たった1泊2日の旅だと言うのに、未だに日程の半分にも紹介してませんが(汗
ようやく本日の宿泊先である、バブルの遺産…
ホテル川久に
向かいます。
ホテル川久は、南紀白浜温泉の中でも独特な雰囲気を醸し出しているホテルで、
グーグルアースで見ても、ご覧の通り…
モンサンミッシェルっぽいです(笑
しかし、如何せん…そこは古くからの温泉街で、漁師の街でもあるだけに、
モンサンミッシェルというよりも、パッと見は
ラブホテルのようです(失礼
田舎の古びた商店街のようなところを抜けると、正面に見えてきます。
なんだか物凄くシュールというか…異彩を放っているのが覗えますよね(汗
…で、思わず。
ホテルに入る前に…愛車を撮っちゃいました(汗
このゲートみたいなのが余計にラブホテル感を増長させてる気もしますが(汗
しかし、よく見ると…コレはまさしく、天安門広場の…
紫禁城ですよね、うん。
って思ったら、実際に紫禁城に使われてる瓦をそのまま使ってるんだそう(爆
当然、全く同じなので質感も色も同じ。やはりラブホテルとはワケが違う(汗
この瓦を使用した際には色々問題も発生していたらしいです、お隣さんと。
今となっては絶対に使用出来ない瑠璃瓦ですからね、それも47万枚…(爆
もう、見る人が見れば呆気にとられるしかない贅の尽くしっぷりですね。
そうこうしていると…予約されてる○○さんですよね?お待ちしておりました、と。
よく判るもんだな~と、ちょっと驚きつつ、スタッフにお出迎えされるのでした(笑
私みたいな貧乏庶民は、お出迎えなんてされる経験なんてほとんど皆無なので(汗
こういうリッチピープルな人たちが当たり前にされてる事が妙に新鮮なのです。
駐車場って感じの駐車場はなく、なんかもうホテルの真正面に愛車を横付け。
相変わらず雲ひとつない快晴なので、より一層美しく見えます、ホテル川久。
さて。
私、ミュージシャンという芸能活動の以前は、建築業界でサラリーマンを
ほんのわずかに経験しているんですよね、経営者である親兄弟の影響もあって。
で、そんなバブルの頃にこのバブリーすぎるホテル川久の存在を知ったんですが、
当時の私も結構バブリーな建築に携わっておりました。宮崎フェニックスや
横浜ランドマークタワー、六甲アイランドの再開発から世田谷の砧テラス、等々。
おかげで私も当時は今では考えられないくらいバブリーな経験もしたんですが、
まぁ根が貧乏人だから肌が合わなかったんでしょうね…すぐ辞めましたけどね(笑
ただ、そんな経緯もあるので、未だに建築物の探訪は大好きなんですよね。
その後も世界中のあらゆる有名な建造物という建造物は訪問しまくっていて、
ホワイトハウス、ボーイング本社、NASA宇宙基地、サグラダファミリア、
当時は世界一の高さを誇ったシアーズタワーから今は無き世界貿易センター等々。
わざわざ特別許可も得て、一般人が入れない所まで見学させてもらったり。
しかし、このホテル川久には当時訪れることがありませんでした。
何故なら…91年完成時は、完全会員制な上に、1泊最低10万円以上という
とてもじゃないけど、ガチで貴族のような人しか来られない場所だったのです。
入会費は1口2千万円、法人は6千万円と桁外れな高額っぷりも話題でしたね。
ところが…バブル崩壊と共に川久も崩壊、
北海道の会社にダラ安で買収され、
今では私のような貧乏庶民でも宿泊出来るようになった…ということもあり、
いつかは泊まりたいと思っていたんですが…ようやく機会が巡って来ました。
…そして。
買収されたものの、贅の限りを尽くしたホテルは当然、全く
当時のまま。
そんな高級ホテルに東京都内のビジネスホテルよりも寧ろ安いくらいで
泊まれてしまうのだから、これが楽しみでないハズがありませんよね(笑
この入り口だけでも溜息モノです。見事な漆喰は土佐漆喰で施行されていて、
なんでも、高知城と同じなんだとか。もうどこを見ても博物館クラスです。
こちらは色加減が違いますが、陽の当たり具合で随分変わるようです。
そして、以前から気になってたこの宙に浮かんでいるウサギのような彫刻。
コレはどこかで見た覚えが…
そうです、ちょうど昨晩にたまたま訪れた名古屋市の中心にある
白川公園。
ここに同じ作品があるんですよね、イギリスの彫刻家
フラナガン氏の。
ひょっとして?と思いましたが…やはり川久もフラナガン氏の作品でした。
元ウサギ飼いの私としては、ちょっと嬉しいかも。しかし何故にウサギ…。
よく見ると、結構デカいです。白川公園のウサギよりも大きいかも?
さて、荷物はポーターに任せて、ホテルへチェックインします。
どひゃー!写真では知ってましたが…広い。アホみたいに広すぎる(笑
聞けばこの正面玄関のロビーだけでも
800畳以上あるそうで(爆
…もう広すぎて何が何だか。
そして、夕刻にも関わらず全く混んでる様子もなく、またまたラッキー。
GW直前の平日だけあって、某外国人も全く見かけません。ありがたや。
それに、ホテルの風合いからでしょうか、子供もほとんど見かけません。
連休とか週末とか、激混みシーズンなんかはどうなんでしょうかね??
ただ、これだけ重厚なホテルだと、ホテルが客を選びそうな気もしますが。
で、思わず口がポカーンとなっているところで受け付けに案内されると…
これまた…たかがチェックインの受付なのに、ゴージャス感出し過ぎ(汗
しかもすぐ隣には…これまたとんでもないヴィンテージグランドピアノが。
ひょっとして?と思いましたが、やはり名門
スタインウェイの特注でした。
クルマで例えるなら、ロールスロイスですね。1台で家が買えますから。
一体どんな音がするんでしょうかね。実際に演奏で使われてるらしいです。
こっそり弾いてやろうかと思う衝動に駆られつつ…我慢して移動します(笑
んでもって、もう一方を見渡すと…さりげなく、チェス盤が置いてあります。
え?コレ、ディスプレイでなく宿泊客が興じる為に用意してるんですか。
っていうか私、チェスなんて…全くやれませんけども(汗
他にもドンキホーテの鎧とかまで飾ってあったり…成金っぷりが凄まじい(笑
因みにこのロビーの建築費用だけでも40億円くらい費やしてるそうです。
40億円も出したら、高級ホテルが数軒建てられますね。まさにバブリー。
この螺旋階段の造りも見事で、その両脇にある柱もまたトンデモナイ代物。
日本の一流左官屋がドイツでシュトックマルモという石膏擬石技法を習得し、
それで施された柱だそうで…柱1本につき1億円の費用がかかってるとか。
さらにさらに。この巨大なアーチ型の天井は勿論、全て本物のゴールドで、
フランスのゴアール工房の金箔を職人が1枚ずつ数か月かけて施工したそう。
金閣寺も真っ青…ですね。因みに純度は22.5Kなので、ほぼ純金です。
これは、陽が射した時に一番美しく映えるから…とか。
他にも、床一面に大理石やらモザイクタイルやら…見ていてキリがないです。
そのモザイクカラーも、ドレスが映える色合いまで計算されてるんだそう。
なんかもう、どれもこれもエグいお金の費やし方。おそるべし、バブル時代。
...って、自分もそんな時代に仕事してたんだから、今更…かもですけどね。
40代以下のバブルを知らない人たちから白い眼で見られても仕方がありませんな。
で、ホテルマンの説明を伺いながら一緒にエレベーターで上階へ向かいます。
もうエレベーターも…なんだかこの奥に秘密結社でもありそうな気配です(笑
隣に先述の柱がありますが、パッと見は大理石にしか見えないですよね。
これを1つ1つ貼り合わせて完成させるとは…職人もとんでもないです。
また、エレベーターの脇には、ビザンチンモザイクがはめ込まれてたり。
シリアで2世紀に作られたものだそうで…また作りも細かくて凄いです。
そんなとんでもないモノをさりげなくこんな場所に埋め込んでるとは…。
で、エレベーターに乗り込むと…アンティークな家具まで備え付けられ(汗
さらに壁の部分も何やら高級そうなモノが…扉はやはり大理石のようです。
こんな重厚なエレベーターに乗るのは久々かもしれません。
床もまたとてつもなく手の込んだ造作がされていて…とにかく徹底してます。
エレベーターホールも、いちいちバカ広く、ソファーとかテーブルだとか、
なんかもう、そのソファーでも十分寝られそうな勢いでしたよ、ええ。
さらに、別の場所には、露天風呂直通のエレベーターまで用意されており、
風呂上りの客とチェックイン&アウトする客と被らないようになってます。
廊下は当然、全て絨毯張り。カートを転がしても静かなので安心ですね。
そして、単なる客室の廊下であっても、そこらじゅうに手が入れられてます。
至る所にこうした展望スポットというか、休憩スペースが設けられていて、
さりげなく…イギリスのイブストック社から輸入した見事な外壁レンガが
じっくりと見られるようになっていたりするのもまた演出の1つですかね。
因みに、ホテル川久はほぼ総レンガ造りですが、使用した数は約140万個。
外壁のレンガだけでも、ウン億円としたそうです。なんだかもう…ね(汗
肝心な宿泊する部屋に辿り着くまでにお腹いっぱいになりそうな勢いです(爆
因みに、ホテル川久は全88室スイートルームが用意されているんですが、
私たち夫婦が泊まった部屋は、その中でも一番狭いスイートルームです。
部屋に到着。上層階の一番角の部屋を利用させてもらえることになりました。
玄関を開けると…
お~!いきなりまた廊下が!横には無駄にデカいクローゼットが。
玄関にはお茶菓子とエスプレッソマシン、冷蔵庫などが用意されてます。
リビングに向かう前に…玄関の手前を曲がるとドレッシングルームが…。
こちらは床面は板張りなんですね。
そしてこの左手を進むと…サニタリールームです。
ここらへんは全て床一面、大理石ですね。あちらこちらに金箔装飾も。
アメニティは普通かな?でも、チョイスがなかなか小洒落てました。
この隣にはバスルームがあります。
こちらの床一面はヒノキでしょうか。勿論、窓からは海が望めます。
バスタブも非常に大きいので、完全に足も伸ばせるし、家族でも入れそう。
そして、ドレッシングルームの右手には…
広すぎて若干落着け無さそうな全自動トイレがお出迎えです(笑
大人2人がフツーに寝られるスペースなので、車椅子でも余裕でしょうね。
この部屋、照明は全てセンサーで全自動になっているようです。
勿論、このトイレも近づくとフタは開閉するし、音も流れる良い子です(笑
こちらもやはり、床一面大理石です。さすがに床暖房は入ってませんでした。
また、サニタリー関係は、最上階のロイヤルスイートでも基本は同じで、
唯一の違いはバスルーム以外に無駄に広い温泉があることくらい…だとか。
そして、廊下を進むと…リビングとベッドルームです。
お~!広い!一番狭い部屋は40畳くらいしかありませんよ?と言われましたが、
私からしたら、40畳もあれば十分です。ってか、持て余すだけですし(汗
当然、ベッドも広いし、ソファーも3人掛けが2基あって、無駄すぎる(汗
普段泊まってるホテルなんて、大抵広くても10畳くらいしか無いもんだから
やはり、一番狭い部屋でも十分に広く感じちゃいますね…。
こういう時に広角レンズや魚眼レンズなんかがあると良いですね~。
しかし、リッチピープルはこんな部屋でもウサギ小屋!って言うんだろうな…(怖
無駄にデカい窓からは美しい海が見渡せます。やはり気分が良いですね。
しかも、全面ガラス張りなので、枕元からでも見渡せるのがニクいです。
結局、朝起きた時から全く雲もなく、これだけの快晴に恵まれたのだから
こういうオーシャンビューが活きましたね。雨だったら残念ですもんね。
とりあえず、チェックイン直前に
日本最古の崎の湯でひとっ風呂浴びたので、
荷物を整理しつつ、ホテル内を再度探検しながらディナーへ向かうとします。
正直、あまりにも広大なホテルなので、1日じゃ到底全部見ることは不可能です。
結構あちこち探索したんですが、全部紹介したら大変なことになりそうです(汗
例えばロビーにある螺旋階段を上がった先にある廊下には、私の先輩に当たる
陶芸家の加藤元男氏が手掛けたレリーフで埋め尽くされてたりしましたし、
1Fにあるスパの内風呂には、これまた水墨画などで知られる青山禮三氏の
手がけた絵がレリーフ一面に描かれていたりと…やはりキリがないですね。
いずれも、美術館や身近なところでも目にしてる人は多いと思いますけどね。
あ、因みに青山禮三氏の出身は、つい先日バーベキュー騒音殺人が起きた
住宅地だったりします。今頃天国で泣いてるかもしれませんよ…(遠い目
あと、最上階もちょっとだけ見学させてもらいました。
まず、エレベーターホールを抜けるといきなり…インペリアルラウンジが。
ここは、最上階スイートの宿泊客向けに開放してる専用ラウンジっぽい。
入口を入ってみると…
なんだか超高級宝飾店って感じです…これでもか!ってくらい高そうです。
とてもじゃないけど、こんな豪華すぎるスペースでは寛げそうにないです(汗
ロイヤルファミリーはこういう生活をしてるんでしょうね…おそるべし。
因みに、最上階のロイヤルスイートは、130畳くらいの広さだそうです(爆
きっと…テニスの試合くらい出来ちゃいますよ、そんだけ広いと…(遠い目
窓の外を見ると…下に見えるガラスの三角屋根は、室内プールですね。
そういやここも時間が足りなさすぎて見物しに行けませんでした…残念。
それにしても、当時の左官も素晴らしいですね。右隅に見えてるレンガ。
見事に貼られてます。そして、色合いも風合いもジャンブル具合も良いですね。
さて、肝心な?食事については…これ以上だと長くなりすぎるので次回に(汗
食事を終えた私らは、一旦部屋に戻って少し休んだ後、露天風呂を満喫!
1Fと2Fに大浴場が何種類かあるんですが、1Fは男湯で、2Fは女湯。
午前中はその逆という具合に、男女入れ替え制になっているようです。
というワケで、まずは1Fの大浴場から。
1Fはどうやら全体的に和風テイストになっているようですね。
しかし、シンプルに見えますが、ドアとか全自動だし、最新鋭ですね(笑
大浴場前には、入浴後の休憩スペース…ラウンジまで設けられてます。
そして、至るところにこれみよがしにアート作品とか散りばめられてます。
そして…いざ、入湯!
まず、内風呂はこんな具合。もう驚きはしませんが…かなりの広さです。
先述の青山禮三氏のレリーフが一面にあしらわれてます。
そして、露天風呂はこんな具合。こちらも泳げるほどの広さでした(汗
手前には温泉ではなく、美容目的のミルク風呂なんてのもあったりして、
もうどこまでも徹底してるんですが、大浴場にも関わらずほぼ貸切状態(汗
また、至る所にフリーで使用可能なバスタオルやハンドタオル、バスローブが
置いてあるので、こちらの大浴場には手ぶらで足を運ぶことが出来て便利。
※因みに↑の2枚だけは、撮影禁止ですのでピックアップさせてもらいました。
他にも紹介したいものが色々ありましたが…キリがないのでこのへんで。
因みに、1Fの露天風呂の外は、ちょうど玄関ホールの脇に見えてました。
この大浴場1つとっても、外観は相当な手の込みようで…恐ろしいです。
しかし、2Fのロイヤルスパは、1Fをはるかに凌ぐ贅の尽くしっぷりらしく、
明朝起きて入浴するのが楽しみで仕方がない!と思いつつ、風を当たりに外へ…。
なんだか威風堂々!って感じです。夜の雰囲気もまた…重厚なんですね。
田舎のリゾート地って、夜は怖いくらいに静けさが漂うんですよね…。
さらに足を伸ばして…遠巻きにホテル全貌を見てみたいと思います。
なんだか…悪魔城みたいな不気味さも感じるし…とにかく凄いですね(汗
本来だとこの大きさなら1000室くらい客室が用意出来たハズだそうで、
そんな広大なスペースを、たった88室しか設けないという…。
この川久は、竹中工務店設計部出身の永田祐三氏の設計によるんですが、
彼の事は正直、あまりよく知らないんですよね…誰か教えて下さい(汗
バブルの遺産として、いろいろ言われたりもしていましたが…
やはり、当時日本一を誇った超高級リゾートホテルは、確かに強烈だし、
贅の限りを尽くしたお城でした。村野藤吾賞なんかも受賞してる建造物だけに、
やはりそこはそれなりに立派だと思いました。
因みにこちらは前回も紹介した写真。1枚しか撮りませんでしたが…。
よく見ると、客室は1フロア毎にセットバックになっているんですよね。
これはもう高級ホテルの典型って気がします。そして、1F部分を見ると、
まるでお城の石垣のようなデザインになってます。やっぱり永田祐三氏は
日本のお城もモチーフにしてるんですかね。
入口からでは中国皇帝の根城のような印象でしたが、全体的なカタチだと
スペインとかフランスのお城っぽい気もするし、イスラミックな感じもします。
ってなワケで、大したレポにもなってませんが…思うままに紹介しました(笑
多すぎて広すぎて、とてもじゃないけど3分の1も紹介しきれません(涙
因みに…一番狭いスイートですが、
1泊1人2万円もしません(爆
それも、どう考えても1万円じゃ利かない豪華料理代も全て含めて…です。
コスパ王としては、こんな贅沢な宿泊をせずにはいられませんよね(笑
多分、日本中探しても、こんな条件の揃った宿はなかなか無いと思います。
さらに、最上階のとてつもないロイヤルスイートは、なかなか客がいないのか、
結構キャンペーンで、これまたエゲつない安さで結構解放してるそうです。
東京都内で無機質なビジネスホテルに泊まっても1万円じゃ済まないし、
そう考えたらどう考えても安いですね。ほんと、申し訳ないくらいです。
最後に…
最初に紹介したアホみたいに広いロビーは…冬になると、こんなだそうです。
…やりすぎよね(笑
さて、次回は王様のビュッフェと、王様のブレックファーストを紹介~。
ってなワケで、ベッドから極上の夜景を見ながら…おやすみなさい!!