M44バルブタイミング調整
目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
DIY |
難易度 |
中級 |
作業時間 |
3時間以内 |
1
M44のバルタイは吸気こそM42と同じようですが、排気カムは作用角と中心角が異なっています。
調べた感じ、おそらくですが
M42
IN240° 16-44(ATDC104°)
EX240° 48-12(BTDC108°)
M44
IN240° 16-44(ATDC104°)
EX244° 56-8(BTDC114°)
どうやらM44の方が排気カムの作用角が大きいにも関わらずオーバーラップが少なく、開き始めが極端に早められていることがわかります。
エンジンのバルタイ調整に関して経験がないですが、その他のエンジンのバルタイなどを参考にした結果、排気バルブの早開き早閉じは出力的には不利であり、おそらく排気ガスを排気温度を高い状態で触媒に到達されることによる触媒効率の向上なのでは?と思いました。(適当)
あとは単純に後期になって低くなったアイドリング回転数でのバラつき防止のためにオーバーラップを殺したかったみたいな狙いもあるかもですね。
なんかいい本とかないすかね。
排気バルブの開き始めのタイミングは、単純に考えれば、なるべく遅くし下死点に近づけるほど燃焼エネルギーをピストンを押し下げる力に変換できることになるので出力的には有利になります。
実際はエンジン回転と排気の速度の影響でそれよりも早めに開き始めないと当然間に合わないようですが、8000回転くらい回る4A-GEでも排気バルタイの開き始めがBBDC54°というのを見ると、たかだか6500回転しか回らないM44の56-8という値はかなり早開きだと思いました。
ということで、勉強も兼ねて物は試しで排気バルタイ触ってみました。
ヘッドカバーパッキンが漏れていたので、どうせ開けるならと、そのついでに作業です。
バルタイ調整方法なんて調べりゃごまんと出てくるので簡単にしますが、要約すると、
1. 1番ピストンの上死点を割り出す。
2. クランクプーリーに全周分度器をセットし、針を0°に合わせる。
3. 1mmリフト法でバルブタイミングを測定する。
4. カムプーリーのボルトを緩め、カムを回す。
5. 再度1mmリフト法で測定する。
6. 納得の行く値になるまで3.から繰り返す。
とこんな感じです。
今回は排気カムしか触らないので排気側だけ測定しました。
測定結果は後から計算しやすいように全てATDCで考えながら測定しました。
ATDC140°-ATDC346°(1mmリフト法)
作用角206°(1mmリフト法)
中心角BTDC 117°
調べた中心角と違いましたが、とりあえずM42を目標に遅らせます。
初日は案の定慣れてなさすぎて、散々考えた挙げ句間違えて進角させてヘッドカバーを閉じたりしましたが、最終的に
ATDC150°-ATDC353°(1mmリフト法)
作用角203°(1mmリフト法)
中心角BTDC 108.5°
としました。
社外のカププーリーと違って純正のカムプーリーにはメモリがついてないので、まじで感覚で進めて戻してを繰り返し測定をして合わせるので結構大変でした。
動くだけいいですけどね。
エンジンを手で回し、バルブの干渉が無いことを確認したら蓋を閉じて始動させます。
普通にかかりますが、アイドリングがやや不安定。
ハイカム入ってるようなバラバラ言う感じではありませんが、O2死んでるときの不整脈のような感じともまた違うバラツキになりました。
ちゃんとオーバーラップ増えているようです。
走り始めると普通です。
人間の感覚が一番信用ならないので現段階で速くなった遅くなったっていうのは控えますが、そのうちノーマル車との比較をしたいところです。
フィーリング的にはプラジーボ入ってるのでめちゃめちゃ良いです。
2024.03.18現在
EX110に設定
2
後日思い立って吸気側も触ってみました。
M44純正の吸気カムは作用角240°、バルタイは16-44でセットされています。
開きは良い値な気がしますが、やはり240°ということもあって閉じが大分早閉じに感じます。
参考までにNAロードスターは作用角233°のバルタイ5-48。
VVT付きですがAE111が250°のバルタイ5-65とのこと。
早開き早閉じは慣性吸気効果の弱い低中回転時に、早開きで混合気を早めに取り込み、下死点からの上昇中には早めにバルブを閉じることで混合気を逃さず充填効率を上げるみたいな効果があるようで、まさに街乗り燃費重視のM44にはもってこいなセットだと思いました。
ここから吸気流速の速い高回転時の出力に焦点を当てると、吸気バルタイは遅く閉じる方が慣性吸気効果によりピストン上昇中も気筒内に混合気が流れ込むのを有効に使えるため充填効率が上がり有利になるとのこと。
AE111のVVT付き4AGEでは5000回転くらいからVVTがオフになるのはそのためらしいですね。
M44をここから変えたところで元より良くなるかどうかはわかりませんが、より作用角の小さなロードスターのカムのバルタイが5-48というところから、もう少し遅角させてみてもいいんじゃないかなーと思った次第です。
物は試しで早速測定。
測定結果は、あとから計算しやすいように全てATDCで考えました。
ATDC1°-ATDC201度(1mmリフト法)
作用角200°(1mmリフト法)
中心角ATDC101°
公称の値からズレていますが、カム山がシンメトリーでない可能性もあるので一概には言えません。
とりあえずで8°くらい遅らせてみました。
ATDC9°-ATDC210°(1mmリフト法)
作用角201°(1mmリフト法)
中心角ATDC109.5°
純正の公称値を正として考えると、バルタイは7.5-52.5となりました。
これにより吸気も排気も8.5度ずつ遅角したことになるので、オーバーラップは純正値と同じになりました。
少し回しすぎたかな…わからん。
排気カムのみを回した時から比べてアイドリングは非常に安定しました。
走った感じ、トルクバンドが後ろにズレているのを感じました。
吸気のノーマルバルタイでは2500〜4000だったのが、4000〜5000くらいに変わったと思います。
4000くらいまでトルクの谷を感じますね。
特段4000〜レブまでは速くなってはない感じです。
楽しいフィーリングにはなりましたけどねw
しばらく乗ってみます。
30-100の時間で比較しましたが、吸気のバルタイでタイムには微塵も変化ありませんでした。
そんなことある??
しばらくしてから戻してみましたが、やっぱり吸気は純正値の方がトルクがあって速いと思います。
常用域のトルクがあるの方が扱いやすいので吸気側は純正値で行こうと思います。
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