登頂してから既に10日ほど経ってしまいましたが、
備忘録ということで、当日を振り返る…
「第3弾」です。
前回は千畳敷カールを登り始めてまだ30分でしたね(笑
3月2日は、今年最大級の爆弾低気圧が日本列島を北上中。
その煽りを受けて、春一番状態となったこの中央アルプス。
前日はとんでもない吹雪で、当然誰1人と山行などしてませんが、
この日は暴風であっても天気としては一応「快晴」だったので、
不安を抱えつつも似たような事を考えていた登山者が10名ほど、
この吹雪直後の新雪の中央アルプスに挑んでいたようです。
千畳敷カールは当時、風速10~15mと比較的穏やかでした。
因みに…街中で風速15mだと、傘も簡単に飛ばされるレベルで
まともにまっすぐ歩けないくらいの暴風だったりするのですが、
こういう山に登る変態さんからすると、15mは…まぁフツーです(笑
カールの中腹あたりになると、雪質が完全にパウダー化します。
なので、先導をしてもらっていてもトレースは5分と持ちません(爆
私が登ってきた跡(トレース)も、見ての通り…消え去ってます。
そして、雪の層を確かめると、約3mほど積もっている雪のうち、
上層の5~60センチが、今朝にかけて積もったばかり、って具合。
今朝になって晴れたものの、依然氷点下なのでサラッサラしていて
膝上くらいまでガンガン踏み抜いてしまうので、なかなか進めず(汗
普段、都会のばばっちぃ雪しか見ない私には新鮮でしたけどね(笑
千畳敷カールも、いよいよ八丁坂に差し掛かるところまで登ると、
この有名な?オットセイ岩が左手に見えてきます。カワユシす!
そして、傾斜も40度を超え、スキージャンプ台より険しくなります。
あまりにサラサラで雪深すぎるので、ストックはまともに機能せず。
しかし、もう止まることが出来ないので、そのまま登り続けます。
膝に力を目一杯入れて、一歩ずつ踏み込んで足場を作りつつ…。
…2年前にこの辺りで滑落した恐怖が少しだけよみがえります(汗
さらに高度を上げていくと…もはや四つん這いでないと動けず(汗
当たり前ですが…気温もグングン下がり、強風はさらなる暴風へ。
そして、斜面もより一層絶壁に近づいていきます…(怖
前回のブログでもこの手前で撮影した映像を公開しておりますが、
あんなモンじゃ~ありません。ウェアーにガンガン雪がぶつかります。
1~2分毎に訪れる強烈な下降突風に襲われる度に身動きとれず。
散弾銃で撃たれる人の気持ちが何となく…わかった気がします(爆
これだけ天候が良くても、こんなに動きが制限されるのだから…
雪山で雪崩なんて起こったら、もう全く逃げられないでしょうね(遠い目
しかし、こんな状態なので、2~30センチずつしか登れません(涙
まだ頂上どころか、稜線の鞍部までもかなり遠くに感じます。
そして、この写真を最後に、あまりの寒さにスマホのバッテリーが
登り始めでは100%近かったのが…一気に10%に落ちました(爆
やはり、マイナス10℃以下の場所ではスマホは使えませんね(笑
先月登頂した同僚君が言ってた通りです。いや疑ってませんが(汗
…というワケで、ここからしばし…写真撮影がナッシングです(涙
さらに強風と相まって、既に体感温度としてはマイナス40℃弱。
普段、なかなか味わうことのない寒さで、逆にテンションUPな私(笑
正直、これだけフカフカなパウダースノーなら100mくらい滑落しても、
とりあえず死ぬことは無さそうだ、と思った瞬間ラクになれた気が(汗
それはそうと、私…コレを体験したいんですよねー。
周知の通り、マイナス20~30℃くらいは何度か体験済みですが、
正直マイナス30℃って、私なんかは結構平気だったんですよね(汗
真冬になると氷点下まで冷える台所でご飯作ったりしてるので…(爆
気が付いたら雪国仕様の身体になってたんですよね、私自身が(笑
きっと、あと10数年したら、こんな狂ったジジイになってそうです(笑
吹雪の八甲田山も…何だカンだで登頂しちゃいましたし(笑
しかし、今回訪れる山頂は、最大風速40mの猛嵐ですからねぇ。
氷点下20℃とすれば、体感温度的にはマイナス60℃になるので、
コレはまさに…顔からツララ野郎も夢ではない!と思ったワケです。
因みに、寒さによる現象ってのがあるのですが…
こんな具合ですね、確かに。
先月の大寒波到来で、我が家もマイナス5℃まで下がったので
この自然の摂理に従って…水道管がしっかり凍り付きましたし。
ダイヤモンドダストについては、天気が良くないと出現しません。
山頂はマイナス20℃となっているので、起こり得る現象としては
「ひげやまつ毛が凍る」っていうことなので、是非検証せねばね。
しかし、私はかつて、どうしてもコレがやりたくて真冬のスイス、
それもアルプスの山にまで足を運んでみたんですが…
当日、全然晴れ間もないし、14時すぎには日が暮れてしまうので
全然キラキラさせられず…そのまま下山という苦い思い出が…(涙
バナナも持ってくの忘れたから、あの懐かしいモービル1のCMを
再現できなかったので…いや、ホント。残念無念、って感じです(笑
50代以上のジジイ連中は当然…知ってますね、ええ(笑
ちょうど40年前、スーパーカーブームもあった時代ですよ。
私、昔から異常なほど好奇心旺盛なので、こういうのを見ると
試さずにはいられないのです。結局、当時は実現出来ずで、
仕方がないので液体窒素を使って再現して納得しました(笑
しかし!今回はちょっと期待が出来そうです。
ダイヤモンドダストくらいなら、何とかなりそうです、条件的に。
この日、正午時点でも千畳敷カールはこんなに寒かったですしね。
頑張れば山頂はまだマイナス20℃キープしてるんじゃね?って。
でも、体感温度としてはマイナス50℃以下でも、外気温としては
マイナス20℃程度なので…あまり極寒状態は望めませんけどね(汗
因みに、最高温度の経験は、デスバレーの砂漠で約52℃でした。
本当に死ぬかと思いました。50℃超えはマジでヤバいです。
車は常にオーバーヒート気味で、外を歩けばメガネで火傷する始末。
ダッシュボードのCDはグニャグニャ。汗が瞬時に塩化を起こすので
その塩化で顔面ボロボロ、唇からは出血…オススメ出来ません(汗
これも、子供の頃、夏休みにクソ暑いがやー!って文句言ったら、
デスバレーなんてそんなもんじゃねー!というのをやってたので、
だったら試しに行ってみようじゃないか!と、出かけただけです(笑
…閑話休題。
そして、ついに…千畳敷カールから、八丁坂を登り切り鞍部へ!
しかし、スマホは電源落ち、バッテリー残量ゼロで撮影は不可能。
ザックを下ろしてデジイチを出したいけど、怖くて出せません…(汗
1つは、氷点下でのデジイチ撮影は…ヤバそうです。
因みに参考までに…
マイナス10℃下で撮影した時のカメラがこちらだそうです。
…完全に凍っとるやんけ!(爆
しかし、関係資料?によれば…
使用条件下として0℃~40℃とはなっているものの、実際には
氷点下10度くらいまでなら液晶はともかく、カメラはイケるそう。
但し、レンズは別途ヒーターを用意しないとヤバいみたい。
で、帰宅してから探したら…やっぱりあるんですね、こういうの。
もう、末恐ろしいクソド素人なので…ほんと、何も知りませんで(汗
というワケで、今回は撮影はヤメようかと思っていたんですが、
下山時に奇跡的に?風が多少和らいだので、慌てて撮影開始。
その時の写真は下山時のものなので、下山編の時にでも…。
さて、今回は物語風に?長々とつづっていますが…まだ半ば(汗
千畳敷カールを登り切った地点が乗越浄土と呼ばれる鞍部です。
鞍部(コル)とは、山の尾根の窪んだ箇所のことで、その地形から
風が集まりやすいので、当然…強風なのは言うまでもないです。
それまで登ってきた運動量で汗をかいている状態で留まっていると
一気に身体が冷え始めてヤバいので、すぐに近くの宝剣山荘まで
移動して、ひとまず最初の休憩をとります…。
その時にすかさずザックにあるモバイルバッテリーでスマホに給電、
一時的によみがえったiPhoneで撮影したのがトップの画像でした。
この時、唯一撮れた写真ですが、個人的にとても気に入ってます。
なんかもう、とりあえずクソ寒そう!って感じは…すると思うので(笑
実際にはもっとキレイで、雪煙が太陽に反射してキラキラしまくり。
まさに、ダイヤモンドダスト。レリゴ~って歌い出したくなる感じ(笑
すぐにCGみたい…と言われますが、iPhoneで撮ったまんまです(汗
CGみたいな絶景を求めて険しい所まで撮りに行ってますからね。
多少雪壁が風を遮断しているとは言え、猛烈に寒い状況なので
スマホを出していられるのは5~6秒。シャッターは完全に"勘"です。
上手な方なら、キラキラした雪の結晶もきっと撮れてたでしょうね。
この時点で、私はゴーグルの内側が若干汗で水蒸気が発生した為、
完全に凍り付いてる状態。帽子も凍っていたのでカチンコチンで(汗
おまけに、目出し帽も呼吸で湿気を帯びたせいで完全に凍りました。
この辺が…一流アイテムを使っていないが故の弊害でしょうかね(汗
口元までも凍りそうで、言葉が上手く話せなくなるんですよね…(爆
正直、こんな極寒の下で肌を露出したら、数分で壊死するでしょうね。
二重にしていたグローブも外した途端、血液が凍るような感じがして。
ほんと、一瞬で何でもカチコチに凍ってしまう業務用冷凍庫みたい(汗
…身をもって体感温度マイナス50℃の世界を知った瞬間です(爆
ただ、マイナス20℃くらいなら、シャツにダウン1枚で耐えられる私。
身体の方は、全然平気でした。ぶっちゃけ普段の登山服でしたが(爆
11月に富士山に登った際も、遭難したらマズいって思ってたので、
常識的に?結構着込んだんですが…結局私にはそれは暑すぎて。
で、いつもダウンとかフリースって、着た試しがなかったんですよね。
今回はさすがに…と思ったんですが、結局…4枚着ただけでした(爆
Tシャツ下着2枚に、ユニクロの薄手のジャージ、そしてレインウェア。
なんかね、厚着が苦手なんですよね。汗かいちゃうし、動きが悪いし。
一般の人がこんなだと、心臓発作で死んじゃうので真似はしないで(爆
下着や肌着にメリノウール素材を着用してるのが相当デカいです。
そういや、前日たまたまテレビでこんなのやってたんですよね…。
マイナス15度の雪山で予算1万円の防寒対決…だって(笑
1万円の予算で、この極寒を耐え得る装備なんて…あるかしらん?
って思ったのですが、結構工夫次第で何とかなっちゃうもんですね。
そして、この企画で一番納得したのは…足先の冷えっぷり!
今回、冬用でなく、3シーズン用の登山靴にしたので、
若干心配ではあったんですが…やはり、心配していた通りで、
今回一番つらかったのは、足先の冷えっぷりでしたね。
歳を食ってから最近はやたら末端冷え性がネックになっていて、
こうしてPCを入力する際も手先用にヒーターを使ってるくらい(汗
冬用の登山靴は10万円近くもするので、とても私じゃ買えません。
しかし、このバカ高い差というのは、マイナス50℃でも耐え得る
防寒性、保温性だった…というワケです。ま、そりゃそうですよね。
勿論、冬用の靴下を用意してましたが、全然追いつけず。
今回は短時間ハイクなので何とかなりましたが、これが縦走なら
間違いなく凍傷になって、下山時には指切断…でしたね、ええ(怖
因みに、乗越浄土からすぐ近くにある宝剣山荘なんですが…
夏はこんな感じの、よくあるいわゆる山小屋ですが、この時は…
5m以上も雪に埋もれていたので、屋根の先だけコンニチハ(爆
この山小屋を壁にして風を避けて、カメラを取り出したりだとか、
装備品を整えたりしたかったんですが…見事、裏切られました(涙
しかし、まだまだコレは序の口。
本当に恐ろしいのは…この数十分後、すぐ先に待ってました。
最大風速:約40m
外気温:約-20℃
体感温度:約-60℃
標高:約3000m
因みに、風速40メートル以上になると…
軽ワゴン車が転がるんだってさ…(爆
…そりゃ簡単に死ねるワケだw
おかげで、この曲が脳内ヘビロテでしたよ、ええ(笑
せっかく脳内、レリゴ~♪ってファンタジー世界だったのに(涙
…というワケで?次回へ・・・つづく!!