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イイね!
2011年02月19日

太平洋の奇跡を見て「え?」とおもったこと

タイトル、悪い意味じゃないですよ。

映画「太平洋の奇跡~フォックスと呼ばれた男~」を見てきました。
実はこの映画、早いうちに注目はしてたのですが、見に行くかどうか迷ってました。

日本で作る最近の戦争映画といえば、どこか何らかの思想が見え隠れして、安っぽい感動やお涙頂戴で、しかもいったいどこの国が撮ったプロパガンダ映画?と思うものがチラホラありましたものね。
しかもこの作品、テレビ局が作ったのですからそういう意味でも、とても心配でしたが・・・
心配は外れていました。
評価は分かれるかもしれませんが、私はたいへんすばらしい映画だと思いました。
見に行ってよかったです。



ネタバレになってしまうので細かいところは書きませんが、ストーリーはマリアナ諸島攻防戦でサイパンは圧倒的な米軍の攻撃の前に陥落、守備隊は壊滅状態になってしまうわけですが、その中で遊撃戦を行った部隊のものです。
マリアナ諸島攻防戦では昭和19年7月7日にサイパン守備隊最後の突撃が行われて壊滅、組織的戦闘が終わって9日に米軍による占領という形になりますが、突撃後に生き残った兵が終結します。
その指揮官が主人公となる大場大尉ですが、米軍による掃討戦がおこなわれる中で野営中の民間人を守りながら部下を率いて翌20年12月1日まで戦うことになります。
日本が終戦の玉音放送を流したのは8月15日、連合軍に降伏したのが9月2日ですから・・・・終戦してから実に3ヶ月の間は戦争は終わっていなかったんです。
守備隊が壊滅したのが7月7日、9日にはサイパンが陥落して・・・・
昭和20年12月1日までの間、地獄のような遊撃戦が続きます。
敵である米海兵隊にさえ高く評価された大場大尉を軸として話が進んでいきます。

この映画は実話をもとに作られています。
なんといいますか・・・・いろいろ考えさせられます。
思わず目頭が熱くなってきますね。
私の前の席には60歳ぐらいと思われる方が見てられましたが、やはり目頭を押さえられていました。
決してお涙頂戴の映画ではないですが、当時の状況を考えるとその「行動の意味」を考えさせられずにはいられません。
形の上では「敵に寝返る」になってしまう人たちも「裏切る」のではなく、同じ日本人を救いたいからという一心での行動だったわけで、その苦渋の決断、辛さは強く感じました。

この映画をは当時の状況を何も考えず、戦争にも関心がなく、単に俳優のファンだからで見に行った人にとっては日本軍の異常性として受け取る人も多いかもしれません。
「もう負けたんだからさっさと降伏して捕虜になればいいじゃん」
たぶんそう簡単に考える人も多いと思います。
でも「捕虜収容所では食料が与えられ、ある程度の医療をうけられる」という情報を知っている今の目だからこそう思うのであって、捕虜になることをよしとしないという当時の風潮、教育もあったということは忘れてはいけません。
(連合軍による日本軍捕に対する凄惨な虐待も多数あったようですよ、実際は)
また、仲間や肉親は米軍の攻撃で死んだわけです。
その米軍の捕虜になりたくないという心理的なものも大きいと思います。
このへんのことは米側視点でひとつのキーポイントとして描かれていますよ。

また、組織として壊滅してしまったのですから他の部隊と連絡が取れず、終戦の情報が正しくはいるかどうかもわかりません。
そういう当時の状況を考えた上でこの映画を見ると、よりこの映画が見えてくると思います。

もうひとつあまりに自然で受け流してしまいそうになりますが、とても重要なものがあります。
守備隊の突撃は7月7日に行われ壊滅、9日にサイパン陥落となりますが、生き残った兵士は自決をとろうとした方も多かったと思います。
陥落を知った時点で自決していてもおかしくなかったわけです。
その中で自決という道を選ばさせず、時には多くの民間人を抱えながら極限状態の中で最終的に47名の将兵を率いて生き残り、弔銃の後整列して降伏の場に向かうわけですから、大場大尉の統率力はものすごいものがあったんでしょうね。

是非おすすめしたい映画です。


さて、タイトルの「えっ?」ですが、劇中のセリフに驚くものがありました。
大場大尉が「歩兵第18聯隊・・・」というのですが、この部隊、実は私の地元愛知にあった部隊なんです。

同じ愛知県のすぐ近くに営設していた部隊なんです。

歩兵第18聯隊の歩兵哨舎

歩兵第18聯隊址の碑

聯隊記念碑

※当時駐屯地のあった豊橋公園の模様はここをみてね

もちろん歩兵第18聯隊がサイパンで戦い、玉砕されていたことは地元民として知っていましたし、サイパンの守備隊として玉砕したのも同じく豊橋から出征していった歩兵第118聯隊というのも知っていました。
ですが、サイパン陥落後に長い遊撃戦があったことも大場大尉のことも全く知りませんでした。
大場大尉も元は愛知の御津町の学校の先生だったそうで、地元の方だったとしって驚きました。
地元民なのに何も知らなかったというのはショックですね・・・・

地元について過去に何があったのか、どういうことがあったのかをもっと知りたくなりました。
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Posted at 2011/02/19 23:36:17

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この記事へのコメント

2011年2月19日 23:46
辛口映画評論家(?)アンチコさんが高い評価とは外れでない映画ですね。
拙者も以前から気になっていた映画です。
映画館へ行けるかどうかわからんが見てみたいですね。
戦争が終わっても島民を守るべく最後まで戦い続けた。
良い話じゃないか!
コメントへの返答
2011年2月20日 2:44
少なくともハズレではないですよ(^^)
もっとも、デートには向いていない映画ではありますね。

サイパンには住民がたくさん住んでいましたから、難しかったと思います。
米軍に保護がいいのか、それとも一緒に戦って守るべきなのか辛い選択だと思います。

何よりこれが実話からの映画ですからいろいろ考えさせられますね。
2011年2月20日 0:30
アンチコさんも観に行かれましたか 私もこの大場大尉がどの様にして生き残ったか興味が有ったので是非観たいと思い初日の一番で観ました。

私の亡き父は、内地で陸軍の戦闘機の整備をしていたので終戦後に直ぐに帰って来られましたが外地に出兵した多くの方は帰還出来なく無念な気持ちだったと思います。

この映画を観てとても過酷な毎日を過ごしていた事が良くわかりました。

コメントへの返答
2011年2月20日 3:03
はい、いってきました。
ちょっと前まで日本の戦争映画は安っぽいお涙頂戴のひどいものが多かったですが、しっかり作られた映画でよかったです。

自分が生き残るだけでなく、部下も自決させず生き残って戦う道を選んだこと、苦渋の選択をして住民の命を救ったこと、とても勇気と決断がいることだと思います。
部下の統率と住民との交流の模様をみていますと大場大尉の人望もとてもおおきいものがあるように思いました。

祖父は海軍の教育隊で終戦を迎えましたが、兄は陸軍の第3師団にいたようです。
他の兄弟は戦死されたそうです。
近所の墓地には「戦病死」の文字を多く見かけますが、身近なところで身近な方々が多く戦われていたのだなと思いますね。。。。
2011年2月20日 6:27
大場栄大尉の人物像は統括、統御が群を抜いて良かったんだと思います。

絶望とは言わず、その姿勢に部下達も指揮官として認めたんだと思います。

また、海軍陸戦隊との信頼を築き共に生き抜いた事は、当時の旧軍の考えや行動からは考えられない事です。

それだけ大場大尉に対する信頼が有ったのだと思われます。

しかし、サイパンから帰還して実業家、政治家になり、最近まで生きられた事は大変驚いています。

生きるという言葉が大場大尉にとってどういうことなのか解っていたんじゃないかと思います。
コメントへの返答
2011年2月20日 17:08
統率力はすばらしいものがあったんでしょうね。
劇中での大場大尉しか存じませんが、恫喝のようないわゆる力による統制ではなく、的確な指示と判断、人望からくる統制だからこそ長い戦いを生き残ることが出来たんじゃないかと思います。

ダメと悟ると指揮官が自決してしまって部下が路頭に迷うという事態も当時はあったでしょうけど、部下の命、守っている民間人の命のことを考えると指揮官が生き残る意味の重さを感じられていたのかなと思いました。

ラストで上官の命令に従い、日の丸をかかげて規律を保って正々堂々と米海兵隊キャンプに行進して行く姿は敗残兵ではなく誇り高き軍人と感じました。

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何シテル?   04/11 00:38
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