2006年07月11日
北朝鮮の弾道弾発射事件に関連して額賀防衛庁長官が先制攻撃について発言したことがちょっとした騒ぎになっている。
これについていろいろ意見があるかもしれないが、反対の立場をとってる所謂”左より”のマスコミは意味不明な理論を展開して糾弾している。
そもそもこの先制攻撃論について全くその真意を理解していない。
まず今の自衛隊に他国の陣地を攻撃するだけの装備や編成、訓練体系はない。
防空能力と対潜能力では恐らくアメリカをしのぎ、海軍力では世界第3位の能力を持つ自衛隊ですがそれは専守防衛という枠組みだからこそその能力を発揮できているわけで、攻撃が可能かどうかは全く別問題。
F-15という制空戦闘機が200機あっても攻撃機は60機しかなく、完全に編成は防衛専門。
その攻撃機にしても敵部隊の対空砲火を沈黙させる対レーダミサイルや電子妨害機、さらには実際に打撃を与える対地ミサイルやレーザー誘導爆弾もない。
だからそもそも現段階で敵施設に対しての打撃力というのは日本にはないのだ。
じゃあ額賀長官のあの発言はただの妄想なのかといえば全く違う。
日本は専守防衛を謳い、とにかく日本は戦力を持って相手を打撃できないと憲法で世界中に宣言している。
つまりやられても(日本の領海領土領空で防衛行為はしても)やりかえしませんよと公言してるわけなので完全にナメられてるわけです。
外交というのは軍事力を背景に進めるのが定石です。
軍事力があるからこそ強制力があり相手に対してそれを飲ませることができるのです。
ところが日本はそれをしませんよと言ってしまってるのですからそりゃ弱腰外交といわれても仕方ありません。
そこで今回の額賀長官発言です。
「日本は今でこそ他国を打撃する能力はないが、日本はやられっぱなしではない。今後やるときはやるから覚悟しとけよ」という対外メッセージです。
実際に打撃力を保有することをチラつかせることで相手に対して牽制する。
これが外交なんです。
だから実際に日本が打撃力を持つ持たないとかなんてのはどうでもよく、その発言により相手に与える日本の姿勢こそが一番の目的なわけです。
何も日本が先制攻撃をするとは一言も言ってません。
この発言そのものを撤回するようなことがあればそれこそ今まで以上に特定亜細亜からナメられることになります。
Posted at 2006/07/24 20:12:39 | |
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