昭和の走り屋のブログ一覧

今から40年近くも前になってしまったが、昭和の走り屋が若くてイケメンだったころだ。20歳前の夏、高校時代のダチ公が「与論島に行こう！」って言い出した。

事前情報によれば、7：3の割合でギャルだらけだという。
血気盛んな若造は、「そりゃ、行かねばならん！」と下心満載で船に乗ったのだ。

お金が無いから、現地ではキャンプ生活をする予定だったのだ。
船で2泊だったかな、ようやく与論島に到着。

港からお目当てのキャンプ場まで、ひーひー言いながら歩いて行った。
ところが、浜に行ってみると、7:3の割合でオトコだった。。。

「話が違うじゃねぇーかよー」
言いだしっぺは全員から攻められたのだが、本人もわからない様子だった。

しかし、海はきれいだった。当初の下心も吹き飛んだ。
夜には、恐ろしくデカい月が水平線から登ってくるのも感動した。

浜で仲間と飲む焼酎は格別だった。

食事は自炊だった。
といっても、飯盒でごはんを炊き、ジャガイモの味噌汁をぶっかけて食べた。

しかも、おかずは缶詰が少々と貧弱なものだった。
3日ぐらいすると、どうも力が出ない。泳ぐ気もせず全員、木陰でダラーとしていた。

「なんか、力でねぇーなー」
「そりゃ、そうだよ。味噌汁飯しか食ってないんだからさ」

言われてみれば、暑さの中、ろくなモノを食べてない。そこで、
「それだ、街に飯を食いに行こう！」

となり、レンタサイクルで街に向かったのだ。
喫茶店で食べたのが、生姜焼きのようなランチ。

これがうまかった。
おかげで午後はパワーが蘇ったのだ。

以来、我々は3日に一度は街で栄養補給をしたのだ。
その際、発見したのが「Ｓｃａｌ」だ。

誰かが自販機で最初に飲んだら「ウマイ！」という。
それでみんなで飲んだら、確かにうまかった。

当時、江戸では見たこともない清涼飲料。
カルピスを炭酸で割っただけのシンプルな味だけどうまかった。

本家のカルピスソーダも、まだ誕生する前のことだとおもう。
我々のなかではちょっとしたブームになったのだ。

今朝、通勤途中の自販機で発見し、思わず手にしてしまった。
今では江戸でも手に入る「Scal」。

知っていたけど、あまり手にすることはなかった。
久しぶりに飲む「Scal」は、まさに青春の味だった。

40年前、与論島では期待する出来事はなかったけれど、
ダチ公たちとの2週間近くの貧乏旅行は楽しい思い出として今も残っている。