
カタログ紹介、今回はバブル時代を代表するクルマから、ユーノス・コスモ。
平成2年3月発行のデビュー時版です。
新たにユーノスの屋号で4代目にフルチェンしたコスモは、初代である
コスモスポーツ以来のロータリーエンジン・2ドアクーペ専用モデルに回帰。
3代目でルーチェの兄弟車になり、そのルーチェがフルチェンしても同調せず
細々と継続販売され、もはや死に体同然となっていたコスモが、そんな過去を
一気に忘れさせるようなくらいの復活劇には驚いたものです!
2ドアながら無駄にデカいボディに小さなキャビン、一見したら悪口ですが
キャッチコピーである「クーペ・ダイナミズム」をとことん追求し、それを
如実に再現したある種の誇りのようなものを強く感じ、惚れちゃいましたね~
この頃のマツダ車はヌメッとした曲面デザインがトレンドでしたが、
コスモスポーツを彷彿とさせる直線に伸びるサイドラインを設けた事で
引き締まった印象を持たせてましたね!
ダッシュ周りは近未来風で「コスモ」の名に合う造形ですね~
正しくバスタブのような包み込むインテリアデザインを作り出す技は、
ペルソナでインテリアイズムを追求したマツダならでは。タイプEには
タンカラーがシブい本革インテリアになりますが、シートやステアリング
のみならずダッシュ周りやドアトリムにまで張り巡らす徹底ぶり。
ユーノスコスモの最大のトピックは、やはり市販車世界初の3ローターエンジン、
20Bですね。12気筒レシプロエンジンに匹敵する性能を謳いますが、実燃費も
リッター2kmと言われたほどの極悪さが話題でしたね(^^;)
2ローターの13Bも搭載されますが、重い20Bより13Bの方がハンドリングが
良かったとの話も聞きましたね~
もう一つ注目だったのが量産車世界初のシーケンシャルツインターボ。
これらを介して20Bは自主規制いっぱいの280ps/41.0kgm、13Bも
230ps/30.0kgmのハイスペックを叩き出しました。
足回りは前Wウィッシュボーン・後ツインダンパー付マルチリンクのサスに
4輪Vディスクのブレーキ。このクラスにありげなエアサスや電子制御サスは
採用していなかったんですね。
装備ではこれまた世界初、GPSカーナビ「CCS」。現代のナビと比べると
画面も小さく画像もちゃっちいですが、当時は画期的でしたね!
ラグジュアリー志向のタイプEのほか、スポーティーなタイプSもラインナップ。
ハードチューンのサス、50扁平の16インチタイヤ、バケットタイプのスポーツ
シート等走りに振った内容。
ラインナップ。
タイプEとタイプS、それぞれに20Bと13Bを搭載。ミッションは全車電子制御
4速ATのみ。
タイプE。当時価格20B・465.0(CCS装着車530.0)/13B・370.0万円。
ブロンズガラス、ポジションメモリー付電動チルトステア(20B)、クルーズ
コントロール、天然杢パネル(20B)、CDデッキ、CDチェンジャー(20B CCS)、
本革製インテリア、キーレスエントリー、電動リクライニング・スライドシート
(運転席・助手席)、215/60R15 90Hタイヤ(20Bはレグノ)等を装備。
タイプS。当時価格20B・420.0/13B・330.0万円。
バケットタイプフロントシート、電動サイドサポート(運転席)、ハードサス、
225/50R16 92Vタイヤ(ポテンザ)等を装備。
装備表。タイプE・タイプS共通でプロジェクターフォグランプ、電動格納ミラー、
クォードテールパイプ(20B)、パワステ、本革製ステアリング・シフトノブ、
AM/FMラジオ+カセット、パワーウインドー、パワードアロック、パーソナル
コントロールオートエアコン、電動チルト・ランバーサポート(運転席)、
ビスカスLSD(20B)、4W-ABS(20B)、アルミホイール等を装備。
諸元表。
シートはタイプEにタンカラーの本革、タイプSはジャガード地。
カラーバリエーション。全車共通の全6色。
最後に寸法図。
平成8年まで販売。バブルの終焉に伴い後継車も無く絶えてしまいましたが
こんなクルマもう二度と出ないでしょうね・・・
当時のCM。