
世間では今年は暖冬との声も聞こえてきますが、北関東の山間部や信州は既に冬季閉鎖や凍結注意のアナウンスが飛び交っています。
かと言って家でぬくぬく転がっているのは本望ではありません。折しも天気は晴れマークが連続しております。荷物を整えてツーリングマップルを携え、Z4のイグニッションをオン。夜明け前の都心の環状線をすり抜け、東名高速道路を西へと進みました。
やや交通量の多かった3車線も、御殿場JCTを過ぎ多くの車両が新東名へと流れていき、トラフィックは激減。徐々に色づき始めた東の空を従えながら、ハイウェイクルージングを謳歌しました。
合流地点の三ヶ日JCTで一時停滞したものの、伊勢湾岸道へと乗り換えると名古屋港を眼下にしながらの気持ちの良いハーバーロードへと変貌。東京で言うとレインボーブリッジやベイブリッジのような雰囲気ですが、ナガシマスパーランドの観覧車や巨大なガントリークレーンを眺めながらのドライブは結構お気に入りです。
その後、東名阪自動車道へとチェンジし、鈴鹿IC付近で僅かに渋滞に嵌りましたが、概ね往路は順調そのもの。伊勢西ICで市街地へと下り、伊勢志摩スカイラインの料金所へと辿り着きました。
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総延長約16kmと短いものの、伊勢~鳥羽への単なるバイパスでは片づけられないドライバーズロードです。料金所のおじさんに通行料を支払い、アクセルオン!ボンネットに収まるN52B25A型直列6気筒エンジンが奏でるミュージックに酔いしれながら、朝熊山の山肌にレイアウトされたワインディングロードを駆け上がります。
稜線へ顔を出すと、伊勢湾へ飛び込んでいくかのようなダウンヒルが待ち構えています。頂上の空気は冷え込みが厳しいものの、陽が差し込めばその冷たさも心地良く感じるもの。シートヒーターのスイッチを1段階上げて、燦爛たる伊勢の島並みを横目にしながらの好走路を楽しみました。
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鳥羽へと降り立った後は、県道750号線・128号線で形成されるパールロードをトレースすることに。昨年訪れた際は交通量が多く印象に残らない道でしたが、今回は交通量が少なくマイペース走行。小刻みに現れるコーナーをターンしながらアクセルを踏み込めば、駆け抜ける歓びを存分に味わうことが出来る素晴らしいシーサイドロードでした。
高揚に身を任せて走っていると、あっという間に志摩市へと到着。ここで県道514号線で寄り道し、海岸線に車を停めてランチタイムです。小さな商店からの良い香りにおびき寄せられ、七輪で焼かれた牡蠣とコンビニで仕入れたおにぎりを食べながら、ゆっくりとした時間が流れる伊勢湾のさざ波の音に暫し脱力状態となってしまいました。
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冷えたペットボトルのお茶を飲み干しリスタート。ボードコンピュータの示す外気温は10℃であり、冬の陽光降り注ぐ天気に恵まれた事もあって、シートヒーターとエアコンをOFFにしても丁度良い気候です。
長閑な県道61号線をのんびりと流し、第二の寄り道である大王埼へ。灯台へと続く細長い歩道沿いには多くの真珠店が立ち並んでおり、文字通りの「パールロード」。やや廃れた感がありますが、断崖絶壁のリアス式海岸に建てられた灯台の物悲しさと相まって、最果て感満載の観光スポットでありました。
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冬の日中は短いもので、太陽は少しづつ傾きを強めていきます。国道260号線で御座岬周辺のキャンプ場を偵察したところ、どこも冬季休業の閑古鳥状態。仕方なく志摩市内へと戻り食材を仕入れた後、県道17号線を乗継ぎ西へと向かい、国道沿いにある南張海浜公園へと到着しました。
ここは、公園内に無料のキャンプスペースがある穴場スポット。しかも堤防の上からは太平洋に沈む夕日を眺める事が出来るという随一のロケーションです。
公園の一角ゆえキャンプ感はゼロですが、椰子の木が立ち並ぶ南国の雰囲気漂うフリーサイトを独り占め(と言うよりは独りぼっち)で夜を過ごすのでありました。
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2日目のAM6:30起床。伊勢の半島の突端部から現れた日の出を眺め、凍える手でお湯を沸かしインスタントコーヒーで暖を取ります。フライシートに纏わりついた夜露を払い撤収を済ませ、Z4のエンジンを点火。似合わないサングラスをかけて国道260号線へと復帰しました。
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尾鷲方面へと続く海岸線の道は、ローカル感満載の何もない道。そんなツアラーロードだからこそ走る楽しみに没頭出来るわけで、ハイペースで飛ばすスバル・レガシィのテールランプを見失わないようアスファルトを蹴り上げ進みます。道中には巨大な船舶が停泊しており、港町らしい潮騒を感じられる快走路でありました。
紀北町からは無料区間の紀勢自動車道で南下し、尾鷲市内を通過した後は、国道311号線へとステアリングを切ります。ここは、ツーリングマップルでもおすすめコースとなっている半島をなぞる中速メインの林間路。木漏れ日が降り注ぐマイナスイオンたっぷりの道はオープンドライブ冥利に尽きる環境であり、右に左に現れるカーブを嬉々として駆け抜けました。ややもたつき感があるものの、4輪に履かせたNEXEN N8000も要所でグリップを発揮してくれます。
半島に面する賀田湾は時間が止まったかのようなのんびりとした雰囲気であり、雲一つない青空のもと、頭上で弧を描き旋回するカモメに見とれながら、暫しクールダウンの小休止となりました。
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国道42号線に復帰し、新宮市方面へと向かいます。海沿いに出ると交通量の多い面白味の無い幹線道路に成り下がったため、県道141号線オレンジロードへとルートチェンジ。案の定、こちらは地元の車しか走らないような山間部の村々を繋いでいるローカルロードであり、しめしめとほくそ笑みながら進行しました。
なんて余裕をこいていたら、復帰した国道42号線那智勝浦新宮道路が市屋まで延伸されており、カーナビに表示されずに那智勝浦ICを素通り。市屋でUターンし目的のICに辿り着き、県道46号線で熊野那智大社を目指しました。
ぐいぐいと標高を稼いでいくと、沿道は観光地化された街並みとなり、駐車場へと誘導するおじさん・おばさんだらけ。全て受け流しながら進んでいくと、道幅が狭くなった林間路へと突入します。地図上では那智山スカイラインと名付けられていますが、薄暗い森の中を何とか脱出すると、那智山見晴台が見えてきました。
那智勝浦の市街地を一望できるビュースポットは車1台人っ子1人いない穴場的な存在であり、ベンチに腰掛け湯を沸かしコーヒーを淹れ、サンドイッチ片手のランチタイムを味わいました。
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お腹も満たされたところで下山を開始し、新宮まで戻った後は内陸部へと方向転換することに。新宮川とクロスラインを描く国道168号線は、緩やかな曲率がかけられたアップダウンを伴う直線主体の高速クルーズコースであり、交通量は多いものの各車両の走行ペースは速く、川沿いの開放的な景観美を堪能しながら一気に紀伊半島をトラバースしました。
コスモ石油で給油を済ませた後は、道の駅熊野古道中辺路で休憩がてらこの先のルートを検討。ここまで来たら白浜方面まで半島を横断してしまおうと思い、じゃらんで宿を確保し、国道311号線をひたすら走る一本勝負に決定しました。
何か観光スポットがあるわけではなく、風光明媚とも言えない道ですが、紀州にはこうした走る事に没頭出来るカントリーロードに溢れかえっています。いやはや、羨ましいにも程がある。
紀伊田辺に到着すると、海岸線は穏やかな水面と風に揺られる椰子の木が続いており、まさに南国気分。
ホテルでコンビニの夕飯を食べながら、明日のルート選定に勤しむのでした。
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3日目の朝、窓の外には朝日に照らされたエストリルブルーの海が映っていました。
チェックアウトを済ませ、暖機をしたZ4に乗り込み、県道29号線へ。ツーリングマップルにはトラックが多い街道と書かれていましたが、交通量はそれ程多くなく流れはスムーズであり、良い感じの山岳路が続きます。奇絶峡の先の国道424号線には日本一のヤッホーポイントと呼ばれる大きな吊り橋があり、構造体はしっかりとしているものの足元は金網でシースルーとなっており、とても下を見下ろす気にはなりません。(震)
高野龍神スカイラインはチェーン規制の表示があったので次回に持ち越し、国道424号線経由の国道480号線をアプローチラインに選択しましたが、これが中々の快走路。iDriveナビゲーションが示していた到着予想時刻を1時間以上縮めるツアラーロードであり、開いた口が塞がりませんでした。(笑)
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随分とハイペースで進んできたので、ここで脇道に逸れ案内板に従い生石高原へ。標高870mの生石ヶ峰の麓に広がるススキの原であり、原野の中心に立つと、風に揺れ擦れる穂の音のみが響き渡ります。
360°パノラマで広がる秋の風物詩は壮観であり、間もなく雪景色になるであろう黄金色の丘陵地帯に暫し眼を細めるのでありました。
なお、生石高原にはキャンプ場も位置しており、夏場には格好の避暑地となるのでしょう。ここから眺める夕焼けや日の出は格別である事は想像するに容易いです。
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生石ヶ峰に別れを告げ、奈良県を跨ぎつつ、紀伊半島ツーリングのラストハイライトとなる青山高原へとノーズを向けました。昨年2月のツーリングでも訪れたウィンドファームですが、32基の巨大な風力発電機が布引山地に連なる景色は壮観。穏やかな起伏で構成されたハイランドロードは、路面は荒れているものの凍結の心配は無し。終わりが近づきつつある旅に哀愁を感じつつも、ヒルトップからの伊賀盆地と伊勢湾の自然美を眼に焼き付けるのでありました。
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帰りは亀山JCTで渋滞するものの、それ以外は巡航速度を保ちながら東名高速道路へとスイッチ。鮎沢PAで夕飯を頂きつつ、頭上で儚く光る星空を眺めながら最後のファストランへとアクセルを踏み込むのでありました。
冬場のドライブコースは限られますが、紀伊半島はこの時期であればどこを走ってもほぼ問題ありませんでした。高野龍神スカイラインは次回への持越しとなりましたが、それ以外の走って楽しい道が盛りだくさんであり、まだまだ未踏のドライバーズロードが隠されている事でしょう。