
正月の慌ただしさからようやく解放された休日の朝。5時半にセットした目覚まし時計のアラームにたたき起こされ、眠い目を擦りながらベッドから抜け出します。荷造りを済ませライディングウェアを着込み、耳を刺すような張り詰めた朝方の空気の中、RC46型V4エンジンを始動。前日に初洗車を済ませておいたおかげでイタリアンレッドのカウルは輝きを帯びています。リアシートの荷物の固定をしっかりチェックし、ヘルメットのストラップを締め、パーキングスペースからゆっくりと滑り出し、活動前の環状8号線へと合流しました。
第三京浜に乗り込む時には空はうっすらと明るく東雲の様相となり、まだ交通量の少ないハイウェイを巡航速度で走ります。全身に打ちつけられる冷気を避けるように頭を屈め、MotoGPばりの前傾姿勢のもと、法定速度で3車線の左側を走行。大型トラックを風除けに利用させてもらいながら保土ヶ谷PAにピットインし、ホットコーヒー片手に今日のルートを確認です。
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湘南・茅ヶ崎・大磯
スマートフォンのナビに目的地をセットし、グローブをはめて本線へと合流。横浜新道をトレースした後は、交通量の多い国道1号線で繋いで、海岸線をなぞる国道134号線へと抜けます。湘南、茅ヶ崎、大磯を結ぶ幹線道路であり、そのトラフィックの多さゆえZ4の場合は避けて通るコースですが、バイクで海沿いを走るのは実に気持ちの良いもの。白波の上を自由自在にスライドするサーファーを横目にしながら、地元ナンバーのアメリカンバイクと共にミドルクルージングを満喫しました。
平塚市に入ったところで舵を切り、林間路で標高を稼いでいき、ヒルトップに聳えるテレビ塔を頼りに湘南平にちょっと寄り道。標高181mの頂上にある高麗山公園からは、弓形の相模湾を眼下に一望する事が出来ます。まだライディングに慣れていない故、早くも両手の付け根の筋肉に気怠さを感じ、公園内のベンチに座って手首のマッサージがてら小休止。陽光煌めく大海原を眺めていると、どこからともなく野良猫が寄ってきて、ポカポカ陽気に誘われて暫し一緒に日向ぼっこをするのでした。
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相模湾に続く水平線
国道1号線に復帰し、西湘バイパスを間借りした後は、伊豆半島のシルエットをなぞる国道135号線へとスイッチします。緊張感のないのんびりとしたシーサイドラインを進行し、県道739号線にルートチェンジした後は、真鶴半島の突端へと続くローカルロードを闊歩。下半身に響くV4エンジンの鼓動と聴覚を刺激するデュアル・センターアップマフラーからの咆哮に酔いしれながら、シャープな切り返しを嬉々として駆け抜けます。
終点の駐車場にVFRを停め、断崖にレイアウトされた遊歩道を少し歩くと、突端からポツポツと岩山が点在する三ツ石が見えてきました。真鶴岬の先は緩やかな曲線を描く水平線が広がっており、名勝と言うだけあって中々壮観。風は殆どなく、穏やかな表情を見せる水面と荒々しい風貌のリアス式海岸で構成された東伊豆のジオパークに心も洗われます。
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Like a Wind
県境を越えて静岡県に入ると、国道135号線は風光明媚な臨海線となります。交通量は多く進行速度は鈍りますが、頻繁にストップ&ゴーを繰り返すわけでもないので、信号待ちを休憩がてらにしながら、VFR800に跨りライディング。しかし、当初の目論見では伊豆半島南端部に位置する弓ヶ浜まで行こうと思っていましたが、意外とタイムロスが大きかったので、一碧湖での小休止を挟みつつ、伊豆高原駅辺りでノーズを内陸部へと向けます。県道112・111号線を繋いでいき、標高に比例するように徐々に下がっていく気温を全身で感じつつ、伊豆スカイライン天城高原料金所のゲートを潜りました。ギアをニュートラルに入れて、グローブを外し、タンクバッグから小銭を取り出し、領収書を受け取って、グローブをはめ直し、リスタート。バイクだと料金所での小銭の支払いにも手間がかかります(汗)。
ここからは、総延長40kmを誇る伊豆の背骨とも言える稜線上のライディングロードが始まります。前半は林野に囲まれた起伏に富んだハイスピードセクションであり、排気量800cc・80馬力のミドルクラスツアラーにとっておあつらえ向き。管理が行き届いた有料道路ゆえ路面のNVHは極めて低く、等高線をなぞる白いセンターラインを追いかけながらスロットルを開ければ、恍惚モノのドライビングプレジャーが炸裂するのでありました。
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心地良い遠心力
亀石峠のパーキングスペースにVFR800を停めてショートブレイクを挟みつつ、雪月風花の景色が広がる後半セクションへと向かいます。バイザー越しに見える駿河湾の先には、残念ながら名峰富士を望む事は叶いませんでしたが、標高720mの玄岳をヒルトップとして大きな弧を描くハイラインは、筆舌に尽くしがたい快感のオンパレードであり、思わずアクセルを緩めてしまうのも無理はありません。
重心をバイクに預け、ブレーキと共に荷重を内側に寄せ、右手のリリースを皮切りに姿勢を傾け、アクセルオンでコーナー出口へと駆け抜ける。まだまだぎこちない動きではありますが、240kgの赤馬と共に遠心力に身を任せる感覚は何とも心地良い体験であり、乾いたエキゾーストノートをBGMに心躍りながらワインディングを謳歌するのでありました。
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寒さ > アドレナリン
サイドミラーに映る長閑な風景に別れを告げ、終点の熱海ICの料金所を抜けた後は、県道20号線~箱根新道で家路へと向かうことに。徐々に色温度を失い暮色蒼然となった空を従えながら麓へと下りると外気温は少し暖かくなりましたが、小田原・厚木道路を走っているうちに、全身に打ちつける風は容赦なく乗り手の体温を奪っていきます。アドレナリン全開で走行しましたが、厚木JCTに着く頃にはあえなくギブアップ。コンビニの缶コーヒーで暖を取りつつ、GOLDWINのウィンターグローブをはめて、国道246号線でのんびりと都心方面へ。家に着くまで2回の休憩を挟みながら何とか自宅へ辿り着き、早々に熱いお風呂に飛び込むのでありました。
Posted at 2017/01/13 20:56:36 | |
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VFR800 | 日記