9月下旬から観測していた
紫金山・アトラス彗星が…いよいよお別れの日が近づいてます。
10月20日~21日がラストチャンスだと散々言うてきましたが…どうやらそうなりそうです(涙
今日見えなかった人でも、21日は全国的に晴天予報が出てるので、本当のラストチャンス!
自宅のある名古屋市内でも、今日は20時頃から曇天で一部地域では雨マークでしたが、
月曜日は逆に曇天から再び快晴になっていくようなので、今日より確実に好条件っぽいです!
…というワケで、まずは本日の彗星。
今回も名古屋市街、とてつもない光害で深夜でも超絶明るい自宅からの観測になります(笑
そして、撮影はスマホのみ。もうここまで来ると超高感度カメラじゃないと変わらないんで(汗
まずは、iPhoneでフツーに彗星の出現している西の空を広角で撮影。
普段から天体観測されてる方ならもうすぐにどこに彗星があるか判りますよね(^^;
…って、さすがにわからないですよね、こんな場所じゃ(爆
日没から1時間経ってないくらいの時間でそもそもまだ空が少し明るかったんですが、
それでも彗星はギリギリ肉眼で見えてました。山奥であればこの時点で相当見えてますね。
もしも見えてなければ低空に薄雲が発生しているか光害の影響が考えられそうです。
彗星が誰でも探しやすいように、山座同定のように肉眼で見える星を写真に並べてみました。
右上端のベガと左上端のアルタイルは七夕でお馴染みの1等星です。物凄く明るいので
日没から15~6分もすればもう上空に見えて来る恒星です。
逆にこれが見えない人は、恐らく双眼鏡を使っても彗星は見えないと諦めましょう、ええ(爆

判りやすいと思うのは、この2つの超明るい星をみつけたら、ほぼ正三角形をイメージして、
3つ目のラスアルハゲを探します。これはへびつかい座で最も明るい星で2等星となります。
この2等星が見えてくると、それより若干暗くなってきている彗星が見えてくる時間です。
このラスアルハゲが見えてきたら、そのまま目線を下へ下ろしていくと、マルフィクという恒星が
見えてくるんですが、見かけとしてこの星のすぐ右側に彗星がひっついて見えてきます。
このマルフィクは大体3等星くらいで、一般人が肉眼で見える星の明るさのほぼ限界です。
真っ暗な山奥へ行けば5等星くらいまで見えるものですが、そこはもう視力の個人差もあるんで。
一般的にフツーの夜空でパッと見えるのはせいぜい3等星くらいまでだと思います。
逆にこのマルフィクが見えてない場合は、薄雲が発生している可能性もありそうですね。
で、このマルフィクと並んでる彗星も今回見た感じではほぼ同じくらいの明るさだったので、
尾も含めて現時点での彗星は最大でも2等星か3等星くらいかな、と思ってみてました。
ぶっちゃけ、2~3等星ってなかなか明るい方だと思うので、郊外なら余裕で見えたハズです。
何せ、こんな名古屋の超絶明るい街中で見えるくらいなんでね、しかも薄曇り(^^;
日没後75分ほど経過したところで一番よく見える状態になりました。それがこちらです。
へびつかい座のマルフィクと仲良く並んで右側に尾を引く紫金山・アトラス彗星があります。
これだけ地球から離れてしまうと彗星のコアの部分はどう頑張っても滲んで見えてしまうので
一般的なカメラだとピントを合わせようとしてもぼんやりとしかならないんですよね。
なので、逆にピンボケしたような光…点を見つけたら、きっとそれが彗星だと思います(笑
過去のヘール・ボップや百武なんかもそうでした。最終的にぼんやりとした点になりましたし。
太陽に最接近となる近日点から3週間以上経ってもまだこうして尾が肉眼で見えるのって、
なかなか凄いことだと思います。やっぱり生きてる内に見られる最期の肉眼可視彗星だなぁ…

因みにこれ、三脚も何も使わずにフツーに両手でiPhoneを空に向けて撮っただけです(汗
部屋の窓からでも見えてましたが、隣家の屋根とか邪魔くさかったので自宅前の道路に出て
スナップしただけなので、ちゃんと三脚なりミラーレスなりで撮ればかなり撮れてたでしょう。
肉眼で捉えることが出来たらiPhoneで強引に2~3倍ズームしちゃいましょう。
さらに頑張って
ナイトモードで3秒くらいジッと待てば彗星は誰でも確実に撮影出来ます。
因みに他にもいくつか小さい恒星が映ってますが、多くは3~4等星です。
iPhoneだと5等星はギリギリ映るか映らないか…映っても微妙な感じじゃないですかね?
今日の名古屋は午前中は風も強く冷え込んで快晴で空気も澄んでましたが、
昼過ぎから雲が増え始めて、夕方にはあちこちに雲が広がってこんな状態でした。

この写真でも…よーく見ると彗星は映ってるんですよね、半分雲に隠れちゃってますが(汗
先ほど解説したベガとアルタイルとラスアルハゲのほぼ正三角形がイメージ出来ればすぐです。
彗星がぼんやりしていてもマルフィクがワリとしっかり見えてるので発見しやすいです。
この状況は翌日もさほど変わらないと思うので、これを目安にして是非、探してみましょう。
明日はさらに高度も上がるんですが、低空に下がってくると薄くなってしまうので、
東海地方であれば、18:00~19:00のちょうど1時間がベストな観測時間になりそうです。
因みにベガとアルタイルで三角形と言えば、これにデネブという1等星を加えたものが
夏の大三角形と言われてますが、冬の大三角形と比べて正三角形でも何でもないので(爆
あまり好きではありません。まぁでも彦星様(アルタイル)と織姫様(ベガ)が主役ですからね(^^;
そんなワケで、週間予報や天気図を見た感じだと、火曜日以降は全国的に天気も崩れる上に、
その間にも彗星はどんどん地球から離れていってるので、実質見えるのはあと数日くらいです。
肉眼で見えるのも、明日でほぼほぼ最後じゃないでしょうか、よほど山奥に行かない限りでは。
BGMにはラッドの「前前前世」かバンプの「天体観測」あたりで…天体ショーを楽しみましょう(笑