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「自転車との衝突死亡事故を起こした運転者に無罪判決」との記事が出ていました。これをそのまま解釈すれば「法を無視した歩行者や自転車乗りからドライバーは保護される」ということになるのでしょうが、逆の立場になって考えてみれば「止まれ」を無視することがいかに恐ろしいことかが分かるはずです。

気になる他のドライバーの行動の一つに「止まれ」の軽視が挙げられます。標識は至るところにあるにも関わらず、それを律儀に守っているドライバーを見ることはまれです。
理由は二つ考えられると思います。一つは、時間を短縮したいがため。いわゆる裏道には信号がない代わりに「止まれ」交差点が多い。しかし「裏道を通る」ということは急いでいるわけだから、一時停止する時間をも惜しむのでしょう。そしてもう一つは、見通しが良いから一時停止しなくても大丈夫、という理由。見通しが悪いところでは標識がなくても一時停止して安全を確認しますが、見通しが良いと標識があってもそのまま素通りしてしまう心理は分かります。
しかしこれらの理由は一時停止不履行を正当化する根拠とはなりえません。まず前者。裏道としてよく使われるのは住宅街で、このようなところで安全確認を怠れば重大な事故につながります。急ぐのなら、もっと早くに出発すればよかっただけの話です。そして後者。「見通しの良い事故多発交差点で、あえて見通しを悪くする工事を行ったところ事故数が激減した」との話もあります。「見えているから大丈夫」という心理が一番危険です。

もしあなたが「止まれ」を無視して重大事故を起こした場合、おそらくほぼあなたの過失割合が100となるでしょう。それどころか尊い人命を奪ってしまうことになるかもしれません。
にも関わらず、前車がきちんと一時停止しただけで煽ったり、クラクションを鳴らしたりするドライバーがいるのが、今の日本の道路社会の現況なのです。「基本動作を守っていれば起こるはずのなかった事故」を減らすために、あなたも考えてみませんか。