先回書いたブログを読み返しながら、いくらモーター駆動車の加速性能が良くてツインが軽量だからといっても、最大出力40kW×2程度の出力で0-100km/h、3秒台は盛り過ぎだろうということで確認してみると、やはり物理的に無理なのでもう少しちゃんと計算してみました。
16インチホイール用のインホイールモーターのスペックですが、ピークトルク800N・m(0~700rpm.)タイヤ直径を570mmとすると半径285mmでタイヤ接地面での駆動トルクは1輪あたり800×1000/285≒2807なので2輪では倍の5614N・m≒572kg・mになります。75km/h(700rpm.)を超えるあたりからトルクは低下しはじめ100km/h(931rpm.)のときの駆動トルクは約490kg・mになります。
リヤ駆動時の後軸への荷重移動は重心が高いほど大きくなりますが後部に重いバッテリーを積んだツインHVの場合、全車重の7割くらいが加速時に後輪にかかるとすると後輪荷重は約600N・mになるのでグリップが比較的良好な摩擦係数1くらいのタイヤであればホイールスピンするかどうかというあたりで加速していき、トルクが下がり始める75km/h以上ではホイールスピンするほどのトルクは出ないことになります。タイヤの転がり抵抗と空力抵抗を考慮してもフロント側の駆動力もあるので、平均して0.7Gくらいの加速ができるとするなら、0-100km/hは何とか4秒台にできそうです。
参考にしているインホイールモーターはProtean ELECTRIC社のものですが、16インチホイール用よりも先に18インチホイール用のモーターを作っています。こちらのピークトルクは1000N・m、最大出力75kw(16インチ用は800N・m、40kw)と更に強力なのでこちらのスペックなら車体の軽量化と合わせれば0-100km/h 3秒台が期待できるかもしれません。しかしながらツインに装着できる18インチホイール用のタイヤは165 35R18と銘柄はほぼ限られてくるので最終的にはやってみないとどうなるか分かりません。またフロント側の駆動力がプラスになるかは4ATの変速速度にもよります。
Protean ELECTRIC社のモーターのテスト動画があるので興味のある方は参照してください。
https://www.youtube.com/watch?v=oA4543CcxJo
別な視点から0-100km/h 4秒の可能性を考えるとき、ツイン3モーターHVの1名乗車時の重量を870kgとすると時速100km/hにおいて車が持っている運動エネルギーが約336kジュールですが、0-100加速を考えたとき、加速時間4秒間でそれと同じだけのエネルギーを車に与える必要があります。W = J / sより約84kWのモーター出力が必要になりますがタイヤの転がり抵抗と空力抵抗を考慮して(変速機等、駆動系でのロスがないので)大雑把に100kwくらいの出力を必要とするなら16インチ用(40kw×2)では不足で18インチ用(75kw×2)であれば充分そうな感じです。
インホイールモーターを使った試作車は結構たくさんありますが、小型EVは別にしてまだ量産車に使われたというのは見当たりません。ネット上の情報で見る限り先述のProtean ELECTRIC社のものが現在のところ一番良くできていると思います。量産販売は来年からのようですが、メーカー向け製品でおそらく個人で入手するのは困難でしょうが数年かけてチャンスを待ちます。
とりあえずベースになるツインが必要なので10月に広島に見に行った走行3500kmのツインHVを来月引き取りに行きます。現在乗っているツインMTは一時抹消して1年以上かけてフルレストアする予定です。
(Protean ELECTRIC社 資料より)
ミッション交換・クラッチ交換 カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2014/06/04 20:05:10 |
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