2007年09月12日
今日の辞任会見とてもショックでした。
本当に苦渋の決断だったと思います。
首相の悔しい顔が忘れられません。
テロ特措法という年金問題よりもさらに重要な問題について解決させるにはもう辞任以外に手はなかったと判断されたんでしょうね。
マスコミの恐ろしいほどの安倍バッシングと参議院での惨敗、最悪の場合衆議院解散という事態もありえます。
そうなれば内外に敵が多い安倍さんでは衆議院選挙では戦えずテロ特措法も消えてしまうでしょう。
それならばバッシングが少ない後任に譲って法を通そうという考えなのだと思います。
それだけテロ特措法は日本の生命に関するほどの最重要な課題です。
日本が世界でトップクラスの経済と裕福な生活を維持できているのは国際信用です。
食料も資源もない日本が国民を飢えさせない為には資源を輸入して商品を作りそれを輸出して外貨を稼いで食料を買う以外にありません。
日本の商品を買ってくれるのも売ってもらえるのも国際的な信頼や信用あってのことです。
その国際評価を得るのが国際貢献です。
命をかけて自衛隊がイラクやペルシャ湾、インド洋、カンボジアに行くのはボランティアでやってるわけではありません。
世界で日本が孤立しないため、国際評価を維持していくため、その国益のために行くのです。
米国追従といわれようが大義名分がどうこうだろうがそれ以前に日本人が飢えない為には形はどうであれ国際貢献をやる以外に方法はありません。
ましてや米国大統領選挙も近づいていますのでここは米国に恩を売っておかなければなりません。
給油活動がダメならその対案は陸上部隊をISAFに参加させるのかそれともそれ以外の検討をすすめるのか・・・
ちなみに海上自衛隊給油活動はインド洋での多国籍軍の兵站としてメチャメチャ重要な役割を負っています。
海上自衛隊の補給がなければ大きく制限されるでしょうしそれ以上にヤバいのはパキスタンの参加に支障がでることです。
この対テロ作戦はイスラムの国々でも多くの不満が出ていますが、イスラム国家のパキスタンが参加することでようやく保っているという側面があります。
パキスタン海軍は海上自衛隊の補給が頼りですから給油活動が出来なくなった場合、対テロ作戦に大きな支障をきたす上に欧米とイスラム国家の間にヒビが入るという恐ろしい事態が考えられます。
長くなりましたが日本だけでなく世界中を巻き込む大問題ですからそれだけ安倍首相も悩まれたことでしょう。
心中お察しします。
さて安倍首相は「何もやってない」と言われますがとんでもない。
安倍首相はかなりの重要な実績を残しています。
防衛庁から防衛省への昇格、こじれにこじれた対中関係の改善、教育基本法改正、国民投票法、北朝鮮への経済制裁と拉致問題に対する強い姿勢など。
誰しもが考えながら決して口に出せなかった戦後レジュームからの脱却を進めた功績は大きいと思います(もちろん残業代ゼロ法案のようなバカ法案を検討してたり、批判されるべきところは多いですけどね)。
それにしても安倍首相は敵が多すぎました。
参議院選挙直前に出てくる「あまりにも不自然すぎる」閣僚のスキャンダルと露骨なバッシング、何より本来なら安倍首相を支援するべき自民党にいながら明らかに批判している(誰も行けといってないのに北朝鮮に勝手に行ったり中国に行ってニタニタしてるおっさんのことさ)のもいますし内外ともに敵があまりにも多すぎたのではないでしょうか。
「戦後レジュームからの脱却」を打ち出すということがどれだけ覚悟が必要だったかわかります。
安倍首相の後任になる新首相は是非拉致問題への解決と国際評価の維持、そして「美しい国」を実現するためにがんばってほしいです。
お疲れ様でした、安倍首相!
Posted at 2007/09/12 22:04:45 | |
トラックバック(0) |
政治・外交・安全保障 | 日記