
前段演習終了から後段演習までは20分程度の休憩がはいります。
その間に施設科部隊が会場前広場の整地や砂埃を押さえるための散水を行います。
それではただ今から後段演習を始めます。
後段演習はわが国に敵地上部隊が上陸してきたという想定で、敵地上部隊に対し、我が富士教導団が連携してこれを撃破する一連の流れを展示します。
状況開始!

観測ヘリコプターOH-1が進入してきました。
OH-1は国産の偵察ヘリコプターで、高い運動性能と偵察能力を持ち、敵地上部隊の動向を探ります。

続いて多用途ヘリコプターUH-1が進入してきました。

UH-1からオートバイに乗った偵察隊員を展開させます。
UH-1には偵察用オートバイを収納し、迅速に偵察活動を開始させます。

続いて対戦車ヘリコプターAH-1Sがこれを援護します。

ヘリコプターは低空で飛ぶため、特に味方部隊を展開させている間はとても脆弱です。
そのため、偵察部隊をおろしたヘリコプターはすぐに離脱します。

偵察部隊が偵察行動を開始しました。
オートバイの機動力を使い、敵の情報を収集します。
オートバイを偵察部隊用に運用している国は大変珍しいようですが、日本のように平地が少なく山岳が多い場所では大型の車両よりも運用しやすいのでしょう。

続いて対戦車ヘリコプターが進入してきました。
後続の部隊を援護します。

「発射用意、発射!」
ガンシップ(火力支援をする武装ヘリコプター)がヘリコプターによって運ばれてくる部隊の到着の前に、着陸予定地点周辺の敵部隊を機関砲で制圧します。

続々とヘリコプターが進入してきました。
UH-60JA多用途ヘリコプターからはロープにより普通科隊員がリペリング降下をします。
その後ろでは対戦車ヘリコプターAH-1Sがこれを援護します。

CH-47大型輸送ヘリコプターからもロープを使って隊員が降下します。
UH-60にはパイロット2名を除いて最大15名が、CH-47にはパイロットと機上整備員の3名を除いて最大55名が搭乗可能とされています。

降下した普通科隊員が周辺を警戒し、障害を実力で排除します。

さらにCH-47大型輸送ヘリコプターにより軽装甲機動車が空輸されてきました。
このようにヘリコプターを集中投入して部隊を空輸して急襲する作戦をヘリボン作戦と呼ばれます。
ヘリコプターは低空を飛ぶことが多く、また部隊の展開中は脆弱になるため、ガンシップなどの火力支援は不可欠です。
軽装甲機動車は1両あたり4.5トンと意外と軽量で、CH-47大型ヘリコプターならば空輸が可能です。

CH-47により空輸された軽装甲機動車が早速警戒と偵察行動を行います。
軽装甲機動車は2001年から調達が開始された軽装甲車で、現在陸上自衛隊の普通科部隊に大量配備がおこなわれています。
装甲がなく、防禦能力のない小型トラックや高機動車と違い、軽装甲を備えています。
固定武装はありませんが、5.56ミリ機関銃ミニミや01式軽対戦車誘導弾を搭載することが出来ます。

次々と軽装甲機動車が集結してきました。
軽装甲機動車はイラク復興支援での陸上自衛隊展開時にも派遣隊員の足として、警戒車両として大活躍しました。

脅威を確認した軽装甲機動車が5.56ミリ機関銃ミニミを射撃します。
ミニミ機銃は63式機関銃の口径として調達されたベルギー産の機関銃で、口径は5.56ミリと小口径ですが、コンパクトで携行が容易な特徴があります。
発射速度は1分間に約750~1000発とされています。

引き続き軽装甲機動車が警戒任務を行います。

会場前広場をご覧ください。
CH-47大型輸送ヘリコプターが進入してきました。

CH-47大型輸送ヘリコプターから高機動車に乗った普通科隊員が展開します。
高機動車は幅が2.15メートル、長さ4.9メートルと比較的大型の車両ですが、CH-47はこれを機内に搭載が可能です。

普通科隊員が高機動車に乗ったまま輸送ヘリコプターから展開しましたが、隊員はそれぞれ周囲に銃口を向け、警戒態勢をとっています。

ヘリコプターからの展開時がもっとも危険を晒すことになるため、常に警戒態勢をとっていることがわかります。
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Posted at
2009/11/15 04:03:16