
最初に、このツーリングの数日後、特に西日本地方には多くの雨が降り、災害を誘発し、多数の方が被害を受けたことにお見舞いを申し上げる。
休みなのだが、昨日まで雨天であったので、行くところは限られてくる。この日の東京は朝から、天候が回復しつつあったので、奥多摩に出かけることにした。山側は、雨で地盤が緩んでいる可能性もあるが、奥多摩地区への降水量は、そこまで多くなかったので、奥多摩を選んだのである。品川からの距離も100km程度なので、日帰りで出かけるのにちょうど良い距離であった。

今回のルート
中央自動車道の八王子ICから国道16号線は道幅も広く走りやすい。奥多摩に近づき、国道411号線に入るまでの区間に入ると、工事用車両の走行もあり、車列のペースは上がらないが、やがて交通量が減ってきて、徐々に平均速度が上がり始める。 しかし、このあたりからコーナーが増え始め、センターラインを割り込んで来る車両が多いので、かなり気をつけて走行しなければならない。車両半分近く車線を割ってきたのが往復で合計で5台もいたし、そのうち1台は、左コーナーでステアリング操作が遅れたと思われ、車両の大部分がこちらの車線に入り込んでいる状態だった。 こちらの車線は、私のRFと、レーサーレプリカのバイクの2台しかいなかったから、瞬時に左側目いっぱいに寄って避けることはできたけれど、ワインディングロードの走行に慣れていない多数のクルマがセンターラインを割ってくるので、注意して走行したい。クルマは、ドライバーが思った以上に意のままには走らない。 特に週末は、ドライブに来ている観光客も多く、わき見運転のまま、車線を無視して走行するクルマもいるので、見通しが良い道路でも常に注意して走った方が良い。

国道411号線 峰谷橋
411号線に入り、峰谷橋を渡るとトンネルが続く。 オープン走行中に、周りにクルマがいなければ、ギアを落としてエンジンの回転数を上げて走ると、トンネル内部に排気音が響きわたって面白い。マフラーの変更、吸気の変更、高性能エンジンオイル、フライホイール変更の相乗効果でレブリミットまでスパッと回るので、エンジンの排気音の上昇速度が速く、サクラムでなくフジツボのマフラーでも発する音に自己満足できる良いトンネル群である。 同時に各種の騒音にもあたるわけだが、クローズドのクルマでは、ここまで排気音を楽しむことはできないだろう。 曲率の高いワインディングロードも、この程度の速度ならば、さほど大きな荷重移動も必要なく、ブレーキとステアリングの操作速度と量にきっちり合ったロール姿勢と旋回速度で気持ちよくコーナーを抜けて行ける。 ロードスターのブレーキは、ブレンボでなくとも制御がしやすく良く効くが、奥の踏み応えがやや柔らかい所があるので、さらに速度域を上げるならば、ブレーキパッドを変えた方が制御しやすくなる。しばらく、レーサーレプリカと走り、彼はもう少しペースを上げたいように見えたが、私はこれ以上ペースを上げる気にならず、途中の信号で止まった時に彼に先に行ってもらった。

国道411号線 トンネル
丁度交通量も少なく、トンネルではやり放題であったが、奥多摩湖の周辺のワインディングは、クリアな状態を探せば、前後が空いた状態で走ることは簡単なため、かなり飛ばしているバイクやクルマもいる。 だが、公道だし、前述のとおり、いつ他のクルマがセンターラインを割ってくるかわからないので、余裕を持ち、特にブラインドコーナーでは、常に回避可能な速度で走る必要がある。 それでも、緑の山の間を左右に連続するコーナーを縫ってオープンで走るのは楽しい。 すれ違う何台かの各型のロードスターが、大きく挨拶を返してくれたが、それもまたロードスターならではの楽しみだと思う。

RFで奥多摩湖に到着
今日の目的地は、「奥多摩水と緑のふれあい館」と小河内ダムである。東京の水道水を貯めている小河内ダムは、飲料水用のダムとしては、建設当時は世界有数の大きさの貯水池である、小河内貯水池を作り出している。現在でも、国内有数の大きさの飲料水用のダムである。 現在、東京都の水源は利根川水系を主としているが、渇水時の水瓶として極めて重要な役割を担っている。 その他、戦隊モノや、仮面ライダーなどの特撮によく使われたことでも有名である。 世界征服を狙う悪の集団達は、なぜか、幼稚園バスを襲い、最後は人のいない小河内ダムでライダーと戦うという、伝統的な戦略を継続している。

小河内ダム

広い奥多摩湖(小河内貯水池)
東京都水道局が運営する、「奥多摩水と緑のふれあい館」は、飲料水がどうやって生まれてくるのかについて説明しているローカル色満載のテーマ館だ。天候的な問題もあるだろうが、来館者は非常に少ない。入場料を払おうと思ったら、無料とのことだったので、ありがたく3Dシアターや各種の説明で、奥多摩の森林で水がどのように管理されているかについて学ばせて頂いた。なかなか興味深い展示が多く、アンケートに答えると、東京都のマークが入った携帯コップがもらえる。 目立つ物がないから、人が少ないのは理解できるが、東京都や大阪府にはこういうマイナーなテーマ館が結構あって、こういった施設を訪れるのも結構楽しい。

奥多摩水と緑のふれあい館
この地に古くから伝わる、道祖神や、弁天塔といった史跡も展示されている。
食事も、ここですることにした。奥多摩のヤマメを使った、山川定食を頂く。他の店に行ってもいいのだが、今日の目的はここの見学なので、他の店にはいかなかった。脂ののった大きな奥多摩やまめの切り身を特製スパイスで味付けしフライにした、地元食材をふんだんに使用したボリュームのあるお料理で、甘みのあるオリジナルタルタルソースと共に頂く。川鱒らしいさっぱりした味で、タルタルソースはあまりつけない方が味わいが良いと思う。

山川定食[1100円)

やまめフライの断面図
ここは、20食限定のカレーが有名で、これも美味しい。両方食べてみた結果、私のお勧めは山川定食である。ここの食堂には、全く風情はないから、誰かと美味しい物を食べに行こうというツアーならば、街道沿いのドライブインや食堂に寄った方が雰囲気がいいだろう。 意外にたくさんの地元食材を使ったメニューがある。 写真を撮っている時に、誤ってみそ汁をひっくり返してしまったのだが、有難いことに、新しいみそ汁を出してくれた。この地元の味噌もお土産で買うことができる。

小河内ダムカレー
ごはんをダム、カレーのルーを湖水に見立てる「ダムカレー」は、ここ以外にも提供するところが増え始めた。小河内ダムカレーには、管理船に見立てたゆで卵、ドラム缶橋を再現した人参など、芸が細かい。

限定のカレー以外にも、鹿の焼肉定食や、ニジマスの焼き魚定食もある。
もちろん、お土産も売っている。栗やワサビが名産のようで、それらしい地味なお土産が並んでいる。どこにでも羊羹は売っていて、ごつい栗羊羹が美味しそうなので購入しようかと思ったが、ワサビ漬けの方が美味しそうなので、ワサビ漬を購入した。このワサビ漬けが手作り感があり、ワサビの味が自然で美味しい。 「たまみつ」の名で、地元でとれたはちみつも販売している。地域独自のはちみつは、当然その地域の花の蜜だけでできているので、それぞれ繊細な違いがあって面白い。大量生産のはちみつは、海外から購入したはちみつをブレンドしてしまうから、どれも同じ味になってしまう。

栗羊羹ならびに、ごっつい羊羹達

たまみつ

ワサビやそば粉のふりかけ
(ふりかけでご飯を食べないので買わない)

「そのまま栗の実」という栗のお菓子も買った
人に上げたが、美味しかったとのこと。

ワサビ漬けは、静岡の物より量産感がなく、お勧め。
蕎麦や、味噌なども売っている。
秋になれば、多摩地区で作られているジャガイモ「治助」を買うことができる。ジャガイモが日本に初めて伝わった当時(江戸時代)の品種と言われていて、味が濃く、奥多摩では昔から煮崩れしない品種なので、奥多摩では昔から煮っころがしやネギ味噌で和えて食べていた。形はメークインに似ているが、大きさは小粒。その分、味が濃縮されて美味しい。直ぐに売り切れるので、欲しい人は予約しておいた方が良いそうだ。

ジャガイモ「治助」
中央自動車道に乗れば、品川までさほど遠くないので、首都高速の芝浦ICまで渋滞もなくささっと戻れた。家に戻ると夕食に丁度よい時間である。クルマを地下にしまって、近所の寿司屋へと向かう。ここは、普段はビジネス街なのだが、土日はマンションの住人が客のほとんどを占める。今日からつけ場に立つ若手のSくんが、常連組の前に配置される。皆さん、つけ場に立つ彼を褒める、褒める。 多分、店では厳しくされてるのだろうから、客の方が褒めて伸ばそうとしている。

最初にアジのなめろうを作ってもらった。

カッパとトロ鉄火を握ってもらう。
切るバランスはともかく、塩梅は悪くない。
(トロ鉄火は、既に2個食べた)

鯖の棒寿司はうまく切れた。
その後も、いくつか初夏の魚を握ってもらって、美味しく頂いた。
ツーリングは、泊まりで行くのが楽しいけれど、今日みたいに一人で走りに行くならば、このくらいの距離が適当であろう。昼前に出ても、夕食の時間には戻ってこられるわけで、疲労も少ない。 ただし、帰ってすぐにカウンターに座って、冷酒から始めると、喉が渇いているからか、一気に飲んでしまい、すぐに酔ってしまう。最初はビールにしておけば良かったと反省。 折角、最初に気を利かせて、茨城の取れたての枝豆を出してくれたのに。
この日に頼んだお酒は、浦霞と一ノ蔵だったはず。 多分。

採れたて、ゆでたての枝豆
Posted at 2018/07/14 17:41:00 | |
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