TJラングラーのタイヤがそろそろ使用限界になってきました。
前回、前々回のブロンコ山ではそれほどの性能劣化は感じなかったのですが、此処に来てオフロードタイヤとしての使用限界を示すスリップサインが明確に現れてきました・・・現在ヨコハマのジオランダーMT+の255-35-16を履かせています。その前も同じサイズのジオランダーのMT(MT+ではない)でした。
良くも悪くもヨコハマのジオランダーMT+は凶悪なパターンのマッドに特化したタイヤ達と違い泥に対しては穏やかな性格を持っています。
ヘビーマッドでも歯車のようにグリップして前進するというタイプのタイヤではありません。軽いホイールスピンで表面の泥を撥ね飛ばしてアクセルオフで泥の下の土のグリップを得る・・・グリップを探してアクセルをオンオフしても悪戯に深く掘り下げたりしないし、前進後退しながら少しずつ前進してそんなヨコハマのジオランダーMT+ですが、使用する車輌とサイズによって使い勝手が変わるのです。
33-12.5-15とか285-75-16などのワイド系では典型的なマッドテレインタイヤの使い方でOKです。ワイドタイヤは概ね溝幅も広く空気圧を下げていくと横長の左右方向に長い長方形に接地面が広がって行きます。ところがトールナロータイプと言うのは前後方向に長い長方形に接地面が変形するのです。コレで何が変わるかと言うとワイドタイヤはフローテーション効果と左右に広い接地面により路面の凹凸や溝の深い部分を逃げたり左右に広いのでエッジ部分のブロックを有効に左右の壁面に押し当てるような働きができます。ところがトールナローではこういう効果は余り期待できません。
ナロータイヤは自らのタイヤ幅が前進方向への抵抗となりにくいと言う利点があります。また変形がタテ方向なので操舵での方向性をだしやすいのと、コレが最も重要ですが縦方向の変形は「乗り上げ性能」に有利に働くのです。そのかわりラインは厳しく狙っていく必要があります。ワイドタイヤのような大まかなライン取りでは走破はおぼつきません。V字地形やU字の底部にスリッピーなワダチが着いているような状況ではワイドタイヤなら大まかにワダチどおりのラインで行ってもフローテーション効果とサイドの押し付けによるグリップが有効に働いてくれますが・・・ナローでは溝の一番深いところにタイヤが落ち込みやすく事実上ライン取りの自由度が殆どなくなったりします。・・・ではナローはそんなときどうするかというと・・・ワダチのついていないラインを行くのです・・・ワダチがついていないということは・・・ワダチがつかない理由があるということ・・・それはとっても怖い危険なラインだったりします。
ジオランダーMT+、255-85-16・・・外径は845mm幅256mm・・・チョッと中途半端なサイズ感があります。同じジオの33インチタイヤ(外径830mm)より一回り外径は大きく・・・表記を変えると33.5-10.0-16となります・・・ジオの35インチタイヤの35-12.5-15、315-75-16(実寸874~879mm)よりは一回り小さく・・・ジオ35は表記をかえると34.5-12.5-16ともいえますね。
ちなみに255-85-16というサイズをラインナップするタイヤメーカーは現在は非常に少なく、DL、BF、マキシス、などですが同サイズの中でもヨコハマのジオランダーMT+は最軽量なのだそうです。
ジオは重いというのはジムニーサイズでの話でそれ以上のサイズではアメリカ製や東南アジア製に比べて圧倒的に柔軟で軽量です。
今回、足回りのグレードアップにともないタイヤサイズを35インチにしようか?と非常に悩んだのですが・・・35インチは現在のファイナル4.10(41/10)から4.556(41/9)にローギヤード化したほうがベストだろうと思ったこと・・・また今回のDana30強化の仕上がり具合をもう少しテストしてからにしようと思ったため現在の仕様でもう少し走ってみようと思いなおしました。
では・・・ということでタイヤの銘柄を変更についてもかなり悩んだのですが・・・実は最後のさいごまでダンロップのMT2にしようか迷いました。MT2は現在三菱ジープの58君に履かせていて具合はいいのですが七部山を切ったところからの性能劣化がはっきりしていて、美味しい期間が短いことがわかっています。またオンロード、キャンバーでの踏ん張りが軽量な三菱ジーでは問題ないのですが、1.6トン超のラングラーではチョッと相性が悪いように思います。
おそらく実際はそんなことはないのでしょうが、かといってジオランダーMT+の性能をMT2が超えるとも思えないのです。そのくらいジオランダーMT+の基本性能は優れていると実感しています。雪や凍結路面等を含むスリッピーな路面でのコントロール性能もMT+の全方位性能の高さを発揮する場面のひとつであろうと思います。
255-85-16は1.6トンのTJラングラーには十分にワイドタイヤであること。またノーマルドライブトレインで回しきれる限界のサイズだという気がしています。
今回Dana30アクスルを大幅に強化したことで4.10ファイナルで十分なアクスル容量を確保できていることが明らかになればピニオンギアを一こま減らした4.556でも十分いけると思います。
35インチ化はそれからでも遅すぎないと思っています。ただ、そこで得られる性能と失うものは何かと言われれば、あえて35インチ化のメリットは無いというのが実際でしょう。35インチ化は4/1トランスファーでも組んでロックジープ化する事を前提にしないと利害得失でメリットが発生し得ないように思います。トランスファーのフォートゥーワン化はローレンジのバッギアが使い物にならなくなるのとノーマルドライブトレインでの強度限界を容易に超えてしまうリスクを内包するので・・・ひょっとするとTJは現在の仕様が終着駅に近いのかもしれません・・・
おわり
Posted at 2015/04/22 00:40:24 | |
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ジープ | 日記