日本では政権交代で子供手当てだの高速無料化だのと話題になっていますが、国際情勢はそんな悠長なことを言ってるのとは次元が違います。
産経新聞の記事
北朝鮮の国連代表部は3日、国連安全保障理事会議長ウラン濃縮について最終段階に入ったことを表明したとのことです。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090904/kor0909040836000-n1.htm
ウラン濃縮・・・・中学で習いましたね?
要するに原爆の製造が最終段階ってことです。
原爆は大まかに2種類あって、プルトニウムを使った「長崎型原爆」と、濃縮ウランを使った「広島型原爆」があります。
長崎型原爆はプルトニウムの周囲に爆薬を配置し、同時にこれを炸裂させて爆発の力で瞬間的に圧縮させて核反応を起こさせる”爆縮”を使います。
プルトニウムは比較的手に入りやすい(原子炉を動かすと発生する)のですが、爆縮技術は非常に難しいので技術的に困難です。
北朝鮮の核実験の際に成功なのか失敗なのかと言われたのもこの技術ハードルが高かったからです。
一方広島型原爆は非常に高濃縮のウラン235をあるていどの量があれば簡単に作ることが出来ます。
容器を二つに仕切っておき、ウランを分けて入れておいて、使いたいときに核反応が勝手に始まる量になるように仕切りを壊せばいいだけですから。
ということで、実は高濃縮ウランさえあればそのへんの町工場でも作れるほど原理は非常に簡単なものだったりします。
ただしこの濃縮ウランは非常に入手が難しく(天然ウランで0.7%しか核反応を起こすウランがはいってませんが、原爆用では90%程度必要)、大規模な設備や時間がかかります。
北朝鮮が高濃度のウランを手にするということは、核兵器を脅しの道具からさらに1歩進むことを意味します。
先日の核実験は爆縮がうまくいかずに失敗した可能性があるなどと言われていましたが、高濃度ウランなら核実験をやる必要すらありません。
確実に、間違いなく核反応して原爆になるからです。
広島型と長崎型という二つの原爆を手にできれば、例えばプルトニウムを入手できないとか、爆縮が技術的に難しくて兵器の実用化には程遠いとなったとしても、たとえほんの少数かもしれないとはいえ確実に、100%核攻撃可能な原爆が残ることになります。
そして先日の弾道ミサイルの発射実験とこれが組み合わさったとき、日本を射程全部に収めることの出来る核ミサイルの照準が日本にむくことになります。
自衛隊を改組し、救助活動や医療支援を行う「サンダーバード隊」の創設(日本の血税を使って外国に指揮命令をまかせるの?手薄になった日本の防衛はどうなるの?)を国連で演説したいなんて思いつきで言ってる場合じゃないぞ!
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090903-00000088-jij-pol

写真は北朝鮮にお灸を添えるための船。
Posted at 2009/09/04 19:38:01 | |
トラックバック(0) |
政治・外交・安全保障 | 日記