
カタログ紹介、今回は今なおホンダのフラッグシップとして君臨する
レジェンドの初代モデル。昭和62年9月発行の前期マイチェン時版です。
ホンダの空白区だった高級車市場に参入するべく、当時提携していた
イギリスのBL(後のローバー)との共同開発で昭和60年デビュー。
このクラスではまだ珍しかったFF・横置きレイアウト、国産車初の
エアバッグ装備等、話題の多いクルマでした。
そのスタイリングは英国仕込みのフォーマルさにブリスターフェンダーで
力強さを取り混ぜた、それまでの高級車とは一線を画すものでしたが、
まだ当時はでっかいメッキグリルに角ばったボディのアメ車風スタイルが
主流だったので、高級車としては物足りなさを感じましたね。ただすぐに
他社がこの流れに追随、新しい高級車の方向性を導いたクルマではありました。
セダン最上級のXiエクスクルーシヴ。エクスクルーシヴシリーズは
このマイチェン時に追加されたプレミアムグレードで、エアバッグ、
本木目パネル、リヤオーディオリモコン、本革シート(OP)を装備。
Xi。2.7Lエンジン搭載の上級グレードで、オートライト、運転席パワーシート、
ウール100%のモケットシート等を装備。
マイチェン直前に加わった2ドアハードトップ。伸びやかなスタイリングは
セダンより余裕を感じますね。
上級版のエクスクルーシヴ。セダンXiのそれと同等の装備。
2ドアハードトップ(標準グレード)。2ドアは全車2.7Lエンジン搭載。
セダンXiの装備に加え、電動ガラスサンルーフ、フォグランプ、2トーンボディカラー、
電動シートベルトチーチャー、4輪A.L.B.(=ABS)、本革シート(OP)等を装備。
低く構えたダッシュボード、ガングリップタイプのシフトノブ等
当時のホンダらしさが漂うダッシュ周り。
無機質に四角く大きいエアバッグのパッドが初々しいですね。
ただしチルト機構が付かず、まだ発展途上でもありました。
高級車の証、本革シートはエクスクルーシヴ系と2ドアHT全車に
OPで用意されてました。
エンジンはすべてV6・SOHC。マイチェンで当初2.5Lだったセダンも2ドアHTに
搭載の2.7L・C27A型(180ps)に統一。ほか2L・C20A型(145ps)の全2機種。
ミッションは電子制御4速ATと、エクスクルーシヴを除く2L車には5速MTも設定。
サスはセダンが前・ダブルウィッシュボーン/後ストラット、2ドアHTは
4輪ダブルウィッシュボーン。ブレーキは全車前ベンチレーテッドの4輪ディスク。
国産車初のエアバッグに4輪A.L.B.(当時のホンダのABSの呼称)、
安全対策も第一級でしたね。
天童木工製の本木目パネルも話題になりましたね。
その他シートにも国産初100%ウールシートを採用するなど
インテリアの素材にもこだわった作りになってます。
注目装備。2ドアHTにはサンルーフが標準装備、ドアの開閉に連動して
シートベルトタングが動く電動リーチャーやリヤクオーターウインドーも
電動開閉式、ツイーター付きオーディオ等贅を尽くした装備が付きます。
2L最上級のGiエクスクルーシヴ。Xiのそれと同じプレミアム装備が付きます。
Gi。オートエアコン、オーディオリモコン(メーターバイザー)、ブロンズガラス、
キーレス、OPでデュアルエアコン、エアバッグ等を装備。
Zi。チルトステア、集中ドアロック、クルコン、エアコン、カセット、
電格カラードミラー、ホイールキャップ、OPでサンルーフ、2トーンボディカラー、
A.L.B.等を装備。
最下位グレードのMi。パワステ、パワーウインドー、AM/FMラジオ、
リモコンミラー等を装備。鉄チンホイールが貧相ですが、装備削ってでも
V6乗りたい向き、というよりかはわざわざフェンダーミラー仕様を掲載
(標準はドアミラー)するあたり、法人需要も狙ってたんでしょうかね?
全車の当時価格帯はセダンが223.0~364.4万円、2ドアHTが385.0~413.0万円。
最後にスペック。セダン:全長4690~4810㎜・全幅1695~1735㎜・全高1390㎜、
HB2760㎜、車重1270~1370㎏。2ドアHT:全長4775㎜・全幅1745㎜・全高1370㎜、
HB2705㎜、車重1410㎏。タイヤはセダン2L車・185/70R14、2.7L車・195/65R15、
2ドアHT・205/60R15。
初の高級車としては概ね評価は良かったと思いますが、前述のとおり、
それまでの高級車概念とは異なる機構やスタイリングで高級感に乏しいと
感じる面があったのも否めず、いまいちパッとしないイメージでした。
そこで翌年の後期型でカンフル剤を入れてきます。次回に続く・・・