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2018年07月28日 イイね!

NDロードスターにとって「人馬一体」とは何か

NDロードスターにとって「人馬一体」とは何か「人馬一体」

私はNAの時代からずっと、マツダがクルマとの一体感を示す際にこの言葉を使うことに違和感を覚えてきた。今や海外のメディアにも、「Jinba Ittaii」と言われるように、マツダの手を離れ、言葉が歩き始めてしまったために、人によって意味の捉え方が異なって「人馬一体」の意味を誤解させている。


もともと、「人馬一体」とは、平安時代の日本の儀式である流鏑馬(やぶさめ)を由来としたものである。 流鏑馬は、行進間射撃を行うため、乗り手が馬の上下振動を足で吸収し、上半身を安定させなければ、正確に的を射ることはできない。 人と馬が一体となって進行できなければ、矢を射る見越し角度を決めることすらできない。人馬一体とは、戦闘技術であるわけだ。



 流鏑馬(やぶさめ)。
陸上自衛隊の10式戦車のような射撃演算装置もないのに、行進間射撃を行う。
総括的には騎射と呼び、騎射を100騎以上集中運用する事で元寇での
蒙古軍を撤退させた竹崎らの活躍が有名である。
合戦中は、行進している騎馬同士での行進間射撃も行われた。


つまり、「人馬一体」とは、もともと別の意思で行動している二つの生物が、相互コミュニケーションを通して、操縦意思を持つ方に適切に従って動くことを目指した言葉である。 馬から信頼されない限り、戦場における意思や戦い方を共有し、適切な行動をとることはできない。 この相互コミュニケーションは、誰でも、どんな馬でもできるわけではなく、知識とスキルと訓練の結果でようやくできるようになるのだ。 だとすれば、無機物であるクルマと有機物であるドライバーの間に、「人馬一体」が生まれるのだろうか。


NAの時代の「人馬一体」は今よりずっと軽く考えていたと思われる。現代の先進国における乗馬は、ほぼ乗ることを楽しむ目的で行われることがほとんどであるので、オープンスポーツの例えとして丁度よかったのだと思われる。ロンドンでも、ちゃんと練習をしてライセンスを取れば、街中を馬で走ることができる。都市部を馬で走るのことは、なかなかに楽しい。 都市交通を理解している馬は、信号も自律的に守る。


 ロンドンのHydeParkで乗馬を楽しむ
  (市内中心部にあるHyde parkでも乗馬ができる)


現在のマツダが提唱する「人馬一体」は、クルマの利用目的である、「安全に」「正確に」「効率的に」目的地に着くことだと言っている。 この3つを成し遂げること(つまり、安心・安全)が、「クルマに乗る楽しみ」を生み出している要素だというわけだ。 楽しいと嬉しいには実は差があって、「嬉しい」といのは、自分に対する直接的なアクションに対して感じる感情であり、「楽しい」というのは、与えられた状況の結果に対して感じる感情だ。 マツダは、「楽しいと感じる環境」を与えるクルマを作ろうとしていて、その環境を作ることを人馬一体と呼び始めたようだ。 ふーむ。どうやら、この「楽しい」という表現が人馬一体に対する違和感なのかもしれない。はっきり言えば、「本当は違うことが言いたいのでしょ?」ということだ


こうして、要素を分解していくと、マツダは今、「無機物の馬との人馬一体」の肝は、人間にあると考え、人間の動作を研究している。人間は、他の脊椎動物の原則を外れた特別な動き方をしている。その分、脆くて不安定ではあるけれど、それを補うために必要なものを作り足す能力のために犠牲になっている。脊椎動物の基本形態は4本足であり、腰で上半身を支えるようには、元々はできていない。 クルマは動物ベースの馬車を基本に作られたから4輪であり、人間の形状とは異なる。


 4輪馬車
(左側通行では、御者は右に座る)


じゃあ、人間の形状にしたら、よりシンクロ率があがって、快適なものになるか、というとそれも違う。モビリティとして、人型の物体は適切な形状ではない。 モビルスーツでも、ゾイドとガンダムのどちらが適しているか、と言えば論ずるまでもなく、2足で歩行するガンダム型より、4本足で移動するゾイド型の4本足モビルスーツの方がアンジュレーションにも強く、動力の伝達能力も上だ。 人間が4本足の動物より速く走れないのは当然で、人型は、細長いパーツが胴体から5方向に延びて脆い上に、トップヘビーな頭が一番上にある。 それ故に慣性モーメントが中央に集中するどころか、端に寄っており、移動体として不適切な形状だから、人間はより適切な形状の乗り物に乗って移動しているのだ。


 ゾイド型
 アンジュレーションのある路面では、戦闘能力はこっちの方が高い
 原作を見たことがないから、ストーリはー知らない。


 ガンダム型
 人型でないと、おもちゃが売れないから仕方ない。
 「戦場の絆」では、ジオン公国側だったので、
 連邦の白い奴がチートレベルに強かったことは知ってる。


陸上の移動において、多くの人間は、ヒトの構造とは異なるクルマに乗って移動している。構造をシンクロさせることが、「安全に、正確に、効率的に目的地に着く」ことに繋がらないならば、何をどうすれば良いのだろうか。 自分自身で歩行することに比べて、クルマを運転することには、不安が伴う。重量も速度も生身の体から発揮するものよりも大きく、操作系も自分の体を動かすこととは異なる。さらに、自分以外の不特定多数の要素が絡み、自分自身がクルマを正確に操作しているかどうかも不安だ。 だから、一番簡単な解決方法は、「運転手つきのクルマ」に乗ることになる。 毎日、運転手つきのクルマに乗っていると、多くの人はだんだんクルマを運転したくなくなる。 なんだか本末転倒のようだが、実はここに大きな分岐点がある。マツダの言う通り、「安全に、正確に、効率的に目的地に着く」ことが、「人馬一体」だと言うならば、その究極は完全自動運転ではないのか。


マツダは社会的に口にできないから、公には言わないけれど、彼らは、自動運転と人馬一体は違うと思ってる。 さらに、「自動運転」の時代が本格的に来る前に、やりたいと思っていたことをやろうと思ってる節がある。 内燃機関については、堂々と反論を述べているけれど、「人馬一体」も、その裏側には、「自動運転では得られないモビリティ」を実現したいという意図がある。

 人間がマニュアルでクルマを直接制御するとう前提で、わざとやらないこともある。 いい例が、「タイムラグなく操作に対してクルマが動くこと」である。「意のままに動く」という言葉で覆い隠しているけれど、クルマはタイムラグなしでは動かない。むしろ、何をやってもタイムラグが起きる。 過去には、本当に「早く反応させること」に注力したこともあって、散々な失敗をしていたが、人間は、「即時に反応するもの」より、「想定通りに反応するもの」の方が操作しやすい。 さらに面倒なことに、「想定通り反応すると」気持ちよく感じる。 だから、マツダは、「感覚的に認識している速度でムラなく動くこと」を求めればいいと考えた。 マツダは、これを「躍度」と呼び、加速度の上昇・降下率を一定にすることだとしている。 もう一度言うが、加速度を一定にするのではなく、加速の度合いを一定に操作できることである。(つまり、ドライバーのスキルに完全に依存すると言っている。躍度をうまく使えるドライバーの操作に応えるようにしたと言っているのだから。)



  躍度とは
  数学的に言えば、躍度を時間で積分すれば、加速度になるということ。


躍度をどう説明すればわかりやすいだろうか。 例をあげて言えば、ちょっと踏むとガバっとスロットルが開くクルマ(躍度急上昇)や、車重が100tくらいあるのか、スロットルをいくら踏んでも全く加速しないクルマ(躍度上がらず)は躍度が一定ではないクルマである。どうみても、どっちも「人馬一体」感の逆方向を向いていることはわかるだろう。 もう一つ例えると、ずっと同じ加速度が続くのではなく、徐々に背中を押される強さが上がっていく加速の方が気持ちいいでしょう? ということで、要するに、「すぐ反応すればいい」ってものでもなく、「反応が何もない」のもまた躍度が一定ではないわけだ。


もう一つマツダが大事なことをあえて言ってないことがある。「コミュニケーションがより密接になると人間の無意識と向き合うようになります。意識せずに、タイヤが自分の体の一部のように思い通りに動いている。」と、まるでマツダのクルマを買いさえすれば、こう感じられるような書き方をしている。 しかし、この感覚を感じるには、ドライバーに適切なスキルがなければならない。スキルを身に着けて、訓練を繰り返していくと、ある日、クルマと繋がった気がして、数秒先の未来がわかるようになる。 でも、それは誰もがクルマから感じられるものではない。 非常に例えが難しいが、テレビゲームやスポーツをやりこんだことがある人なら似たような感覚は理解できるだろう。 頭で思うだけで、勝手に手足が動くというあれだ。 古い話でよければ、バーチャファイターで技を出す時に、レバーをどう動かすかなんて考えることもなく、思った時に思った技を出し、防御をしようと思えば防御をしているような感覚みたいなものだ。

  
 バーチャファイター
 コマンドを意識してレバーを動かしてるうちは、勝てない
 

クルマも同じで、コーナーが近付いて、ずばっとステアリングを切りこむことはしない。ステアリングを回す速度が、一定の加速度で増えていくように、切り込むだけで、ロードスターはもっと簡単に速く曲がる。躍度を意識したドライバーの操作に対して、正しく応えることが、人馬一体の第一ポイントである。 だから、大柄なCX-8も、ステアリングを適切な躍度で操作すると、想像した通りのゆっくりしたムラのない速度で旋回するから、「あ、やっぱりマツダのクルマだ」と理解するわけだ。 仮にCX-8がロードスターと同じ時間でレーンチェンジができたら、様々な部分で気持ち悪く感じてしまうだろう。 第二のポイントがインターフェイスだ。ステアリング、ギア、ペダルの位置と操作感覚がドライバーの躍度の操作に忠実に応えることにある。ロードスターとCX-8の操作感は同じである必要はない。しかし、CX-8の運転においても躍度に応じた操作にはきちんとクルマが応えてくれる。第三のポイントはシートだが、まだ改良されたアテンザにしか搭載されていないので、シートのことはアテンザの時に話そう。


 
 マツダCX-8 大柄なボディに見合った動きをするので違和感がない


マツダらしいのは、しばしば「人間中心」と言って人馬一体を説明するのだが、「ユニバーサルだ」とは言わないことである。「2%の人に理解してもらえればいい」」と言ってることの裏には、何らかの割り切りがあるのだろう。マツダが考えている人馬一体は、人間中心ではあるけれど、ユニバーサルとは違う。 トヨタは、「物理特性を磨き、電子化を進めて誰が操作しても良い感じ」に仕上げようと考えている。それは壮大で立派なことで、社会的にも大事なことだから、もしかしたらトヨタならできるかもしれない。だんだん自分が、まるで老害のように、新技術を否定する日が来そうな気がするのが怖いけれど、ドライバーのスキルに依存せず、誰が乗っても同じ結果がでるクルマは、私が知ってるクルマとは別の移動体だ。


こう書いていて愕然とした。私はずっと、老人が新しい物についていけなくなる理由がわからなかった。別段難しいことなんて何もないのに。私は、新しいCanCanのモデルで登場した時の中条ポーリン(あやみチャンの本名)だって、キズナアイだって、受け入れられるのに、何がきっかけでそんなことが起きえるのだろうか・・・と思っていたのだが、どうやらスキル的についていけないのではなく、精神的に「認められない」時に、人は技術に”ついていかなく”なり、そしてそうなったことを後悔しない。



 キズナアイ(自称スーパーAI。 実態は、ポンコツ)
 さっきから、ゲームやらアニメやら、自称AIやら、新人女優やら
 例えるものがずっとやばいっぽいのばかりなのは気のせいだ。



 中条ポーリンあやみ(CanCan時代)
 こんなに売れっ子女優になるとは思ってなかった。
 ポカリの新人女優CMはすごい。


今のロードスターは、ドライバーにそれを引き出すドライビングスキルがなければ、マツダの設定した「人馬一体」を体感できない。 NDロードスターとアルファードを乗り比べても大した違いが分からない人は、別に残念だとは思わってないだろうけれど、そういう人はマツダのクルマを買おうとは思わない。 多分、ポルシェも欲しいと思わないだろう。



 NDロードスター
 ドライビングスキルにきっちり応える



 ポルシェ911
 いろんな意味で人馬一体なラグジュアリーカー
 このクルマも価格なりの価値がある



今のマツダは、私達と同じ「旧世代」の人が最後にやりたいことをやっているのだと思う。「マツダの人馬一体は、クルマに乗るすべての人に安全・安心をもたらすことを目指しています。」と言う言葉は嘘だとは言わないけど、それを全て引き出すには、ドライバーにも一定の努力が必要だ。 彼らは、理想を追求したら(努力する)人間にたどり着いたという。 マツダは口にしないけれど、人間は一意ではない。努力したくない人や、モビリティに興味がない人だっているわけだ。そういう人を切り捨ててないけど、多分、そういう人に支持されなくても仕方ないと思ってるように見える。


人間は、鍛えるとコンピュータや各種センサーより優秀な反応速度を得る。それが人間の達成感につながる。最初はうまくいかなかったショットが、自分なりにコツを掴んで、思う通り飛ばせるようになると、ゴルフが楽しくなるわけで、ドライビングも最初は思う通りにいかない。 それを、学び、試して、自分で身に着けると、もっと思った通りに動かせるようになる。


「常に適切な運転ができるクルマ」が「誰にでも」利用できることはまさに理想だ。そこに否定はない。トヨタならば、訓練せずとも、誰でもうまく走れるクルマを近いうちに作るだろう。どんなコーナーだってスーパーAIの力で最高の速度で最高に安全に走れるのだ。ドライバーは座って方向を示してアクセルを踏むだけでいい。 それは、ドラクエをLV99で始めるようなものだ。誰でもAボタンさえ押しておけば、どんなモンスターにも勝つことができて、レベルアップの面倒さもない、だからドラクエのストーリを心から楽しめる。 でも、そんなのはドラクエじゃないと違和感を覚える人は、その存在の必要性を認めても、自らにそれを強要されることは望むまい。どのくらいの人が受け入れないのかはわからないが、それらは旧世代の人であるのと同時に、旧世代で結構だとも思っている。



 トヨタの未来のモビリティ


NDロードスターで、人馬一体を感じられるように走らせたいなら、ドライビングの知識と技術と練習が必要だ。レベルは全然違うけど、流鏑馬と同じだ。 ロードスターには、「Aボタン」もないし、「AI」も付いていない。ドライビングを積み重ねていく過程で、自分にあわせて道具を調整することだってできる。NDロードスターは、それに応えるように、アライメントの調整の幅を他のクルマよりうんと広く持たせている。だから、私達は毎回のドライブで走ることそのものに目的がある。 目的地に到着することが終局的な目的じゃない時ばかりだ。 だから私達は、マツダがメディアに書いているような、「安全で、正確に、効率的に」目的地に到着することを、人馬一体だなんてこれぽっちも思っていないのだ。


もう一度、最初に書いたことを思い出してほしい。 私たちはNDロードスターに乗ると、「嬉しい」と感じているのではないだろうか。コーナーの一つ、一つに自分のスキルを反映させ、それに応えたロードスターが自らの想定通りの動きで走りで抜けられた時、「嬉しい」と感じてないだろうか。無機物であるはずのクルマから、何かを与えられているように感じ、その経験の集合体を「楽しい」と感じているのだと思っている。 私もモビリティのユニバーサル化は必要だと思う。でも、「人馬一体」を謳うクルマが、ユニバーサルである必要はない。そんなクルマを作ってくれるメーカーが、もうしばらくの間、一つや二つ残っていてもいいと思う。だって、22世紀のマツダには、もうNDロードスターのようなクルマは作れないかもしれないのだ。



 NDロードスターRF



 人馬一体スローガン

Posted at 2018/07/28 18:12:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車技術 | クルマ
2018年07月21日 イイね!

S660の夏休みの宿題「モデューロX」とはなにか

S660の夏休みの宿題「モデューロX」とはなにかなぜ、学生の夏休みには宿題があるのか知っているだろうか。

唐突に何を・・と思うかもしれない。学生本人はもちろんのこと、教師も、親もその真の狙いを知らないまま、子供に勉強を強いている人が多いことは嘆かわしいことだ。 夏休みの宿題の真の目的は、「計画と実行」とは何かを知るためであり、「制限事項の中でいかに人生を楽しむか」を学ぶことにある。

軽自動車には、不合理ともいえる設計上の規制がある。 夏休みの宿題のように目的があるわけでも、自動車工学からみた必然性があるわけでもないが、とにかくボディサイズ、動力システム、最大乗員数に規制がある。その上で、制限のない普通車と同様に公道での安全性も求められるし、衝突性能だって維持しなくてはならない。

その結果、全長3400mm、全幅1480mmに制限されたガラパゴス島では、世界に類のないスペシャルな小型車達が開発され、この島の中だけで多数の個体がずっと生息を続けている。 そんな中に1台のミドシップのスポーツカーが紛れ込んでいるのだ。

ホンダに対する思いは年代によって違うだろうが、ホンダのTypeRとF1への挑戦の時代にホンダVTECエンジンを楽しんだ世代のホンダファンは、現代のホンダに対して何か少し違うと感じているように見える。 しかし、ホンダスピリットは、9000回転まで回るエンジンにだけあるわけではなく、汎用エンジンからジェット機にまで形を変えながら流れているようだ。(クルマのブログだから細かいことは書かないが、ホンダジェットは、まさにTypeRの時代のホンダ製品の乗り味(飛ばし味?)なのだ)

ホンダが、本気で改定してきたモデルに、「モデューロX」という名前を付けてきたのは、新世代のホンダになったことを感じさせる。無限ホンダと、ホンダアクセスのイメージの差は大きく、「モデューロXってディーラーオプションを作ってる会社でしょ? そこのコンプリートカーなんて、見た目だけに決まってる。」と思われることも承知の上だ。既に、無限S660のコンプリートカー(289万円で660台限定発売)が存在するのに、今度はモデューロX版を出してきた。それは、そこに、「ホンダスピリッツ」があるから、躊躇なく出してきたのだ。


 S660モデューロX

S660モデューロXは、285万円と、標準モデルの67万円高で、NDロードスターよりも高い、結構なお値段がついているけれど、このクルマには285万円の価値はある。マーケットが「リーズナブルだ」と受け取るかどうかはわからない。 軽自動車の制限枠は、ピープルムーバーとして、公道を安全に走行できるぎりぎりの線で作られた制限であり、操安性を求めるミドシップスポーツカーのための制限ではない。 だから、S660には様々な欠点があるけれど、軽自動車の制限の中で、精一杯の努力をしている。 物を成し遂げるには、最初は「破れない制限事項」がある方が話は前に進みやすい。後に「ここがもっとこうだったら」ということは起きるけれど、その制限を超えてはならないという事実は議論を纏めやすいのだ。 商業的にも、税金が安く、小型故に車庫証明が取りやすいないしは、不要ということが、セカンドカー需要を呼ぶと踏んで作られているわけで、NDロードスターの価格と比較するべきクルマでもない。


 S660モデューロX



 だから、このクルマはサーキットやワインディングでも楽しめるけれど、ツーリングにも向いている。ND以上に室内は狭くうるさく、物はおけず、屋根の海苔巻は格納しづらく、横置きミッドのくせに、海苔巻をしまうと荷物もほとんど積めないが、そこは「制限」を楽しむのが、S660の本質だから、その中でいかに楽しみを見つけるかが、S660の楽しみ方だろう。目を三角にしてコーナーを攻める走りは、このクルマには向かない。だからと言って遅いわけではないけれど、速さとバランスの悪さを隠すことにポイントを全振りせず、バランスをエアロで整えた分を、「ツーリング能力」「疲れない走り」に向けたと言って良い。 そして、室内の質感も色味もよくなり、乗り込むことが楽しくなった。


 モデューロX 室内

モデューロXは、この制限の中で、ツーリングをもっと楽しくし、すっと曲がり始めるミドシップの楽しさを作り出した。 そのために、徹底的にエアロを研究してきたのだ。 モデューロのクルマ紹介を見ていると、何の迷いもなく作ってることがよくわかる。 夏休みの課題は全部予定通り終わったのに、自由研究に力を注いだので、提出が2学期に入ってしまったけど、これだけの成果を出せば、担任の先生は花丸を与えて当然だと思う。
Posted at 2018/07/21 20:06:48 | コメント(1) | 試乗記 | クルマレビュー
2018年07月14日 イイね!

奥多摩のヤマメと初物の鮨

奥多摩のヤマメと初物の鮨最初に、このツーリングの数日後、特に西日本地方には多くの雨が降り、災害を誘発し、多数の方が被害を受けたことにお見舞いを申し上げる。

休みなのだが、昨日まで雨天であったので、行くところは限られてくる。この日の東京は朝から、天候が回復しつつあったので、奥多摩に出かけることにした。山側は、雨で地盤が緩んでいる可能性もあるが、奥多摩地区への降水量は、そこまで多くなかったので、奥多摩を選んだのである。品川からの距離も100km程度なので、日帰りで出かけるのにちょうど良い距離であった。


今回のルート

中央自動車道の八王子ICから国道16号線は道幅も広く走りやすい。奥多摩に近づき、国道411号線に入るまでの区間に入ると、工事用車両の走行もあり、車列のペースは上がらないが、やがて交通量が減ってきて、徐々に平均速度が上がり始める。 しかし、このあたりからコーナーが増え始め、センターラインを割り込んで来る車両が多いので、かなり気をつけて走行しなければならない。車両半分近く車線を割ってきたのが往復で合計で5台もいたし、そのうち1台は、左コーナーでステアリング操作が遅れたと思われ、車両の大部分がこちらの車線に入り込んでいる状態だった。 こちらの車線は、私のRFと、レーサーレプリカのバイクの2台しかいなかったから、瞬時に左側目いっぱいに寄って避けることはできたけれど、ワインディングロードの走行に慣れていない多数のクルマがセンターラインを割ってくるので、注意して走行したい。クルマは、ドライバーが思った以上に意のままには走らない。 特に週末は、ドライブに来ている観光客も多く、わき見運転のまま、車線を無視して走行するクルマもいるので、見通しが良い道路でも常に注意して走った方が良い。


国道411号線 峰谷橋


411号線に入り、峰谷橋を渡るとトンネルが続く。 オープン走行中に、周りにクルマがいなければ、ギアを落としてエンジンの回転数を上げて走ると、トンネル内部に排気音が響きわたって面白い。マフラーの変更、吸気の変更、高性能エンジンオイル、フライホイール変更の相乗効果でレブリミットまでスパッと回るので、エンジンの排気音の上昇速度が速く、サクラムでなくフジツボのマフラーでも発する音に自己満足できる良いトンネル群である。 同時に各種の騒音にもあたるわけだが、クローズドのクルマでは、ここまで排気音を楽しむことはできないだろう。 曲率の高いワインディングロードも、この程度の速度ならば、さほど大きな荷重移動も必要なく、ブレーキとステアリングの操作速度と量にきっちり合ったロール姿勢と旋回速度で気持ちよくコーナーを抜けて行ける。 ロードスターのブレーキは、ブレンボでなくとも制御がしやすく良く効くが、奥の踏み応えがやや柔らかい所があるので、さらに速度域を上げるならば、ブレーキパッドを変えた方が制御しやすくなる。しばらく、レーサーレプリカと走り、彼はもう少しペースを上げたいように見えたが、私はこれ以上ペースを上げる気にならず、途中の信号で止まった時に彼に先に行ってもらった。



国道411号線 トンネル

丁度交通量も少なく、トンネルではやり放題であったが、奥多摩湖の周辺のワインディングは、クリアな状態を探せば、前後が空いた状態で走ることは簡単なため、かなり飛ばしているバイクやクルマもいる。 だが、公道だし、前述のとおり、いつ他のクルマがセンターラインを割ってくるかわからないので、余裕を持ち、特にブラインドコーナーでは、常に回避可能な速度で走る必要がある。 それでも、緑の山の間を左右に連続するコーナーを縫ってオープンで走るのは楽しい。 すれ違う何台かの各型のロードスターが、大きく挨拶を返してくれたが、それもまたロードスターならではの楽しみだと思う。


RFで奥多摩湖に到着

今日の目的地は、「奥多摩水と緑のふれあい館」と小河内ダムである。東京の水道水を貯めている小河内ダムは、飲料水用のダムとしては、建設当時は世界有数の大きさの貯水池である、小河内貯水池を作り出している。現在でも、国内有数の大きさの飲料水用のダムである。 現在、東京都の水源は利根川水系を主としているが、渇水時の水瓶として極めて重要な役割を担っている。 その他、戦隊モノや、仮面ライダーなどの特撮によく使われたことでも有名である。 世界征服を狙う悪の集団達は、なぜか、幼稚園バスを襲い、最後は人のいない小河内ダムでライダーと戦うという、伝統的な戦略を継続している。


小河内ダム


広い奥多摩湖(小河内貯水池)


東京都水道局が運営する、「奥多摩水と緑のふれあい館」は、飲料水がどうやって生まれてくるのかについて説明しているローカル色満載のテーマ館だ。天候的な問題もあるだろうが、来館者は非常に少ない。入場料を払おうと思ったら、無料とのことだったので、ありがたく3Dシアターや各種の説明で、奥多摩の森林で水がどのように管理されているかについて学ばせて頂いた。なかなか興味深い展示が多く、アンケートに答えると、東京都のマークが入った携帯コップがもらえる。 目立つ物がないから、人が少ないのは理解できるが、東京都や大阪府にはこういうマイナーなテーマ館が結構あって、こういった施設を訪れるのも結構楽しい。


奥多摩水と緑のふれあい館
この地に古くから伝わる、道祖神や、弁天塔といった史跡も展示されている。


食事も、ここですることにした。奥多摩のヤマメを使った、山川定食を頂く。他の店に行ってもいいのだが、今日の目的はここの見学なので、他の店にはいかなかった。脂ののった大きな奥多摩やまめの切り身を特製スパイスで味付けしフライにした、地元食材をふんだんに使用したボリュームのあるお料理で、甘みのあるオリジナルタルタルソースと共に頂く。川鱒らしいさっぱりした味で、タルタルソースはあまりつけない方が味わいが良いと思う。


山川定食[1100円)


やまめフライの断面図

ここは、20食限定のカレーが有名で、これも美味しい。両方食べてみた結果、私のお勧めは山川定食である。ここの食堂には、全く風情はないから、誰かと美味しい物を食べに行こうというツアーならば、街道沿いのドライブインや食堂に寄った方が雰囲気がいいだろう。 意外にたくさんの地元食材を使ったメニューがある。 写真を撮っている時に、誤ってみそ汁をひっくり返してしまったのだが、有難いことに、新しいみそ汁を出してくれた。この地元の味噌もお土産で買うことができる。


小河内ダムカレー
ごはんをダム、カレーのルーを湖水に見立てる「ダムカレー」は、ここ以外にも提供するところが増え始めた。小河内ダムカレーには、管理船に見立てたゆで卵、ドラム缶橋を再現した人参など、芸が細かい。


限定のカレー以外にも、鹿の焼肉定食や、ニジマスの焼き魚定食もある。

もちろん、お土産も売っている。栗やワサビが名産のようで、それらしい地味なお土産が並んでいる。どこにでも羊羹は売っていて、ごつい栗羊羹が美味しそうなので購入しようかと思ったが、ワサビ漬けの方が美味しそうなので、ワサビ漬を購入した。このワサビ漬けが手作り感があり、ワサビの味が自然で美味しい。 「たまみつ」の名で、地元でとれたはちみつも販売している。地域独自のはちみつは、当然その地域の花の蜜だけでできているので、それぞれ繊細な違いがあって面白い。大量生産のはちみつは、海外から購入したはちみつをブレンドしてしまうから、どれも同じ味になってしまう。


栗羊羹ならびに、ごっつい羊羹達


たまみつ


ワサビやそば粉のふりかけ
(ふりかけでご飯を食べないので買わない)



「そのまま栗の実」という栗のお菓子も買った
人に上げたが、美味しかったとのこと。



ワサビ漬けは、静岡の物より量産感がなく、お勧め。
蕎麦や、味噌なども売っている。



秋になれば、多摩地区で作られているジャガイモ「治助」を買うことができる。ジャガイモが日本に初めて伝わった当時(江戸時代)の品種と言われていて、味が濃く、奥多摩では昔から煮崩れしない品種なので、奥多摩では昔から煮っころがしやネギ味噌で和えて食べていた。形はメークインに似ているが、大きさは小粒。その分、味が濃縮されて美味しい。直ぐに売り切れるので、欲しい人は予約しておいた方が良いそうだ。


ジャガイモ「治助」

中央自動車道に乗れば、品川までさほど遠くないので、首都高速の芝浦ICまで渋滞もなくささっと戻れた。家に戻ると夕食に丁度よい時間である。クルマを地下にしまって、近所の寿司屋へと向かう。ここは、普段はビジネス街なのだが、土日はマンションの住人が客のほとんどを占める。今日からつけ場に立つ若手のSくんが、常連組の前に配置される。皆さん、つけ場に立つ彼を褒める、褒める。 多分、店では厳しくされてるのだろうから、客の方が褒めて伸ばそうとしている。



最初にアジのなめろうを作ってもらった。



カッパとトロ鉄火を握ってもらう。
切るバランスはともかく、塩梅は悪くない。
(トロ鉄火は、既に2個食べた)



鯖の棒寿司はうまく切れた。
その後も、いくつか初夏の魚を握ってもらって、美味しく頂いた。


ツーリングは、泊まりで行くのが楽しいけれど、今日みたいに一人で走りに行くならば、このくらいの距離が適当であろう。昼前に出ても、夕食の時間には戻ってこられるわけで、疲労も少ない。 ただし、帰ってすぐにカウンターに座って、冷酒から始めると、喉が渇いているからか、一気に飲んでしまい、すぐに酔ってしまう。最初はビールにしておけば良かったと反省。 折角、最初に気を利かせて、茨城の取れたての枝豆を出してくれたのに。

この日に頼んだお酒は、浦霞と一ノ蔵だったはず。 多分。




採れたて、ゆでたての枝豆
Posted at 2018/07/14 17:41:00 | コメント(1) | トラックバック(0) | 旅と料理 | クルマ
2018年07月11日 イイね!

正しい魔法の使い方(マツコネ・オーディオ)

正しい魔法の使い方(マツコネ・オーディオ)昔、クルマのアフターパーツの大きな項目の一つにカーオーディオがあった。
カーナビがなかった時代の標準状態のクルマは、ラジオくらいしかついておらず、クルマを買ったらカー用品店に行って、アルパインやケインウッドのカーオーディオを買って取り付けたものだった。

クルマの中は、音楽を聴くには向いておらず、もともと「無駄な努力」だということはわかっていたのだけれど、それでもカーオーディオをどのメーカーの組み合わせにしようかとあれこれ悩んだものだ。やがて、ナビを当たり前に装備する時代になると、オーディオはナビに統合されることになり、やがてナビと共にカーオーディオがHDD化されると、CDや様々な音楽媒体を接続して鳴らすことが一般的になってしまった。

それでも、「ナビとオーディオが選べる」うちは良かった。 アテンザも初期モデルは、ナビ・オーディオが別売りで、BOSEのメーカーオプションを付け、ディーラーオプションのアルパインのカーナビを付けることができた。(発売前に買ったから、アルパインがいい音かどうか確かめる術はなく、ブランドイメージで選んだだけだ)

しかし、マツコネの時代になったら、ナビもカーオーディオもメーカーが決めたものしか選べず、それを変えることはできなくなってしまった。マツコネのナビも「優秀」とは言えないレベルだが、オーディオの方も、もう少し何とかならないのかと思ってあれこれやってみたわけである。各種の動画やWEBサイト等でも紹介されている通り、純正BOSEの中国製スピーカーは、見た目が非常に安っぽい。(実際に安物なんだから当然だ)これを見て、交換したくなる気持ちはわかるけれど、ここに手を出すと30万円コースなので、まず対処の順番を考えた方がいい。 可能な限り、標準のBOSEを使って鳴らしてみて、それでも満足いかない場合に、スピーカー交換に進む方が、コストパフォーマンスが良いと思う。


■本稿の概要
本稿は、HA-200のパーツレビューに書いたことを基に、総合的にマツコネの音を良くする手段について書いた。私はオーディオマニアではないから、細かい原理はよくわからないし、音が良くなったことを証明する方法もない。 しかし、下記の組み合わせは、投資したコストに対して、明らかに改善率が高いと感じたから、マツコネユーザに利用をお勧めしたい。 無料でできることもあるので、是非試してみてはいかがだろうか。オーディオ沼は、ロド沼以上に深いので、いくらでもムダ金は使える。でも、一定の金額を超えると、走り以上にプラシーボ効果が99%を占める世界なので、いい子は適当なところで妥協すべきだと思っている。

ポタアンは音質を改善する。特にオープン時の音質が大き改善されることがわかった。そして、メーカーオプションのBOSEは購入時に選ぶべきである。巷に流れている「BOSEは無駄だからつけなくていい」コメントは無視すべきだ。 これに変わるアンプとスピーカーを組み付けるには、相当な金額と工賃がかかるし、BOSEのアンプと純正BOSEスピーカーも、ちゃんと育てて(エージングして)やれば、それなりに鳴ることがわかった。


■音楽プレイヤー
iPhoneXとかiPhone8などのスマホが一般的なはず。 専用のハイレゾWalkmanみたいな音楽プレイヤーを使えばいい音になるのは当然で、ごく少数のマニア以外の一般人は、スマホに音楽を入れて聞いているに違いないから、きっと誰も「ハイレゾプレーヤーを使え」的な回答は望んではいまい。 なので、iPhoneを使っていい音を出す方法を試す。私は、初期モデルのiPhoneXを使っている。各種OSやソフトウエアは最新バージョンに更新してある。



 AppleのiPhone。 アンドロイドのことは知らん。


■音源
まずは、iTunesで売ってる44.1khzの有償の音楽ソースで聞いてみると良い。
自分の好きな歌手の歌なんだから、私はお金を出して買うべきだと思う。でも、音質はデータ次第だから、心意気とは関係ない。CDのサンプリング周波数と、iTunesで売ってるデータのサンプリング周波数は同じなので、理論的にはCDからデータに落としても損失はない。だが下手に自分で変換するより、直接デジタルデータを買った方がデータの損失のリスクは小さい。後述するハイレゾの音源を買うかどうかは、まず44.1Khzを聞いて満足できるかどうかで決めて良い。 少し補足しておくと、mp3など、各種のサイトでダウンロードできる音源ファイルの多くは、「不可逆式圧縮方法」で圧縮されているため、オリジナルの44.1khzに復元することができず、音質はオリジナルのCD音源よりも劣化している。



■USBケーブル
ライトニング・USBのシールドケーブルがお勧めである。デジタル信号を送るために、「カメラ用USBケーブル」を使うべしというコメントをしている所もあるが、カメラ用USBケーブルで中継してからアンプに接続するよりも直結したい。 使用する音楽再生ソフトを選べば、カメラ用USBケーブルで無理にデジタル変換する必要はなく、Appleの規格に適合したケーブルを選ぶだけでできる。私はANKERのケーブルを使用している。もちろん、純正のUSBケーブルでも良い。私は、自分で何種類かのケーブルを比較した結果、ANKER製を使っている。この差は、プラシーボ効果というか、信じる者は救われるに近いくらいの差である。ANKER製は純正品より丈夫に作られているので、クルマに置きっぱなしにしておくならば、このケーブルをお勧めしておく。


ANKER Premium USBケーブル


■音楽再生ソフト
Apple標準の音楽プレイヤー(♪マークのやつ)の使用はやめておきたい。
強力に推すのは、ONKYOのHP Playerである。AppleStoreから無償でダウンロードできる。1000円で使えるHDRのオプションがあるが、ハイレゾ音源を使うのでなければ、無理に課金する必要はない。さらに、後述するOKYOのHA-200と接続中は、この課金が免除されるので、早まって課金しないように。HA-200は、ハイレゾ音源の再生も可能だが、量子化ビット数は24bit、サンプリング周波数は96khzまでの再生能力しかないから、ハイレゾの沼(底なし沼)を極めたい人には向いてない。その沼を極めたい人は、止めないから、ONKYOなどよりも、SONY様などのスペックの高い、高級ハイレゾ専用機でがんがん行くべし。 私はそこに嵌りたくはない。

このONKYOの無料ソフトは、そのままiPhoneにイヤフォンを刺して内臓DACで聞いても違いがわかるが、デジタルデータで外部出力する前に、優秀なEQ(イコライザー)でデータをデジタルで変更できる機能が使えるところもポイントが高い。EQは素人が適当にいじるより、プリセットされている多数のEQ設定から好きなものを無料で選んで使えるし、演奏中も簡単にON/OFFできるのでお勧めだ。私はEQは使わず、ストレートで聞いているが、デジタルで確実にDACに飛ばせるので、EQを使わない人でもお勧めである。

自分でハイレゾに変換した音源や、市販のハイレゾの音源をiPhoneに載せて再生することもできる。ハイレゾ音源で聞く場合は、音響装置側もハイレゾ対応でないと折角の音が完全には生かしきれない。つまり、BOSEのアンプとスピーカーがハイレゾ対応ではないので、それなりの成果しかだせない。 とはえ、ハイレゾ音源をAUX経由で鳴らすと良い音になるので、試してみたいと思うのならば、何曲か購入して聞き比べてみてほしい。 e-ONKYO Musicでは、渡辺麻友の曲が一曲しか売られてなかったのは残念だが、柴咲コウならば、メジャーなアルバム単位でハイレゾ音源が売られている。例えば、「続・こううたう」は、アルバム1枚分14曲で3240円だから、そんなに高いわけではない。単品で買うと1曲540円する。 ハイレゾをBOSEで再生する話をしはじめると、更に話が長くなるので、今日は44.1khzの非ハイレゾ音源を再生する前提で話を進める。 一応書いておくが、ハイレゾ音源をマツコネに繋いでBOSEアンプとスピーカーで再生すると、「柴咲コウのハイレゾ音源を買ってよかったな」くらいの良さはある。多分、歌の上手な本物の歌手なら、もっと違いがあるだろうと思う。


ONKYO HP Player 
演奏中は、音源の情報はスマホにしか表示されない。
アナログで演奏している時は、画面下にボリューム調整が出る。


■ポタアン
ポタアンとは、「ポータブルアンプ」の略でその名の通り、スマホなどに繋げて持ち歩けるバッテリー内臓のデジタル→アナログ変換機能を持ったアンプのことである。「そんなことは知っている」と私も思うが、念のため。世の中には、いっぱい良いアンプがあり、あれこれ試すのはきっと楽しい。でも、それはオーディオが大好きな方々に人柱・・じゃなかった、ご評価を頂いて、その結果を拝見させて戴いて選ぶのが、素人の進む道かと。 いろんなお値段の商品が売られていて、様々なな評価があるが、NDロードスターで聞くという点を考えると、コンパクトでUSB給電をしてもノイズが乗らず、スマホが音楽再生中に充電モードになって、音楽送信処理にノイズを載せない構造になっている、ONKYOのHA-200がお勧めである。 


ONKYO HA-200本体

ゲインを上げた時の音の伸び方、マツコネ+BOSEとの相性もばっちり。ポタアンから、AUXでマツコネに入力する。ケーブルは、オーディオ用のケーブルを使うべし。これは、正月に神社にお参りに行くみたいなもの。アナログでマツコネに送るので、曲名表示などは、スマホでしか見えない。ポタアンの電源を入れる順序とUSBケーブルを接続する順序を間違えると音が出ないので、その場合は、あわてずにやり直せば良い。


ONKYO HA-200接続図。
ポタアンにUSBから給電しながら聞いてもノイズの問題は起きない。
よってスマホの電源が切れるまで再生できる。


■総合評価
パーツ紹介でも書いたが、この組み合わせでマツコネに繋がない理由はどこにもない。接続がわずかに面倒かもしれないことと、2名乗車の時にドリンクホルダーが潰れるくらいのデメリットしかない。クローズドの状態でも、明らかに音の伸びが違う。マツコネ側のボリュームを10にセットして、聞くに耐える最大に大きな音になるくらいに、ポタアンのゲインボリュームを上げるのがコツ。HA-200は75&程度のゲインで出力しても、歪を感じないので、BOSEのアンプで高いデシベルにするより、ポタアン側で引き上げておきたい。 


AUXに接続すると画面には何も表示されない

ボディ強化を施したRFは、80km/h以上でのクローズド時の路面騒音が大きくなる傾向があるが、HA-200の出力の前には、路面ノイズも勝てない。 エンジンと一緒で、スピーカーもいきなり全開にしては音が割れてしまうので、自分の好みの音楽を一定の時間かけながら、徐々に大きな音圧をかけてやることが大事である。 あの中国製BOSEのツイータとシートスピーカーであっても、中音から高音が徐々に出るようになる。ただし、ジャズやクラシックにはもともと向いてない。 それよりも、デジタル系のポップ、アイドル(あんまり歌が上手くないやつ)、ボカロ、ラップ・・といった、なんというか・・あまりお上品じゃない系な音楽の方が合っている。 他のポタアンを使うと、しっとりジャズやクラシックなどもいけるのかもしれないが、私は他のポタアンは試していないのでわからない。

そして、驚くべき差が、オープンの時だ。耳を疑うかのごとく、オープンでの音質がまったく違う。クローズドの時とも違いはするけど、iPhoneからUSB直結の時に比べて、HA-200経由の時の方が、オープン時は音質も、クリア度も、伸びも大きく違う。

他人に聞かれて恥ずかしい思いをするような音源を聞いてる方が悪いのだが、オープンで横断歩道の前に止まった時は、マツコネ側のボリュームをぐっと絞ってしまうのは、まだまだ修行がたらないのかもしれない。


ロードスターRF(HA-200装備)
Posted at 2018/07/11 23:18:49 | コメント(1) | トラックバック(0) | カーオーディオ | クルマ
2018年07月08日 イイね!

クラウン現象 くるかも

クラウン現象 くるかも今回の試乗は、最初にメガウエブのクローズドコースで、その後、東京トヨタ開催の試乗会に行って各種モデルに乗ってるので、表記上は3.5RS Advanceの表記になっているが、文中では各種モデルを比較している。東京トヨタ主催の試乗会ではあまり写真は撮ってない。なお、通常のブログ形式で上げないと、写真の数に制限があることがわかったので、今度から通常のブログ形式で書く方がいいかもしれないと思った。

総論としていえるのは、「買っても後悔しないだろうと思うクルマ」。多分、ご近所からも家族からも、「いいクルマね」と言われる。 依然、おすすめのグレードは547万円の2.0Gだけれど、「買ってやるから一番高いのをもってこい」と選んでも割とがっかりしない。ジャパンカラーも、革張り内装もごく僅かなオプション料金で選べるのが日本車の良さだ。塗装の素晴らしさは、レクサスLSには及ばないが、量産でよくこれだけ均一な塗装ができるものだと感心するレベル。マツダ車の2倍くらい表面が平滑に仕上がっている。


量産車とは思えない、塗装の平滑性

しばらく乗っていると感じるのは、無難という言葉よりも、隙の少ないクルマという表現が合っていること。レクサスLSが重すぎてコケた結果、クラウンの3.5にユーザが流れてくる可能性は高いと思う。後ろから見ると、なんとなくレクサスっぽい空気も感じられる。それくらい、工作精度があがっていて、レクサスの中堅あたりより、走りはもちろんのこと、品質面でも逆転している。


3.5HVは、公道で使うには明らかに過剰な加速力で、制限速度近辺の速度域だと、WRX-STIやシビックTypeRを超えるレベルで加速できるので、交通の流れを乱さないように自重する必要があるほど速い。 クラウンでサーキットに行くなど考えたこともないが、本気で動力性能を開放したければ、富士の直線で踏んでみる以外に発揮する場所はない。 かつて、日産が、シーマという名前で3LのV6エンジンにターボで過給して255馬力を発生する直線番長なセダンを出したことがある。「ちょい悪」な雰囲気もあって、「シーマ現象」と呼ばれる暴走オヤジが好んで買った時代があった。クラウンは、ドレスアップの仕方によっては、ちょい悪な雰囲気も出せるので、「クラウン現象」を楽しみたい世代に受ける可能性はあると思う。 日本車ではちょっと他に見当たらないくらいの動力性能だし、直線番長ではなく、コーナーで前荷重を入れてやれば、スムースに旋回に入る。(旋回後のブレーキ踏み増しによる、ノーズの制御は、ハイブリッドのブレーキのため、調整しづらく、がくんと失速してしまう。2.0はちゃんと反応するので、まだノーマルのブレーキの制御性には追い付いてない)

なぜ★4つなのかといえば、性能過剰なゆえ、前述のシーマ現象と同じ暴走親父の仲間だと思われそうだからだ。 それと、700万円でこれ一台で済ますより、NDロードスターと、フォレスターの2台を買うほうが、より人生が楽しいんじゃないかと思うこともあるからだが、それは人それぞれかもしれない。なお、フォレスターでもゴルフには行ける。


新型クラウンの4枚のドア全てにドアスタビライザーが装備されていることに気が付いた。このドアスタビライザーも効いている。

クラウンにも、もちろんトヨタの新世代の通信システムである、T-Connectが搭載される。このT-Connectが狙っているトヨタが考えるクルマの未来については、また別のブログ稿で述べたい。

写真はT-Conectの送受信機
Posted at 2018/07/08 15:07:00 | コメント(0) | 試乗記 | クルマレビュー

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「RFの後任のND2のNRA-Aが来ました。

マツダ製チューニングカーとでもいうのか、色々なところが改善されて、走らせていて楽しいです。特にステアリングの反力がしっかり計算されてアシストされていて、ステアリングフィールがとても良くなってます。」
何シテル?   04/27 21:12
zato787です。よろしくお願いします。 買い替えずに増車をした結果、スポーツカー3台持ちになってしまいました。保有車両が増えて来たので、車庫を思い切って群...
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ND1のRFからND2のNR-Aに乗り換えました。 *保有パーツ(未搭載) ■Engi ...
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