今日の産経新聞の記事ですが、鳥肌がたちました。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090302/stt0903020008000-n1.htm
某党首党首が支持者との会合の際にポロっと言った言葉が何と
「拉致問題は北朝鮮に何を言っても解決しない。カネをいっぱい持っていき、『何人かください』って言うしかないだろ」
だそうです。
さすがに自分が寝ぼけてるのかと思いましたよ。
いくらあの人でもまさかそんなこと言わないだろうと。
事実ならとんでもないことです。
拉致事件とは、何の落ち度もなく平和に暮らしていた人たちがある日突然北朝鮮の国家犯罪として連れ去られたわけです。
それからもう何十年もたっています。
拉致された方々の多くはいまだに帰ってこられないんです。
人権蹂躙や国家の主権侵害なんていうレベルじゃない、とんでもない事件です。
米国が当事者なら空母を派遣していてもおかしくない事件です。
それを金で解決させようなんてのは論外です。
むしろ国家賠償と責任者の処罰を求める必要があるぐらいです。
確かに金を手段の一つとして使うのは有効だと思います。
しかしそれは北朝鮮を徹底的に経済制裁して国家が餓死寸前になったときに拉致事件の解決と引き換えに目の前に札束をぶら下げるという方法ならアリでしょう。
相手に「かえしてもらう」のではなくあくまでも「かえさせる」のが基本です。
交渉の中で譲歩の1つの選択肢として金の話が出るのなら判りますが、「カネをいっぱい持っていき、『何人かください』」では「身代金」を「献上」することになります。
これでは拉致事件が国家犯罪という認識が崩壊しますし、「何人か」ということは拉致されている方を全員救出するつもりは全くないと受け取れます。
言葉からは拉致事件は面倒なのでその辺で妥協して終らせたいとすら感じます。
拉致された方々の家族会の皆さんは渡米して米国大統領に面会するなど活発な活動をしています。
支援があるとはいえ、そんじょそこらの政治家では逆立ちしてもかなわないものすごい外交能力です。
なぜ平凡で平和に暮らしていた方々がこんな外交能力を身につけなければならないのでしょう?
拉致事件がなければそんなご苦労をする必要は全くなく、平和で幸せに暮らしていたはずです。
政府も政治家も拉致被害者を解決できていないから政治や外交のプロでもなんでもない被害者の家族が勉強され率先してやらざるを得ないんです。
テレビドラマなどで誘拐事件では家族が身代金を払ってくれるようにないてお願いする場面がよくあります。
自分の身内が帰って来るのなら金を払ってもらうようお願いしたいのが人情だと思います。
でも家族会の皆さんはあえて金ではなく制裁という厳しい道を選んで主張されています。
あえて身代金を選ばないのは、それでは全く筋が通っていないこと、そして何よりそんなことでは拉致された方々が帰ってこないことを知ってるからだと思います。
これは大変覚悟と勇気の要ることのはずです。
政治家は拉致された方々とその被害者家族のことを本気で考えてるのでしょうか?
金で解決という言葉はその覚悟と勇気を踏みにじることに他なりません。
国家が何よりも最優先させる仕事は年金でも橋や道路をつくることでも選挙でもありません。
それは「国民の生命財産を守ること」
これしかありません。
いまNYタイムズに拉致事件について意見広告を出す募金活動が始まっていますが、本当に出るのかどうかわかりませんが給付金の12000円が出たら使い道はこれになりそうです・・・・
Posted at 2009/03/02 20:13:57 | |
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