
大阪港・天保山岸壁(大阪市港区)
海上自衛隊 輸送艦「くにさき」の一般公開がありました

海上自衛隊 おおすみ型輸送艦 3番艦
LST-4003 くにさき
基準排水量 8900トン
全長 178.0m
全幅 25.8m
第1輸送隊
定係港 呉基地(広島県)

海上自衛隊の艦艇は天象 気象 山 半島 河川 などの名称が付けられていて
輸送艦には半島名が用いられています
「くにさき」は大分県の国東半島に由来
同型のLST-4001「おおすみ」 LST-4002「しもきた」 も同じ第1輸送隊 呉基地に配備されています
V型16気筒ディーゼル 2基搭載
合計26400馬力
2軸推進
最大速力 22ノット(約40km/h)
乗員153名

艦尾には門扉を設置 内部にはウェルドックと呼ばれる格納庫があり
ドック内に注水して艦尾を下げ上陸用ホバークラフト(エアクッション型揚陸艇)を進水させることができます
一般公開のため艦尾門扉を展開させています

早朝から行ったので 自衛艦旗の掲揚を見ることができました

第3種夏服と白靴の幹部自衛官
白い制服がカッコいい

信号ラッパを吹奏するラッパ手5名 航海科が担当するそうです
10秒前に「気をつけ」のラッパ
08時00分00秒にラッパ「君が代」
掲揚・君が代吹奏がおわったら「かかれ」のラッパ
陸上自衛隊・航空自衛隊のラッパ君が代とは異なります

十六条旭日旗はデザインが美しい

自衛艦を見学するには 金属探知機によるボディーチェックと荷物検査があります
この時 天保山岸壁は海上自衛隊によって立入制限がかかってました

自衛隊の公式マスコットキャラクター「ピクルス王子」
今日の「中の人」は海曹長で前回よりも階級が上がってました
「中の人」は熱に弱く頻繁に交換してるようです

艦体の左右に設けられたランプドア
ここから乗艦して見学します

大勢の見学者がいました

乗艦するとまず「くにさき」の概要がプリントされたパンフレットが配布されていました
海上自衛隊の認識・理解を深めるため艦艇広報も重要な任務です

ここにも旭日旗
カッコいい
艦尾のウェルドックへと向かいます

ウェルドックから見た車両甲板
かなり広いですね
90式戦車約10輌 もしくは3・1/2トントラック約25台の搭載が可能です
艦内には陸自隊員用居住区があり330名が乗艦できます

ドック内には
海上自衛隊 エアクッション艇1号型
LCAC-2106 エアクッション艇6号
基準排水量 100トン
全長 26.8m
全幅 13.3m

※参考画像 海上自衛隊 LCAC-2105 エアクッション艇5号
水陸両用のホバークラフト
輸送艦の艦尾門扉から海上に出て海浜に上陸しそのまま陸地も移動できます
中央部は全通式車両甲板になっていて前後にランプ扉があります
約50トンの積載能力があり90式戦車1輌を輸送できます

Landing Craft Air Cushionの頭文字をとりLCAC
通称:エルキャックと呼ばれます
コクピットは右弦にあります

扉が開いてたけどよく見えず・・・
乗員は5名
クラフトマスター(艇長)
エンジニア(機関士)
ナビゲーター(航海士)
デッキエンジニア(整備員)
ロードマスター(車両誘導員 兼 見張員)

近くにコクピットの様子が写されたパネルが展示してありました
飛行機の操縦席と似てますね

浮上用ガスタービンからシャフトで出力し画像右の浮上用リフトファンを駆動
左右に1基ずつあります

推進用のシュラウド付き大型4翔プロペラが左右に1基ずつ
推進用ガスタービンもそれぞれ1基ずつあります
2軸で16000馬力
速力は最大積載時で40ノット(約74km/h)以上
最高速力は70ノット(約129km/h)以上
かなり速いですね

左舷船室
高速航行中はガスタービンエンジンの騒音と風 波飛沫が激しいため
人員は船室に収容します
艦尾のウェルドックを出て艦首方向へと向かいます

途中に解説図があります
搭載 陸揚げの様子がわかります

災害時には民間人の輸送もします
ヘリコプター エアクッション艇を使用し
艦内デッキに約1000人収容可能
上甲板も使用するのでしょうか?
最大で3000人が乗船可能のようです

車両甲板前端から上甲板へ上がるエレベーターに乗ります
長さ20m 幅6m 力量約20トン
エレベーターガールは居なかった・・・
こういうのを見ると脳内で「サンダーバード」のテーマ曲が流れます

上甲板に到着
艦首方向に見える橋は阪神高速5号湾岸線 天保山大橋

輸送艦らしく甲板上に固定用フックを掛ける穴が沢山あります
使わないところにはカバーが付いてました

艦橋は右舷側に寄せてあります
艦橋右上(画像では左上)についている白い虚無僧の被る深編笠のようなものは
NORA-1スーパーバード衛星通信アンテナのレドーム
スカパーJ-SATが所有する赤道上空36000kmに打ち上げられた静止軌道上にある
通信衛星「スーパーバード」との通信に使用します
衛星電話 テレタイプ通信 ファクシミリ通信 データ通信 ボイスネット通信などに使用します
艦橋前の甲板には6トン吊のラフテレーンクレーンが停めてありました

艦橋中段に設置されているのは
高性能20mm機関砲CIWS(シウス)
ファランクスの名称があります
迫り来るミサイルや航空機を至近距離で迎撃する「近接防御火器システム」
目標の捜索 追尾 攻撃 撃墜を自動的に実行
全自動にすると射程内の動くものには何にでも反応して射撃します
なので普段はマニュアル操作にしてるようです
発射速度 3000~4500発/分(毎秒50-75発)
最大射程 約4500m
有効射程 約1800m
隣の赤いのは放水銃

作業着 戦闘服の展示がありました

作業服 海乙
海曹士用の作業服
濃紺の長袖に乙階級章(二等海曹)を肩に装着しています

戦闘服 2型 乙
作業服より厚手の生地のようです
前はファスナーで閉じます

陸上戦闘服 2型
アメリカ海軍の迷彩服と似てます
小さい錨のマークがちりばめられているとのこと

「くにさき」オリジナル作業用つなぎ

海上自衛隊の艦艇は他国海軍の艦艇に比べ錆びが浮いてなくとてもキレイ
ペンキ塗りは頻繁に行われているようです
つなぎにはペンキが付着していました

医療ガス機器室
医療機器が置いてあるのでしょうか

「くにさき」オリジナルドアマット
艦種記号のLSTは
LANDHING SHIP TANK =戦車揚陸艦の意味です

医務室
内部は診療室 手術室 集中治療室 病室 歯科診療室があり
車両甲板に陸上自衛隊の野外手術システムを展開すると医療機能が向上します
おおすみ型登場時は最も充実した医療能力でした
広島県の呉基地に所属するということでTVに映ってるのは・・・

2016年 セ・リーグ優勝おめでとう

航空母艦のように艦橋構造物を右舷側へ寄せたアイランド型を採用したことにより
艦首~艦尾まで直線で結ばれた広い全通飛行甲板になってます
固有のヘリコプターは搭載してませんが
大型のCH-47輸送ヘリコプターの発着・駐機スポットが各1か所あります
V-22オスプレイの離着艦も可能です
画像奥にみえるのは天保山ハーバービレッジにある
天保山大観覧車
高さ112.5m 直径100m 1周17分
一通り見学して下船

自衛隊大阪地方協力本部の1/2トントラック
地方協力本部は
各都道府県において渉外 募集 広報 援護などを担当する
陸上・海上・航空自衛隊の共同機関です
「キミいい身体してるな 自衛隊に入らないか?」と街でスカウトしてるのはココの事
私は遭遇したことないですが・・・

ミニ制服試着コーナー
セーラー服は1850年代のイギリス海軍の制服として採用したのが始まりで
甲板上で風などの影響によって音声が聞き取りにくいときに
襟を立てて集音効果を得るため大きな襟が付いているという説があります
セーラー服は現在も海上自衛官海士の制服として採用しています
「くにさき」は2011年東日本大震災の時 石巻湾に展開し仮説浴槽を設置して
入浴支援を行いました
災害時には救援物資も大量に輸送できるし頼もしい艦艇ですね