神戸海洋博物館/カワサキワールド(兵庫県 神戸市)
vol.1からの続き
モーターサイクルギャラリー
歴代マシン レース車両など数多くの実車を展示

Z1 (1972年)
開発時のコードネームは「ニューヨークステーキ」
発売時にはアルファベットの最後の文字で究極を意味する「Z」と世界一を表す「1」という車名を与えました
レーサーやごく少数のロードスポーツだけのメカニズムだったDOHC並列4気筒を世界で初めて大量生産車に投入
この903ccのエンジンは世界最速であっただけでなく信頼性や耐久性も他を圧倒

4本のマフラーも特徴的で「スリム セクシー スリーク」を合い言葉にしたデザインは高い評価を得ました
メインの市場となった北米をはじめ ヨーロッパでも記録的な大ヒットとなりレースでも活躍
Zシリーズの元祖であり 現在も名車として名高い
空冷並列4気筒DOHC
903cc 82馬力
乾燥重量 230kg
5段リターン
展示車両は製造番号00001
生産第1号車
国内では750ccに排気量を下げた「750-RS」(Z2)として販売
Z1やZ2はヤンチャ系マンガによく出てきますね

Z1-R (1977年)
70年代には「カフェレーサー」と呼ばれるレーサーを思わせるスポーティなデザインが流行
Zシリーズの主な市場だったアメリカ現地でデザインされシルバーの外装を含め
それまでの大排気量車にはない独特のスタイルで衝撃を与えました
細身のタンクはブラックに塗装されたエンジンの存在感を強調し
ハンドルマウントのビキニカウルはZ1-Rの速さを象徴
そして当時まだ珍しかったアルミ製キャストホイールを標準装備
マフラーはZ1の4本出しと異なりエンジン下で集合して直線的な形状の1本のサイレンサーへとつながる
Z1-Rは以降のZシリーズのデザインに多大な影響を与えました
空冷並列4気筒DOHC
1015cc 90馬力
乾燥重量 246kg
5段リターン
ビキニカウルの「ビキニ」の名称に反応しちゃう・・・

Z1300 (1979年)
水冷DOHC並列6気筒という他に類を見ないエンジンは当時の量産車最大排気量となる1286cc
圧倒的なパワーに対応するためにシャフトドライブを採用

大柄で乾燥重量は300kg近かったが
新車発表時にテストライダーがウイリーを披露したというエピソードをみるように
あくまで走りを楽しむロードスポーツモデル
あまりのハイパワーゆえに西ドイツ(当時)の馬力規制のきっかけになったほど
水冷並列6気筒DOHC
1286cc 120馬力
乾燥重量 297kg
5段リターン

GPz900R (1984年)
カワサキ初の水冷4気筒DOHC4バルブエンジンを軽量コンパクトな車体に搭載
その卓越した走行性能で最高速 0-400m加速共に当時の最高記録を更新
またサイドカムチェーン ダイアモンドフレーム 空力を追求したデザインのフルカウルなど
他社のモデルとは一線を画した特徴で人気を博しました
2003年までの20年間も生産されたロングセラーモデル
北米ではNinja900の名称で販売
水冷並列4気筒DOHC
908cc 115馬力
乾燥重量 228kg
6段リターン
映画「トップガン」でトム・クルーズが劇中にこのバイクを乗ってたのが有名ですね
教官にも乗ってましたが・・・ (←下品)

ZEPHYR(ゼファー) (1989年)
ゼファー(ZEPHYR)とは英語で「西風」を意味し
川崎重工二輪車製造拠点の兵庫県・明石市から吹く業界への新風となる様に
との願いを込めて名付けらました
レーサーレプリカ全盛期にカウルなしの懐古的なスタイルを前面に押して登場
これがフルカウル以外の選択肢を求めるユーザーに受け
爆発的な売れ行きを見せ「ネイキッドブーム」の立役者となる
伝統を感じさせる空冷エンジンをあえて搭載
いにしえの名車を感じさせるスタイリングは逆に新鮮に感じられ
生産が追いつかなくなるほどのベストセラーモデルとなりました
空冷並列4気筒DOHC
399cc 46馬力
乾燥重量 177kg
6段リターン

Ninja ZX-11 (1990年)
世界最速を目指して開発したモデル
非日常ともいえる300km/hに達するための造り込みをしました
その反面 ハンドルの切れ角が深く素直なエンジン特性と操縦性
実用的な風防特性をもって充分な実用性も備えていました

エンジン出力を向上させるためフロントフェイス下部に設けられたエアダクトから
空気を直接エアクリーナーに送り込む「ラムエアシステム」を市販車で初めて採用
驚異的なエンジン性能を持つマシンでした
また 洗練されたエアロフォルムは空気抵抗係数を徹底的に追及
スピードメーターに320km/hの目盛りが初めて刻まれた「モンスターバイク」
北米以外では「ZZR1100」の名称で販売
水冷並列4気筒DOHC
1052cc 147馬力
乾燥重量 228kg
6段リターン
ツーリングバイクっぽい外観だけど
当時の世界最速バイクで人気でした
私は普通二輪免許しかないから
400cc版を買おうと思ったぐらいカッコよかった
憧れのバイク

ZRX1200 DAEG (2014年)
Z1000Rローソンレプリカを彷彿とさせるビキニカウルを備えた直線基調のデザイン
峠や市街地といった日本固有の道路状況や
日本のライダーのニーズに合わせて作りこみを行い
輸出仕様のない日本国内専用モデル
DAEGとは北ヨーロッパに住んでいたインド・ヨーロッパ語族・ゲルマン語派の人々が使っていた
ルーン文字のひとつで
根源的に「日」 「一日」のことを意味し
英語における“DAY”の語源で メーカーでの公認の読み方は「ダエグ」です
水冷並列4気筒DOHC
1164cc 110馬力
乾燥重量 246kg
6段リターン

ZZR1400 (2006年)
カワサキの最大排気量スポーツモデル
4灯プロジェクターヘッドランプやターンシグナルランプを埋め込んだ
前後カウルなどの採用によって
高い風防性能とエアロダイナミクスを発揮すると共に
独特で迫力のある印象をもったスタイリングになってます

排気量の割りにコンパクトな水冷並列4気筒DOHCエンジンを
独自のアルミモノコックフレームに搭載することにより
優れた加速や高速走行性能と同時に軽快で応答性に優れたハンドリングを実現してます

構造がよくわかる解説パネル
北米向けモデルの名称はNinja ZX-14です
水冷並列4気筒DOHC
1352cc 190馬力 ラムエア加圧時 200馬力
乾燥重量 215kg
6段リターン

陸のゾーン
0系新幹線の実物を展示
客席や運転席に入ることが出来ます
1964年 東京~大阪間で開業した初めての新幹線電車
運転最高速は時速210km
川崎重工は1963年から1985年までに0系新幹線を702両製造
展示されてる車両は1985年製造
全長 25.15m
全幅 3.38m
全高 3.975m
重量 59.1t

航空機などの設計を取り入れ空力特性を考慮した前頭形状
前方視界を確保するため高運転台方式を採用

運転席へはステップを登ります

ワイパーはレバーで動きました
手動式だったんでしょうか?

速度計は260km/hまで刻まれてます
在来線電車と違い
右手がマスコン 左手がブレーキです
展示車両はブレーキレバーが外されてました

海のゾーン
ものづくりシアターでは船舶の進水式の様子などを
3画面のマルチ画像で紹介します
ジェットスキーウルトラ260X
水冷並列4気筒DOHC インタークーラースーパーチャージャー
1498cc 255馬力
整備重量 482kg

船体下部の吸入口(ジェットインテーク)から水を取り入れて
ジェットポンプで水流を加速させるウォータージェット推進システム
ハンドルと連動するジェットノズルの方向を変えて旋回します

体重移動で旋回するスタンドアップタイプの水上オートバイを題材にした体感ゲーム
ナムコ (現バンダイナムコゲームス) 「アクアジェット」

空のゾーン
大型の川崎バートルKV-107Ⅱ形ヘリコプターの実機を展示
川崎重工社用機「美濃」
1959年 ボーイング社からライセンス生産権を取得した国産ヘリコプター
人員輸送 消防 警察 物資輸送など幅広い用途に使用されました
国内販売のみならず サウジアラビアなどにも輸出
1961年から1989年までに160機を製造 阪神・淡路大震災では物資輸送に活躍

旅客機型ヘリコプター
機体後部 傾斜板式扉のスロープから乗り込みます

視界の広いコクピット
固定翼機の場合 機長は左側に座るのですが
ヘリコプター(回転翼機)では右側に機長が座ります
脚の間には機体の前後左右の方向を決める サイクリックスティック
メインローターの傾きを調整します
左手にはコレクティブレバー
エンジン出力を調整し
メインローターに付いているブレードの角度を変え揚力の調整をして
上昇 下降の操作をします
足元にはラダーペダル
テールローターの推力を調整し
機首の方向を変えます

神戸空港離発着体験 フライトシミュレーター
操縦するのは小型機の設定
神戸空港を離陸 明石海峡大橋上空で折り返し
神戸市街地上空を飛行して神戸空港に着陸するコースで
筐体も上下左右に動く本格シミュレーター
人気のアトラクションで順番待ちが出来るほどです
浜松のエアパークでは墜落しまくったんですが
今回は無事生還しました

ミュージアムショップ
「kawasaki」や「Ninja」ロゴの入った
Tシャツ キャップ キーホルダーなどのオリジナル商品や
プラモデル ミニカー
ブルーインパルスグッズもありました
高速で飛ぶジェット機や
世界最速のバイクなど
陸海空と多岐に渡る製品を造る川崎重工業
世界最大の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」が発表した
「行ってよかった 工場見学&社会科見学 2014」で
第6位に選ばれた「カワサキワールド」
近くに神戸ポートタワーもあり
神戸海洋博物館/カワサキワールドとポートタワーの入館料がセットになった
お得な共通券もあります
神戸観光の際には立ち寄ってみてはどうでしょうか?
神戸海洋博物館/カワサキワールド
兵庫県神戸市中央区波止場町2番2号
開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日 毎週月曜日 年末年始
市営地下鉄海岸線「みなと元町駅」から徒歩約10分
JR・阪神「元町駅」から徒歩約15分
そして
同じメリケンパーク内にあり
カワサキワールドのある神戸海洋博物館から
東(大阪方向)へ100mほど行ったところに

「神戸港震災メモリアルパーク」 があります

1995年1月17日5時46分
淡路島付近を震源とするマグニチュード(M)7.3 最大震度7の強い揺れが近畿地方を襲った
兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)
大震災の教訓 港の重要性 日本国内外の多くの人が一体となって
港の復旧・復興に努めた様子を後世に伝えようと
メリケンパークの岸壁の一部・約60メートルを被災当時のまま
の状態で保存しています
街灯は倒れ岸壁は陥没浸水してて震災の凄まじさが伝わります
コチラもぜひご覧ください