ここからは後段演習後の装備品展示の模様です。
その一部を紹介します。

今回初めて実弾射撃展示を行った87式自走高射機関砲です。
74式戦車の車体に35ミリ高射機関砲L90のシステムを搭載するコンセプトで生まれたのがこの車両で、ドイツ陸軍のゲパルトと並んで世界でも非常に高性能な対空射撃を行える自走高射砲(対空戦車)となっています。
対空機関砲のほかに対空レーダ、射撃管制装置など戦闘艦の対空システムに匹敵する非常に巨大なシステムを1両にまとめて搭載するため、非常に複雑で調達価格も高いのが対空戦車の難点といわれています。

今回初展示された遠隔操縦観測システム(FFOS)です。
無人の小型ヘリコプターと地上管制システムから構成されているもので、無人ヘリコプターを遠隔操縦することで空中から観測を行うものです。
多連装ロケットの装備や火砲の高性能化で射程が延びたため、これらの弾着点観測を行うには従来の方法では限界になってしまいます。
そこで無人ヘリコプターを使って空中から弾着点の観測を行い、射撃指揮に情報を送るために開発されました。

こちらは大型輸送ヘリコプターCH-47。
V-107輸送ヘリコプターの後継として配備されているもので、今回装備品展示されたこの機体は燃料の搭載量をふやしたCH-47JAと呼ばれる機体です。

こちらは多用途ヘリコプターUH-60JA。
HU-1H多用途ヘリコプターの後継としてUH-1Jとともに並行導入されている輸送ヘリコプターです。
米陸軍のUH-60Lブラックホークをベースに陸上自衛隊仕様にしたもので、航空自衛隊や海上自衛隊の救難ヘリコプターUH-60Jに搭載されている赤外線監視装置や気象レーダを同じように搭載しています。
速力や吊り下げ能力を生かして空中機動作戦や災害派遣に使用されます。

観測ヘリコプターOH-1。
観測ヘリコプターOH-6の後継として開発された純国産のヘリコプターでデジタルエンジン制御システムやヒンジレスローターシステムなど新システムを搭載されています。
高い機動性と高度な自動操縦装置、偵察用機材を搭載していていますが、空対空ミサイルの搭載も可能です。
写真の機体には空対空ミサイル2発を搭載したポッドを装着しています。

対戦車ヘリコプターAH-1S。
TOW対戦車ミサイル、70ミリロケット弾、20ミリ機関砲を搭載できる攻撃ヘリコプターで、1979年に試験機が導入され、
AH-1はベトナム戦争の際に、ヘリボン部隊を火力支援するためにUH-1ヘリコプターをベースにして開発されたガンシップで、TOWや20ミリ機関砲を搭載した米国のAH-1Fを陸上自衛隊仕様としたものです。
1984年から国内生産機が調達が開始され、現在までに約90機が調達されています。

戦闘ヘリコプターAH-64D。
AH-1Sの後継として導入された戦闘ヘリコプターでミリ波レーダを使用するロングボウレーダと呼ばれる射撃管制レーダをローター上に搭載しているのが特徴です。
30ミリ機関砲や70ミリロケット弾のほか、ヘルファイア重対戦車ミサイルを搭載できます。
以上、富士総合火力演習の模様でした。
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Posted at
2009/11/15 03:57:32