
今回グランド・ツーリングの新たな相棒となったHONDA VFR800。
そもそも縁もゆかりもなかった2輪車を購入する事になったきっかけから、数多の種類のうちVFR800を選択するに至った経緯までを、記憶が薄れないうちに備忘録的に記しておくことにします。
01 posted by
(C)per
02 posted by
(C)per
03 posted by
(C)per
04 posted by
(C)per
私にとっての"グランド・ツーリング"
ブログのタイトルにもなっているグランド・ツーリング。言葉の起源はわかりませんが、私の場合は故・徳大寺有恒氏著の「ああ、人生グランド・ツーリング」をルーツとして使っております。内容については私が語るに及ばず、読んで頂ければと思いますが、ロマンやノスタルジーの観点から、人生≒旅という概念が植え付けられた印象的な書籍でした。(肝心の本は見つからず何処かへ・・・)
一方、私は元来からあまりセンチメンタルな脳みそではなく、どちらかと言うと数字とロジック思考に寄った性格であり、この本も当初は適当に読み流して済ませていました。しかし、人間というのは簡単に思考回路が変わるもので、「旅」というワードが持つ憧憬、孤高感、哀愁、高鳴り・・・そういったものへの憧れに近い感覚が、ロングツーリングに駆り立てるリソースとなっているのかもしれません。
そんなグランド・ツーリングをこれまで幾度となく敢行しておりますが、今まで自動車しか運転してこなかった事から、至極当然のように4輪車を操る楽しみを軸に走り回ってきました。ドライブ中にバイクと一緒に走るシーンも多々あり、4輪車とは異なる2輪車の美しいコーナリング姿や、獰猛で強烈なエキゾーストノートに好奇心を唆される事もありましたが、よし、バイクを買うぞ!というモチベーションまで考えが飛躍するには至らなかったのが実情です。
05 posted by
(C)per
06 posted by
(C)per
07 posted by
(C)per
08 posted by
(C)per
09 posted by
(C)per
バイクに魅了されるまで
前車のスープラ、そして現在のZ4に乗り込み、2013・2015・2016年と北海道に足を運んでいますが、言わずもがなですが北海道と言えば、リアキャリアに大量の荷物を括り付けてカントリーロードを走るバイクです。あの風貌はいかにも旅をしているなぁと思わせてくれますね。特にキャンプ泊を始めた2015年からは、幕営地で様々なライダーと会話する機会も生まれ、バイクで旅をする素晴らしさの片鱗を感じる事が出来ました。
私をキャンプの世界に引きずり込んだ張本人である会社の同僚Iさんは、長年スーパースポーツと呼ばれるカテゴリに区分されるバイクに乗っていたライダーであり、色々と雑談をする中で2輪車の醍醐味や旅話を耳にする事が多かったです。いかんせん乗った事がないので話半分しか理解しておりませんでしたが、ライディングの爽快感からバイク乗り同士の絆・連帯感まで、ビール片手に夜な夜な話し込んだりしました。また、大学時代の先輩であり会社の同僚であるYさんも、ドゥカティやMVアグスタ、モトグッツィといったマニアックな個体に乗っていたライダーであり、よくよく考えてみると私の周りには隠れライダーが多かったのかもしれません。今思い返してみれば、この辺りで既に私のオートバイというモービルに対する興味はかなり高まっていたのでしょう。
私にとってグランド・ツーリングは、非日常であり現実からの逃避であり、予期せぬ遭遇・巡り合いへの期待であり、時として予定を組まず気の向くままに放浪する事を意味しています。そう考えると、実はバイクってグランド・ツーリング向きなのでは?と思い始めたが最後、気づけば教習所に足を運んでいた次第であります(笑)。周りに影響されやすい人間の典型かもしれません。
10 posted by
(C)per
熱い、重い、寒い、難しい、でも楽しい
大学生だらけの雰囲気にジェネレーションギャップを感じつつも、教習所に通い始めたわけですが、いかんせんバイクという乗り物に対する経験が一切ありませんので、最初は生まれたての小鹿のようにビクつきながらの操縦でした。そもそも200kg以上の巨体を自立させる事に漠然とした不安を抱いており、当たり前ですがチャリンコや原付とは全くの別物。初日に感じた「本当にこれ乗れるようになるの?」という焦燥感は今でも覚えています。
そしてバイクというのは重いだけでなく、エンジンが股下にあるのでジェネレーターの熱が人間に直に伝わるもの。長時間乗っていたり止まっている時間が長いと、かなり熱いんですね。かと言って薄着だと今度は走行中に風で体温を奪われ寒く感じ、特にハンドルを握る両手は10月中旬の陽気でも悴むようになり、停車中はよくエンジンを触って暖めていました(笑)。
熱い、重い、寒い、そして操縦が難しい。こうして書き起こすと何で2輪車に乗ろうとしているんだろうと訝しげに思われるかもしれませんが、それでも楽しいという感覚が十二分に勝る体験でした。共に支え合いながら風を切って走る、私のボキャブラリーでは到底表現しきれませんが、徐々にバイクの魅力にどっぷり浸かっていくのであります。
加えて、大型二輪の教習で感じた荷重移動の楽しさは、私のバイクに対する視野を限りなく広げてくれました。中型の教習ではようやくバイクに乗る事に慣れた位で、漠然とシートに跨る乗り方でしたが、アクセル&クラッチワーク・ブレーキコントロール・ステップワーク・ライディングポジションを組み合わせてスラロームを駆け抜けた時に、これは楽しい!と感激したのがとても印象的です。
11 posted by
(C)per
12 posted by
(C)per
13 posted by
(C)per
14 posted by
(C)per
15 posted by
(C)per
16 posted by
(C)per
VFR800を選んだ理由
幸い、中型免許・大型免許とスムーズに取得し、いよいよバイク購入のフェーズに入る事に。因みに、私はこれまで2輪車はほとんど乗った事がないので、バイクの知識など微塵も持ち合わせておりません。どの位知らないかと言うと、2輪メーカーのドゥカティと4輪メーカーのブガッティを同じメーカーだと認識していた程のド素人。ロゴマークが似ているように見えたのか?名前が似ているので同じと思ったのか?つい最近まで、8.0L W型16気筒エンジンを載せたモンスターマシンを作るような頭のネジが2、3本ぶっ飛んだ会社が扱うバイクは、さぞかしクレイジーなマシンなのだろうと思っていました(呆)。
教習所での相棒は、ホンダのCB400SFとNC750であり、一般向けに販売されている車両に対し乗りやすさ重視のモディファイが施されているとのこと。それゆえこの2台は非常に扱いやすく、特にNC750は極太のトルクとナナハンの排気量の組み合わせで、街乗りも高速もそつなくこなしてくれそうでした。
とは言え、自らのバイクを選ぶ上でまずは各メーカーのラインナップを把握しなければ、どれにするんだという道しるべさえままなりません。会社の同僚にバイクの種類や特徴、メーカー毎の特色を聞き、本屋に並ぶバイク雑誌に目を通したりする事で多少の知識は頭に詰め込み、旅向き&スポーツライクな車種に絞り込んでみました。
1. ホンダ CBR1100XX
ハイスピードツアラーの申し子。会社の同僚の兄弟が昔乗っていたモデルで、話を聞いているうちに興味が湧きました。見た目では諸元以上に大柄なフォルムであり、その存在感は圧倒的です。
2. スズキ GSX-S1000F
スズキのツアラーと言えば隼かもしれませんが、その巨漢なサイズに圧倒され、もう少しイージーライドな方が良いなと思っていた所で見つけた新型のリッタークラスモデル。装備重量214kgという大型にしては比較的軽量な点が特徴。
3. ヤマハ XJ6ディバージョンF
ヤマハと言えばエンジン屋というイメージ。並列4気筒エンジン+軽量ボディの組み合わせは興味が湧きます。着座位置が低めで比較的乗りやすく、ロングランにも向いてそうです。
4. ホンダ VFR800F
ホンダ・サンクスデーで、キャンプ泊をした際に見かけたVFR800F。外装デザインに関しては非常に洗練されており、ビジュアルは満点。V4エンジンが珍しく、フルパニアの統一感も素敵です。
5, BMW F800 GT
大陸移動を視野に入れた欧州ツアラーの中で、ミドルクラスのモデル。長距離ロングツアラーと言えばBMWという位、旅向きのバイクが幅広くラインナップされています。タンデムシートも広々としており、2人乗りも快適そうなスタイルが特徴。
絞り込んだは良いものの決定打がなく悶々と悩んでいたのですが、中古屋さんでぷらぷら眺めていた時に出会ったのがRC79型VFR800Fの先代にあたるRC46型VFR800。迫力あるセンターアップマフラーの後ろ姿にやられてしまいました。長々と書き連ねてきましたが、要は最後の決め手は見た目です(笑)。
タンデムシートも上記5車種において比較的大きめですので、積載量もまずまずであり、トップケース付きでの販売だったので、スタートアップのモデルとしてはベター。カウルには転倒と思われる傷がありましたが、どうせ私も通る道かと思われますので充分目をつぶる事が出来ました。
BMW Z4が直列6気筒自然吸気エンジンなのに対し、VFR800はその名の通りV型エンジンで4つのシリンダーを有しています。バイクの直4エンジンはモーターのように吹け上がる滑らかなサウンドを放つタイプであり、Z4に似ている感じがしたので、棲み分けを図る上でも鼓動感を持つV4エンジンは魅力的でした。
色については、Z4がミネラル・グレーのカラーなので、オートバイは鮮やかな彩色にしようと思い、真っ赤なイタリアンレッドをチョイス。普段は原色を選ぶような趣向ではないのですが、今振り返るとこれは赤色を選んで正解でした。因みに、ホワイトカラーのカウルで全身青色の服&白色ヘルメットだと、完全に白バイ仕様になります(笑)。
そして約1ヶ月の手続き・点検ののち、30,000km走行の中古のVFR800が、免許取り立てのど素人ライダーのもとに届くのでありました。
最終的にはビジュアル一発で決めてしまいましたが、お値段もお手頃だったのも大きな要因の1つでした。これはバイク装備の価格帯が大きく影響するのですが、その話はまた別の機会にでも。
17 posted by
(C)per