ツインHVの最終減速比が前期と後期で違っているのは知っていましたが、具体的な数値までは把握していませんでした。モード燃費が同じなのでそれほど違わないと思っていたのですが、実はかなり違うことを最近知りました。トップギアにおける総合減速比(エンジン回転数:タイヤ回転数)をMT、3ATを含めて並べてみると次の順番になります。
3AT (4.217) > HV前期 (3.646) > 5MT (3.439) > HV後期 (2.841)
もう少し具体的に時速100kmにおけるエンジン回転数で並べると(タイヤ外周寸法:163.6cmで計算)
3AT (4296rpm.) > HV前期 (3714rpm.) > 5MT (3502rpm.) > HV後期 (2894rpm.)
HV前期のギア比はそれ以前のアルト4ATのそれと同じで、HV後期のギア比はツインHV専用のようで、これほど減速比の小さいATミッションは他に見当たりません。モード燃費計測では加減速が多くHVの前期・後期で差が出ないのかもしれませんが,、比較的軽負荷な60km/h定地走行などにおいては可能な限りエンジン回転を低く抑えることが燃費向上につながるので定速走行ではかなり差が出ると思われます。
結論として50~60km/h定速走行における燃費はツインHV前期よりも5MTのほうが間違いなく良くなるでしょう。HV後期モデルについてはエンジン回転数が低いもののMTミッションより損失が大きいので微妙なところです。
できればHV後期モデルが欲しかったのですが、エンジン出力が44PS → 37PSに下げられているので、前期モデルに後期モデルの4ATミッションを載せるのが良さそうですが、後期モデルの発売台数はかなり少ないようなので中古ミッションの入手は困難でしょう。ミッション内のギア2~3枚の交換で後期型に変更できるか調べてみます。
他に残念なことといえば、エンジンや燃費情報を表示させるのに使っていたユピテルのスーパーキャットGWM105sdが使えなくなったことがあります。OBDⅡ接続で認識してくれないのか電源が入りません。エンジンの状態を観察するために必要なので他に使えそうな機器を探していますが、ツインHVに関する情報が少ないので試行錯誤状態です。
ツインHVに乗って感じているのはアクセルを割りと踏み込まないとモーターアシストが続かないことです。アシストを多くすれば減速時の回生量を増やさないといけない訳ですが、バッテリーの充電受入れ能力が高くないので結果的にアシスト時間は回生能力で制限されている感じで、蓄電側の能力を上げるとHV性能にまだまだ伸び代がありそうです。
鉛バッテリーをリチウムイオンバッテリーに換装すれば回生能力を上げてアシスト時間を増やせますが、リチウムイオンバッテリーよりも目的に適うキャパシターがこのところ容量が上がっているので、アシスト限定のツインHVシステムの場合はキャパシターのほうが軽量にできるので効果が高いと思われます。
ツインのHVシステムはHVコントローラーを中心にエンジン&ATコントローラー、バッテリーマネージャー、インバーターがCAN通信で制御されているので、本来であればHVコントローラーのプログラムを変更できればいいのですが私には無理なのでとりあえず入力に手を加えることでモーターアシストと回生量の変更に取り組みたいと思います。それで純正のバッテリーを過負荷で使って効果を確認して、1~2年後にキャパシターに換装する感じでしょう。燃費面ではMT車に敵いませんが、現在よりも車重が軽くなるのに加えてモーターアシスト量が増えればMT車よりもキビキビ走れるHVになります。
Posted at 2017/12/31 19:42:59 | |
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