ファミリアと共にマツダの看板車種であったカペラが平成3年フルチェン、
その際新たにクロノスと名を変えデビュー。当時の5チャンネル体制の
主幹モデルとして、先代カペラのメインだったセダンをクロノスが継承。
写真は途中で追加されたV6・2500搭載のトップグレード、25グランツーリスモ-X。
当時のマツダのデザインスタディだった曲面多用のスタイリング。
V6エンジンの搭載やボディサイズの拡大で3ナンバー化された事もあり
ミドルクラスながら上級感が格段にアップ!
写真はV6・2000搭載の20VG-X。
このクロノスを核に、5チャンネル全てに車名の異なる兄弟車を設定し拡販を
狙いましたが、得体の知れない名前がズラズラ並んで訳ワカメ状態。これに
バブル崩壊によるタイミングの悪さも加わり会社が傾くほどの不振を招いた
いわゆる「クロノスの悲劇」を生んでしまいました・・・
写真はV6・1800搭載の18VLサルーン。
25グランツーリスモ‐Xのダッシュ周り。エクステリアに連動した曲面デザイン、
そつない仕上がりですね。
ワイドボディー化は他社の5ナンバー車でも見受けられましたが、ことごとく
抵抗受けてましたね。実際にはミラー幅は5ナンバー車と同レベルなので
取り回しが悪くなることはない、と訴えてますが・・・当時は5ナンバーの壁が
大きかったですね。電動サンルーフとハイレフコートはOPT装備。
キャビンもゆとりある居住性を確保。内装に凝ったマツダならではのラップラウンド
インテリアを採用し、上質感を持たせています。エアバッグはOPT装備。
クロノスの目玉でもあったV6エンジン。すべてDOHC+EGI、デビュー時からの
2000のKF-ZE型(160ps/18.3kgm)、1800のK8-ZE型(140ps/16.0kgm)に加え
前述の25グランツーリスモ‐Xに搭載の2500・KL-ZE型(200ps/22.8kgm)の3種。
ATにはパワーとエコノミーモード自動切り替え機能を持つ電子制御式。足回りは
前後ストラットサス、先代カペラの4WSは採用されず。OPTで4W-ABSを用意。
ではラインナップ。まずはV6エンジン搭載車。
V6・2500搭載の25グランツーリスモ‐X。4速ATのみの設定、当時価格248.9万円。
205/55R15タイヤ、前リバウンドスプリング内蔵ダンパー、ヒーテッドミラー、
ステア連動フォグランプ、リヤスポイラー等を専用装備。運転席エアバッグ、
電動ガラスサンルーフ、ハイレフコート塗装、本革シートをOPT設定。
V6・2000搭載車。
左:20VG-X。4速ATのみの設定、当時価格225.1万円。
アルミホイール、モケット地シート、運転席パワーシート、キーレス等を装備。
4W-ABSをOPT設定。
右:20VSセレクション。4速ATのみの設定、当時価格200.8万円。
前後スタビライザー、フォグランプ、前後マッドフラップ、スポットランプ、
電動スイングルーバー等を装備。またこれと20VG-Xにはメッキグリルを装着。
V6・1800搭載車。
上:18VLサルーン。4速ATのみの設定、当時価格180.8万円。
ブロンズガラス、運転席シートリフター、リヤセンターアームレスト、
オートエアコン等を装備。
下:18VL。5速MTと4速ATを設定、当時価格173.7/183.0万円。
195/65R14タイヤ、フルホイールキャップ、デュアルエキパイ、AM/FMラジオ+
カセット+6スピーカー等を装備。オートエアコンと、20VSセレクションと
18VLサルーンに非設定の4W-ABSがなぜかOPT設定されてます。
次に途中追加の2000P.W.Sディーゼル。先代カペラにも搭載されていたRF型
直4・SOHCスーパーチャージャー(82ps/18.5kgm)を搭載。
上:20GX。5速MTと4速ATを設定。当時価格204.5/213.8万円。
タイヤが195/65R14になり、デュアルエキパイ、メッキグリル、パワーシート、
キーレスエントリー等が付かない以外は20VG-Xに準じた装備。アルミホイールを
OPT設定。
下:20FX。5速MTと4速ATを設定。当時価格190.5/199.8万円。
フォグランプ、オートエアコンが付き、デュアルエキパイが付かない以外は
18VLに準じた装備。
フルタイム4WD。こちらも途中追加モデルでエンジンはV6ではなく直4の
2000DOHC+EGIのFS-DE型(125ps/17.6kgm)を搭載。
上:20G。5速MTと4速ATを設定。当時価格218.1/227.4万円。
タイヤが185/70R14になる以外はディーゼルの20GXとほぼ同じ装備。
下:20FX。5速MTと4速ATを設定。当時価格190.5/199.8万円。
こちらもタイヤが185/70R14になる以外はディーゼルの20FXとほぼ同じ装備。
諸元表。ブレーキは全車前ベンチレーテッドの4輪ディスク。
寸法図。
装備表。イルミネーテッドエントリー付ドアカーテシランプ、プロジェクター
ヘッドランプ、電動格納ミラー、カラードバンパー、パワステ、チルトステア、
時間調整式間欠ワイパー、パワーウインドー、分割可倒リヤシート等を全車に装備。
最後にカラーバリエーション。ブレーブブルーマイカとブリリアントブラックは
ハイレフコート塗装で25グランツーリスモ‐XのみのOPTカラー。
シグナスホワイトがダブって表記されてますが、25グランツーリスモ‐Xの方は
上からシールが貼られており、本来はパール系のホワイトが設定されるはず
だったんでしょうかね?
慌てて5ナンバーサイズのカペラを復活させるほど深刻な状況に陥りましたが、
クロノス自体の出来は悪くなく、同じく曲面基調になったライバルのブルーバードや
ギャランより曲面デザインの使い方はよっぽど上手いと感じました。売り方と
タイミングがマズかった、それに尽きますね・・・