
いや、驚きました。
もちろん今日発生した北朝鮮による韓国延坪島砲撃事件です。
http://sankei.jp.msn.com/pdf/2010/11/20101123korea.pdf
今まで北朝鮮は韓国に対して大韓航空機爆破事件やラングーン事件などのテロ行為、先日の韓国海軍コルベット”天安”撃沈事件や昨年の大青海戦などの挑発行為・武力による攻撃をおこなってきました。
が、軍艦の撃ちあいといった小競り合いのレベルではなく、民間の住宅地に砲弾を撃ち込むという、もはや一線をこえてやってきたわけです。
改めて北朝鮮というテロ国家の手段を選ばず「何をやるかわからない」という恐ろしさ、不気味さ、そして朝鮮戦争は現在でも継続中なのだということを再認識しました。
ところで朝鮮戦争は実は終結していません。
昭和28年7月27日に板門店で休戦協定に調印をしていますが、あくまでも「休戦」であって終戦ではありません。
朝鮮戦争は継続中だったりします。
もちろんその間に小規模な武力衝突があってもおかしくはないわけです。
つまり、いつ今回のような深刻な武力攻撃があっても不思議ではない非常に危険な状態なわけです。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/101123/kor1011232124034-n1.htm
この記事に「防空壕」に避難したとありますが、準戦時体制の韓国では防空壕がちゃんと設置されているわけです。
もしある程度以上の軍事衝突となった場合、特に韓国の首都ソウルは深刻です。
ソウルは韓国の国民の5分の1が集中していますし、行政や経済の中心ですから被害を受ければ大混乱です。
しかもソウルは軍事境界線からわずかに50キロしか離れていません。
長距離野砲なら届く距離です。
今回の延坪島砲撃事件がソウルで再現される可能性もあるわけです。
老朽化・旧式化した上に国力も備蓄もない北朝鮮は韓国と戦争をした場合、近代化された韓国軍は能力的に米軍無しでも北朝鮮を圧倒できるのではないかと言われています。
が、50キロしか離れていないわけですから、いざ再開戦となったとき、ソウルは避難指示が出る前に火の海になるか、場合によっては陥落する可能性さえあります。
要するに韓国は北朝鮮にソウルという人質をとられているわけです。
韓国は先日のコルベット”天安”撃沈事件や今回の延坪島砲撃事件でも甚大な被害(今のところ死者2名、住宅約70軒といいますから・・・・ひとつの集落が消えたことになりますね)を受けているわけですから、それ相当の報復をしてもおかしくないのですが、ニュースの通り踏みとどまっています。
テレビでは「大人の対応」などとズレたことを言ってますが、それはソウルが人質に取られている極めて危険な状態だからに他なりません。
今回北朝鮮が韓国に対して、全面戦争ではなく挑発行為を目的としたのは本土ではなく離島を狙ったことからも明らかだと思います。
この砲撃事件の目的は米国を交渉のテーブルにつかせるためのアピールではないかとも、金正日後継者からみの権力争いから生じたもの(権力争いに敗れた軍の派閥の不満へのガス抜きや軍の一体感を演出するため)とも指摘されますが・・・・
今後エスカレート(さらなる砲撃や民間機への危険行為、核実験、弾道ミサイルの発射など)する可能性はあるわけですからこのニュース、目を離せません。
ところで、この事件、我が国にとっても他人事ではありません。
今回の事件は「国境の最前線」でおきた事件です。
ある日突然対峙している軍隊が砲撃をしてくることが決して非現実的なことではないと見せ付けられました。
我が国は国境の最前線、沖縄には本島には戦闘機部隊や陸自の旅団、哨戒機の部隊を置いていますが、本島以外にはレーダーサイト(防空監視所)をのぞいて部隊は置かれていません。
先日ようやく「監視隊」がつくられる構想がでてきたばかりです。
その最前線を守っている武器は島の警察官のけん銃2丁のみというのが現状です。
頻繁に周辺海域に中国海軍の艦艇や監視船がくる沖縄、本島に大丈夫ですか?
韓国に「もしも」の事態が発生したとき、数万人の在留邦人や一時滞在の旅行者の救出は?
自衛隊施設、米軍施設、政府の施設、原子力発電所や新幹線、高速道路などの重要施設に対する北朝鮮工作員の破壊活動に対する備えと法整備は?
米軍が北朝鮮制裁または攻撃となった場合、その後方支援のための事前調整は?
北朝鮮への外交チャンネルの確保は?
拉致事件解決のストーリーは?
北朝鮮問題は我が国の安全保障や経済、何より同胞の生命財産に直結する極めて重要な「今底にある危機」です。
あ・・・でも肝心な人が「すっからかん」じゃあなぁ・・・・
隣国の深刻な事態なのに報道で知ったって、どれだけアンテナ低いんですか?
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101123/plc1011231806006-n1.htm
しかも砲撃があったのは14時、それをうけての関係閣僚会議は20時45分ですよ・・・
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101123/plc1011231901007-n1.htm
何より先日現政権が反対を押し切って決定した朝鮮学校への高校授業料無償化を適用したことを考えても、日本が北朝鮮に間接的に経済支援しているという異常な状態だということを私たちは認識していかなければなりません。
我が国は北朝鮮というテロ国家に対して支援している「テロ国家支援国」なんですよ・・・・