2015岐阜基地航空祭
前回(ピリオド1) からのつづき
格納庫内ではコクピットやエンジン ミサイルなどの装備品展示などがあります
F-15DJ (12-8078) 飛行開発実験団
コクピット展示の機体 訓練用の複座
F-15Dの日本版がF-15DJです
単座型にある後部の電子機器室に座席を設けて
タンデム(縦列)2人乗りになってます
前・後席ともに操縦系統があります
胴体下や主翼下に装着された増槽(増加燃料タンク)
航続距離を伸ばしたい時に装着します
それと敵対した時などの緊急時には切り離して軽量化
空気抵抗も減らして運動性を良くします
1本の増槽は610ガロン=約2308リットル(1ガロン=約3.785リットル) 入ります
増槽の上にあるレールはミサイルランチャー
この主翼下のランチャーには
目標から発せられる赤外線に向かって飛翔する
短距離空対空ミサイルを装着することが出来ます
可変エアインテーク
上方4度から下方11度まで自動で作動し
飛行速度に応じてエンジンに最適な流入空気量を確保します
コクピットの見学は出来たのですが
残念ながら撮影禁止でした
エンジンの展示
F-4EJ/改 用 ターボジェットエンジン J79-IHI-17
定格出力 5350kg
最大出力(アフターバーナー使用) 8080kg
重量 1740kg
GE(ゼネラルエレクトリック)社のエンジンをIHIがライセンス生産したものです
エンジンに取り入れた空気を全て燃焼に使用するのがターボジェットエンジンで
超音速機など高速向きですが効率が良くなく騒音も大きいです
F-2A/B用 ターボファンエンジン F110-IHI-129
定格出力 7800kg
最大出力(アフターバーナー使用) 14300kg
重量 1770kg
GE(ゼネラルエレクトリック)社のエンジンをIHIがライセンス生産したものです
ターボファンエンジンはエンジンの前方にファンがあり
取り入れた空気の一部を後方へ通過させ
高温高速の燃焼ガスとファンを通った空気を混ぜることにより効率を高めています
旅客機や軍用機など近年のほとんどのジェット機は
ターボファンエンジンを搭載しています
XC-2用 ターボファンエンジン CF-80C2K1F
定格出力 22130kg
最大出力 27097kg
重量 4050kg
GE(ゼネラルエレクトリック)社製
開発中の次期輸送機 XC-2のエンジンです
左右の主翼下に1発づつ搭載します
戦闘機用のターボファンに比べ大型のファンを備えています
通過させる空気の量が多いため より効率が高くなってます
騒音もかなり低いです
装備品展示
無人機(UAV)
全長 5200mm
全幅 2500mm
重量 750kg
製造会社 富士重工
「無人機研究システム」として開発され
空中で母機(F-15J)から発進し自律飛行で偵察した後
航空基地に着陸する再利用可能な往還機です
昔の戦闘機には書かれていることがあった機首のシャークマウスが勇ましい
作動展示
F-4EJ (07-8429)
機体をジャッキで支え機外から油圧発生装置を接続して
離陸から飛行 着陸までの降着装置や動翼の動きを解説する展示
緊張のためなのか実況アナウンスがたどたどしい・・・
でも懸命にやってる姿が微笑ましい
プログラムには無かったけど
開発中のXC-2のテスト飛行が行われていました
T-4がエスコート機として随伴します
ゴーアラウンド(着陸復行)やタッチアンドゴーなど
何度が離着陸訓練を行っていました
主翼の後ろに高揚力装置の赤いフラップが下がってるのがわかりますね
主翼だけでは失速するような低速度でも離着陸出来て
距離を短縮する事ができます
ファウラーフラップという種類で主翼の後方を延長させるように展開し
フラップとの間に隙間を設け より大きい揚力を発生させます
主翼前方にも高揚力装置が備わっていて
前方のものはスラットといいます
着陸の時は主翼後端のスポイラーを立ち上げて
空気抵抗を増して減速させています
ジェットエンジンの噴射方向を斜め前に変えて逆噴射させ
減速距離を少なくするスラストリバーサー(逆推力装置)
エンジンカバーの一部が開いています
XC-2 (18-1202) 試作2号機 飛行開発実験団
全長 43.9m
全幅 44.4m
全高 14.2m
自重 60.8t
最大離陸重量 141t
最大搭載量 30t
巡航速度 890km/h
川崎重工が製造している国産の次期輸送機
航続距離は12t搭載時に6500kmの飛行が可能です
KC-767J (96-3703)空中給油・輸送機
第404飛行隊 航空自衛隊 小牧基地(愛知県)
全長 48.5m
全幅 47.6m
全高 15.8m
自重 86.3t
最大離陸重量 176t
最大搭載量 30t
最大速度 M(マッハ)0.86
民間航空貨物機用のボーイング767-200ERを元に
空中給油装置などを設置しました
給油方法はフライング・ブーム方式
給油オペレーターが操作して受油する航空機にノズルを差し込みます
また給油能力に加え輸送能力を有しています
人員輸送と車両/貨物輸送の選択式パレットがあり
人員なら200名 貨物なら30tの積載が可能です
航続距離は人員200名搭乗時に7600kmです
岐阜基地と小牧基地との直線距離は20kmほど
離陸したと思ったらすぐに着陸ですね
でも地上走ってくるわけにもいかないし・・・
C-1 (48-1004) 輸送機 飛行開発実験団
全長 29.0m
全幅 30.6m
全高 9.90m
自重 23.3t
最大離陸重量 39t
最大搭載量 8t
最大速度 M(マッハ)0.76
航続距離 3t積載で1700km
戦後初めて開発された国産の双発中型輸送機です
開発当時 専守防衛を掲げる日本の政治的配慮により
航続距離と積載量を極端に少なくしてしまいました
非常に強力な高揚力装置 4段隙間ファウラーフラップを装備
前縁のスラットと併用し
最短離陸距離 460m 最短着陸距離 600mでの運用が可能です
岐阜基地航空祭メインイベント 異機種大編隊
飛行開発実験団所属の輸送機 練習機 戦闘機での編隊飛行
C-1 T-4x2 F-2x2 F-4x2 F-15x3 デルタ隊形
C-1 T-4x4 F-2x2 F-4x2 F-15x2 傘型隊形
C-1 T-4x4 F-2 F-4x3 F-15x3
学校で整列の時に行う前習えにちなんで
「前習え隊形」だそうです
F-4EJの着陸は後部からパラシュートの一種
ドラッグシュートを展開し空気抵抗を利用し制動します
F-15の着陸は背面のエアブレーキを展開させて空気抵抗を利用しますが
機体を起して空気抵抗も利用する「エアロダイナミックブレーキ」を併用し
ドラッグシュートを使用しません
C-1の着陸は主翼後端のスポイラーを立てて
エンジン後端に装備している蓋のような逆噴射装置で
斜め前方に噴射方向を変えることで制動します
岐阜基地は機種が多いので飽きませんね
テストパイロットさんたちも気合入ってるのか派手に飛び回ってたし
ということで 岐阜基地航空祭2015の様子でした
今回の 来場者は6万5000人だったそうです
Posted at 2016/01/18 01:11:58 | |
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