2010年07月08日
なんともあきれた記事
昨日の産経新聞の記事ですが、非核三原則を表明した翌年に、三原則を堅持したところで日本が核攻撃を受ける可能性があるので、米軍の核兵器持込は抑止に有効だとの文章を作っていたことを外務省が7日発表したそうです。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100707/plc1007072351015-n1.htm
いろいろいいたいことはありますが、なぜこの時期に?
参議院選挙の投票日直前ですよね。
ど~かんがえても自民党政権時は核兵器持込を容認したんだというマイナスイメージを植えつけるためだとしか思えませんが・・・・・
まぁ、それが理由でしょうけどね。
いまさら小泉元首相の靖国参拝を言い出してるわけですから。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100708/plc1007081912009-n1.htm
さて、参議院選挙はともかく、本題。
>三原則を守った場合に「日本が核攻撃を受けない、あるいは紛争に巻き込まれないという保証はゼロである」
なんといいますか・・・・
バカですか?
そんなもん当たり前でしょう。
非核三原則とは、日本が日本自身に縛りをいれるものであって、日本を攻撃しようとする外国にとっては何の意味も持ちません。
むしろ、同盟国ですら日本に核兵器を持ち込めないわけですから、そこに力の空白が発生します。
そんなもん、核兵器をもっていない場所が優先的に狙われるのは当たり前です。
(核兵器を完全に持ち込めなかった場合、日米安保も形が変わっていたかもしれませんね)
そもそも、日本が非核三原則を守れば安心だ、核攻撃を受けないなんてどういう思考回路なのか理解できません。
たとえばガッチリした体で銃を持ってる警察官が警備している施設と、丸腰で力の弱そうな老ガードマンしかいない施設、もし襲うならどっちを選びます?
丸腰の相手なら安心して襲いますよね?
当時の外務省がこんな内部文章を作らなければならないほど日本全体が平和ボケしてたのか、それとも核兵器や核戦争について考えることすら許されない、ほとんど宗教のようになってしまってたのか・・・
考えてみたら非核三原則そのものがとっても変です。
日本が広島・長崎の悲劇を日本人の手により再び地上に起こさないことを決意するというのはわかります。
それは「もたず」「つくらず」はわかるとして、なぜ「持ち込ませず」なのか。
常識的に考えれば「持たず」「使わず」「使わせず」じゃないの?
非核三原則は日本をしばるものであって、日本人と日本の国家に対して核攻撃をさせないためのものではありません。
つまり非核三原則は、敵対国家にとってはとってもオイシイですが、わが国にとってはな~んも良いことはありません。
広島・長崎の悲劇を経験した日本がまず何よりも最優先すべきことは、広島・長崎の悲劇を絶対に日本で再現させないことであって、そのためのあらゆる努力をすることです。
ところが非核三原則にはそれはうたわれていません。
それどころか核攻撃の危険性をアップさえさせてしまいかねない原則です。
ちなみに非核三原則どころか、欧州ではソ連軍がSS20(中距離核ミサイル)を配備したことに対してサッチャー元首相は米軍の中距離核ミサイルパーシングⅡの配備を迫りました。
戦争は力の均衡が大きく崩れたときに起こりやすくなります。
「戦争はダメ、人殺しはダメ!」という感情論はまったく意味をもたず、市民のはるか上の国家の判断で戦争ははじめられます。
だからこそ当時の欧州は力の均衡をとるために核兵器には核兵器で抑止をする以外にないと判断したわけです。
なお、米軍の中距離核ミサイル配備をサッチャーは選挙で主張しましたが、見事に勝利しました。
英国国民は戦争を感情論だけでなく現実視点で考えていたということでしょうか。
さて話をもどします。
日本が国是として独自の核兵器を保有したり作らないというのは一つの考え方だとは思います。
でも同盟国が日本の安全に貢献する形で核兵器を持ち込むのならば、それを黙認するのは常識的な判断じゃないでしょうか?
「ダメったらダメ!」じゃあ子供の意見とかわりません。
学校のクラス会でダメったらダメという結論を出すのはかまいませんが、一億二千万人の命を国はあずかっているわけですから現実的・常識的な判断をするのは当たり前ですよね。
と、ここまで書いたわけですが、きっとこれを読むとアンチコは軍国主義者だ、右翼だ、核保有論者だと思う人はきっといると思います(笑)
ここではっきりさせときたいですが、核兵器はもっとも憎むべきものであって、絶対に使われるべきものではありません。
また、私は国益の観点から考えて、最低でも今後20年の間は日本の核武装は賛成しません。
感情論一切抜きで考えた結果です。
(核保有宣言をした場合、貿易を依存してる米国と中国の反発が激しいでしょうし、何より資源と食料も依存してるわけですからね。それに韓国の核武装についても正当な理由を与えてしまいます。諸外国への根回し、資源と食料の独自のルートの確保、米中両国からの依存を減らして諸外国に経済をシフトさせるには20年やそこらでは不可能でしょう)
ただし、抑止力として、必要であれば米国の核兵器の持込に対しては黙認し、外交の手段として核武装の論議は有効だと思います。
核兵器は憎むべき残酷な兵器でありますし、地球上から1日も早く全廃されることを祈ってます。
が、現実に存在していて、現実問題として核廃絶はまずありえないわけですし、しかもそれが現実の脅威である以上、タブー視は絶対にダメです。
現実的な考えが必要です。
感情論から一歩進んで核兵器について自国が核攻撃されないためにはどうしたらいいかを考えることが本当の非核(攻撃)じゃないのかなと思います。
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Posted at
2010/07/08 23:36:26
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