2014年01月07日
結局、ピットが空かない・・・部品も来ない・・・で、TJラングラーの足回り改装計画とエアロッカー修理&ホーシング補強は、とりあえずオイル漏れを近日修理してあとは放置に決定。
二月下旬にならないと本格的に作業できそうもない。それまでは・・・58君であそぼうっとww
二月は毎年木曽から開田高原、飛騨高山、白川郷あたりに遊びに行くってのが我が家の恒例で、ここはXJチェロキー君の出番なのです。というわけでちびたATタイヤをニュータイヤに履き替えます。といっても同じBFグッドリッジのATを新品にするだけ~~。スタッドレスは履きません。スタッドレスは積もった雪にはめっぽう弱い(特に最近の凍結路面に異常に特化したものは・・・)のと地元の車には先にいってもらって他国者はノンビリ走ればいいわけで・・・念のためチェーンは積んでいきますが。XJチェロキーで使ったことはありません。
ATで30年以上雪道を走っていますが、スタッドレスでなければ駄目だったことは唯の一度もありません。逆にスタッドレスで駄目だったことは何度もあります。かつてスバル・レオーネ4WDで雪道走っていた時は最初はスタッドレスでしたが、途中からRVパンロードというオールテレインタイヤにして走っていました。スタッドレスより格段に積雪路では具合がよく・・・雪の無い路面でもスタッドレスのようなグニャグニャした感触も無く夏タイヤと同じく走れました。本当にスタッドレス+4WDでなければ無理なんていう完全凍結路面なんてのは数メートルから十数メートルくらいしかないのが現実。逆にスバルのような雪国仕様みたいな4WDならそんなもの走り方ひとつで何とでもなってしまいます。
XJチェロキーはいちおうクロカンタイプの括りに入る車だけれど見かけとは裏腹に低重心で限りなく乗用車四駆に近い特性を持っていますから他のクロカン四駆と違い、そうオールシーズンの標準タイヤを履いた乗用四駆よりも吊るしの状態でも雪道は強いです。
とくに最近のBF/ATはコンパウンドもトレッドパターンも昔のスノータイヤを軽く凌駕していてXJチェロキーとの組み合わせに限って言えば初期のスタッドレス程度の能力はありそうに感じられます。
一部では駄目タイヤのごとく言われるBF/ATですが(ジオランダーMTもそのように言われています。理由は全く同じ・・・泥に弱いんだそうですが・・・)・・・その能力は非常に高いと思っています。
タイヤの能力というのは組み合わせるクルマにもより、クルマの仕様にもよってきます。さらにどのような状況を想定しているのか?どのような走らせ方をするのか・・・最終的にはドライバーに、どの程度のテクニックや経験値があるかということも問題になります。
何かに特化したクルマやタイヤは路面を選ぶのです。それは本来何処へでも何時でも出かけていけるという四輪駆動車のもつ最大の長所を損なうものに他なりません。そういうことを考慮すると・・・これはもうBF/ATしか選択の余地がないのではないか?というほどのオールテレインぶりを発揮しています。BF/ATの良いところは正にオールテレイン性能。日本ではほぼ全国区で冬季には積雪という状況を想定しないといけません。積雪・・・首都圏に降る一夜で消滅するような雪はともかく山間地ともなればMTタイヤではちょっとどうにもなりません。ただし・・・車重にみあった妥当なサイズの選択をしていればの話になりますが・・・。このアタリの話は重要で、実は車重に対して妥当なサイズというものが存在するのですよ。
車輌設計段階でのタイヤ面圧というものがあって、車体重量にたいしてタイヤ一本アタリの接地面が負担する重量ということで・・・これが車体の重いランクル70など2t超クラスであってもせいぜい7.50-16・・・235-85-16くらいで十分。あと少し重い60、80などでもせいぜい31-10.5-15,270-70-16くらいなのですよ。このあたりがじつは標準的に何かに特化していないタイヤサイズでジムニーなら6.00-16、175-80-16、三菱ジープなら6.00-16、6.50-16、7.00-15と言った具合になるわけです。全然ちいさいし細いんじゃないの?と思われるでしょう。けど、設計段階でこれっくらいが適正ということになってるんですよ。
かつて雪国の人ならみな知っていたことだけれど、「スノータイヤは夏タイヤよりワンサイズ細いものを履く」これが常識でした。昔は比較的柔軟なゴムで目が荒く高い山のあるトレッドパターンの「スノータイヤ」を使っていたのですが、滑りやすい雪道では路面に食い付くタイヤは面圧を高くしないと駄目だと経験的に知っていたのです。もちろん四駆なんて殆ど存在しない(当時四駆は恐ろしく高価でしたから・・・)二輪駆動、それも駆動輪に車重がかかりにくいFR車が主流でしたから、これは死活問題にも直結するマストな選択だったわけです。滑りやすいという点では泥もおなじ、表面の泥を飛ばして下の固い路面をグリップさせる・・・そういう理屈です。オフロードではタイヤは細くするものだ・・・これがかつての常識だったのです。
ではいつからあのワイドなタイヤが幅を利かせるようになったのでしょうか?
それは、アメリカ製のオフロードタイヤの影響です。アメリカといっても中西部から西海岸付近は乾燥した砂漠や土漠が多く砂地にもぐりこまないようにワイドなタイヤを履いて接地面圧を下げて最低地上高をかせぐ・・・「フローテーション効果」というものを狙ったチューンがはやったのです。このスタイルを日本の湿気の多い土、泥のオフロードに無理やり持ち込んでしまったのがワイドタイヤの始まりです。
オフロードタイヤといえば7.00-15か215R15くらいの下駄山かリブラグ・・・スノータイヤそれを更に荒くしたジープサービスなどしかなかったところへ31-10.5-15とか31-14.5-15みたいな太いタイヤにホワイトレターの横文字がはいった派手なタイヤが続々と輸入されてきたのです。
ろくなチューンニングパーツもない時代でしたから・・・大した検証もないまま素直にこれらを受け入れてしまったのでした・・・そして、しばらくして日本に四駆のブームがやってきて、この西海岸風のスタイルの物まねがまた日本中で流行ってしまったのです。商売になればと・・・性能は??なままメーカーまでが軒並みオーバーフェンダーにワイドなタイヤをくっつけて販売を開始、アフターマーケットとしては更に常軌を逸したレベルの大径やワイドなタイヤを装着して、これこそオフロードチューンだ!!とやらかしてしまったわけです。
四駆ブームはその後急速に縮小し・・・CCVなどのコアなオフロード雑誌に感化された「にわかリアルオフローダー」が現れて・・・細身大径こそ真のオフロードタイヤ。クローリング??(クローリングギアすらないというのにね??)がもてはやされて・・・実体の伴わない意味不明な耳学問の受け売りをオフロードの現場で見聞きするという不思議な時代がありました。・・・結局にわかはにわかで悟りでも開いたか?何事かを極めてしまったかして、これらも急速に消滅していきます。
こういう混沌の中にも純粋にオフロードでの能力を検証し、メイクアンドトライを繰り返し、正しいオフロードチューンとか基本になる車体の研究を真面目におこなったうえでチューンをしているショップも僅かではありますが存在していました。日本におけるオフロードチューンは少数精鋭の世界ではありましたが、1980年代から90年代前半にある頂点を極めたと思います。残念なことは、その後絶対数の減少と共にほぼそのノウハウが伝えられることなく消滅してしまったことです。
大分話がわき道にそれてしまいましたが、その車輌に固有の適正なタイヤサイズというものはあって、すべてのオフロードチューンはここから目をそらしてはいけないということです。このノーマル状態でのバランスをいったん崩してしまったらそれを改めて補正しなおすことが必要であること。それが出来ていない車はトータルで性能が劣化しているということに気付くべきです。・・・チューニングは愚かで後ろめたい行為という意識は持ってしかるべきで、求める性能を得るため、そのために何かを失うこともある・・・このことを絶えず考えて改造に当たるべきです。タイヤサイズを一つ上げる・・・それで何を得、何を失うか・・・崩してしまったバランスを購うのにはどれほどの作業が必要となるのか・・・何度も何度も考え直しながらことを進めて生きたいものです。
Posted at 2014/01/07 23:10:30 | |
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