JB23ジムニーはいまや世界的に見ても数少ないフレーム別体、前後リジッドアクスル、高低二段のトランスファーを装備する本格クロスカントリー四輪駆動車である。
街中で見かけることも多いので相当な台数が販売されているのだろう。それもそのはずで気が付けば既にデビューから10年以上も経過しているのだから当たり前だ。
最近は次期ジムニーがどうなるか?と言う話題も専門誌などで紹介されたりしているが、前述の別体フレーム、前後リジッドアクスル、二段トランスファーは堅持されることになるそうだ。
いまや普通の乗用車派生のSUVたちが標準的に装備しているトラクションコントロールは当然のことながら装備してくると多く雑誌で藻か枯れているが・・・これはどうなのだろう。全くの素人が乗り入れられるレベルの地形を走る場合、ノーマル車同士の比較ならジムニーよりハスラーのほうが走破性能は高いということが十分にありうるくらいなのだ。だがしかし・・・大きな問題がある。それは後述する・・・
ほかに選択肢がこれだけ少ないと、いまさらジムニーの欠点をあげつらっても詮無い気がするが、やはりリーフ時代のジムニーでも重心位置が高かったのだけれど、JBジムニーは更に重心位置が高い。ノーマル状態では気が付きにくいが2インチも車高を上げて1サイズ大きいタイヤを履けば同じ仕様のリーフジムニーがすんなり走れるところを追従していくのはJBジムニーではチョッとばかり怖い思いをしなければならない。設計的には考えられていて、ノーマル状態での重心点の高さとトラクションはJBのほうが優れているのだが、残念なことにJBのあの立派な造作のボディの重さがリフトアップしたとたんに効いて来てしまうのだ。
次期ジムニーにトラクションコントロールが採用された場合、非常に悩ましい問題が発生する事になるだろう・・・それはジムニーが世界的(世界有数の本格四駆なのだから!)にみても最も重心が高く転倒しやすいクロスカントリー四駆だからだ。近年改良が著しいトラクションコントロールの能力は目覚しくジムニーを容易に転覆させるまで前進させ続けるだろう。AA,DA,RBOAともに優れた数値の本格クロスカントリーカーであるジムニーの車体形状は、それ自体チャレンジできる地形のレベルが非常に高い。
日本独特の軽自動車の規格のままではホイールベース対トレッドの比率からいっても本格四駆の基本を守って設計するとJB23ジムニーで明らかなように重心点の高さはいかんともし難い。重心点を下げる最も効果的な方策はモノコック化、そして少なくともフロントのリジッドアクスルを捨てることだ。軽規格内で基本設計をするかぎりジムニーへのトラクションコントロールの採用は危険にすぎると言わざるを得ない。モノコック、独立懸架・・・そういった四駆は走らないか?というとそんな事はない。最低地上高の確保と腹の下のフラット化はモノコックと四輪独立懸架の方に分があるのだ。
走りの現場で最近良く目撃する光景にトラクションコントロールがあるために初心者や経験の浅いオフローダーが、本来到底チャレンジし難いレベルの地形に突入してしまい、非常に危険な姿勢で停止すると言うものが在ります。クルマなりの走りでも相当なレベル(車体を容易に転覆させるまで前進を続ける)の走破能力を発揮する現代のトラクションコントロール付きのクロスカントリー四駆では、「リカバリー」と言う四輪駆動車をあやつるうえでの「技術の基本」が無いままの初心者を、いともたやすく上級者でなければ踏み込んではならない地形に導いてしまうのだ。
次期ジムニーが本格四駆路線を堅持するなら最新のトラクションコントロールは採用してこないだろう、もし国内向け軽規格のジムニーに採用するならGセンサーなどを用いて車輌の対地角がある程度に為ったらトラクションコントロールを強制オフしてしまうような安全策を講じてくるのではないだろうか。オイラの希望的にはこの際モノコック化してセンターデフロック付きのフルタイム四駆で四輪独立懸架。エクストラロー付きの6速MTと7段CVTで床下をフラット加工、ごろごりのトラクションコントロール付きのを出して欲しいのだが・・・。
おわり
Posted at 2016/01/06 22:30:17 | |
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