岐阜基地航空祭もいよいよ佳境にはいってきました。
飛行開発実験団の異機種大編隊の展示です。

まずはC-1ジェット輸送機を編隊長に両脇をT-4ジェット練習機とした編隊を組んで会場上空をフライパスを行います。
大型のC-1と小型のT-4の大きさの対比が面白いですね。

それでは最初の異機種大編隊です。
C-1ジェット輸送機を編隊長とし、F-4戦闘機、F-2戦闘機、F-15戦闘機、T-4ジェット練習機各2機づつの合計9機によるダイヤモンド隊形です。

大編隊を組みなおしている間に第1輸送航空隊第401飛行隊のC-130大型輸送機が会場をフライパスします。
第1輸送航空隊は昭和53年に輸送航空団が3つの航空隊に改編されたときに生まれた輸送部隊で昭和59年にC-130H大型輸送機が配備されました。
岐阜基地から近い小牧基地に配備され軍事上最も重要な兵站を支える輸送任務に就いています。

先ほどの9機が今度はピラミッド隊形での大編隊を披露します。

続いて先ほどのC-130大型輸送機が今度は機体後部のカーゴドアを展開して会場上空を通過します。
C-130大型輸送機は昭和59年より整備が始まり、合計16機が配備されています。
日常の物資輸送のほか日本の国益を支える国際貢献にも参加し、平成16年1月26日より”イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法”に基づいて人道復興支援活動と安全確保支援活動を行っています。

最後に9機によるデルタ編隊を披露します。
昭和30年に浜松基地で編成された実験航空隊が昭和49年に航空実験団に編成しなおされ平成元年に航空開発実験集団として改編されました。
電子装置の開発実験を入間基地の電子開発実験群が、航空機と搭載武器の開発実験をここ岐阜基地の飛行開発実験団が担当しています。
航空自衛隊で使用している機種の多くを少数ずつ装備しているためこのような他基地ではできない異機種大編隊の展示が可能になっています。

「ブレイク!」の号令とともに編隊を解く飛行開発実験団の編隊機。
飛行特性や速度も異なる異機種の編隊を保つことはそれぞれのパイロットに高度な技術が必要とのことです。

着陸のためコンバットピッチを実施するC-1ジェット輸送機。
コバットピッチとは戦闘中最も脆弱となる減速~着陸態勢の時間をできるだけ短縮するため、高速で進入した航空機が急旋回を行うことでエネルギーを消費して急減速を行う方法です。

着陸して会場前を通過するT-4ジェット練習機。
T-4ジェット練習機は純国産のジェット練習機で昭和56年より開発が着手され昭和60年に初飛行を行いました。
T-33ジェット練習機、T-1ジェット練習機の後継としてジェット機による初等操縦訓練と中等操縦訓練、さらに戦闘機パイロットのための基本操縦訓練を担い、さらに各飛行隊での支援任務にも運用されています。

同じく着陸して会場前を通過するF-15戦闘機。
航空自衛隊のF-15戦闘機は昭和53年度予算で調達され、初号機が昭和55年3月に最初の2機が米国より嘉手納基地を介して岐阜基地に到着しています。

着陸し滑走路を進むC-1ジェット輸送機。
C-1中型輸送機はC-46型機の後継として昭和41年度に基本設計が着手され昭和45年11月に初号機が処女飛行を実施しています。
高い機動性と短距離離着陸性能のほか、主脚が8輪あるため舗装が薄い滑走路や不整地での離着陸が可能という特徴を持っています。
当時の野党や防衛内局による批判や圧力により意図的に航続距離を減らすように計画が進められたとされているようです。

着陸したF-4戦闘機が戻ってきました。
会場前に駐機するようです。
何が始まるのでしょう?

エンジンを停止し、F-4にはしごをかける整備隊員。
キャノピーに水滴がついていますが、これは消防車による放水のアーチをくぐったためです。
放水アートといえば・・・・

パイロットに花束の贈呈です。
そう、このF-4のパイロットのラストフライトだったわけです。
合計飛行時間3725.5時間という長い時間空を飛んでおられました。

F-4をバックに整備隊員や同僚、そして奥様と一緒に記念撮影。

ラストフライトセレモニーのメインはなんといっても水かけ(バケツシャワー)です。
お疲れ様でした!

こうして平成20年度岐阜基地航空祭は終了しました。
また来年!
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Posted at
2008/12/04 23:50:18