ひとそれぞれ「ジープ」についての思いというか・・・ジープ愛!・・・みたいなのがあると思う・・・。
今回は・・・まあ、そういうようなお話です(^^)。
オイラの子供時代に知ってるのは例の「しんちゅうぐん」ジープじゃない、フードが高くなったCJ3BJ3です。したがってローフードジープに対する懐古的な思い入れは皆無です(--;)しんちゅうぐん??見たこと無いですから(^^)/
オイラの父親の職業は「林道技師」。その生涯を長野県内の林道工事に関わって終えました。したがって子供時代からジープが身近にありました。父親は役所で図面を引いている以外、現場に出かける足はその時代なりの、いろいろな「ジープ」でしたから・・・そのせいか、ジープのことは他の四輪駆動のようにRV的に乗り回したり、個人のホビーで所有するようなものではないという気持ちが強く、オイラの四駆遍歴はあえてジープを避けて乗用車タイプの四輪駆動スバル・レオーネから始まり、スバル・レガシィ(ラリー仕様)ランドクルーザーHZJ73、ジムニーJA71FM→11、ジムニーSJ30FK、同30FK、・・・ようやくジープに辿り着いたのは20数年前で最初はディーゼルターボの黒いJ53(イカスミ号)でした。その後、みなさまご存知の白い58君に乗り換えました。
ジープに乗るようになってもランクル73もジムニーSJ30も所有し続け、例のNOX規制で泣く泣くランクル73は手放し、代替にはジムニーJB33を経てXJチェロキーに。その後TJラングラーを購入してジープ3台となりあれもこれも面倒みるのが大変でSJ30(X2台・・・他部品取りジープ1台)を出して、現在のジープ3台体制に至っております。
いまは結果的にジープのみ3台になっていますが・・・ランドクルーザーHZJ73は今でも大好きなクルマで機会があれば所有したいと今でも思っていますし、2ストジムニーのSJ30は手放すべきではなかったと後悔しています。また、ご存知のかたも多いと思いますがオイラ車形としてステーションワゴンが大好きで、XJチェロキーはスタイルが綺麗なステーションワゴンを買ったらそれに偶然ジープの名が冠してあったというにすぎません。
ジープだからというコダワリみたいなもので選んだのは最初の三菱ジープのJ53だけでしょうか?当時トライアル競技に熱中していて「ジムニーよりジープで闘ってみたくなって」探したのが当時現行車だったJ53。
ところが・・・手ごろな価格で見つけて来たのがとんでもないジャジャ馬チューンドジープ!!
それはチョッと信じられないぐらいのパワーとトルクを搾り出したチューンドマシンでディーゼルターボのジープという括りでは最早収まらないとんでもないパワーマシンでした。
ディーゼル車の噴射ポンプチューン+ターボチューンはガソリン車とは異質な強烈トルクと爆発的なオニ加速!!クローリング速度から時速120kmまでの加速は、何人たりとも追いすがれない恐るべきものでした。そのかわりアクセルひと吹かしの排気煙でバックミラーには無も見えなくなるほどの黒煙を噴き出し・・・イカがスミを吹くようだ!!ということからイカスミ号と呼ばれました。
大小のトライアル大会で数え切れぬくらいお立ち台に登らせてくれた最高のジープでした。ですが・・・絶大なパワー、トルクと引き換えの、あまりに酷すぎる黒煙対策に燃料を減量させるという仏心を起こしたばかりにエンジンを傷めてしまいました。(この53ターボ車はJ55などのようにコンペセーターシャフトを削ったものを交換するという簡単なものでなく燃料を絞るというのが非常に難しく、セッティングの都度つどに噴射ポンプ本体を油まみれになりながら分解組み立てを繰り返すという作業が必要で・・・相当頑張ったのですが最終的に失敗してしまいました・・・)
そんなことから次に手に入れたドノーマルなJ58には何の期待もしていませんでした。つまり、何もかもを自分の好みに合わせてイジル前提で導入した「チューンのベース車」という以外の何者でもアリマセンでした。
当然エンジンはJ57用かJ53用に積み替えて・・・いずれ何らかのチューンをほどこそうかと漠然と考えていました・・・そんな時にマグナム4X4の故・佐野伸幸氏に出あったのでした。
「J57用のG54Bエンジンがゴロゴロしてる」・・・という噂を聞いて工場を尋ねたのですが、トライアルチューンの考え方の相違から佐野氏と口論のようになってしまいました・・・ハイカム組むだのフライホイール削ったエンジンなど使い物にならないというオイラ・・・ドノーマルのG54Bなんてカッタルイ。俺の組むエンジンは下から上まで使える!プラス1000回転回る余裕はあらゆるところで生きるのだ!!という佐野社長・・・
論争は果てしなく・・・ついに佐野社長が切れて「とりあえず俺のチューンしたエンジンに乗ってみろ。気に入らなければ金は要らない。ノーマルエンジンに積み替えてやる。それでどうだ!!」「そこまで言うんならチューンやってもらいましょうか・・・」ということになり・・・お互い「吐いたツバ呑まんとけや!」という感じでありましたが・・・
さて・・・チューンした58に乗ってみてビックリ!・・・こりゃすげーや!!というものでした。
強化クラッチのクセに慣れれば後は極低速域から発生する強トルク・・・そこからのレスポンスの鋭さ。最も意外だったのが回転落ちの速さというものがエンジンの扱いやすさにこれほど貢献するとは思いもかけませんでした。レスポンスの良いエンジンというのはアクセルオフで瞬時に強烈なエンブレが発生するのです。アクセルのオンオフで車体の姿勢変化を自在にコントロールする事が出来るのです・・・。
「あっ、これ・・・使える・・・新しい走りができる!!・・・」素直に感動!!完全に脱帽・・・。

その後、佐野社長はオイラの我儘なリクエストに応えてワンオフマフラーを作って排気系に手を加える事でパワー・トルクのピークを500回転ほど下げ、そのかわりトルクの立ち上がりポイントをさらに下げるという仕様変更をしてくれました。(現在はメカニックS氏の手で吸気系にも手を入れて更に強烈レスポンスになっています。)佐野社長はいつもオイラが頼んでもいないのに「クルマもってこいよ」と言ってはショボいノーマルに付け足した六点ロールバーを外して、ワンオフのレースクオリティーのフルケージを組んでくれたり、FRPで作ったストレートフェンダーに変えてくれたりしました。「いま、お金ないのですが・・・」というと「出世払いで」と・・・と笑っていました。
佐野社長はアクセルの踏み込みやシリーズ戦を獲りにいくときの心構えとかについては話してくれましたが、オイラのジープのサスペンションについては何一つ言われたことはありません。オイラの58をリフトに乗せた時にショックとリーフの組み合わせで車高が低いのに思いのほか伸び足が長いことに驚いていました。「キッカーショックがジャダー防止には役立っているが・・・ほかにも使い方があるぞ・・・」つぶやいていました。その当時はわかりませんでしたが。今ならわかります・・・あの事だなとw
結局、58君はワンオフだらけの機体となって三菱ジープではあるけれど唯一無二の戦闘機になってしまい・・・オイラはこの58君がからだの一部のようになってしまっています。エンジンも三菱ジープのエンジンがベースになっているというだけで全くの別物・・・オイラのジープに乗って三菱ジープというモノはこういうものか・・・と思ったら大間違いです。オイラの58は三菱ジープであって三菱ジープじゃない。58君は58君という機体でオイラはソレが好きなのです。
佐野社長の思い出話はきりがなくなるので・・・TJラングラーの話をしましょう。

しだいに部品供給が怪しくなり・・・三菱のやる気なさに完全に失望したオイラは三菱を見限りました。もしジープに乗るなら次はゼッタイ部品の供給に希望が持てるアメリカンジープにしようと硬く決意しました。
そして最高の走破性能を得るためのベース車としても当時最高の選択肢だったのがクライスラーのTJラングラーでした。そう、そしてこれを終のジープとするために・・・チューンを開始しました。
第一期はショートアームで4インチリフト+ボディリフト2インチ。フロントは5リンク、リアはアッパーAの3リンク・・・基本的にボルトオンパーツのみで完成させました。タイヤは255-85-16・・・タイヤサイズ的には35インチまで許容するリフト量で作ってみました。
第二期はショートアームのままリアサスコイルの取り付け位置を変更。フロントのサスの伸び側を規制。ショックの働かせ方もサスストロークの増減に沿って変更・・・。

そして第三期では、最早ショートアームでは解決つかないところまで第二期改造でいってしまっていたので必然のロングアーム化を行い。さらにネックになっていたフロントのダナ30アクスルホーシングの強化策を実施しインナースリーブ、ナックルガゼット、トラス設置、ハイピニオン化など行いました。

細かい仕様変更を繰り返しながら、ようやく思い描いていた通りの走破性能と操縦性を獲得できました。いまが最高の状態です。これ以上を望むなら・・・これ以外のベース車輌でやったほうがいいでしょう。もはやその域まで弄ってしまいました。あとやるなら・・・外装。アルミのストレートフェンダー、カーボンボンネット、ロールケージの追加、軽量な電動ウインチの装着。サイドシルの効果的保護(出来るだけ軽量なもの)前後バンパーの変更(重さに注意)・・・そんなところだろうか?
今ある三台のジープ・・・みなジープだから乗っているというよりも・・・「結果的にジープだ」という事になる・・・。うち二台は弄っていじって自分好みに徹底的に改造して・・・改造の台がたまたまジープがふさわしかったというに過ぎないことに気が付きます。
ジープ乗り!を看板にしていながら・・・何たること!!・・・でも
「走り系ジープ乗り!」ですから~OK!!!!!(^^)v