8月1日、海上自衛隊横須賀基地で恒例のサマーフェスタが開催されました。
横須賀基地は海上自衛隊の自衛艦隊、護衛艦隊、潜水艦隊、掃海隊群、開発隊群、海洋業務隊群、横須賀地方群が置かれている中心的な基地です。
さあ胸がDOKI☆DOKIしてきましたよ。

まず門をくぐると錨のモニュメントが出迎えてくれます。
UH-60J救難ヘリコプターの展示が始まっているようですね。

横須賀地方総監部のホンダ・アコードワゴンの業務車が停めてありました。
ボンネットに海上自衛隊のマークがかっこいいです。

さあいよいよサマーフェスタのはじまりです。
横須賀音楽隊の演奏が実施されています。

港内を見ると館山基地から飛来した第21航空群第73飛行隊のUH-60J救難ヘリコプターによる救難展示が実施されていました。

模擬要救助者を収容するUH-60J救難ヘリコプター。
UH-60Jは航空自衛隊の救難ヘリコプターUH-60Jとほぼ同じ機体ですが、装備が若干異なるとのことです。
航空自衛隊のUH-60Jが白/黄に対して、海上自衛隊のUH-60Jは白/赤なのが面白いですね。

展示を終え離脱するUH-60J救難ヘリコプター。
UH-60JはS-61A救難ヘリコプターの後継として平成3年度より本日までに18機が調達されています。
ちょっと港内をみてみましょう。

YF-2143”交通船2143号”(基準排水量6トン)です。
交通船2088号の同型船で艦艇などの人員輸送を行う内火ランチです。
130馬力のヂーゼルエンジンを搭載していて10ノットの速力があります。

桟橋にはYF-2124”交通船2124号”(基準排水量25トン)が停泊していました。
交通船2121号の同型船で上陸用舟艇のように船首のランプを展開して車両などを揚げ降ろしを行います。
主機は480馬力のヂーゼルエンジンを搭載しています。
さて、さらに基地内を探索してみましょう。

こちらは海上自衛隊の最新鋭護衛艦DDG-1.74”ちびしま”(排水量不明)です。
非常に簡易なマストは恐らくステルスを意識してのことでしょう。
OTOメララ127ミリ速射砲のほかMk15ファランクス高性能20ミリ機関砲、スーパーバード衛星通信アンテナのほか、チャフ投射装置Mk36が見えます。
SPY-1Dがありますので恐らくイージスシステムを備えてると思われますが、不思議なことにミサイル発射ランチャやVLSの類は一切確認できません。
艦橋には地上配備型迎撃レーザーと思われるものが装備されています。
謎に包まれた護衛艦です。

水中処分隊のブースです。
防爆の水中スーツが展示されていました。
水中所分隊はその名前の通り海中の不発弾や機雷などを処分するために潜水作業を行う部隊でEOD(Explosive Ordnance Disposal)と呼ばれる精鋭部隊です。

EODがゴムボート(処分艇)で港内を展示航行しています。
小回りの効くゴムボートで掃海艇などに搭載されて作業を行います。

港内には多数の支援船があります。
ズラリと並んだ支援船には独特の美しさ・かっこよさがありますね。
右手前はYT-83”曳船83号”(基準排水量50トン)です。
曳船75号型の同型船で小型のプッシャーボート(押し船)となっています。
曳船とは港湾内で艦船の入港の支援をおこなうもので、いわゆるタグボートのことです。
小型の船ですが、500馬力の高出力ヂーゼルエンジンを搭載しています。
手前左側はYF-1031”交通船1031号”(基準排水量11トン)で、交通船1029号型と同型船です。
速力が18ノットと意外と快速で、360馬力のヂーゼルエンジンを搭載しています。
その後ろに見えるのは油船35号と油船36号。

こちらも支援船。
YT-66”曳船66号”(左側)とYT-74”曳船74号”(右側)です。
ともに曳船58号型で基準排水量260トンの大型タグボートで、現在22隻が海上自衛隊に配備されています。
横に並ぶ上陸用舟艇みたいなのはYF-2135”交通船2135号”(基準排水量25トン)で、交通船2121型の同型船です。
その後ろに見えるのは油船206号と油船36号。

曳船66号、曳船74号を横から見てみましょう。
やはり大型船の印象を受けます。
曳船58号型は海上自衛隊の曳船の中で最大の大きさがあり、1800馬力のヂーゼルエンジンを搭載、軸数は2軸となっています。
マスト基部に赤い銃のようなものが見えますが、これは放水銃です。

展示されている航空自衛隊の地対空誘導弾ペトリオット能力改善3型(通称PAC-3)です。
PAC-3は航空自衛隊が使用している地対空誘導弾ペトリオットを弾道弾迎撃に改良したもので、特に発射機とミサイルの弾体が従来のものと大きく異なっています。
展示されたのは発射チューブに描かれてるようにイナート弾(訓練弾)です。
今年4月の北朝鮮の弾道弾発射実験の際には破壊措置命令に基づいて首都圏と東北に展開し、もしものときは弾道弾から必ず国民の生命財産を守ると強い意志を表明しました。

ゴムボートを使っての体験航行も行われました。
かなり近くまで艦船に近づくことが出来るようです。
では港内に停泊していた艦艇をみていきましょう。

こちらは特務艇ASY-91”はしだて”(満載排水量490トン)です。
自衛艦ぽくない形をしていて、まるで客船のようにも見えますが、これは立食パーティやレセプションなどを行う迎賓艇だからです。
自衛隊に迎賓?と思ってしまいますが、自衛隊は外国と親善交流を頻繁に行っています。
また国軍ということで総理大臣や防衛大臣という政府首脳が来基することもあります。
国内外の来賓に対して日本国として恥ずかしくないようおもてなしすることも国際交流・外交の重要な仕事のひとつです。
この”はしだて”は初めて来賓をメインとして新造された専門の艦艇です。
なお、医療機能など災害派遣に対応できる設備を有しているのも特徴です。

こちらは海洋観測艦AGS-5104”わかさ”(満載排水量3200トン)です。
”ふたみ”型海洋観測艦の2番艦で、対潜水艦戦、対機雷戦などを実施するうえで必要な気象・潮流・地磁気などの海洋情報を収集・分析して防衛活動に役立てる艦艇です。
その任務の性質上、低速を長時間航行するため可変ピッチプロペラや減揺タンクなどの設備を装備しています。

別角度から。
”わかさ”の横には海洋観測艦AGS-5105”にちなん”(満載排水量4500トン)です。
”わかさ”と比べるとその巨大さがわかりますが、”にちなん”は海上自衛隊最大の海洋観測艦です。
無人潜水装置ROVや観測作業艇を装備しているほか、主機は自らの発するノイズの少ないヂーゼル・エレクトリックを採用しています。
その横の巨大な赤い船は、言わずと知れた砕氷艦”しらせ”(初代)です。

ではここで支援船をみていきましょう。
こちらは艦船に燃料を補給する船、油船です。
手前がYG-206"油船206号"(積荷重量270トン)、その奥がYO-36”油船36号”(積荷重量490トン)で、YGが航空用燃料を、YOが艦船用燃料を補給することになっています。

では別角度から。
左側の大きな船がYO-36”油船36号”、右側の小柄な船がYG-206”油船206号”です。
両船とも積荷の燃料が少ないのか、喫水線が高いですね。
油船36号は大型の油船25号型の同型船で、460馬力のヂーゼルエンジンを搭載しています。
油船206号は4隻つくられた油船203号の同型船です。
排水量が2倍近く違うため、形は似てますが両船の大きさが全く違うのが興味深いですね。

こちらは・・・・だんだんわからなくなってきたぞ・・・
YC-09”起重機船9号”(基準排水量260トン)です。
クレーンを装備してあり、荷物の揚げ降ろしを行う支援船です。

港内に目を移すと、アトラクションとして曳船による放水展示が行われていました。
参加したのはYT-68”曳船68号”とYT-67”曳船67号”(ともに基準排水量260トン)です。
曳船には消火作業用の放水銃を装備しています。
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