前回からの続き
伊丹駐屯地は大阪国際空港(伊丹空港)の北西数キロの位置にあり
滑走路32からの離陸が頻繁に行われているため
上空または付近を飛行することが多いです
エンジン音で放送の音が聞こえなくなる時があります

記念式典や観閲行進 訓練展示などが行われるグラウンド
紅白幕の張られたスタンド側が正面になります
来賓や招待者の席なので
一般来場者は入場できません

来賓者スタンドの向かい側には
一般来場者のスタンドが設けられていました
展示を見るには距離がありますが
全体を見渡せるため人気のスタンドです

夜明け前までは土砂降りの雨だったので
グラウンドがぬかるんでいます
乾いていれば砂埃を抑えるために 散水車で水を撒くのですが
その必要はありません
規制ロープを張る制服姿の女性自衛官(WAC) 階級章は陸士長ですね
パンプスが泥だらけになってました・・・

観閲式に参加する部隊の一部
入場前の様子です
職種によって旗とスカーフの色が違います
藍色の旗とスカーフは中部方面後方支援隊(桂駐屯地/京都府京都市)です
後方支援は補給 整備 輸送などを行います
水色の旗とスカーフは中部方面情報隊(伊丹駐屯地/兵庫県伊丹市)
情報科は地理情報 電波傍受 諜報活動等を行います

幹部の小火器はレッグホルスターに9mm拳銃を装備します

その他の曹士は89式5.56mm小銃を携行します

観閲部隊入場
中部方面音楽隊と第3音楽隊から成る合同音楽隊
中部方面警務隊/伊丹駐屯地 (旗:銀ねずみ色)
第3特殊武器防護隊/千僧駐屯地 (金茶色)
第3偵察隊/千僧駐屯地 (橙色)
第10戦車大隊/今津駐屯地 (橙色)
第14特科群/松山駐屯地 (山吹色)
第8高射特科群/青野原駐屯地 (山吹色)
第3師団第36普通科連隊/伊丹駐屯地 (自衛隊旗/連隊旗=八条旭日旗)
第10師団第35普通科連隊/守山駐屯地 (自衛隊旗)
第13旅団第8普通科連隊/米子駐屯地 (自衛隊旗)
第14旅団第15普通科連隊/善通寺駐屯地 (自衛隊旗)
第4施設団第6施設群/豊川駐屯地 (えび茶色)
中部方面情報隊/伊丹駐屯地 (水色)
中部方面通信隊/伊丹駐屯地 (青色)
中部方面後方支援隊/桂駐屯地 (藍色)
中部方面衛生隊/伊丹駐屯地 (深緑色)
中部方面会計隊/伊丹駐屯地 (銀茶色)

観閲官である中部方面総監(陸将=中将)が各部隊を観閲して回ります
この後 来賓(政治家)の”ありがたい”祝辞が続きます・・・
暇つぶし用コンビニコミックの出番です

観閲行進が始まります
演奏は中部方面音楽隊と第3音楽隊から成る合同音楽隊

中部方面隊の担当する各府県の旗が入場します
1/2tトラックの後席には出身府県の女性自衛官が旗手として乗車しています
第10師団担当の東海・北陸地方
第3師団担当の近畿地方
第13旅団担当の中国地方
第14旅団担当の四国地方
4グループに分かれての行進です

中部方面警務隊(伊丹駐屯地/兵庫県伊丹市)
1/2tトラック 白バイ(ホンダ・CB400P) 覆面パトカー(日産・ブルーバードシルフィ)
自衛隊内の規律違反の防止 交通統制 犯罪捜査等の部内の秩序維持が任務
いわゆる憲兵やミリタリーポリス(MP)です

観閲部隊指揮官の第3師団副師団長(陸将補=少将)が搭乗する
82式指揮通信車
第3師団の司令部は伊丹駐屯地から1kmほどの至近距離にある千僧駐屯地です

第3師団第36普通科連隊(伊丹駐屯地/兵庫県伊丹市)
普通科は他国の陸軍だと歩兵です 職種を表す旗とスカーフは赤
携行火器は89式小銃 ゴーグルと防弾チョッキ(おそらく3型)を着用しています

第10師団第35普通科連隊(守山駐屯地/愛知県名古屋市)
防弾チョッキ(3型)を着用し ヘルメットに個人用暗視装置を装着
89式小銃を携行

後方の隊員は5.56mm機関銃MINIMIを携行

さらにその後方には110mm個人携帯対戦車弾を携行した隊員
それと対人狙撃銃を携行し携帯偽装網(ギリースーツ)を着用した狙撃班員
武器のバラエティーに富んでて見てて面白いです
ギリースーツ ムック(ポンキッキ)みたいだ・・・

中部方面航空隊(八尾駐屯地/大阪府八尾市) (明野駐屯地・航空学校/三重県伊勢市)

多用途ヘリコプターUH-1J(正式名称:イロコイ愛称:ヒューイ)
米国ベル・エアクラフト社が開発したものを
富士重工がライセンス生産しています

対戦車ヘリコプターAH-1S(コブラ)
上記のUH-1をベースに開発された
世界初の攻撃ヘリコプター
機首に20mm機関砲を装備し
前席に搭乗する射手のヘルメットの動きに合わせて砲身が動きます

輸送ヘリコプターCH-47J(チヌーク)
前後に回転翼(ローター)を配置したタンデムローターヘリコプター
前後のローターをそれぞれ逆回転させることによりトルクを打ち消すため
操縦安定性が高い特徴があります
約12tの物資を機外に吊り下げて運ぶことができます

第3師団第3偵察隊(千僧駐屯地/兵庫県伊丹市)
軽装甲機動車
オートバイ(偵察用)
87式偵察警戒車
87式偵察警戒車は
敵陣に射撃しながら侵入しあえて反撃を受けて敵の戦力を探る
「威力偵察」を行うための装輪装甲車です

第13旅団第8普通科連隊(米子駐屯地/鳥取県米子市)
高機動車
人員輸送と物資輸送の両方に使用できます
幌屋根でロールバーには5.56mm機関銃MINIMIを取り付けることが出来ます
この車両をベースとしたトヨタ・メガクルーザーが市販されました

第14旅団第15普通科連隊(善通寺駐屯地/香川県善通寺市)
軽装甲機動車
歩兵(陸自では普通科)といえども現代の軍隊では自動車での移動が主流(自動車化歩兵)
天井ハッチから身を乗り出し回転式銃座に備えられた防盾付き銃架に
89式小銃を据え付けることが出来ます
後方の車両は01式軽対戦車誘導弾を構えた隊員が搭乗しています

第14旅団第14特科隊(松山駐屯地/愛媛県松山市)
中砲けん引車+155mmりゅう弾砲FH70
日本の憲法では軍隊を保持することが出来ないため
自衛隊は”軍隊ではない”ということをアピールするため
砲兵を特科と呼び変えています
ほかにも歩兵を普通科 攻撃機を支援戦闘機などと呼び変えています
自衛隊の前身 警察予備隊の頃は戦車を特車とも言っていたそうです

第3師団第3特殊武器防護隊(千僧駐屯地/兵庫県伊丹市)
NBC偵察車
N (nuclear) 核兵器/放射能兵器
B (biological) 生物兵器
C (chemical) 化学兵器
これらに対応した装輪装甲車です
NBC兵器による広範囲の汚染地域等の状況を
検知・識別機材などによる偵察を行います

第4施設団
前方の車両は
94式水際地雷敷設装置(第304施設隊 和歌山駐屯地/和歌山県日高郡美浜町)
水際地雷(正確には機雷)を敷設する水陸両用車です
後方の車両は
92式浮橋(第102施設器材隊 大久保駐屯地/京都府宇治市)
橋脚はなく浮いた橋(浮橋:ふきょう)を架けることが可能
50tある90式戦車を渡河させることが出来ます

第3施設大隊(大久保駐屯地/京都府宇治市)
92式地雷原処理車
箱型発射装置を立てて地雷処理ロケット弾を地雷原に向けて発射し
ワイヤーにつながれた26個の爆弾を爆破させて地雷を処理する車両です
愛称:マインスイーパー
ウィンドウズについているゲームは難しい・・・

第10師団第10戦車大隊(今津駐屯地/滋賀県高島市)
74式戦車
山地の多い日本の地形に合わせ
油気圧サスペンションによる姿勢変更機能を有し
丘などの稜線から砲塔だけを覗かせて稜線攻撃を容易にし
専守防衛思想のもとで運用され
待ち伏せ攻撃も想定に入れた74式戦車にとって都合のいい機能です
観閲行進最後の部隊が戦車隊だったので
周りの来場者もテンション上がってましたね
観閲行進の様子を撮影しました
次回へ続く・・・