世の中、怖い話はたくさんありますが、経験した本人から直接聞ける機会は少ないと思います。
今ならあの体験を事細かに鮮明に記憶しています。もう5年以上も昔の話なので、いろいろな意味で「時効」でしょう。
これまで封印してきた私の実体験を事実ありのままに公開します。
私はけっして霊感が強いわけではありません。普通の人間です。
これまでの人生でこんなにも不可思議が重なった日は、後にも先にもたった1度だけです。とても奇妙かつ危険な一日でした。
以下が私が経験した実話です。
まだ新車購入から2回目の車検を間近に控えた2003年1月の夜10時半ごろ、車2台で近県のある露天風呂を目指してドライビング修行に出かけました。
メンバーは、私とA君、B君の計3人。
A,B両氏共に運転の精度・技術が私よりも遙かに高く、私にとっては道中の勉強が最大の目的でした。(速度よりも精度を重視した修行なので公道で飛ばすようなことはしてませんヨ。誤解なく。)
めろん号はA君がハンドルを握り私は助手席。B君は自身のAE86を運転。
A君のドライビング指導を受けながら目的地の某温泉に到着したのが午前1時半。
その露天風呂は、駐車スペースから崖の斜面を徒歩で下った先の海に面したところにあります。
公共の露天風呂なので営業時間等は無いようです。
ただ、照明が一切無いので、夜に入りに来る人は殆どいません。真っ暗なところです。
私達3人は、崖の上の駐車スペースに車を停め、A君が持ってきたランタンの明かりを頼りに露天風呂へと続く崖の獣道を下り始めました。
たしか、月明かりも殆ど無くあたり一面真っ暗。※2008.8.13追記:いや、真っ暗な中に月だけが輝く夜でした。今日ぷっち君と話して判明。思い出しました。真っ暗な海を一筋だけ照らす月の明かり、反射する波。今思うと不気味だけど、あの日はアノ黒い海と月のコントラストに感動したものでした。
崖の斜面を下る間、
なんだかワカラナイ小動物?虫?の陰が何度も私達の前を横切りました。
「なんだろうね??これ。」「カニか何かじゃないの?」
「それにしちゃ、ずいぶんいるねぇ??」
・・・などと会話しながら。
ちょうど「となりのトトロ」に出てくる”まっくろくろすけ”を想像してくれればよいと思います。
ああいう黒い陰みたいなものが、コロコロとランタンの明かりの前、足下2、3メートル先を横切るのです。
やがて、コンクリートに囲まれた脱衣所までやってきました。
真夜中の脱衣所は、黒く深く、とても不気味に感じたのを覚えております。
脱衣所を抜けるといよいよ露天風呂!
・・・ところが、
岩風呂にお湯が無い。ぜんぜん無い。
常連A君曰く、源泉かけ流しのこの温泉、これまで一度たりともお湯を張っていないことは無かったそうです。
配管のパイプを辿ってみると、途中で源泉が外され、もの凄いイキオイでそのまま海に続く排水溝に捨てられている。
「あーあ、、、だめだこりゃ。」・・・諦める私に、何の迷いもなく配管を繋げるA君とB君(笑)。
こうして、岩風呂にお湯が溜まり始めました。
次第に溜まるお湯。
私は、お湯がたまる前に・・・と、ランタンを持ってトイレ(というか(笑))に出かけました。
私が用をたしていると、平らなところに置いておいた
ランタンが突然倒れ、割れてしまいました。
「え??なんで???」
とにかく所有者A君に謝らねば(^^;)
めろん♂:「いやぁ、、、何でかわかんないんだけど、突然、ランタンが割れちゃって。。」
A君:「うそぉ!!??マヂ??これ●●(奥さん)のだぞぉ!やべーよ。」
めろん♂:「いや、、ほんと、なんでかワカンナイんだけど、勝手に倒れたの(^^;;)」
B君:「あーあ、これで唯一の明かりが無くなったじゃん。」
めろん♂:「(^^;)もうしわけない・・・」
お湯を溜めていく間に、次第に目が暗さに慣れ、モノの陰・形位は把握できるようになってきました。
お湯が15cm位溜まったところで、おもむろにズボンを脱ぎ下半身だけ裸になってお湯に入るA君。
1月だからねぇ。。そりゃー寒かったのですよ。A君とB君は。(めろん♂は極度の暑がりなのでOK)
A君、変態です。変態ですよ(笑)下半身裸族。
でも、あまりにも気持ち良さそうなので、私も下半身裸族に。。。
想像してみてください。30歳前後の男達が、ズボンとパンツだけ脱いで露天で下半身浴している姿(笑)
午前2時過ぎ頃には、お湯が満たされ浴槽から溢れ出すようになりました。
これぞ、源泉かけ流し!♪
私達3人は、お湯につかりながら暫し語り合いました。
ドライビング談義はもちろん、
B君:「俺、今日
合コンあるんだよなぁ~(^^)」
A君:「(・0・)まぢ!!」
・・・等と。
しばらくして、脱衣所に複数の人が来ました。
A君:「あ、、、なんか来たっぽいね」
めろん♂:「占有終了~。こんな時間でも来る人いるんだね。」
あーあ、、、これで占有終わり。
しかし・・・いつまで経っても一向に入ってきません。
そのうち、人の気配がだんだん増えてきました。
暗闇の中、露天を囲むように、コソコソと複数の人が移動する気配がハッキリ感じられる。
7~8人は居る感じでした。でも一向に姿見えず。声も聞こえず。
めろん♂:「もしかして、ココの管理の人だったりして?(勝手にお湯入れちゃったから)」
A君:「学生か何かじゃないの??大丈夫。いざとなったらB(ケンカ強い)に任せとけば。」
めろん♂:「俺だって、一応、極真現役ですよ。(笑)」
B君:「・・・・・・」
B君:「さっきから気付いていたんだけど・・・」
めろん♂、A君:「・・・・・・?」
B君:
「これ、人じゃないでしょ。やべーよ。」
B君:「今は、絶対に湯船から出ないほうがいい。」「動いたらヤバイ」
めろん♂:「でも、ほら、そこ、、人いるでしょ?居るよね?今、動いたでしょ?右に。」
A君:「いや、Bが言うならそうだよ。こいつ霊感強いから」
A君:
「(^0^;)ところで、どうよ!ここまでの運転で、何か新たに得たことはあった?(大声で)」
めろん♂:
「そりゃーもー大アリっすよ!!!(^0^;)(大声)」
・・・しばらく、大声で会話。コワイから(^^;)
午前3時頃になって、急に人の気配が無くなった。
B君:「今のうちに帰ったほうがいい。」
A君:「よし、すぐに帰ろう」
めろん♂:「もしかして、今日、何か意味があってわざわざお湯を抜いてあったのかなぁ??」
お湯の栓を抜き、服を着ると、足下を探りながら元来た山の斜面を登りました。
クルマに乗り、A君が私のクルマに火を入れ、やや急ぎがちにクルマをスタートさせました。
少し走ると、ゆっくり走る銀色のカプチーノに追いつきました。
とりあえず、人間と遭遇することができて、すこし気持ちがホっとしました。
・・・が、なぜか、すぐに道を譲ってくれました。
譲られてから、4つ目のコーナーをまがって短いストレートエンドの右コーナーで
異変が・・・
めろん♂:心の中「あれ??A君、、、あれ??あれあれあれあれ??え??」
「ガッシャーン!」
A君:「やっちゃった。すまない。」
めろん♂:「今の、なんで??」
A君:「わからない・・・でも、俺が悪い。」
めろん♂:「いや、、変だったでしょ?いまの」
しばらくして、B君の86が追いつく。(そーいえば、B君、こんなに長い時間、いったい何やってたんだろ?)
とりあえず、明るいところに出ようと、山を降りた県道沿いのコンビニ駐車場にクルマを停める。
クルマから出るやいなや、B君が・・・
B君:「なんかわかんないけど、スタートした直後、
スピンした。」
A君:「うそ、、そっちも?」
B君:「ありゃー、、、やっちゃってるじゃん」
幸い、私のクルマの損傷は、そんなに酷くなく、バンパー・ヘッドライト・ボンネットの一部とフェンダーの一部のごく表面だけで、走行性能に何ら支障を与えるものではありませんでした。
B君:「絶対、ココ、やべーって。俺、早く帰るよ。合コンあるし(笑)」
・・・ここでB君と別れました。
帰りの道中、謝り続けるA君。
A君:「とにかくどんなことしてもお金は払うので、完璧に修理してくれ!」
めろん♂:「こっちが教わりたいとお願いしたことだから、かえって気にしないでくれたほうが助かる。」
A君:「いや、それだとこっちも困る。とにかく・・・
めろん♂:「あ、そーだ!!保険!!!保険会社に電話しなきゃ。」
山間部のコンビニにクルマを停めて、ケータイから東京海上(当時)に電話。
<電話での応対>
東京海上(男の声):「はい。どうなさいましたか。」
めろん♂:「事故を起こしまして・・・自走は可能なのですが、まずは一報をと思い連絡しました。」
東京海上:「
現場に戻ってください。」
めろん♂:「え??もう、だいぶ走っちゃったんですけど、戻らないとダメですか?」
東京海上:「
戻ってください。」
めろん♂:「事情があって、あまり戻りたくないのですけど、なんとか・・・」
「ガガ・・・ザザザ・・・バリバリブツリ!」
A君:「まぢ??戻れって言ってるの?」
めろん♂:「うん。根暗そーな声。宿直か何かなのかなぁ??普通、戻れとかいわないでしょ??」
「電波不安定なので、公衆電話からもう一回かけてくる。」
<公衆電話での応対>
東京海上(別の男の声):「ハイ、東京海上事故連絡ほっとライン(?たしかコンナ感じ)●●です。いかがなさいました?」
めろん♂:「つい先ほどそちらに連絡入れていたのですが、名前を名乗る前に電話が切れてしまったので、あらためて連絡させていただきます。実は事故を起こしまして・・・」
東京海上:「ご乗車の方のお身体は大丈夫ですか?」
めろん♂:「ありがとうございます。ほんとにちょっと当てた程度なので、身体はまったく無事です。」
東京海上:「運転者ご本人様ですか?」
めろん♂:「私は契約者ですけど運転者ではありません。」
東京海上:「恐れ入りますが、運転者様のフルネームと生年月日はおわかりでしょうか?」
めろん♂:「クルマに本人が乗っていますので、ちょっと確認します・・・」
・・・中略。
めろん♂:「あの、、、さっきの電話のオペレーターの方に、現場に戻れと言われたのですが、やはり戻らなきゃいけませんか?」
東京海上:「いいえ、、
まずは安全にお帰りになることを最優先してください。もし、車両にトラブルが発生致しましたら、この番号か、××××・・・にご連絡ください。こちらで可能な限り手配させていただきます。」
・・・
<クルマに戻り走り出す>
めろん♂:「現場には戻らないでいいってさ~」
A君:「よかった。あんな所に戻りたくネーヨー」
めろん♂:「ほんと、最初に出たヤツ、ムカツクなぁ。。なんなんだよ!!あの応対は!」
「とにかく、保険で対応できるようになったから、A君は気にしなくていいっすよ!」
A君:「でも、保険料とか上がっちゃうんだろ?その分をナントカ補填させてくれ!!何か欲しいものはないか?ホイールはどうだ??もっと軽量のホイールをつけるべきだ!」
(※最終的に、この話は銀座「吟泉」の高級日本酒を1回ご馳走になる。・・・ということで決着。これが、A君との最初の吟泉です。)
しばらくして、途中、
道路脇にB君の86が停まっていたのを追い越した。
A君:「あいつ、はやく帰るとか言って、寝てんじゃーん(笑)」
めろん♂:「(笑)」
そうやっていろいろと会話を弾ませながら、A君の活動をサポートしている関東有数の腕利きの板金屋さんに到着。
A君が精神誠意、「妥協のない完璧な仕上がりにしてください!大事な友達のクルマなので。」・・・と尽くしてくれたのが印象的でした。ありがたいなぁ~としみじみ感じました。
(※これが、現在いろいろとご支援いただいているカービックアマギ某氏との最初の繋がりです♪)
話を終え、お店を出た直後、朝にもかかわらず、路地が渋滞。
信号が変わってもクルマが動き出しません。
よくみると、救急車が。。。
見に行くと、自転車の主婦が道路に倒れ
大量の血溜まりができておりました。
背中から鮮血があふれ出ていました。
医療系のお仕事であるA君は「これは厳しいケガだな。あの血の量は外傷ではなく内臓からだよ」・・・と。
朝から、たいへんイヤな場面に遭遇してしまいました。
クルマに戻り、元来た道をUターンして迂回しました。
A君:「悪い。悪い流れが続いているな。今日は。」
私達二人は、16号線の永谷園で食事しながら、今日、起こった出来事を振り返る。
そして至った二人の結論。
よく考えてみれば、東京海上への最初の電話で「現場に戻れ」と指示された事は、おかしいのではないだろうか?
執拗に現場に引き戻そうとする声。
あの電話の相手、果たして東京海上だったのだろうか??
どう考えても不可解。。。そして、怖い。 謎のままだが・・・
戻っていたらいったいどうなってたのだろうか・・・
この日の出来事の中で、もっとも怖いのはこの電話です。
その後、二人でキャンプ用品店に寄って、ランタンの破損パーツ(ガラス)を購入。A君宅に寄って奥さんにご挨拶してから帰りました。(ここでもエピソードがありますが省略。)
帰り道、私の妻に電話(当時は走行中のケータイ規制なし)。
めろん♂:「事情は後で話すから、塩を用意しておいて!とても悪いことが続いてる」
玄関で塩をまいてから帰宅。
起こった出来事を妻に話していると、A氏から電話あり。
A君:「おい!!めろん♂!!!塩まけ!!すぐ塩!!!やばいぞ。本当に。」
めろん♂:「もう塩まきましたよ。隅に盛っておきましたし。」
A君:「Bが今日、合コンだと言ってただろ。
相手の身内の方が亡くなって中止だってさ。」
「それに、Bが途中路肩に停まってたのは寝むかったからじゃなくて、
いろんな人の声が追いかけてきてどうにも危険を感じたから停めたんだってよ。」
結局、その後は何もなく平和に暮らしてます。
しかし、皆さん、どう思いますか?この日の出来事は単なる偶然でしょうか。
思えば、私たち、丑三つ時にかけてお湯を溜めていったんですよね・・・
●足下を横切る黒い陰
●源泉かけ流しにもかかわらず抜かれているお湯
●突然倒れ、割れたランタン
●岩風呂を囲む複数の人の気配
●A君のクラッシュ
●B君のスピン
●「現場に戻れ」という電話の男の声
●B君を追い続ける複数の人の声
●主婦の流血事故の目撃
●B君の合コン相手の身内の死
※実話につき、オチ無し。