2017年07月25日
このところ仕事が忙しくてプロジェクトネタがないので、冷却水温騙しについて書いてみます。
プリウスに乗っている燃費マニアの方にはおなじみの猫騙しと言われている水温センサーをスイッチで固定抵抗に置き換えて冷却水温が高いとエンジンECUに認識させ、本当なら暖機のためエンジンが停止しない状況でも普通にエンジンが停止するようにして好燃費を出す方法ですが、ハイブリッド車でなくても燃費を良くするためには有効です。
私の場合、エンジン始動後はすぐに走り出すのですが厳寒時はガラスが凍結するので暖機のためのアイドリングをします。しかしそのくらい冷え込んでいるとファーストアイドル回転数が非常に高くて近所迷惑なので水温入力を変更してエンジン回転を低く抑えて暖機しています。このとき、ガスコンロにかけた鍋の水を加熱するのに(鍋の大きさにもよりますが)大火力より中火力のほうが効率が良くなるのと同じ理由で、エンジン回転を抑えたほうが時間は若干余計にかかりますが、同じ水温まで上げるのに少ない燃料で済みます。
水温をごまかすには固定抵抗を使うのが一般的ですが、その代わりに普通のシリコンダイオードの順方向電圧を使うとツインの場合2個直列の場合は約 1.4Vとなり55~60℃で1個だと約 0.7Vとなり85~90℃とECUに認識させることができます。固定抵抗を水温センサーの代わりとして接続してしまうと異常が発生して本当に水温が上がり過ぎた場合に異常を検出できませんが、ダイオードの順方向電圧を利用する場合はセンサーの接続を切ることなく並列に接続するだけなので、高温異常の場合は問題なく異常を検出してくれるメリットがあります。
気温が0℃以下あたりではエンジン始動後すぐに85℃(ダイオード1個)を認識させるとISCVの作動が間に合わずエンストする場合があるのでとりあえず55℃(ダイオード2直列)にして1分くらいしたら85℃を認識させます。冬季は走行中ヒーターを使うと水温が80℃まで上がらないため、走行中もずっと暖機増量が働いて燃費が悪いため80℃以上を認識させると結構燃費が良くなります。
Posted at 2017/07/25 23:31:18 | |
トラックバック(0) | クルマ
2017年07月03日
シフトレバーにカム角センサーからの入力をカットするためのスイッチを取り付けてニュートラルで惰性走行中にエンジンを停止させることにより通勤コースでは5~10%の燃費向上が確認できました。
見通しの良い道路を時速60kmで走行中に数100m先の信号が赤に変わった場合、エンジンブレーキを効かせながら減速していけば、燃料カットが働くのでフットブレーキで減速するのに較べて燃費が向上しますが、少しの燃料消費はあるものの減速度が小さいニュートラル走行ではより早い時点からアクセルOFFにできるので燃費は更に良くなります。これはエンジンブレーキ時にエンジン回転数がアイドリングより高くなる状態では、アイドリング回転を維持するのに必要なエネルギーを超えるフリクションロスが発生していることによります。ただし言うまでもありませんが惰性走行できる区間が充分に長くない場合にはニュートラル滑走いわゆるコースティングのメリットはありません。
かなりおおざっぱな実測ですが、時速50kmから時速20kmになるまで(ロスが少なくなるようにできるだけ高いギアを選択しながら)エンジンブレーキを効かせて減速させるときツインの場合、約190m走行できました。次に、同様に時速50kmから時速20kmになるまでのコースティングでは約320m走行できました。
時速20kmになった地点をゴールとしてそこに至るまでの320mの区間燃費を考えた場合、前者は燃料消費なしで190m走行しているものの前半部分の140mの走行で3.5ccの燃料を使います。そして後者の場合34秒間のアイドリングで2.9ccで済みます。区間燃費は前者が91km/L、後者が110km/Lということになります。
上記の例では測定区間の平位均速度が違ってくるので、もし平均速度を揃えるようにした場合は結構微妙な結果でほぼ同じくらいの燃費になりました。ということはコースティング中にアイドリングをストップさせて燃料消費を0にすれば間違いなくにコースティングのほうが燃費が良くなります。
コースティングモードのない車でエンジンを止めてコースティングさせるためにはキースイッチをOFFまたはACCにする必要がありますがその場合、万が一間違ってキーが抜けてしまうとハンドルロックがかかり大変なことになるので走行中に安全にエンジンを止める方法をいろいろ検討した結果、すみやかなエンジン再始動のためにはインジェクターへの通電OFFが良かったのですが、それだと燃費表示に誤差が出てしまうため、カム角センサーからエンジンECUへの入力を切る方法にしました。シフトレバーのノブの下に押している間だけOFFとなるスイッチを付けたので、走行途中でニュートラルに入れると同時にそのスイッチを2秒程度押すとエンジンが止まり、チャージランプと油圧ランプそしてエンジンチェックランプが点灯しますがそれはMT車の発進時のクラッチ操作ミスによるエンストと同じ状況なのでECUにエラーが入ることもありません。まだ車が動いている状態であればギアを入れてクラッチを繋ぐと押しがけ同様にすぐにエンジンがかかります。
走行中のエンジンストップの問題点として、一つはブレーキブースターの負圧源喪失がありますが、ツインの場合、エンジン停止してからも3回あたりまでの踏み直しについてはブースターは有効に働きます。4回目では脚力だけでの勝負となりますが、通常より強く踏むと車重が軽いのでちゃんとABSが作動するまで効きます。そして通常はコースティング後のエンジン再始動または停車までに1回しかブレーキを踏まないので問題はありません。もう一つの問題点として、危険回避のための急加速ができない点があります。たとえば対向車の多い交差点の右折時を考えてもらえば分かると思いますが、加速ができないまたは加速がワンテンポ遅れるというのは場合によってはかなりやばい状況になります。日本車メーカーがコースティングを採用しないのはこのあたりを一番心配しているのではないでしょうか。
乗用車ではなく、ワンオフの超軽量車体と専用エンジンで数千km/Lの燃費をたたき出すエコラン競技での走行方法ですが、最も効率の良い負荷領域での短時間加速とそれ以上の時間をかけてのコースティングを繰り返す波状走行もあるのですが、かなり上手に加速していかないと定速走行時の燃費を充分に上回る納得の燃費を出せないので、よほど切羽つまるか暇でなければ今回のプロジェクトでコースティングによる波状走行まではしない予定です。
Posted at 2017/07/03 11:32:02 | |
トラックバック(0) | クルマ
2017年06月21日
点火時期のイニシャルポイントを手元で変更できるようにして定速走行時の燃費の変化を調べてみましたが、遅らせた場合は明らかに悪くなりましたが、進めた場合はあまり変化がありませんでした。5速で30~50kmという軽負荷領域では標準の点火時期でほぼ最も効率が良くなっているということでしょう。少しは良くなることを期待していたので残念です。
現在、定速走行で燃費を調べるときはスロットル開度固定にしていますが、一見平坦な道路でも僅かな起伏があるためか瞬間燃費の数値が結構変わります。また、舗装の仕上げ具合の違いや緩いカーブそして、そよ風程度でも風向きにより数値が変わるので変化させる要素以外の条件を揃えるのが困難だとつくづく感じています。
普通のツインにはアイドリングストップはありませんが、信号待ちの時やニュートラル+惰性走行時にエンジンを止めれば確実に毎分5ccのガソリンを温存できるので走行中でもキースイッチOFFにすることなく自由にエンジンを停止できるようにするため、カム角センサー入力カットスイッチを取り付けてみます。18kmの通勤路ではエンジンを停止できる時間が平均して4~5分くらいあるのでその間、エンジンを止めると20cc以上のガソリンを使わなくて済むので、30km/Lで走る条件であれば31km/L以上になります。もともとの燃費に不満はないので、普段使いでエンジンストップをやる気は全くないのですが、今回のプロジェクトのために検証してみます。
最近の気温は20℃前後ですが、この温度帯では1℃上昇で1%以上燃費が良くなっているので気温30℃前後になれば今より10%は燃費が良くなるということでしょうか。となるとプロジェクト敢行は真夏に汗だくになって。ということになりそうです。まあ購入して7年ほどはエアコンレスだったので耐えられないことはないと思いますが・・・。
Posted at 2017/06/21 13:28:57 | |
トラックバック(0) | 日記
2017年06月09日
数年ぶりにハイオクを入れてみましたが、結果から言いますと間違いなく燃費は5~10%向上しました。もっとも同じ体積で比較すればハイオクを燃焼させたときの熱量のほうが少し多いので5%程度の向上は不思議ではありませんが、毎日の通勤時の燃費数値から見てそれ以上の燃費向上が確認できました。
ツインの場合、ハイオク使用時は点火時期調整用の抵抗値を変更しないと意味がないのですが今回はあえて標準のN:680Ωのままで比較しました。昨年のこの時期だと一番燃費の良い5速で40km/hという低速走行でないと出なかった数値が今回は50km/h走行でも出てくれました。今はレギュラーに戻したので、これからはレギュラーとハイオクを交互に入れてもう少し正確な燃費の差を調べます。
先日、点火時期の基準を手元で変更できるように10kΩの可変抵抗を車内に取り付けたので点火時期を進めることによりどのくらい燃費が変わるか簡単に調べられるようになりました。もともと定速走行ではノッキングが出にくい条件なので大きな変化は見られませんでしたがレギュラーの場合、純正部品に印字されている番号でいうと N→7への変更で5%弱の向上は見られました。次回ハイオクでも確認しますが、レギュラーであれば低速ノッキングの出やすい5速 35km/h以下あたりで効果が大きいかもしれません。5速35km/hなんて通常は使いませんが、手元でエンジン回転を調整できるようにしてあるので長丁場のエコランでは、他の車のいない見通しの良い広域農道などでは燃費と距離を稼ぎながら休憩気分で走行するときに重宝します。
エネチャージ仕様にするため、オルタネーターの制御電源線の割り込みスイッチを室内に取り付けて走行しながら好きな時に発電停止できるようにして燃費変化を調べてみました。普通であれば発電停止で発電負荷がなくなれば瞬間燃費が良くなるはずですが、なぜか逆に数値が悪化しました。原因は発電が止まり、電源電圧が2V近く低下することでインジェクターの応答遅れの補正が入るためでした。燃費計は開弁時間と車速しか見ていないので結果的に燃費数値は悪化しました。電圧を一定にしないと正確な燃料消費量をリアルタイムで確認できないので検討課題が増えてしまいました。
昨年のツーリングでは雨模様の多い中、平均 33km/Lだったことから楽観的に考えると晴れて気温が25℃以上であれば燃費は1割向上、そしてハイオク+点火時期調整でもう1割向上すれば平均 39km/Lは期待できそうですが、少なくてもあと5%(2km/L)くらいの余裕は欲しいので自分の体重の減量を真面目に考え始めました。10kg減量すれば僅かですが0.5%は向上します。チャレンジが失敗しても体重が下がればそれもまた良しです。
Posted at 2017/06/09 16:46:51 | |
トラックバック(0) | 日記
2017年05月25日
今年の3月まで冷却水温度を高く保つために使っていたフロントグリルのカバーですが、空力的には影響があるのかどうかを調べてみました。通常通りフロントグリルからエンジンルームに空気を流すのと、バンパー部分で全風量を車体に沿って流すかで違いが出るかどうかですが、残念ながら明確な差異は見られませんでした。50km/hと速度が低いためかもしれませんが、もしかするとアンダーカバーとセットにすることでいくらか空力抵抗が改善されるかもしれないと期待しています。
それから、これも冬季対策でやっていたことで、吸気ダクトを延長してエキゾーストマニホールド付近の温められた空気を吸入させることで違いが出るかですが、この時期、通常の吸気温度は約30℃でエキマニ付近からだと約60℃になりましたが、これもやはり明確な違いは出ませんでした。冬季で吸気温度が10度未満であれば噴射されたガソリンの蒸発が遅れて悪影響が出るのかもしれませんが、気温が15℃以上まで上がってきたこの時期では混合気の状態にはほとんど影響がないということでしょうか。また、軽負荷領域では高温で吸入空気密度が下がると同じエンジン出力だとスロットル開度が大きくなりポンピングロスが減少するという意見もあるようですが、燃費数値を見る限り変化は分かりませんでした。
上記のテスト走行を繰り返す中でひとつ意外だったのは電気負荷の変化で思ってた以上に瞬間燃費に差が出るということでした。フロントグリルを塞いでいたので当然のことながらこの時期はすぐに冷却水温度がラジエーターファンの回りだす96℃に上がるのですが、ファンモーターが回る前は50km/h走行時、安定して42km/Lを表示していたのにファンが回りだすと38km/Lまで低下する状況でした。ファンモーターの消費電力は80Wくらいだと思いますが、ということはエンジンを駆動するための基礎的な電力約70Wを発電を止めて、全量バッテリーからの持ち出しにすれば50km/h定地走行で45km/Lまで上げることができるか?というところですがまだ未確認です。数年前から鉛バッテリーの代わりにリチウムイオンバッテリーに換装して充電効率が良いので、エネチャージ的な改造はすぐにできるのですが、蓄電容量が7Ah程度と純正よりかなり少なくなっているので発電停止状態では消費電力の少ない昼間でも1時間ほどで空になってしまいます。エコランツーリングではとにかくブレーキをかけないことが基本なのでエネチャージにおいて発電できる機会が非常に少なくなります。また発電機が純正ではそれほど出力が大きくないので本物のエネチャージほど効率良く減速エネルギーを回収できません。それでも今回のプロジェクトでは1km/L未満の燃費向上でも貴重なので後日の検討課題になります。
テスト走行を繰り返しているうちに久しぶりにタンクのガソリン残量が極小になったので、今回は数年ぶりにハイオクを入れてみました。前回は高速道路をフルに走るため、少しでも出力が上がるかと思って入れたのですが、体感的にはエンジン低回転時のノッキングが出にくくなったのは分かりましたが、高回転時に出力が上がっていたのかどうかは分かりませんでした。今回は燃費目的で入れた訳ですが、通勤時に40km/h付近でははっきりした差はなかったのですが、50~60km/hにおいて結構良くなっている感じがあります。気温や風向きにおいて全く同じ条件での比較ができないので今回1タンク分における数回のサンプルと次回給油でレギュラーに戻したあとのサンプル数値の比較で結果が出るでしょう。
できるだけ止まらずに約50km/hの速度で走り続けることができればプロジェクト達成の可能性が出てくるのですが、たとえば100kmの区間を停止することがなければ40km/Lの燃費で走れるとき、もし一時停止で5回止まり、信号でも5回止まって停車時間が1回あたり平均30秒とすると、それだけで燃費は38km/L台まで落ちてしまいます。実際はそれよりも良い条件の区間もあるでしょうが、どちらかというともっと悪い区間のほうが多くなります。また、交通状況により50km/h超えで走らざるを得ない区間もあり平均燃費を悪化させますが、その分は後続車がいないところで40km/h前後のスピードで燃費を稼いで埋め合わせるしかありません。ということでコース選択が走ること以上に重要な要素になります。
燃費を確実に良くする方法としては信号待ちでの手動アイドリングストップや後続車がいない状況での波状走行(加速→エンジン停止+ニュートラル走行の繰り返し)があるのですが、エンジン停止走行時のブレーキブースター用の負圧の確保や頻繁なエンジン始動によるセルモーターやリングギアまたはクラッチの消耗の問題が出てくるので今のところそこまではやらない予定です。でも最終的にはやらざるを得ない状況になりそうな予感です。
Posted at 2017/05/25 21:47:22 | |
トラックバック(0) | 日記