カーコンポって、一体なんだ?
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
私自身にはカーコンポという言葉に何も違和感は感じないが、果たして私の息子も含めて今の若者に言葉自体、或いはそれが“意味する事”が理解できるのだろうか?
せいぜい理解できてるとしても“ヘッドやアンプ、イコライザーなどのユニットが別々”ぐらいではないだろうか。“COMPONENT”とは“構成要素”という意味なので誤りではないのだが、本質ではない。何故、コンポーネントとして分離したあのシステム構成で世の中に誕生したのか。何故あの形で世に現れ、あんなにも私達は惹かれ夢中になったのか。今のカー用品店のデモコーナーに並ぶそれらとは、当然であるが程遠い時の流れ。(カー用品店経由でテープデッキを修理依頼を出した事があり、不具合内容を印刷したものを付けてオーディオ担当者に渡して説明したが、まるで宇宙人を見る様な目で俺を見るのはやめてくれ~。説明した俺もバカだったけど。)
カーコンポって何ぞやと思って調べた事と、自己懐古をここに記録します。自分に対する記録ですので、興味のない人は“おじさんの懐し話”として無視下さい。読んでも面白くありません。
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カーコンポーネント、まずそれを理解するには“パイオニアのステレオ”の歴史をひも解かないといけない。
①アンサンブル型ステレオの時代
1960年に家庭用ステレオとして“アンサンブル型”のステレオが他社から国内で発売され、経済成長の後押しも受けて全盛を迎える。アンサンブル型とは家具調のボディーにスピーカーやアンプ、ラジオやレコードプレーヤーなど全て一体型とした物だ。当時のテレビも家具調の白黒テレビの時代だった。
【自己懐古】確かに遠い記憶にある家のTVは、家具みたいだった。おまけに画面に蓋の板まで付いてたっけ。友人の家にこの家具調のステレオがおいてあり“ガロ:学生街の喫茶店”を聞きながら“ゲームのはなやまのダイヤモンドゲーム(ボードゲーム)”をやったり、“かぐや姫:22歳の別れ”のフォークギターのコピーの練習をしたりしたナ。
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②セパレートステレオ時代
パイオニアはスピーカー製造を起点とするオーディオ企業だ。1960年代にアンサンブル型ステレオ全盛だった家庭用ステレオ市場のシュアを取る=シーズ提案による消費者獲得を目指し、スピーカーをキャビネットに入れ独立させた“セパレートステレオ”を発売しセンセーションを巻き起こす。その結果、ステレオメーカーとして3本の指に入るTOPブランドになった訳だ。しかし当然の様に、他社もセパレート型ステレオを次々に発売し、競争は激化していくのであった。
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③システムコンポーネント型ステレオ
ここからいよいよステレオにおける“コンポ”の登場。時代は1970年半ば。このままではいかんと考えたパイオニアは商品コンセプトを“構成要素毎(アンプ、プレーヤ、チューナー、スピーカーなど)を分離した専用ユニットとし、専門性、高機能、および選択性を持たせる”というコンセプトで、システムコンポーネントステレオを開発し、PROJECTシリーズとして発売。大いに市場に受け入れられた。この流れと成功の中で1977年、ロンサムカーボーイブランドが生まれた。つまりはスピーカーメーカーだったパイオニアが、ステレオメーカーのトップメーカーに成長し世を先んじる切磋琢磨の活動の結果、オーディオメーカーとしてそのカテゴリーの1つ:カーコンポーネントという形が偶然ではなく必然的に生まれ、この流れと方向性を集約すべく1977年にロンサムカーボーイというブランドを立ち上げたという事だ。又、消費者であった我々側が音楽と車といった関わりの中で、消費という形でカーオーディオに求めた形でもあった、という事。
【自己懐古】動画サイトにも多数UPされていますが、その当時のロンサムのCMは秀逸な物が多く、今見ても“心をユサユサ”と揺さぶられます。又、高中正義さんの“ブルーラグーン”は、今でも車の中で聞くベスト1のお気に入りで心高ぶります。虹伝説のコンサートも最高でした。
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④ミニコンポーネントステレオ
時は1980年代に突入し、世の中はバブル経済の真っ只中。パイオニアは“ステレオは一家に一台から一人に一台”のコンセプトで、ミニコンポーネント「PRIVATE」シリーズを発表し、これまた大ヒットする。なお、1979年にソニーより「ウォークマン」が発売され、世界中で爆発的に売れていた中だから、そりゃ売れる。聞く為のテープに気に入った音楽を“録音”しなくちゃならないので。プライベートとは、正に的を得たネーミングだ。今いち分からない情報が無いのは“カロッツェリア”ブランドの誕生。1986年にこのブランドを立ち上げた、でも海外はセントレートのまま。正確には分からないが、いつしかパイオニアという会社名が海外ではブランド名になっていく経緯。この辺の情報が調べても出てこない。(どなたかヒントください。)
【自己懐古】大学生だったこの頃は、ベストヒットUSAやMTVを参考に、レンタルレコードの友&愛で12インチ盤とか借りてテープ作ったナー。新宿のカンタベリーハウス:ペルシャ館、ギリシャ館。グリース。ニューヨクニューヨーク。ギゼ。六本木のメイクアップやQなどのディスコにも毎週の様に通ってた。殺人事件が起きるまでは新風営法なんかなくて、オールナイトで遊んだもんだ。(確か実家にディスコの割券やキーホルダあったな。)そんなバブリーで華やかさに価値重点が偏った時代背景の中で、大学の友人からセリカLBを25万で譲ってもらい、ロンサムとの付き合いも始まった。
そんな私も就職し結婚して落ち着く事になるのだが、結婚に際して購入した家電製品の中には、パイオニアのステレオ、プライベートもあり実家の自分の部屋には2013年現在でも鎮座してます。ターンテーブルの平ベルトは1回自分で交換したが、今も動くかな?付属されてたCDの中に入っていた本田美奈子さんのワンウェイジェネレーションが好きだった。ご冥福を祈ります。
結論は、カーコンポとはステレオが時代の流れをキャッチアップしながら進化していった過程の中で、必然的に派生したカーオーディオの形なんだと思った。決して構成要素分解した形を指しているだけではない。(と私は思っている。)
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