオフでも、電子LSDのSW制御は維持されているのではないかと考えている。


  A90スープラ

■エンジン特性

高圧縮エンジン+直噴ターボだから、大きなターボラグはないが、それでも2500回転以下のステージ1と、2500回転から6500回転のステージ2の2段の走りがあるように感じる。ステージ1でも、公道で走るには十分なパフォーマンスで、8速ATとの組み合わせで特に不満なく使える。 ステージ2は、丁度いいくらいのパワーで、公道で遵法的に使うには余るくらいだが、危険なほどではない。 気持ち良いかと言うと、ちょっと答えに悩む。 ストレート6は滑らかと言うより回転感覚が小粒で、エキゾーストを開モードにした時の音を聞かなければ、BMWの4気筒と変わらない回転感覚なのだ。音もちょっと作りすぎで、デジタルな作り物感を感じてしまう。 もちろん、Z4に積まれているN58B6気筒ターボエンジンは、F30系や旧M2で使われていたN55より近代化され、洗練されたと思うが、むしろ6気筒っぽさが減ってしまったように感じる。 それでも、N58Bは、エンジン音の面ではボクスターSのフラット4に優っている。  出力に関してもターボラグはあるけれども、ターボが効いたあとのパワー感は十分にあるので、ノーズが重いことを受け入れるくらいの価値はあると思う。

一方、ボクスターSのフラット4のエンジン音はドロドロと低音で、BMWに比べて色気はないものの、VTGによる全域ターボ特性が素晴らしい。 


  N58型6気筒ターボエンジン

Z4は、低回転でも排気量が大きいだけにスロットル操作に気を使わなくても良いので、長距離ドライブは、124より楽しいと思う。8速ATの変速も適切かつシフトショックも無く、ボクスターSやM2CompetionのDCTほど直結感はないが、変速速度に不満はなく、Sports+ではGがかかっている状態で減速するとちゃんとシフトダウンして、高回転も積極的に使える。Openの状態で街中、高速道路、ワインディングを気持ちよく走ることが目的であるZ4にとって、丁度いい変速機との組み合わせであると言える。

余談ではあるが、G29 Z4 M40iを買おうかなと思っている人は、M2 CompetionやM3に乗ってはならない。 Mには本当のBMWストレート6が載っているからだ。S55型6気筒ツインターボは、出力も400馬力を軽く超えるが、回転感、エンジンサウンド、出力特性のいずれもが、まさに6気筒ターボだからだ。 Z4は、65,000ドル級の2シーターのOpenで、ライバルは718ボクスターSであるからB58でいいと判断されているのだろう。 Mの本来の金額レンジの相手は6気筒の911カレラだから相手が違う。  しかし、不思議なことに、日本での値付けは、M2 Competionは901万円で、Z4が835万円とZ4の割高感が半端ない。M2はシャシーがZ4より古く、絶対的なシャシー性能は、G20系に及ばないはずだが、幸いなことにMのシャシー設定は、まともなFRのそれであり、BMWの他のモデルのハンドリングとは異なるので、Z4を買うならM2 Competionを買ったほうが幸せになれると言う気持ちになってしまいかねない。 本命は、G系シャシー+S55エンジンが乗った次のMモデルだろうが、G20系の価格体系から見ると、今度こそ、911が買える値段になりそうだ。
*注:MとMsportsは全く別物である。
   Msportsとは、「Mっぽい感じがあるとかっこいいかも」
   と言うドレスアップモデル 
   ついでに、Z4のM40i のMは、Msportsと概ね同じ意味で、Mではない。



  S55型6気筒ツインターボエンジン
*注:N55をベースに、ツインターボにしている。シリンダーのクローズドデッキ化、オイルパンにマグネシウム合金を使用している。クランクシャフトを窒化処理したクロームモリブデン鋼に変更し、高出力と軽量化のための改良が随所に施されている。コンロッドも特殊な表面・端面処理を行い、マーレ製Si12Cu4Ni2Mg配合アルミ合金ピストンを使用して高回転を許容する仕様になっている。


■課題

価格は、ボクスターSの価格を意識していて、オープン故にスープラより高い値付けをしたとは言え、日本市場での値付けは高いと思う。 北米では、ほぼ同等の装備のZ4 M40iが69,300USDくらいで買えるのだから、日本市場での値付けの835万円は、少々高いと言えるだろう。 BMWジャパンが「BMWは高級車だから」という理由でそう値づけたならそれでもよかろう。 ポルシェは別段高級車ではなく、高額車ではあるものの、中古車として売却する場合でも新車の購入価格に対して適切な下取り価格で引き取ってもらえる。 しかし、BMWはそうはならない。 なぜ、そうなるのかの理由は一つしかない。

お金で解決できる課題以外に、Z4には大きな問題がある。 車線逸脱警告装置だ。 同等の装備をマツダのCX-5なども持っていて、白線の引かれた道路から逸脱すると、それを元に戻そうとする。マツダの設定は、危険な範囲にならない程度でステアリングに伝えてくるが、BMWのそれは、かなり強力に作用し、初めて経験すると相当に驚くことになり、事故につながる可能性すらあると思えた。 オートクルーズのように自分で入れるのではなく、規定値で入ってるので、普通に乗ると、この逸脱補正に突然出会うことになる。 首都高の入り口と別れるところなどで、白線をまたぐと、驚くほどの力でステアリングが押し戻される。Y字の左に行きたいのだが、強制的に右の高速道路ランプへと切り込もうとするのだ。 マツダの3倍くらいの力でステアリングが動くので、これは、安全装備というよりむしろ危険な装備である。 Z4を利用する人は、十分この動きに慣れて、クルマが押し戻そうとしても、必要な場合は、自分で強く逆に切り込む意識を持たないと危ない。 言うまでもないが、新3シリーズも全く同じ問題を抱えている。



  車線逸脱防止機構
*注:車線逸脱警告システムは、フロントウインドウのカメラで車線表示を検知し、70 km/h 以上での走行時に車線からクルマが逸脱しそうになると、ステアリングホイールを逆方向に動かしてドライバーに警告するが、この反力が強すぎる。


■内装から見たスープラとの違い

Z4の一番の魅力は、まず内装だろう。 ボクスターやスープラと比較の対象にならないくらい、ラグジュアリー感が違う。スープラは86並だし、ボクスターでこのレベルにしようと思うと、オプション代がいくらになるのか、計算する気も起きない。 


  Z4の内装

Z4とスープラは、特にお値段なりの作り込みの差が顕著で、スープラの実車と比較すると相当に、スープラの内装が安っぽい。 4発モデルのスープラの内装は、安価なモデルの方だとほぼ86の中間モデルくらいの品質で、安っぽさに定評のあるボクスターの内装より安っぽく感じる。 6気筒モデルの690万円のスープラでも、86の最高グレードと変わらないのではと思うレベルだから、ドアやインパネ類の作り込みは、Z4が最も良い。 何でもかんでもオプションで、追加装備に莫大な費用がかかるボクスターに比べて、もしかしたら、Z4の価格を受け入れられる人がいるかもしれない。  シートは、スープラはトヨタ製、Z4はBMW製で、実用面ではスープラも問題はないが、見栄えと手触りは、お値段以上の違いがある。BMWのナッパレザーは、マツダのそれよりも高品質で、良いものを買った感を味わえる。


  スープラ内装
  安い方の内装なのは、嫌がらせじゃなくて、実車が4発モデルだったから。
  中間グレードの86と同じくらいのレベル。

ステアリングも、それぞれトヨタ、BMW製なのだが、BMWの方は当然極太のグリップである。 内装がLEDと電球だとかの差はあれど、内装の最も大きな違いは、インフォテインメントで、Z4は最新のボイスコントロールができるiDriveが搭載されているが、スープラのそれは1世代前の、BMW現行モデルが使っているバージョンである。スープラは690万円とより安価なので、それなりの差はある。運転席全体のデザインは、Z4の方が断然カッコ良く、視点の動きも少なく、使いやすいと思う。


   Z4内装
   最新の、「Hey BMW」ってやつが使えるが、普段SiriもAlexaも
   使わない人は多分使わない。
   なお、ドイツ語モードでは、下手なドイツ語でも認識する。
   ちょっと、ファイアフォックスぽい。(あれはロシア語か)
   Bitteを最後につけるとより効果的、結構ツンデレかも。 
   日本語モードの日本語認識は、ちょっとイマイチ感あり

しかし、私は、全面液晶の画面は嫌いだ。グラスコクピット化は、航空機だけで十分だ。 BMWのレブカウンターの針の向きが右下から上に逆時計回りに回るのも受け入れられないが、一般的な人の印象はApple watchの時計盤みたいなものだと思われているのだろう。 BMWはメーターのデザインがカッコよくて好きだったのに、デジタル化された際に全く踏襲されていなくて残念だ。


  Z4メーター
  これが良いとは思えないが、Apple Watchだと思えば良いのか。


スープラは、回転計など配列を固定化した上で、液晶を部分的に使っているから、この辺はスープラの方が見やすい。レクサスのLFAのメータも部分液晶だが、あれはとても良いデザインだと思う。 全面液晶のパネルは、iPadが付いているみたいで、味気ないのだ。


  スープラのメーター
  カッコよくはないが、トヨタらしく、
  必要な情報が見やすいレイアウト。


室内の居心地、エアコンディショニングなど、後発だけにボクスターよりかなり快適に広くなっている。 ロードスターや124スパイダーで面していた、「LCC並みのギリギリの広さの座席」に対して、Z4は、「プレミアム・エコノミー」くらいの余裕度の差はある。 同じFRで、クルマとキャビンが大きくて、乗車人数が同じなのだから、広いのは当たり前であるのだが。 スープラのシートは見ただけでわかると思うが、トヨタ製がBMWの工場に持ち込まれて取り付けられる。


  Z4シート

トランクはクルマのサイズ相応に広い。幌にした事で、トランクスペースを小さくせずにすみ、MX5/124スパイダーの2倍くらいの容量があるように見える。二人分の旅行の荷物はバッチリ積めるので、旅行の帰りにお土産を入れるところがなくて、買うのを諦めるなんてことがなくて良い。キャンプ道具だってバッチリ積めそうなので、124スパイダーのトランクに入るグッズを必死に集めなくても、楽々キャンプに行けるのではないかと思う。 スープラも、ハッチの下にそれなりのスペースがあり、タイヤは積めそうにないが、旅行用の荷物は積めそうである。


  Z4トランク


  スープラのリアハッチ収納スペース


■オープンとクローズ

 バスタブに沈む感覚があって、開放感は、NDロードスターや124には及ばない。 その代わり、包まれ感があるので、ロードスターRFに近い感覚がある。
 後方は空いているが、シートバックが少し高く、風の巻き込みは少なくて、快適なオープンエアモータリングが楽しめる。124スパイダーよりデート向き。
 オープンにするのは12秒くらいで、電動で動作する。50km/h以下の速度ならば開閉可能である。


  オープン状態

 クローズ状態では、静かというわけではないが、ロードノイズの遮断性や、ガラスの厚みの差によって、静粛性は124スパイダーやボクスターより優れている。 でも、幌なので雨が降ればパチパチいうし、大きな差があるというものではない。 やっぱり幌型は、オープンの姿が基本だと思う。


  クローズ状態




■結論

G29型Z4は、豪華な大きな124スパイダーだと思う。 お値段が2倍以上違うため、よりラグジュアリーで、保有する満足度もある。両車とも前後のオーバハングがやや大きく、ターボラグのある過給エンジンをスクエアなディメンジョンのシャシーに積んだFRであり、外装の見た目までもそれとなく似ている2台である。「大きな124スパイダー」というのが、褒めてる言葉なのか、と問われるならば、それはYESだ。 私が、M以外のBMWを好意的に書くのは多分初めてで、それは私にとって最上級のパラドックスでもある。 G29型Z4は、ディメンジョンがスクエアに見直され、アームはマツダのFRのようにアルミ製の必要な長さのアームを持ち、ミシュラン・パイロットスポーツを履きこなせるだけのシャシーの余裕がある魅力的なFRの一台だと思う。 B58エンジンは、Mシリーズに載るS55を知らずに、エンジンサウンドが妙にデジタル的に雑味がなさ過ぎることが気にならないなら、パワーは丁度よく、シャシーとのバランスも良い。 124やMX-5に比べると何事にも重さは感じるが、それでもスポーツドライビングの操作には、概ねちゃんと答えてくれる。

つまりZ4は、価格が高い事と車線逸脱防止機構以外に、取り立てて大きな欠点がない。 ここまで各論で述べてきたように、エンジン、内装、走り、オープン時の快適性もみんな悪くない。 それでも、誰も「Z4は、718ボクスターを超えた」とは言わないのだ。私も含めて。「Z4なのによく頑張った」といい方は失礼だが、実感に近い。  では、一体何が気に入らないと言うのだろう。 まず外観はフロントデザインがあまり好みではない。 エンジンが6気筒らしい回転感がないのに、作りすぎた感のある排気音も気になる。 でも、一番重大な問題は、スポーツカーとしてのブランド力を感じないことだ。多くの人が、M以外のBMWをスポーツカーとして認めてくれないのである。 スープラ、FD、GT-R、ロードスターといった、2次元系の媒体を通して世界中に知られるようになった日本車より、スポーツカーとしての認知度が低いのだ。  最終的に、預金通帳を見ながら、「Z4を買おう」という最後の一歩が踏み切れない。


  BMW Z4 M40i
  デザインを見て、「欲しい」と思えないと
  手が出しづらいように感じる

A90スープラと比較されるZ4だが、では、もしスープラとZ4のどちらかを2択で選べと言われても、私はどちらも選ばない。 まだ乗ったことがないスープラを批判するつもりはないが、内装と外装のデザインが更に受け入れられないと言う好みの問題よりも、スープラは、私が持っているスポーツカーに対する楽しみ方の違いを感じるからだと思う。 LWSならMTのロードスターやエリーゼの方が好みだし、LW以外なら、ボクスター/ケイマンや911の方が自分でクルマを操る楽しさがより高いように思う。 そんな私の好みよりも大事な、世間の判断はこうだ。690万円のスープラは、順調に売れていて、3月の時点で6気筒のRZは、2019年欧州への割り当ての900台、日本向けの570台は既に完売で、納期は1年を超えているから、ローンチ後のマーケットを十分に持っている。 製造がBMWであっても、トヨタが保証すると言うトヨタ・ブランドの安心感はあるだろう。しかし、大きな問題もなく、走りも同様に楽しいはずのZ4は、世界中でスープラのようには売れていない。 世界レベルでのこの差は、BMW にとって、最上級のパラドックスだろう。


  トヨタ A90 スープラ

それを解決することができるかどうかが、BMWのこのクラスのスポーツカー市場での課題だ。既に、ポルシェとトヨタは各国の市場でそれを成し遂げている。評論家が「売れる方がいいクルマだとは限らない」といくら言っても、現実は実態を見ている。G29型Z4は、歴代Z4の中でもっとスポーツ性の高いクルマになった。でも、Z4じゃなければ手に入らない何かは見当たらない。 将来、Z4がボクスターやスープラのように市場で認められるようになるかは、まだ、「希望はあるかも」としか言えない。

この記事は、当初試乗記事として書いた。しかし、とてもではないが、試乗記の文字数まで削りきれず、通常ブログ記事での公開とした。 元の原稿は、ここに載せている3倍くらいの量を書いてる。 それは、未来のBMWのスポーツカーへの期待からくる以外の何物でもない。

BMWにとって、トヨタとの協業はきっと大きな一歩になると思う。



  BMW Z4 M40i
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Posted at 2019/04/26 19:26:31

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この記事へのコメント

2019年4月26日 22:42
いやぁ、大作。
Z4にもスープラにも乗っていないが、モノ申す(笑)。

1)トヨタは理詰め
 確かに、一緒に仕事をすると理詰めだが、遊びはない。
 スポーツカー作りには、もっとも遠いプロパティー。
 だと、思ってます。
 実用車作らせたら、世界一。

2)BMWはポルシェを気にしている
 ドイツ人は、プライド高く、要領が良く、頭が良い。
 分からなければ平気で嘘を付く。(=ディーゼル不正問題)
 RR、MR、フロントエンジンのSUVしか作れないメーカーを、直6FRを絶やさず作り続けてきたBMWがポルシェを気にする?
 彼らは、死んでも、ボクスターを目標にしないと思うが。

3)M>>M sports
 Mには乗って無いがRSに乗ってるんで、発言権あるはず(笑)。
 M(RS)は、愉しさ優先、居住性無視、扱いやすさは無視。コスト無視(笑)。
 実際には、民生用に手加減してくれてるんだが、一見さんはお断り(笑)。
 乗って思うのは、常人にはM sportsがベスト(笑)。
 M(RS)は変態向けです(笑)。相当の覚悟が必要。
 近年のM(RS)はユーザーフレンドリーなのかしら。

4)メーターがフル液晶。
 峠道で、メーター凝視できる腕が無いので、アナログ2眼で充分。
 メーター見ながら峠道攻めれる方には価値あるかな。


正直Z4は恰好悪いと思います。
その原因はトヨタとコラボしたからだと思いたいくらい、恰好にお金払う価値無いと思います。
コメントへの返答
2019年4月27日 4:58
コメントありがとうございます。

試乗記だと2000文字制限があって、削るのが大変ですが、今回は、その枠に入らなかったので、拡張して書きました。多くの人に読んでもらうには、試乗記に書くほうがいいのですけれど。

1)トヨタは理詰め
 トヨタに遊びはないけれど、バイエルンも、シュツットガルトも、彼らもまた、エンジニアリングは、理詰めだと思います。 

 話が少し飛びますが、小野二郎さんという寿司職人をご存知でしょうか。小野さんはお寿司を握りながら、「寿司の95%は、ここ(つけ台)に立つ前に決まってるんですよ」とおっしゃっていました。彼の話を聞いていて、寿司もやはりエンジニアリングなのだと思いました。

 スポーツカー作りも、95%以上の部分は、理詰めによる結果でしょう。だから、トヨタはスポーツカーを作る力はあると思います。
 
 その理詰めの上で、最終的にどういう味付けにするかという点を決定する人によって、商用の製品の味付けは変わりますが。
 「感応評価」もまたエンジニアリングです。

 トヨタにも、スポーツカーの味付けができる人がいるので、ちゃんと、トヨタ味のスポーツカーができると思います。それが、自分の好みに合わないという人がいるとしても。

 感応性の判定者として、今のトヨタのトップと、A90スープラの味付けの担当は、スポーツカーに対して共通の解釈を持っていると思います。

2)BMWはポルシェを気にしている
 日本人も、プライドが高く、要領がよく、頭が良いです。商用のクルマを開発し販売する以上、市場での位置付けができなければクルマを企画することはできません。

 「ポルシェなんて眼中にない俺、カッコいい」

 というポーズは取りたい中二病な人もいるでしょうけど、市場の主力製品を目標にせず、商品を計画することは不可能です。仮にこれまで他社を意識しないでいたとしたなら、セダンも、SUVも、EVの市場も伸ばせず、大幅な減益になった経営陣を株主は許しません。BMWに比べて、RR,MR,FRを持つポルシェは、増収、増益です。

3)M>>M sports
 MとMsportsが、速度域が違えども、同じ操縦特性を持つなら、そういう比較は成り立つでしょう。残念ながら、MSportsは、販売戦略で生まれた商品で、F30までのMSportsは、お勧めモデルではないかと。実際に、日本と中国以外では、Msports以外が主力で売れていることからもわかります。

 新3シリーズ(G20)は、逆にMsportsに大きな違いがなく、選んでも後悔はしないでしょう。今のモデルは、前後共に、サスペンションの固有振動数と、ダンパーの衰滅力があってないので、電子制御ダンパー搭載モデルでないと衰滅力が足らず、吊るしで乗るなら、現状では、Msportsを選ばざるを得ません。

 しかし、そこをちゃんと合わせるように改定が入れば、G20は、Msportsを選ばねばならない理由はないです。ホイールやエアロなどの外観、内装のはお好みと予算で選べば良いという話だと思います。

 現代のMは、911を意識してるので、役なしならフレンドリーで街おりも大丈夫です。役付きのモデルは、乗りづらくなってきます。

4)メーターがフル液晶。
 峠は公道なので、メーターの視認性はそれほど重要ではないですが、サーキット走行では、細かいメータは、見えないので、集中表示がいいです。

 普段は、インテリアの一部なので、アナログメータの精緻な奴がついてるのが好みですね。

 Z4も後ろから見るといいかな。デザインは、トヨタのせいではないと思いますよ。

 スープラは、前方は許せるけど、後方とサイドが好みじゃないし、ダクトが全部ダミーなのも萎えます。特にリアフェンダーの丸いデザインが私の好みと合わないです。
2019年4月27日 13:51
トラックバック出来ないんですね。
表に出て返事しようと思ったんですが。

1)トヨタは理詰め
 スポーツカーは、スポーツカーの恰好した実用車~実用車の恰好したスポーツーカーまで幅広い。
 どこを狙うかが一番大切だと思います。
 トヨタには、スポーツカーがお金としか見えていない気がします。
 スポーツカーはレーシングカーからどこまで民生レベルに出チューンするか?
 どの性能をカネを掛けて残して、どこを諦めるか?
 そのさじ加減が命。
 会社のラインナップ見て、車に触れるとさじ加減が分かる(ような気がする)。
 86/RC F/LCに乗る限り、スポーツ性能を煽るだけ煽って、私の思うスポーツカーでは無い。
 86は、ハンドリング、シフト、クラッチ、サウンドがバラバラに主張する。
 表面的なモノにお金を掛けている。 コストの縛りがある車だが、お金の使い方が好みに合わない。
 RC F/LCは、車の動きはRS4の世界なんだが、安楽、快適過ぎ。
 ドライバーの気持ちの高ぶりに、リニアに車が高ぶってくれない。
 ATだし、サウンドは控えめなので、狙ってる所が違うのは理解するんだが、RS4とは別の世界。
 乗って感心することほとんどなくて、なんでこうなってるんだろうと?マークばかり浮かぶ。
 折角5LのV8積んでて、人口音や共鳴管を慣らすんだろう?
 排気のエネルギーとサウンドがリニアじゃないとか感心しない。
 エンジンが主役じゃないスポーツカーってありかなぁ?

2)BMWはポルシェを気にしている
 ボクスターの客をZ4で奪おうとするか?
 運動性能はボクスターが明確に上。MRだし。
 ポルシェは、911より商品性を下げるため、スポーツカーの生命のエンジンとリアの足回りをグレードダウン。
 直6をフロントミッドシップに積むクルマを、30年以上前から作っていて、そんな志の車(ボクスター)をマークする?
 価格や、パワーや、乗り心地、運動性能は比較対象にするとして、上回るところ、捨てるところは、はっきりしてると思いますが。

5)ダミーダクト
 サーキットユースで、蓋を外して使うそうな。
 って、高い車なんだから、機能させてあげればよいと思う。
 皆に、弄られますよね。 
コメントへの返答
2019年4月28日 18:16
みんカラは、トラックバックの機能はないようです。
引用はできると思いますが、引用元に通知はされません。

スポーツカーの定義は、人によっても違うから、何が正しいというものではないでしょうけれど、まず、私はレーシングカーとスポーツカーは別のものだと思います。現代の自動車開発において、レーシングカーをベースにスポーツカーを作る例は稀だと言って良いでしょう。

私は、スポーツカーの「スポーツ」の部分は、コンペティションの意味合いよりも、乗り手のスキルに応じて、クルマを如何に制御できるか、という点で優れているかどうか、を示していると思っています。

例えば、お椀にビー玉を入れて、前後左右に傾けながら、ビー玉がスムースに円旋回できるように手を動かすようなものです。 お椀とビー玉はストレスなく前後左右の傾きと速度に応じてビー玉を旋回させます。スポーツカーでない車は、他のことを重要視した結果、このビー玉の旋回がうまくいかないというわけです。
これは、さじ加減ではなく、99%エンジニアリングと物作りマネージメントの結果でしょう。


BMWが、同じクラスのスポーツカーを販売しようとした時に、ボクスターのことを意識してなければ、企業としておかしいです。BMWは、利益が出せると判断してZ4を発売することにしたのですから。WEB上に公開されている資料に、BMWがボクスターをライバルにしている事が書いてあるかはわかりませんが、BMWによれば、Z4のターゲット市場は、ボクスターを購入しようという顧客層に合わせています。 同様にトヨタは、「スープラは、718ケイマンがベンチマークである」としてます。

 直6+FRのクルマづくりを続けることが、どのくらい立派なことかはわかりませんが、ポルシェにはポルシェの販売戦略があるわけで、718と911を作り分けてるわけです。 実際に乗ってみればわかりますが、718のリアサスが不十分と感じるだけのスピードレンジで走れるでしょうか。718と911は、同グレードであれば、911の方が高い値付けです。
 では、BMWは、各車種統一で、同じエンジンと同じサスペンション形式を採用して販売していますか? ポルシェに限らず、多くのメーカーは、車種の金額レンジに応じたサスペンション形式、エンジンを区分けして与えていると思います。

 文面からは、「スポーツカーとして志の低いボクスターを、よりレベルの高いZ4がライバル視するとは思えない」とも読み取れるので、商業ベースの話をされているのではないかもしれませんけれど。

 スープラの実写をご覧になるとわかりますが、簡単に蓋を外してダクトが使えるような形にはなっていなくて、それなりの加工が必要な状態かと。
2019年4月29日 15:47
トラックバックは、プロフィールでオン/オフが切り替えれます。
調べましたよ。

今日もこんにゃく問答。ダメならメール送ってくださいな(笑)。

6)スポーツカーの定義は人によって違う。
そうですね。
レーシングカーをベースにすることは流石に無いですが、ブレーキやエンジンや変速機など部品単にで技術は降りてくるかと。

操縦安定性と乗り心地の落とし所、聞かせる音と消す音で、車の目標は分かる(と思ってます)。

私がRS4に乗ってスポーツカーに目覚めたのは、クルマが手足の延長になること。
操作に対して0.1~0.2sで車が応答すること。
遊びが無いことで車の動きがぎくしゃくするのは、ある程度やっつけてから、遠慮無く運転手に委ねる。
速く走らなくても良い。楽でなくてもある程度我慢。

Gボウルで玉が、飛び出ない様に作るのは、前提です(笑)。

手足の延長は、一見のAT車には不利な条件です。
でも、マカンはハンドリング○、PDKも応答は考えてくれていたのが伝わる。
BMW328i/M(F30)は、ハンドルの効きに特化してるのが伝わる。
拘りは、AT車でも伝わる。

どこに車の良さを置くかが大事。
上手くいけば、NA1.5Lのエンジンを積んだオープンカーがスポーツカーとして成り立つ訳で。
スポーツを謳って、スペックと見かけだけで、NA5Lのエンジンを積んで、大人のサルーンを作る方も作る方だし、買う方も買う方かと。

7)BMWがボクスターを意識しない件
 別にBMWのファンでも無いので、BMWを良く言う言われも無い。
 生存競争の激しい中、一生懸命一番安い完全バランスの直6+FRを作り続けて、限界を知りFF/4WDを手掛けるのはあり(と思う)。
 L6のFRを作らせれば、車ごとのばらつきはあるだろうが、平均を取れば、ベンツと並んで世界トップレベルのメーカーだと思う。
 
ポルシェは911を切り売りして、中国でSUVを高く売って儲けるメーカー。
911は世界一のRRなのは間違いない。
本気で作るとMRのポルシェGTになっちゃう。
ケイマンに乗って限界まで攻める腕は(残念ながら)無いが、実用域での良し悪しは分かる(んじゃないかな)。
分からなくても、良い脚の車に乗りたい。
ポルシェのお家の都合で、わざわざお金を掛けて簡素なサスペンションを開発されるのは、もはや何をか言わんかです。
911が無ければ、718はもっと素晴らしい車になれるのに。残念。

なお、ケイマンは全ての世代で世界カーオブザイヤーで、ベストスポーツカーを取ってます。
あの値段で、実用に耐えるスポーツカーを作れるのはポルシェだけです。
ポルシェのセールスは、牛/馬とは違い、ポルシェは国産車と同じ信頼性があるといってました。
すごいメーカーです。
気になって中古車を見ましたが、10年落ちで400万円(MTは)なんで、大人気です。
 
で、そのクラスにZ4をぶつけるBMWは、ケイマンを理解した上で、自社の特徴を活かした車作りをしてるはず。
先のコメントで、「志」の話は私の想いで、BMWはそんなこと思ってないと思います。
ごっちゃにさせて申し訳なし。

結論
 BMWはポルシェと違う車を作る。
 真似は出来ないし真似もしない。
 技術の起源が全然違う、ポルシェはH6のRR、BMWはL6のFR。
コメントへの返答
2019年5月2日 0:21
こんばんは。

コメントには真面目に知識の範囲で答えてるので、こんにゃく問答してるつもりはないですよ。 私は、自動車設計の専門家ではないですけれども。

トラックバックが設定できるのですね。教えてくださってありがとうございます。

■スポーツカーの定義について
このテーマの会話なので、スポーツカーに、レース用のパーツがつかわれるか、ということは関係ないかと。私は、レーシングカーの技術が市販車技術に無関係だとは言ってないです。

レスポンス速度の速さの遅延の大小は、多少は操縦者の好みも影響するでしょう。しかしながら、人間が操作する際に重要なのは遅延の大小ではなく、「適切な予想できる遅延」だと思います。 つまり、ステアリングを切る→即時(0.1秒や0.2秒なんていう微少時間)で応答する(ヨーが発生する)ようなクルマは、まっすぐ走る、コーナーの角度に合わせるうえでも操作しずらいです。

自分の手足になるような印象を持てるのは、良いことだと思います。私は、頭とクルマがリンクしたように感じますが、多分、同じことを言ってるのだと思います。 だから、速く走る必要はない。 でも、私はその感覚を持つ場合に、絶対的な応答速度の速さを求めません。適切な応答速度で、想定通りならば、その方が良いです。 だから、私の場合は変速機の種類や、初めて乗ったクルマであるとかは、影響しません。


>Gボウルで玉が、飛び出ない様に作るのは、前提です(笑)。
意外に、きれいに回せない車がほとんどだと思います。 ドライバーが意識して回して、何とか回せるクルマのほうが多いでしょう。

■BMWとポルシェ

文面から想像するに、L6=Inlne 6(直列6気筒)の略、H6=Flat6(水平対向6気筒)の略だと理解しておきます。

多分、XGさんは、エンジニアリング的にBMWとポルシェは目指すところが違うと言ってると思うのですが、私が言ってるのは、BMWもポルシェも市販車であるが故に、市場に支持されないかぎり、クルマを作ることができないと言ってます。

BMW社には、マーケットに対して、「直6+FRのクルマを売ろう」という考えがあり、物理的に不利な直列6気筒をFRに積むというのは、市場がそれを支持する限り、意味があることだと思います。 でも、クルマの物理的なバランスの面からは、直6は不利なエンジン形式です。 BMW社のうたい文句に静的な前後重量バランスを50:50にする傾向がありますが、重量バランスに拘る割に直6という、動的重量バランスに不利なエンジン形式を選んでるところが辛いところです。直6は、一定の大きさのキャビンを持つクルマのバランスを設計する上で、「厚みが大きくて細長い」という物理的な欠点からは逃れられないからです。

しかし、そんなバランス設計の理想よりも、市場で受け入れられるかの方が大事です。 これまで、直6+FRのクルマに一定の価値を認める人は、世界中に一定の数いましたかから、商売は成り立ってきました。 BMWには、FRのクルマを作る技術はあると思います。今後、トヨタとの協業を通して、より良いクルマを作っていくことを期待してます。


ポルシェは、911を切り売りなどせず、相変わらず主力として扱ってます。 911の物理的なバランスは直6+FRのバランスよりももっと不利なことだらけです。その代わり、911でしか味わえないドライビングフィールがあります。 冷静に考えれば、911のようなクルマのマーケットは、FRで作る方が有利です。 なので、レクサスをはじめとして、多くのメーカーが15万USDクラスの長距離ドライブ用スポーツカーを作っていますが、結局マーケットで911を打ち負かすことができません。 そして、ポルシェは、明確に718の価値を「走りだけ」に絞ってます。

718にも欠点はあります。しかし、どのメーカーも、同じ価格帯で718に勝るスポーツカーを出せてません。 718は、リアサスがストラットである代わりに、優秀な物理特性を持っていて(旋回面では9111は既に718に勝てない)、そう簡単に他社は、スポーツカー勝負で718に勝てません。 どこかのメーカーが、718を上回るスポーツカーを発売し、市場で打ち負かさない限り、718のリアサスが変更されることはないでしょう。つまり、911のせいではなくて、不甲斐ないライバル会社のせいです。
2019年4月30日 22:08
こんにちは。

昨日はありがとうございました。

ヒョウロンカ達はZ4礼賛、そしてスープラ下げのインプレばかりでやれやれと思っていたのですが、zato787さんの的確かつ客観的な評論を読んで目から鱗が落ちると共に大変勉強になりました。

トヨタは理詰めの会社であること、なるほどと思うと共に理詰めの大事さは本当によく分かります。
私も職業柄「客観的な理屈(屁理屈)と根拠」が必要で、理論立てず「~と思う、~と感じる」と言っても通用しない世界に身を置いていますので、理詰めの大事さは身を以て痛感しています。
基本的に根拠のある理詰めであれば良きにつけ悪しきにつけ相手を納得させ、また万人にもその正当性主張することが出来ますが、ヒョウロンカが特に欧州車を褒める際の根拠の無い「欧州車だから~だと感じる」というのは単なる感想にすぎず、それが万人に通用するものではないと思います。
スポーツカーだろうが、なんだろうが先ずは客観的な理論があってこそ、そしてそれで基礎を固めその先の理屈抜きに語るべき官能性能などはある意味「個々それぞれ」の好みなのではと思っています。
そこにレクサスなりトヨタなりポルシェなり色々なメーカーの味付けを出すべき部分ではないのかなと。

なるほど、BMWで同じ直6といっても大分違いがあるのですね。
以前ディーラーに誘われて先代5シリーズ523iに試乗させてもらったことがあるのですが、(このモデル以降5シリーズのボトムグレードは4気筒になり、最後の6気筒の523iとのことでした。)乗った瞬間、レクサスのV6 2GR-FSEとの違いが分からず高速も含めて2時間近く乗りましたが、「ふう~ん」という感じでした。当時ヒョウロンカは「BMWの直6ほど素晴らしいものはない!」と良く書いていましたが「ああ、根拠もなく書いているんだろうな」と呆れた事がありました。

あと価格についても同様の疑問を感じたことがあります。
この試乗の時私が頼んでもいないのに「この523でしたら簡単に3桁ぐらいは引けますよ」と営業マンが。(当然いちげんさんです。)その時成る程BMWの下取りが安いわけだと納得がいくと同時に、普段どれだけ高い値付けをしているんだと呆れた事を覚えています。
あと欧州車のエンジンについてはもう一つ(私の話ばかりで恐縮ですが)
今回私はRC Fと同じく強力な候補としていた車にメルセデスベンツのAMG C43セダンがありました。しかしよく調べてみると「AMG」の名に関わらずエンジンはAMG製では無く通常のCクラスの上位グレードの名前を変えただけとのこと。
いやそれなら「Msports」と同じような名前にしなさいよ(笑)
知らずに買ったお客さんがボンネットを開けて怒るんじゃないかと思いました。

勿論Z40Mも悪い車ではないのでしょうが、確かに値段が高すぎるのには納得です。
また共同開発したスープラの方がバカ売れしているのもある意味日本の消費者を甘く見ていたのではと思っていたのではと思います。(というよりそもそもZ4は数多く売るつもりはないのでしょうが)

また全面液晶メーターは私も好きではないです。
今回RC Fを選ぶときにも一つポイントになったのですが、全面液晶にすると味気ないのと同時に故障が心配です。スマホでさえ未だにフリーズするのに、全面液晶にしてアナログ計器を一切無くすというのは恐いというのが本音ですね。
飛行機の場合は当然バグ取りやコストも自動車の比では無いほどかけられていますし、また操縦しているのも訓練されたパイロット。
またグラスコックピットと謂えどもきちんとバックアップ計器が存在しています。
全面液晶にするのであればせめて一つ何かしたの計器はアナログで残すべきではと私は思っています。
なのでこの点においてもスープラの方が好きですね。

ただ私もzato787さんと同じくスープラは購入しないと思います。
(今回RC Fの時には既にある程度形が出ていましたが、候補には入りませんでした。)
エクステリアも好みではありませんし、なにより内装がメーター以外はBMWそのままであるというところです。
「共同開発」というのであれば86/BRZの時のようにどちらのメーカーの雰囲気をあまり感じさせない内装にすべきでで、「これだとトヨタの車を買ったが乗ったらBMWだった。」となってしまいそうだからです。

最後に個人的にRC Fはある意味レクサスが独自に開発し、またしっかり熟成させたスポーツカーであること、そして「レクサスへの信頼感」「Fへの憧れ」があり今回購入するに至りました。
またその時比較したBMW M4、ケイマン(Sも含めて)、走行性能、内装、エクステリア、そして何より「くつろげる雰囲気」が一番バランス良く取れているのではというのが決定打になりました。

ポルシェが「高級車」ではなくて「高額車」であるというのも納得です。
仰るとおりケイマン(ボクスターも同じでしょうが)をくつろげるような内装、装備にしていたらオプションだけでもう1台いい車が買えそうな値段になりそうでした(笑)
スタートプライスはそこそこなので油断していた私が甘かったです。


長い上に自分語りばかりしてしまいお気を悪くされたのであれば申し訳ありません。
ただzato787さんのブログを読んで凄く客観的に評論をされているのを感じ、ただただ感嘆し、こういう風に捉えている方もいらっしゃるんだと思い感動致しました。

たいへん長文失礼致しました。
またブログを楽しみにしております。






コメントへの返答
2019年5月2日 2:39
こんばんは。

丁寧なコメントありがとうございます。

■Z4とBMWについて
今のところ、Z4は褒めてる記事が主体で、スープラは懸念があるみたいなケースもありますが、今のところスープラも高評価の媒体が多いと思います。 Z4は、叩かれるほど悪いクルマではないですが、色んなところで、「もっと良い他のクルマに負けてる」ところがあって、75点主義のクルマみたいに感じてしまって、購入意欲につながらないことが最大の課題です。

BMWの直6にもいくつか種類があります。 世界中で直6が主力でなくなったのは、操安の物理的特性に不利なエンジン形式だからです。 直6は、「細長くて、厚みがあって重たい」のです。 だから、エンジンを軽く作り、ATをスムーズにつなげるために、電子制御でエンジンの爆発を制御しやすいよう設計にせねばなりません。 その結果、直6らしい回り方をせず、おとなしい4気筒のように粒の小さい爆発感で回るエンジンが主体になってしまいました。だから、6気筒らしさが薄いのです。 レクサスの2GR-FKS(FSEじゃないですよね?)V6の方が良いエンジンなので、より比較対象としては厳しいですね。 なので、スープラの購入予定の人にも、この直列6気筒で満足しますか?と聞きたいです。

BMWは、既存モデルは、3桁引くケースは多いですね。中古車も値引かないと売れませんから、他社では下取りが安くなるので、次もBMWを選ばざるを得なくなります。Z4は、BMWの車両価格の割り当てでは、量販車種ですから、BMWとしては、たくさん売れてほしいはずだと思います


■自動車ヒョウロンカと雑誌

自動車のヒョウロンカは、媒体から指定された文字数で、指定された内容で書くことが仕事なので、自分の好きな通りには書けないですが、それでもどうしてそういう結論になるのか全くわからない、という記事をしばしば見かけます。
かつてのヒョウロンカの先生たちは、別に理論も裏付けも何もいらない世界にいましたから、「やはり、BMWのFRの味つけには、マツダやトヨタは足元にも及ばない」と書いておけば、良かったわけです。 以前は、そういう記事を載せるだけで雑誌も売れるし、高いお金を出して輸入車を買ってくれるお客様もいたわけです。しかし、新聞やテレビの偏向報道や、虚偽報道が、ネットでばれて売れ行きが減っているのと同様に、一般の人が、ヒョウロンカの矛盾をグサグサと突くことができるようになりました。ですから、すごい勢いで自動車雑誌という媒体が滅び、ヒョウロンカの仕事がなくなっていっています。


■各社のエンジニアリング手法
多くの企業で、営業が、「技術の人間を連れてこい」とお客様に言われるときには、もう推論で終わる状態ではなく、おっしゃる通り、理屈と根拠が必要になるケースだと思います。 トヨタは自分が客の立場でも、ベンダーの上を行く仕事をしてきますから、大変だけど、仕事の進捗はトヨタ的に良い感じで進められてしまいます。 BMWは、ドイツのエンジニアリング会社なので、理解してもなかなか、認めたとは言わないですが、トヨタは、相手に「認めた」と言わざるをえない環境を作り、そこへ落とし込んでいくリーディングのうまい会社です。 BMWのクルマは、海外の評論では、「ハンドル切ればバカでも曲がるクルマ」と言われてる通り、ステアリングに対するゲインの大きさを重要視した車両設定をしています。この設定は、当然ハンドリングのバランスがとれなくなりますが、それを電制で抑えときゃいいだろという手法で作られてるモデルがいくつもあります。こういうエンジニアリングを見ていると、「BMWのFRは最高」だとは思わなくなってしまいます。 トヨタの技術者はヒョウロンカではないので、BMW無条件万歳ではありません。 トヨタの技術者は、そんなBMWの設定を知った上でそれを理詰めで突くわけです。


味付けや、官能性を語る前に、ちゃんとエンジニアリングをして、それを発売するとう会社体制ができてないと、そこに至りません。 市販車の特殊な味付けを持つクルマは、「物理的な無理」が原因になっていることが多いです。 例えば911がその良い例です。 しかし、718に関しては、他社でも同様の味付けのクルマは開発できると思います。しかし、同様の素材を使い、同様のエンジニアリングができる会社がなく、結果的に7万ドルクラスのスポーツカーでは、718を上回るクルマを市販する会社が今のところ出てきていない状況です。BMWも、このマーケットにZ4をぶつけて気ましたが、今の内容だと少々物足りないなというのが、私の印象です。



■液晶メータとRC F
クルマのメーターも商品の一部だと思うので、一定の固定メータは残しているタイプの方が好きです。それほど常時チェックするものでもないですし。
飛行機のグラスコクピット化は止まらないです。計器もぱっと判別しづらいものや、夜間や逆光の下で読みづらいという課題があるので、グラスコクピットの方が使いやすく、随分前から受け入れてます。

RC Fは、レクサス度が高いです。 ゆっくり走れば、普通のレクサスとして使えますし、エンジン精度の高さをスロットルペダルから感じます。 エンジン部品を足裏で直接制御してる感じの乗り味ですから、ちょっとスープラとはクラスが違うと思います。 RC Fは、普通の人が見ると、RCに見えるでしょうが、乗ってみると別物なので、乗る楽しみが大きいですね。 大排気量のNAのFRは、今後希少になるので、ぜひ楽しんでください。
コメントの長さは、全く気にされなくて結構です。私の返信も大体長いので。

また、よろしくお願いします。
2019年6月9日 15:59
大変勉強になる記事でした。プロのライターに見てもらいたいです。
スープラ、楽しみですね。開発者インタビューではトレンドに逆らうショートホイールベースは試作車を作って実証し、豊田社長やBMWを説得したとのこと。ルックスも実車は好印象。欲を言えば後3㎝位ボンネットが低ければルックスと機能(シートに座るとボンネットの存在感がでかかったもので)両方にプラスだったんですけど。
BMWは「スポーツカー」にあまりビジョンが無い気がします。
スポーツクーペ、セダンはベンツに対抗しつつエンジンを売りに奮戦している感じでしょうか。Z4の前身のZ3はロードスターを見て「あれならうちも」と考え作ったは良かったのですが、「高級セダン・クーペのBMW(今はSUVでしょうか)」の立ち位置とのアンマッチで結局豪華路線に移行しましたし、さらに豪華にしたZ8もダメでした。ZシリーズはBMWの苦悩の歴史だと思っています。いっそキドニーグリルを捨てるぐらいに思い切ればスポーツカーとしてのアイデンティティを確立できそうですけど。
対するトヨタは今までスポーツカーにとても真面目に取り組んでいると思われないでしょうか?トヨタは大衆車とスポーツカーを厳密に分けて考えている(マーケットニーズを重要視している為かな?)と思います。ルックスもトヨタなのにメッキを多用しない、グリルレスばかりと保守的と言うか原理主義的なつくりで好感が持てます。豊田社長はスポーツカーにこだわりが深いようですし。但し、ビジネスの姿勢は徹底的にリアリストですので、今後も中軽量スポーツカーの自社工場での製造は難しいかもしれませんが。
所でZ4の製造品質は如何だったでしょうか?マグナは以前組付けが今一つと噂に聞いていたのですが…。
コメントへの返答
2019年6月12日 16:56
こんにちは。
コメントありがとうございます。

返信が遅くなってしまい、申し訳ありません。

この試乗記を書いた時は、スープラを走らせる事は出来ませんでしたが、現在は、スープラも乗れるようになっていて、4気筒モデルも6気筒モデルもなかなか、楽しい仕上がりになっていると思います。
このクラスのATの2シータのスポーツは、ケイマン がまず思い浮かびますが、6気筒モデルは車重と前後バランスの関係から、ケイマンよりもGT寄りの味つけだと思いました。4気筒モデルのバランスが良く、こちらはケイマンと同様にスポーツ走行向けの設定だと思います。

Z4とスープラを比べた時に、スープラの方がスポーツ性が高いと感じますが、それは前後の剛性バランス、ドアの建て付け、モンロー製の可変ダンパーの設定、電子制御デフの設定において2シータFRの設定が上手いからだと思います。

BMWもFRに対する設定の方法を持っているようですが、Z4はスポーツカーの設定として他車よりも魅力的には感じません。過去には、M1というスポーツカーもあったのですが、長い間2シータスポーツを作っていない故に、魅力的なセッティングが出せるまでには、もう少し時間がかかると思います。

現在の歩行者保護の観点から、低く薄いノーズは作りにくくなっており、大型のグリルを取り付けるデザインが、SUVもセダンも流行りになっています。スポーツカーをうたっているクルマは、なんとかしてグリルを薄くしようとしてますが、Z4は、そういう所は無頓着ですね。

Z4もスープラもオーストリアで生産されますが、公道に出てくるクルマの組み付け精度は悪くはないです。 量産車ではないですが、シャシー サブフレーム、ボディの組付が高精度で組める工夫をしていますので、最新の3シリーズと変わらない精度で生産されていると思います。

今後、エンジンや足回りの改良も進むと思うので、どちらもより良く進化していって欲しいです。
2020年5月3日 11:44
初コメかもですが、、遅いこめですいません。

武漢ウイルス騒動で、自宅引きこもりゆえに、過去みんカラ探訪なぞしていて、こちらの記事は以前読んだはずでしたが、コメント欄も含めて読んで、とても整理されていて良記事だと感心しました。

異なるメーカの協業では、企業内文化(暗黙知)の違いで、良いシナジーになる場合とそうでない場合と、、色々ありますね、ただ使うかどうかは別として、トヨタのコラボしたメーカは一様に「感心させられる」得るものが有るということは間違いない気がします。
BMWも、転機として生かせればイイですね。

日本には、国家の基盤産業という意味でも自動車はとても大事な企業が生き残っています。故に今回の武漢ウイルス禍を契機に、対中共産党とのビジネスは、早期撤退してもらいたいと思っています。特にトヨタのEVビジネスは。

コメントへの返答
2020年5月3日 13:44
こんにちは、FLAT6さん。
嬉しいコメントありがとうございます。

FLAT6さんの記事も、たくさん拝見させて頂いていて、時事内容の記事も同感するところが多いのに、コメントができていなくてすみません。 

私も、コロナ禍の影響で、海外勤務地から強制帰国となり、国内では在宅勤務を続けていますが、その割にクルマのブログは全く書けずにいて、最近は発表ができないままです。
過去にも、自動車会社同士の協業のケースは多数ありましたが、失敗に終わってしまっているケースも多数あります。 逆に、ランボルギーニのように、大きな成功を収めたケースもあるので、今後も注目していきたいです。 特にトヨタは、様々な方向で協業・共創を進めているので、その方向性を注力しています。 昨年の東京モーターショーで行われた、トヨタ幹部会議は、事前に原稿を作っていないのでは?と思わせる内容で、各副社長の反応を含めて、実に面白い内容でした。

世界的に見て、これほど資本的にも独立した自動車メーカーが存在する国は他にないと思います。そんな中でもグループ化が始まっていて、次世代の通信、動力、制御、安全機構など、一社では標準化できないようなことを、複数の会社が一緒になってできるのは、大きな意味があると思います。ITや通信の世界では、北米が基盤をリードしていますが、自動車産業は日本が基盤になれるのではないかと期待しています。

中国に関しては、トヨタは、技術面に関して「全方位投資」がポリシーなので、逆張り(トレンドじゃない方向にも研究投資をする)もやりますから、事業面においても、中国事業は「全面撤退が本心だとしても、それを今悟らせない」ために取ってる対策なのではないかと思っています。トヨタは、意外と中国依存ではないのも、VWやホンダや日産のように、中国により掛かる会社体質ではだめで、使えるところは一体なにかを考えていると思われます。

例えば、EVビジネスは、中国での社会実験の結果、「サスティナブルじゃない」点が浮き彫りになっていて、今のままのEV事業構造では、大量生産メーカーは利益を上げ続けられないと考えているはずです。 しかし、トヨタが現時点で示している中国EV事業は在来の延長ですから、おそらく、既存EV事業→新EV事業への変換の実験場として中国を使うつもりだと推測しています。

トヨタと協業している、スバル、マツダも電動化に関して、まだウロウロとしていますが、スバルは意外に面倒なことに挑戦していて、直近に出てくるものは「何だ今頃」と思うようなものですが、それなりに面白いことを考えているので、現在少し期待しています。

プロフィール

「RFの後任のND2のNRA-Aが来ました。

マツダ製チューニングカーとでもいうのか、色々なところが改善されて、走らせていて楽しいです。特にステアリングの反力がしっかり計算されてアシストされていて、ステアリングフィールがとても良くなってます。」
何シテル?   04/27 21:12
zato787です。よろしくお願いします。 買い替えずに増車をした結果、スポーツカー3台持ちになってしまいました。保有車両が増えて来たので、車庫を思い切って群...
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