この車って日常の生活でも使える?って、たまに聞かれるんですが、
私自身はそういう目的で買ったわけじゃないので何とも。。。
でも、私のようにド田舎暮らしで駐車場に余裕がある人ばかりじゃないと思うので、今回はその問いにマジメにお答えします。
1.雨が降ってきても大丈夫?
我が家のエリーゼはS3シリーズなので、S1やS2がどうか詳しく知りませんが、
今までに雨漏りがしたのは、車の真横からケルヒャーで高圧水を直撃させた時だけです。
(ですから高圧洗浄機で窓の周辺を洗うときは気を付けてください。)
エンジンルームが金網越しの剥き出しだったり、屋根が幌だったり、
ロータスクオリティなので心配だと言われる声がありますが、
走行中に関しては空力のおかげでエンジンルームへの雨水の侵入は
ほぼありませんし、バケツをひっくり返したような大雨の中に野ざらしで
長時間駐車しなければ、雨で車が壊れたりはしません。
雨天時に気になるのは、エンジンルーム内のハーネス等の電装部品ですが、
樹脂製のエンジンカバーを装着していれば、雨ざらしになるような配置では
ありませんので大丈夫です。
ただし、乗り込むときには少し注意が必要です。
屋根に溜った雨水が、ドアを開いた瞬間にサイドシルの上にドバーっと流れ落ちて
びしょびしょになる事があります。(特に撥水の良いハードトップ装着車)
2.荷物は積めるの?
エリーゼのトランクスペースは、エンジンルームの後ろにある上の写真の部分のみです。
リアエンジンの車のほとんどは、フロント側にトランクスペースを設けてありますが、
エリーゼのフロントセクションはカウル一体式になっているので、その下に
ラジエーターが配置されているのみでトランクスペースは存在しません。
ですから、上の写真のスペースに積むか、1名乗車の場合なら助手席に積む事になります。
このトランクルームですが、まぁまぁ物は入ります。
通勤やちょっとしたお買い物くらいで困るレベルでは無いと思います。
(長尺物は屋根をオープンにして助手席へ)
ただエンジンルームの真後ろにあるので、熱の影響を受けるような物は
積まない方が良いでしょう。
特に夏場はかなり高温になるので、お刺身がタタキになったりするかもw
私はサーキットへ通う際の道具を積みますが、スポーツバッグ1つ、小型の道具箱、
ハードケースに入ったトルクレンチ、ヘルメット、レーシングシューズの全てを
後部のトランクに収納できます。(ヘルメットは横向きに寝かせれば入ります。)
ジャッキやタイヤを積む事はできませんが、いざという時のための補修道具一式を積んで
走りに行くだけなら、伴走車や積載車は必要ありません。
3.乗降性
これがこの車の最大の問題点です。
ドアを開くと上の写真のようにかなり幅広なサイドシルがあり、乗車する際には
このサイドシルを跨いで乗り込まなければなりません。(助手席も同じく)
乗りなれている人にとっては「それがどうした?」というレベルですが、
初めて乗る人は「どうやって乗ったらいいの?」レベルです。
サイドシルに傷をつけないように・・・なんてことを考えていると足が攣ります。
そして乗ったら最後、今度は降り方がわかりませんw
まさに人間知恵の輪状態になります。
ですからこの車をデートに使おうなんて考えている人はご注意を!
彼女がスカートを履いて現れたら、通行人からパンツ丸見え間違いなしです。
乗り降りをするたびに一日中気まずい雰囲気になります。
でも1つだけ良い事もあります。
この幅広なサイドシルが左右に付いているおかげで、室内の有効スペースが狭く、
運転席と助手席のシートがかなりセンター寄りに配置されています。
デブっちょなオヤジが2人で乗ってる姿を想像するとゾッとしますが、
可愛い彼女とならラブラブになること間違いないでしょう♡
4.エアコンは効きますか?
状況によって違います。
真夏でも朝一番は良く効きますが、日中は無いよりマシ程度だと思って下さい。
あまり長時間我慢して乗っていると、軽い熱中症になるレベルです。
ではなぜ途中から効かなくなってしまうのか?
原因は大きく2つあります。
1つはフロントに取付けられているラジエーターと後方のエンジンを繋いでいる
冷却水用の配管が、サイドシルの中を通っているからです。
朝一は効くけど途中から効かなくなると感じるのは、エンジンが温まって
配管の中の冷却水が高温になり、床暖房ならぬ壁暖房に変化するからです。
エリーゼの室内は「バスタブ」と呼ばれるアルミ素材剥き出しのモノコック。
高温になった冷却水から発せられる熱が、室内にモロに影響を及ぼします。
もう1つは真夏の路面温度です。
やはりアルミ素材剥き出しのフロアを伝わって、室内の温度を上昇させます。
フライパンの上に座席が付いているイメージですね。
アルミ素材剥き出しの内装に、断熱シートなどを貼るとかなり防げるように
なるらしいですが、重量増を嫌う人は我慢するしかありませんね。
ある程度の制約はありますが、エリーゼは普段も普通に乗れる車だと思います。
もちろん2人乗りのスポーツカーですから、乗り心地だとか快適さは諦めましょう。
この車にそういうものを求めてはいけません。
ただそういう快適な車が持っていない異世界を見せてくれる車ではないでしょうか?
低い着座位置から見えるビューは、ちょっとしたスーパーカーです。